瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

日本の民話1『信濃の民話』(14)

 10月22日付(10)の最後に書名だけメモして置いた、次の本を見た。
松谷みよ子・曽根喜一・水谷章三・久保進 編『戦後人形劇史の証言――太郎座の記録――一九八二年四月一九日発行・一声社・334頁・四六判上製本
 表紙は丸背の赤い布装、背表紙に黒の明朝体で上部右に標題、「形」の左からやや小さく副題を添える。下部に小さく「〈松谷みよ子 水谷章三/曾根喜一  久保 進〉 編」とあり、最下部に横並びでごく小さく版元名が入っているようであるがこれは分類票貼付のため分からない。
 見返しは表紙・裏表紙ともカーキ色の厚紙に見開きに橙色で立って横笛を吹く、背中で髪を束ねた少女の後ろ姿、その左に猿と白兎、右に少年、狐、鼬、狸、白鼠が座って耳を澄ませている様を描いた墨絵。鼬が折れ目になっているので鼬かどうか自信はない。
 次いで大理石風の透かしの入った厚紙の、左に表紙と同じ標題と編者名、その右に幹に顔の描かれた老樹のイラスト。右下に横組みで薄く版元名。
 次にアート紙の口絵が4頁(頁付なし)。1頁めは大きく「稽古場にて。竜の子太郎初演にむけて朝日新聞社提供)」、2頁めは5点、3頁め6点、4頁め6点の、主に人形劇(テレビ・映画)の写真。人形以外のものが写っている写真だけメモして置くと、2頁め右上「「お百姓とくま」のくまと瀬川拓男(1958)」右下「稽古場二階完成(1961)」3頁め上右「「あかずきん」NHKスタジオ風景(1961)」4頁め上左「1968年訪ソ公演。オブラッオフと若者たち」中左「1968年訪ソ公演/ソビエトでのパンフレット」右4段め「長野 民衆座時代(1948~50 ごろ)」。
 次いで中扉(頁付なし)上部中央にやや大きく「戦後人形劇史の証言 太郎座の記録」、その裏から「もくじ」が5頁(頁付なし)。5頁め2~4行めの中央に「扉・見返し・太郎座のパンフレット瀬川康男の挿絵より/もくじ下の写真「竜の子太郎」(再演)有賀二郎のプランより/装 釘    辻村益朗」。
 そして5~6頁「はじめに」から頁付があるのだが、中扉から「もくじ」まで既に6頁分あるのである。それとも口絵が1~4頁と云うことなのだろうか*1。6頁の左下に「編集委員/   松 谷 みよ子/   曽 根 喜 一/   水 谷 章 三/   久 保   進」。
 以下、瀬川氏のノートやガリ版の会報・ニュース・リーフレット・公演パンフレット・プログラム・チラシ・台本などの〔資料〕をほぼそのまま活字化、さらに当時の関係者の〔手記〕や、それから座員・関係者の〔アンケートより〕、標題と副題にあるように「証言」と「記録」により、瀬川拓男とその人形劇団太郎座の誕生から消滅までを辿って行く。さらに埋草風の(コラム)として「このころの人たちはいま……」として、元座員・関係者の現在がごく簡単に紹介されている。
 7頁(頁付なし)左上に「1 前 史 一九四七年――一九五三年」の扉、題の左下に「長野「ともだち座」「民衆座」から東京「人形座」をへて下町の紙芝居運動「みど/り会」まで」との説明を添える。下部にガリ版の「民衆座ニュース NO2」1頁の複写、これは10頁上段1~2行め、7行め~11頁上段に活字化されている。
 77頁(頁付なし)左上に「2 太郎座前期 一九五四年――一九六〇年*2」の扉、題の左下に「金町共同生活、子ども会のころから稽古場の確保、テレビ出演の日々へ」との説明を添える。下部に会報の表紙の複写、元はカラーらしく、最上部左寄せ大きく「太 郎 座」左下「」中央右寄りに顔の描かれた太陽と熊と狐と大鎌を持った男性のイラスト。102~111頁上段に活字化されている「太郎座」第二号の表紙らしい。
 121頁(頁付なし)左上に「3「たつの子太郎」「うぐいす姫」のころ 一九六〇年――一九六三年」の扉、題の左下に「はじめての本公演「たつの子太郎」の初演から「たべられた山んば」まで」との説明を添える。下部に会報の表紙の複写、やはりカラーらしく、最上部中央に「太郎座」点線の下線があって下に「2」、下部に樹木と鳥のイラスト。
 179頁(頁付なし)左上に「4 太郎座後期 一九六三年――一九七五年」の扉、題の左下に「「竜の子太郎」再演から」との説明を添える。下部に会報の表紙の複写、やはりカラーらしく、左上「太郎11963〈冬〉たろうプロ・劇団 太郎座」これは182~192頁に再録されている。
 289頁(頁付なし)は「付 瀬川拓男の思い出(幼、少年時代から)」の扉。母と同級生の回想と父瀬川知一良(1977.3.1歿)の松谷みよ子と結婚式に参加直後に書いた文章が再録されている。
 306~331頁は「もくじ」には「記録」との章立てになっている。306~307頁「太 郎 座 演 目」、308~312頁「太郎座に参加した人々」3段組で「氏名(劇団在籍年)(所属)」が年代順に並べられている。但し姓だけ、それも文字が分からず平仮名になっている人もいる。それから所属が入っていない人も多い。313~318頁上段「舞台公演記録」318頁中段~322頁中段3行め「NHK出演番組」322頁中段4行め~下段3行め「フジテレビ出演番組」322頁下段4行め~323頁上段6行め「TBS出演番組」323頁上段7行め~中段2行め「日本テレビ出演番組」323頁中段左に囲みで「」。
 324~331頁「瀬川拓男と太郎座の年譜」2段組。
 332~334頁、松谷みよ子「あ と が き」。編集の経緯について「はしがき」よりも生々しく述べている。
 次いで奥付。編者は「太郎座の記録刊行会   /松谷みよ子 曽根 喜一/水谷 章三 久保  進」。
 奥付の裏に瀬川拓男『脚本=龍の子太郎・うぐいす姫ほか』と瀬川拓男『民話=変身と抵抗の世界』の広告。

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 さて、とにかく人名や演目が多く出て来るので、人名索引や事項索引があったら便利なのだが作成されていない。作りたいところだけれども今、作成する余裕がないので、差当り必要なところだけ見て置くこととしよう。(以下続稿)

*1:当初「もくじ」が3頁分しかなかったのが、「あとがき」の記述からすると校了間際にアンケート回答や手記の追加や「記録」の増補などをしたために「もくじ」の分量が増えてしまった(しかし「もくじ」には頁付がないため、それから刊行まで時間の余裕がなかったために見過ごしてしまった)ことが考えられようか。

*2:「もくじ」では「2 「太郎座」前期」となっている。