瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

日本の民話35『越中の民話』(5)

 カバーについて2020年3月14日付(4)にて、2020年3月11日付(3)に見た上製本第一刷と比較した上製本第七刷に拠って、細目を見て置くこととしたい。扉や奥付については2019年12月21日付(1)にメモして置いた。
 1~2頁「はしがき」の内容については2019年12月23日付(2)に触れるところがあったが、もう少し細かく見て置こう。1頁7~8行め、

 私たちは、日本民族学に心をよせ、ここ二十年来、越中の民話をいろいろと採集し、かつしらべてきました。それが/こんどの「越中の民話」刊行の母体となったのであります。


 1頁14行め~2頁2行め、

 地域のわけ方は、富山市高岡市の中間にある呉羽山を中心として、呉東・呉西という二部にわけてみました。なか/には、どの地方にも共通する民話もありましたが、全体から見て一地方の名をあげたものもありました。
 また編集においては、採集は主として伊藤が当り、さらに石崎・佐伯の採集したものを加えました。次には、採集し/【1】た原話をこわさない程度に、石崎が主に再話し、その結果を三人交互に何回か訂正しあってまとめました。民話の配列/も、編者の合議においてなされたものであります。‥‥


 3~8頁(頁付なし)「目 次」、9頁(頁付なし)「【富山県の地図】」。
 11頁(頁付なし)「呉 東 地 方」の扉、12頁(頁付なし)の左下に「富 山 市 黒 部 市 魚 津 市/滑 川 市 下新川郡 中新川郡上新川郡 婦 負 郡」。
 仮に番号を附し、それから下詰めで小さく〔 〕に括って添えてある地域名を題のすぐ右に移し、頁と挿絵がある場合( )に入れて位置を示した。そして最後の頁、左下に小さく添えてある話者を示した。人名は7字分使って均等割付になっているが詰め、また複数の話者が横に並べて示されている場合「/」で下に添えた。
【1】白比丘尼中新川郡〕13~17頁(挿絵13頁上)
   はなし  岩田政次郎/長沢宗作
【2】地獄から追い返された話〔上新川郡〕18~19頁
   はなし  寺下トキ(故人)/谷井梅次
【3】地獄から娑婆へもどされた話〔上新川郡〕20~21頁
   はなし  寺下トキ(故人)/猟沢佐之次郎
【4】お守り札と小僧ま〔中新川郡〕22~24頁(挿絵22頁上)
   はなし  岩田政次郎/古戸法信
【5】うそくらべ〔婦負郡〕25~26頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【6】山の者にやりこめられた町の商人〔上新川郡〕27~30頁
   はなし  寺下トキ(故人)/磯上鶴次郎
【7】下女と鬼の面〔上新川郡〕31~32頁
   はなし  寺下トキ(故人)/赤井チヨ
【8】和尚はんに負けた赤鬼〔中新川郡〕33~35頁(挿絵33頁上)
   はなし  岩田政次郎/古戸法信
【9】扇でお日さまを返した話〔婦負郡〕36~37頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【10】金の扇と銀の扇〔中新川郡〕38頁
   はなし  岩田政次郎/平井ツキ
【11】なまくら太郎〔下新川郡〕39~41頁
   はなし  道下ハル/岡カズエ
【12】ばばすて山〔婦負郡〕42~48頁(挿絵42頁上)
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【13】ごもくと小桜〔婦負郡〕49~51頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【14】聟にしてもらった泥棒〔婦負郡〕52~54頁(挿絵52頁上)*1
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【15】聟さがし〔婦負郡〕55~56頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【16】聟のきもだめし〔婦負郡〕57~58頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【17】鶴の卵〔婦負郡〕59~61頁(挿絵59頁上)
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【18】嫁さに化けた蟹〔富山地方〕62~64頁
   はなし  大窪マスミ/長沢宗作
【19】狐に化かされた山伏〔婦負郡〕65~66頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【20】狐に化かされた油売り〔下新川郡〕67~68頁
   はなし  岩田政次郎/荒木良作
【21】天狗をだました若い衆〔婦負郡〕69~71頁(挿絵69頁上)
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【22】もるどを恐れた虎と狼〔婦負郡〕72~73頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【23】絵にかいた猫の手がら〔婦負郡〕74~75頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【24】里芋と豆腐のけんかに醤油〔富山市〕76~82頁(挿絵76頁上)
   はなし  大窪マスミ
【25】豆腐の病気〔下新川郡〕83頁
   はなし  道下ハル/池口正則
【26】山鳩と蜂の恩がえし〔下新川郡〕84~88頁(挿絵84頁上)
   はなし  道下ハル/久我由次郎
【27】蜂と蟻と蜘蛛〔上新川郡〕89~90頁
   はなし  寺下トキ(故人)/藤本七郎
【28】山椒となんば〔上新川郡〕91頁
   はなし  寺下トキ(故人)/藤本七郎
【29】だんごころころ〔上新川郡〕92~94頁(挿絵92頁上)
   はなし  谷井梅次/磯上鶴次郎
【30】十三人の炭焼き〔下新川郡〕95~96頁
   はなし  道下ハル/池口正則
【31】宝物をもらったこびきさ〔中新川郡〕97~98頁
   はなし  古戸法信/岩田政次郎
【32】だらの話〔上新川郡〕99~104頁(挿絵99頁上)
   はなし  寺下トキ(故人)/谷井梅次
【33】狩人のえもの〔上新川郡〕105~106頁
   はなし  寺下トキ(故人)/谷井梅次
【34】ばかな兄弟〔婦負郡〕107~112頁(挿絵107頁上)
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【35】残ったかい餅さわぎ〔婦負郡〕113~114頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【36】ほろほろ涙のだんご坂〔婦負郡〕115~116頁
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【37】茶栗柿を売りに〔婦負郡〕117~119頁(挿絵117頁上)
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【38】ばかなにらめっこ〔婦負郡〕120~121頁
   はなし  田口作次郎(故人)/前田作次郎
【39】ばかな男〔上新川郡〕122~123頁
   はなし  寺下トキ(故人)/横田幸四郎
【40】烏のあほう〔上新川郡〕124頁
   はなし  寺下トキ(故人)/谷井梅次
【41】とんびの魚売り〔上新川郡〕125頁
   はなし  寺下トキ(故人)/横田幸四郎
【42】ばあまの一念〔婦負郡〕126~129頁(挿絵126頁上)
   はなし  田口作次郎(故人)/伊藤タメ
【43】長い長いはなし〔上新川郡〕130~131頁
   はなし  谷井梅次/山下粂次郎
【44】わらべうた〔呉東地方〕132~135頁
 わらべうたの細目は省略する。次回「呉西地方」を見て、地域と話者について確認することとしよう。(以下続稿)

*1:「目次」には「聟さにしてもらった泥棒」とある。