・現代教養文庫1055(2)
昨日の続きで「はじめに」の最後の方を見て置こう。6頁2~12行め、
編者の聞書、採集以外の資料については、本文に関係深い部分だけの再録にとどめた。原文は/できるだけ尊重したが、一部分の抜書で充分でない場合は、前後を要約させてもらった。
旧地名はできるだけ現地名を( )内に付記した。また引用文中の( )は編著者が補っ/た。
引用した文献資料のうち『静岡県伝説昔話集』など静岡県下のものが多くなったのは、本書の/原稿が東伊豆赤沢の山荘で作製されたからにほかならず他意はない。
「付(二)妖怪研究」は、かつて『日本民俗学大系』に発表したものに今回加筆したものである。
なお、左記の方がたの連絡先につきお心あたりのある方はお手数ながら編集部まで、ご一報願/いたい。
垣田五百次氏、岡田建文氏、久保清氏、雑賀貞次郎氏、小口伊乙氏、真鍋健一氏、只野真葛/氏、鈴木重光氏、山田良隆氏、中平悦麿氏、外山暦郎氏
従って本書に引用されている資料は、出来るだけ原典に遡って使用すべきである。
岡田建文は昭和20年(1945)空襲下の東京で消息不明になっている。本を見ればもう少し分かるのだがネット等で判明したのは雑賀貞次郎(1884.1~1964.4.24)と鈴木重光(1888.2.14~1967.1.4)くらいである。もちろん必ず本人、と云う訳ではなく著作権継承者からの連絡も含めての告知なのだろうけれども、少々奇怪なのは只野真葛(1763~1825.六.二十六)が混ざっていることである。それはともかく、ここに名前が挙がっていない人には、当時、本人もしくは遺族に連絡が付いていたのかと思うと、そちらの方を教えて欲しいと思ってしまうのである。――今からすると詮無いことだが。
7~11頁「目次」、7頁(頁付なし)は扉「日本怪談集――妖怪篇 目 次」。最後に下寄せでやや小さく、11頁16行め「(各章扉の挿図は『百鬼夜行』鳥山石燕)」とある。
内容を細かく見ていく余裕がないので、今回は大雑把に全体を見渡すに止め、しばらくは必要な章節のみ、細かく見て行くこととする。全体については来春以降にでも、中公文庫版上下2巻本と比較しながら、細かくメモすることとしよう*1。
13頁(頁付なし)「第一章 路上に出没する妖怪」の扉、挿図は「〇見越*2」。
本文14~38頁。
39頁(頁付なし)「第二章 家の中の化け物」の扉、挿図は「〇反枕*3」。
本文40~50頁。
51頁(頁付なし)「第三章 河 童」の扉、挿図は「〇河童*4」。
本文52~70頁。
71頁(頁付なし)「第四章 山童とその他の童怪*5」の扉、挿図は「〇山童*6」。
本文72~84頁。
85頁(頁付なし)「第五章 ぶきみな化け物」の扉、挿図は「〇飛頭蠻*7」。
本文86~119頁。
121頁(頁付なし)「第六章 ユーモラスなケモノたち」の扉、挿図は「〇獺*8」。
本文122~154頁。
155頁(頁付なし)「第七章 恐ろしい動物の怪」の扉、挿図は「〇猫また*9」。
本文156~182頁。
183頁(頁付なし)「第八章 鬼 と 天 狗」の扉、挿図は「〇天狗*10」。
本文184~217頁。
219頁(頁付なし)「第九章 山 姥」の扉、挿図は「〇山姥*11」。
本文220~235頁。
237頁(頁付なし)「第十章 磯 女」の扉、挿図は「〇人魚*12」。
本文238~252頁。
253頁(頁付なし)「第十一章 雪 女」の扉、挿図は「〇雪女*13」。
本文254~268頁。
269頁(頁付なし)「付(一) 妖怪外伝」の扉、挿図は「〇古山茶の霊*14」。
本文270~315頁。
317頁(頁付なし)「付(二) 妖怪研究」の扉、挿図は「〇青坊主*15」。
本文318~336頁。
337~342頁「参 考 文 献」。
挿図などについても又の機会に、細かく確認して置きたいと思っている。
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なお、昨日見た今野氏の孫が通っていた学校だけれども、奥付に載っている住所(東京都世田谷区深沢)で公立に通っていたとすれば、世田谷区立東深沢小学校と思われる。(以下続稿)