瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

守屋龍男『多摩の低山』(5)

・守屋龍男『多摩の低山 埋もれた道・懐かしい道38コース』(4)
 5月25日付(1)に引いた『新 多摩の低山』の「後書き」によって、本書が「8刷まで版を重ね」ていたことは分かっていたが、当初見ていた⑥第六刷は見たところ昭和63年(1988)現在、すなわち第一刷と変わりないように見えたので、⑧第八刷まで改訂はなく、そのまま増刷することが難しくなったので改訂版である『新 多摩の低山』を執筆したのだろう、と思っていた。
 ところが、⑧第八刷を見てみると、カバー装になっている他、「著者近影」を潰して「あとがき(第8刷)」を追加している他、2節だが大きな改訂、昨日詳細を見たように【1】は(注)として追加する形だったが【8】は本文にも大きく手を入れていたことが分かった。しかしこの2節、取材はともに「平成6年1月歩く」となっていて、⑧第八刷の刊行は平成7年(1995)8月、うっかりしていて6月3日付(3)に触れるのを忘れていたが、「あとがき(第8刷)」の最後、238頁11行めに2行取り4字下げで「平成7年7月  著者しるす」とあって、取材から1年半が経過している。そうすると、或いは【1】と【8】の改訂は、⑦第七刷で為されたのではないか、とも思われて来る。しかし図書館OPACは、後刷であっても初刷の年が入っていることが多いから、図書館で第七刷を探すのは容易ではない。現に私が借りている⑥第六刷と⑧第八刷とも、OPACでの発行年は「1988」となっている。もちろん、増刷の間隔は次第に長くなるのが普通だから、第七刷は平成3年(1991)9月刊行の⑥第六刷と平成7年(1995)8月の⑧第八刷の間の、どちらかと云えば前半に出ているのではないか、と思うのだけれども。
 とにかく、1つの刷・1つの版を見ただけではいけないので、何度も増刷されている本の場合(本書はガイドブックだから尚更)出来るだけ多くの版を見る必要があるのである。
 さて、大きな改訂は【1】【8】の2節のみのようであるが、小さな修正は細かく入っているようである。ここでは、5月27日付「道了堂(62)」に取り上げた次の節を見て置こう。
【2】野猿峠から絹の道(14~18頁)
・冒頭14頁4行め、②③⑥は、

 八王子市は都下で第1の人口を誇る巨大な市になった。(昭和62年・43万人)

となっていたが⑧は最後の括弧が(平成5年12月末・47万7千人)となっている。
・17頁12行め、5月27日付「道了堂(62)」の引用の最後、「八木下家の屋敷跡」の「記念館」について、②③⑥(昭和64年春に完成予定)が⑧(昭和64年春に完成)になっているが、絹の道資料館が開館したのは昭和64年=平成元年(1989)ではなく平成2年(1990)3月である。
・18頁11行め、5月27日付「道了堂(62)」に触れるのを忘れていたが「■コースタイム」に「‥‥―30分―大塚山道了堂跡―20分―‥‥」とある。
・16頁右下「野猿峠・絹の道付近概略図」の②③⑥「大塚山道了堂→卍」が⑧は「大塚山公園/(旧大塚山道了堂)→卍」に、②③⑥「商人屋敷跡」が⑧は「絹の道資料館/(旧商人屋敷跡)」になっている。(以下続稿)