瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

清水成夫 編『八王子周辺の民話』(2)

・郷土資料シリーズ⑷『八王子周辺の民話』(2)
 扉の裏に東京都立八王子図書館長の秋間節愛「まえがき」がある。「昭和四十三年八月一日」付で、まづ最初の2段落で民話の意義について述べ、そして範囲と編輯については3段落め、6~8行めに、

 民話の解釈には、伝説を含めないいわゆる「昔話」だけに限定する考えかたもあるが、本集においては編者・清水成/夫氏に依頼して、伝説をも含めた、広い意味での民話として、それも民衆自身の生活のなかで語られたものを主として/集録してもらい、当館郷土資料シリーズ第四集として刊行することとした。

と説明している。ついで「目次」が2頁(頁付なし)、2段組で、1頁めの上段はまづ4字下げ3行取りでやや大きく「目  次」とあり、以下14話の題と(場所)頁を、「亀屋の徳利………………………(八王子市八日町)…1」の如く示す。下段17話、2頁め上段17話、下段17話のうち8話めまで合計56話が八王子市、次いで町田市4話、多摩町3話、日野市2話,総計65話である。「昔話」は殆ど入っていない。
 本文も2段組で、最初に3行取りで上段の中央辺りにやや大きく題「亀 屋 の 徳 利*1」下段の下詰めで小さく「<八王子市八日町>」と場所を示す。頁付は下部中央に「― 1 ―」。1段17行、1行25字、図版がある場合は文章の後に添えている。そして典拠は最後の頁(上段もしくは下段に収まってしまう場合は段)の左下に示している。
 以下、整理のために仮に【番号】を打ち、話の題と<場所>、収録位置、典拠、図版がある場合はその収録位置とキャプションを示した。題とキャプションは字間を空けているものが多いが検索の便宜を考えて詰めた。
【1】亀屋の徳利*2<八王子市八日町>1~2頁
 典拠「八王子市役所編 『八 王 子』」
 図版2頁下「徳利亀屋の広告(昭和十五年)*3」キャプション右
【2】丹前勝山<八王子市横山町>3~4頁
 図版4頁下「勝山髷」キャプション上「<金沢康隆著「江戸結髪史」挿図より模写>」キャプション左
【3】鼻取如來<八王子市大横町>5頁
 典拠「『桑 都 日 記』」
【4】蛇姫物語<八王子市千人町>6頁
 典拠「大野清次郎・談」
【5】原半左衛門と馬<八王子市千人町>7頁
 典拠「清水庫之祐 編者『新著聞集』」
【6】水無河原<八王子市日吉町>8頁
 図版8頁左下「水無瀬橋」キャプション上
【7】現宝稲荷社<八王子市本郷町>9~10頁
 典拠「山本正夫・談」
【8】富士塚<八王子市上野町>11頁
 典拠「峰尾甚八・談話」上段左下
 図版11頁下「富士塚」キャプション下
【9】喜福寺の化け猫*4<八王子市中野町>12~13頁
 典拠「村田光彦著『炉辺談話』」
 図版13頁下「喜福寺」キャプション下
【10】大谷弁天池<八王子市大谷町>14頁
 典拠「第八小学校編『郷土のはなし』」
 図版「大谷弁天池」キャプション右
【11】大和田河原の刑場<八王子市大和田町>15頁
 典拠「第八小学校編『郷土のはなし』」
 図版「大和田刑場跡(旧岳南製紙構内)
【12】関根父子の大蛇退治<八王子市大和田町>16頁
 典拠「木下止・談」
【13】玉蜀黍を嫌う*5<八王子市石川町>17頁
 典拠「和田ひやく・談」
【14】首なし地蔵<八王子市石川町>18頁
 図版18頁下左「首なし地蔵(現在跡形もない)」キャプション左
【15】姫宮八幡(青木神社)<八王子市宇津木町>19頁
 典拠「坂本団蔵・談」
 図版19頁下「姫宮八幡」キャプション下
【16】笛継観音<八王子市小宮町>20頁
 図版20頁下「笛継観音」キャプション上
【17】きんせん平<八王子市平町>21頁上
【18】因果物語<八王子市高月町>21頁下
 典拠「『因果物語』」
【19】徳蔵塚<八王子市楢原町>22頁
 典拠「橋本義夫・談」
【20】石畳と化け狐<八王子市楢原町>23頁
 典拠「橋本義夫・談」
【21】縄切れ丘<八王子市美山町>24頁
【22】天狗の爪*6<八王子市元八王子町>25頁上
【23】眼と魚と轡虫*7<八王子市元八王子町>25頁下
【24】奇僧の呪文<八王子市大楽寺町>26頁
 典拠「村田光彦著『炉辺談話』」
【25】七度返りの刀<八王子市高尾町>27頁
 典拠「不老軒宅多多著『露草雙紙』」
 図版27頁下左「露草雙紙の挿画」キャプション上
【26】高尾の天狗*8<八王子市高尾町>28~29頁
 典拠「『露草雙紙』」
 図版29頁左上「高尾の天狗」キャプション下
【27】鰻になった娘<八王子市裏高尾町>30頁上~下2行め
【28】景信山と木下沢<八王子市裏高尾町>30頁下3~11行め
 典拠「逸見敏刀・談」
【29】蜘蛛の妖怪<八王子市裏高尾町>31~32頁
 典拠「逸見敏刀・談」
【30】小仏峠の怪女<八王子市裏高尾町>33~34頁上
 典拠「『梅翁随筆』」
 図版34頁上左「小仏の村家」キャプション上
【31】雨滝の観音<八王子市裏高尾町>34頁下
【32】大仏と小仏<八王子市裏高尾町>35頁
【33】さす<八王子市小津町>36頁上
【34】雨乞い祭り<八王子市西寺方町>36頁下
【35】埋めた軍用金<八王子市恩方町*9>37~38頁
 典拠「塩田真八編『恩方村の伝説』」
 図版38頁下「恩方の山々」キャプション上
【36】枕を返した不動様<八王子市下恩方町>39頁
 典拠「塩田真八編『恩方村の伝説』」
【37】狢の空死に*10<八王子市上恩方町*11>40頁
 典拠「塩田真八編『恩方村の伝説』」
【38】蛇山*12<八王子市上恩方町>41頁
 典拠「塩田真八編『恩方村の伝説』」
 図版41頁下「蛇山」キャプション上
【39】まさか様の御神体<八王子市上恩方町>42頁
 典拠「塩田真八編『恩方村の伝説』」
 図版「まさか様(この石の下に御神体が埋めてある)」
【40】川を逆さに流れた不動様<八王子市上恩方町>43頁
 典拠「塩田真八編『恩方村の伝説』」
【41】勝負地蔵と『ろくかげ』<八王子市上恩方町>44頁
 典拠「塩田真八編『恩方村の伝説』」
【42】神竜の伝説<八王子市長房町>45頁
【43】おしめり祭り<八王子市館町>46頁上~下2
【44】館に節句はない<八王子市館町>46頁下3~10
【45】椚坂<八王子市椚田町>47頁
 典拠「大貫房五郎・談」
 図版47頁下「椚坂」
【46】こりとり<八王子市椚田町>48頁上
【47】稚児塚と月見橋<八王子市小比企町>48頁下
【48】袋谷戸<八王子市宇津貫町>49頁上
【49】地蔵畑<八王子市宇津貫町>49頁下
 典拠「『多摩史談』」
【50】出世の薬罐*13<八王子市松木>50頁
【51】山の神<八王子市松木>51頁
 典拠「由木郷土研究会編『由木民話集』」
【52】蓮生寺長池*14<八王子市松木>51頁
 典拠「由木郷土研究会編『由木民話集』」
【53】沈んだ鐘<八王子市中山町>53頁上1~11
【54】嫁入り谷口<八王子市鑓水>53頁上12~下
【55】焼餅石<八王子市上柚木>54頁
 典拠「『由木民話集』」
 図版54頁下「路傍の石仏」キャプション上
【56】根っこ八<八王子市南大沢>55頁
 典拠「由木郷土研究会編『由木民話集』」
【57】大日如来埋没記<町田市小山町>56頁
 典拠「八木純一・述」
【58】盲者の祟り<町田市小山田町>57~58頁
 典拠「『多摩史談』」
【59】野盗塚<町田市原町田町>59~60頁
 典拠「『相原農蚕校友誌』」
【60】こうせん塚<町田市小野路町>61頁
 典拠「『多摩史談』」
【61】巖耕地の怒り井戸*15<多摩町落合>62頁
 典拠「高村仁平の母・談」
【62】五兵衛<多摩郡落合*16>63頁上~下1
 典拠「古沢勇助・談」
【63】三本松<多摩町落合町*17>63頁下3~9
【64】ぬすっと薬師<日野市宮町>64頁
 典拠「『武蔵野手帳』」
【65】挙観音*18<日野市日野町>65頁
 典拠「『武蔵野手帳』」
 図版65頁下「挙観音」キャプション上

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 続く橋本義夫「跋」と「索引」は次回に回す。(以下続稿)

*1:ルビ「とつ くり」。

*2:ルビ「とつ くり」。

*3:徳利亀屋の廃業が2頁上段14~16行め「昭和六年六月」であること、広告に「年週十行施制市祝」とあることから「昭和」ではなく「大正」のはず。

*4:ルビ「ば・ねこ」。

*5:ルビ「とうもろこし」。

*6:ルビ「てん ぐ 」。

*7:ルビ「くつわむし」。

*8:ルビ「てん ぐ 」。

*9:「目次」と「索引」には「下恩方町」とあり。

*10:ルビ「むじな・そら じ 」。

*11:「目次」と「索引」には「恩方町」とあり。

*12:ルビ「じゃ やま」。

*13:ルビ「や  かん」。

*14:ルビ「れんしようじ」。また場所は松木ではなく別所。

*15:ルビ「げんこうじ 」。

*16:「目次」には「 〃  〃 」、「索引」には「多摩町・落合」とあり。

*17:「目次」には「 〃  〃 」、「索引」には「多摩町・落合」とあり。

*18:ルビ「もちあげ」。