瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

稲川淳二『稲川怪談』(3)

 昨日の続きで今年刊行された②『昭和・平成・令和 長編集』の細目と「出典・初出一覧」を眺めて置こう。要領は昨日に同じ。
・7頁(頁付なし)扉「第一章 怖い記憶」全面に写真、カバー裏表紙「6」に同じ。
【1】真っ赤な男(8~13頁)
 ユニJオフィース
【2】パニック番組(14~25頁)
(原題:研ナオコが驚愕した戦慄)
 ユニJオフィース
【3】真夜中のラジオ局(26~35頁)
(原題:N放送のレコード室)26頁2行め~31頁3行め
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
(原題:スタジオの編集室)31頁4行め~35頁14行め
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
【4】黄色く光る顔(36~54頁)
【4-1】こけら落としの夜(36頁2行め~51頁)
 ユニJオフィース
【4-2】窓の外に浮かぶ顔(52~54頁)
(原題:窓の外に浮かぶ黄色い顔)
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話』2003
・55頁(頁付なし)扉「第二章 怖い噂」全面に写真、カバー裏表紙「1」に同じ。
【1】消えた家族(56~70頁)
 『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 消えた家族』2015
【2】NPO(71~87頁)
(原題:真下の怨霊)
 『真説 稲川淳二のすご~く恐い話 真下の怨霊』2011
【3】ビバーク(88~106頁)
(原題:雪山 ビバーク
 『稲川淳二のすご~く恐い話(Part5)』2002
【4】ナオ・バーズ・バー(107~116頁)
【4-1】闇夜の赤ん坊(107頁2行め~110頁)
(原題:闇夜に泣く赤ん坊)
 ユニJオフィース
【4-2】ピンクの女(111~116頁)
(原題:私の店にくるピンクの女)
 『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』2001
・117頁(頁付なし)扉「第三章 怖い場所」全面に写真、カバー裏表紙にはないが髪型からして「6」と同じときの撮影か。
【1】樹海の声(118~139頁)
(原題:富士の樹海)
 『稲川淳二のすご~く恐い話(Part4)』2000
【2】奥多摩の河原(140~145頁)
(原題:河原でボール遊びする女の子)
 『稲川淳二のすご~く恐い話(Part5)』2002
【3】目黒のスタジオ(146~153頁)
(原題:テレビスタジオに響く行進)146頁2行め~150頁3行め
 『稲川淳二のすご~く恐い話』1994
(原題:七三一部隊)150頁4行め~153頁9行め
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話 身代わり人形』2004
【4】八王子の首なし地蔵(154~170頁)
【4-1】お地蔵さんの祟り(154頁2行め~161頁)
 ユニJオフィース
【4-2】八王子怨霊地帯(162~170頁)
 『稲川淳二のすご~く恐い話(Part2)』1995
・171頁(頁付なし)扉「第四章 怖い噺」全面に写真、カバー裏表紙「1・5・9」と同じときの撮影か。
【1】古い火葬場(172~185頁)
(原題:病院裏の火葬場)
 『稲川淳二のすご~く恐い話(Part4)』2000
【2】そして俺は死んだ(186~192頁)
(原題:そしてオレは死んだ)
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話 真夜中の訪問者』2006
【3】真下の住人(193~201頁)
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話 連れてけや』2008
【4】東京大空襲(202~211頁)
【4-1】旧明治座の怪(202頁2行め~205頁)
 『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』2001
【4-2】師匠の思い出(206~211頁)
(原題:東京大空襲
 『稲川淳二のすご~く恐い話(Part4)』2000
 「目次」には「傑作短編集」とあるが本文にこの見出しはない。見開き2頁の1話を黒い太枠で囲っている。
【1】123便(212~213頁)
(原題:墜落現場の霊)
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話 廃墟の足跡』2010
【2】深夜のタクシー(214~215頁)
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話 異人館に棲む少女』2007
【3】四国の廃病院(216~217頁)
(原題:わかるようなわかんない話)
 ユニJオフィース
【4】かくれんぼ(218~219頁)
 『新 稲川淳二のすご~く恐い話 窓を叩く女』2005
 4つの章に分かれているのは、昨日見た①『昭和・平成傑作選』に同じ。
 気になる点を幾つか挙げて置こう。①は『稲川淳二のすご~く恐い話Ⅱ』の如くローマ数字にしていたのが②では『稲川淳二のすご~く恐い話(Part2)』と、表示の仕方が異なっている。また、『稲川淳二のすご~く恐い話』の刊年を①は「1995」としていたのに②は「1994」としている。もし平成6年(1994)刊行が正しいのなら12月16日付「『稲川淳二のすご~く恐い話』(2)」に述べた疑問の答えとなるが、どうなのだろう。
 それから、書名ではなく「ユニJオフィース」としている話が幾つかある。これも①は「2004」もしくは「2006」と年を添えていたが、②は年を入れていない。これについて別に検討することにする。
 とにかく、これらの揺れからして、どうやら、①と②では編集担当者が違うらしい。②には①では使用されていなかった『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』が挙がっている。しかし「ベストセレクション」なのだから、既刊分からの抜萃に決まっているので、どう考えても「初出」にはならないはずである*1。『稲川淳二のすご~く恐い話 ベストセレクション』の内容については Amazon 詳細ページの「試し読み」で細目が確認出来るので、次回、もう少々この点を掘り下げて、本シリーズ編集の問題点を指摘したいと思う。(以下続稿)

*1:「出典」にはなるかも知れないが。