瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

赤いマント(343)

鈴木義昭『風のアナキスト 竹中労』(2)生年月日⑨
 1月24日付(338)に引いた鈴木邦男竹中労』に「竹中労については、ともかく詳しいし、何でも知っている」と云う鈴木義昭の書いた「竹中労の本」、先月中旬には借りていて、竹中氏の年齢に関わりそうな箇所に附箋を貼り付けてあったのだが、他の返却期限が迫っている本を見たりしているうちに後回しになってしまった。
鈴木義昭『風のアナキスト 竹中労一九九四年 五 月一九日 第一版第一刷発行・定価2000円・現代書館・213頁・四六判上製本

 「序」11頁12~16行めに、

 この書物は、竹中労の巷談と竹中労へのインタビュー、そしてそれを継ぐ僕のいくつかのレポート/によって構成されている。
 竹中労の「語り」は、必ず問題の核心へと突き進まずにはおかなかった。この書の「語り」の核は、/「アナキズム」である。そう、これは「竹中労の世界」「竹中労アナキズム」への入門書である。評/伝・伝記の類ではない。まさに「竹中労独演会」なのだ。

とあり、また「結び」の213頁2行めにも「巷談、インタビュー、レポートの三面構成によって、竹中労とその思想への入門篇」とある。鈴木氏による序や結び、レポートは新稿だけれども巷談、インタビューは再録で、末尾に下寄せで小さく初出が示されている。
 見返し(遊紙)は桃色、続いて全面に竹中氏を斜め後ろから写した写真の扉。
 1頁(頁付なし)「目次」の扉、2~3頁(頁付なし)目次で3頁左下にごく小さく「装幀・貝原 浩」とある。
5~12頁「序 竹中労の語り口」
13~27頁「インタビュー1/キミは竹中労を見たか !? 」[『アシュラ』一九八六年四月創刊号]
28~44頁「レポート1竹中労アナキズム
45~66頁「巷談1対馬へ、島うたと右翼の源流」[「巷談の会」口演一九七六年三月五日]
67~80頁「巷談2テロリズムの系譜、大杉栄甘粕正彦」[「巷談の会」口演一九七六年七月五日]
81~91頁「レポート2/労さんとの仕事」
92~110頁「巷談3/黒旗水滸伝から山上伊太郎まで」[木馬亭竹中労独演会」口演一九七七年六月八日]
111~124頁「巷談4/大正地獄篇より、襤褸の街・関東大震災への道」[「木馬亭巷談倶楽部」口演一九七七年十二月八日]
125~134頁「インタビュー2/中東水滸伝日本赤軍を追う」[『新雑誌X』一九八八年八月号]
135~150頁「インタビュー3/中東水滸伝・「さらば、日本赤軍」」(『幻想文学』二十七号・一九八九年九月、「〝愛しの『ドグラマグラ』〟結びにならない・結び」より)
151~168頁「レポート3/刺青秘話」
169~177頁「インタビュー4/病魔と私闘の日々」[『噂の真相』一九八八年十一月号]
178~202頁「インタビュー5美空ひばりからビートルズアナキズムへ/――昭和芸能史を語る~昭和から平成へ~」八九年一月二十八日取材/[『あそび専門街』一九八九年四月号「サバイバル人間学」を全面的に改稿]
203~213頁「結び 桃源、いずくにありや」
 白紙が1頁あって奥付、裏に「現 代 書 館」の目録7点。

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 竹中氏について書いたもの、それから竹中氏の著作に僅かながら目を通して、思うところがない訳ではないが妙な見識を示すのは止しにして、ここでは鈴木氏が竹中氏が昭和3年(1928)生だと信じていたらしい根拠と、本書の中に散見される竹中氏の年齢に関係する記述を拾うに止めて置こう。(以下続稿)