瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島敦の文庫本(26)

新潮文庫1895(6)
 2012年2月8日付(11)及び2012年2月12日付(15)に、新潮文庫1895『李陵・山月記』の諸版について、その時点で私の見ていた材料に基づいて①②③④に整理してみた。
 尤も当時、まだ①版を見ていなかったが、恐らく②版の前には①版しかなかったであろうと考えて、このように整理したのであったが、その後漸く①版を見る機会を得た。
・昭和四十九年七月十日十刷(137頁)\120
 ここでは、私の見ている唯一の②版である、
・昭和五十五年五月二十五日二十五刷(144頁)\180
と比較しつつ、記述してみる。

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 ①十刷のカバーはクリーム色地で、カバー表紙の上半分に9.4cmの緑色の横線が1.1cm間隔で7本引かれている。その間の1行めに「李陵・山月記」2行めに「中島敦」6行めに「新潮文庫」とほぼ同じ大きさ(6行めが若干小さい)の明朝体左寄せで入る。左下に緑色で葡萄マーク*1。②③④「カバー 原田維夫」は②十八刷改版に際しての改装であろう。
 カバー背表紙のレイアウトは②二十五刷にほぼ同じ、上部に標題「李陵・山月記」、中央やや下「中島 敦」は明朝体、下部に「新潮文庫〔草〕 七七   120」〔草〕は明朝体で横並び、他はゴシック体、定価は横並び*2。②二十五刷との異同はこの最下部が「七七A  180」となっているところ。
 カバー裏表紙、右上の紹介文は②二十五刷と同版に見える。その上下に9.4cmの横線、2本の線の間は6.6cm。これは黒線になっているが②二十五刷もそのまま。下の横線の下、中央に黒の葡萄マーク、これは②二十五刷に同じ。右下にゴシック体太字で「\120」とあるが左下には何もない*3
 カバー裏表紙折返しの広告については3月25日付「「新潮社の辞典!」の広告(1)」に追加したので参照されたい。左下に小さく横組みで「カバー 錦明印刷」とある*4のも②二十五刷に同じ。
 カバー表紙折返しには何も印刷されていない。
 本体、1頁(頁付なし)扉はレイアウトは同じだが、葡萄マークや活字が異なるようである。
 3頁(頁付なし)「目次」はまず「山月記名人伝/弟子/李陵」と上寄せであって間を「……」で繋いで、下寄せで「七/ 一七/ 二七/ 六七」とある。②二十五刷は「七/ 一七/ 二七/ 六九」となっている。①十刷はもう2行「注 解  吉 田 精 一/解 説  瀬 沼 茂 樹」と下寄せであるが、②二十五刷は1字下げで一回り小さな字で「注  解/解  説/年  譜」とあり、「……」で繋いで下寄せで作品名と同じ大きさの活字で「吉 田 精 一 一二〇/瀬 沼 茂 樹 一三四/一四二」とある。以上目次の頁を示す漢数字は全て半角。(以下続稿)

*1:2017年7月19日追記】①十四刷も同じ。

*2:2017年7月19日追記】①十四刷は最下部が「140」となっている。

*3:2017年7月19日追記】①十四刷は「¥ 140」になっている。

*4:2017年7月19日追記】①十四刷も同じ。