瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

演劇

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(131)

・杉村顕道の家系(4) 杉村顕道の父・正謙の回想が『懐旧録』もしくは『杉村正謙懐旧録』の題で、昭和48年(1973)1月に杉村顕道によって刊行されている。国立国会図書館に所蔵されているので見に行こうと思っているが、なかなか国立国会図書館に行く暇が…

『三田村鳶魚日記』(13)

神戸陳書会については、既に古書マニアによる言及が幾つかあるらしいので、それらの人々が注目しないであろう河本氏について触れるに止める。 ・ちくま文庫『古本でお散歩』(二〇〇一年七月十日第一刷発行・定価780円・筑摩書房・366頁)古本でお散歩 (ちく…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(64)

・岡本綺堂「影」(8) さて、戯曲では、小説と違って地の文が使えません。「木曾の旅人」は台詞の間に適切に差し挟まれた地の文が、緊張感を高める効果を上げていたのですが、戯曲では台詞か、舞台の様子や登場人物の動きを説明するト書きだけになります。…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(63)

・岡本綺堂「影」(7) 昨日の続きで、本作が宜しくない理由をもう少し突っ込んで述べて見ましょう。 「木曾の旅人」では、杣の重兵衛の子供・太吉が怯えて泣き、遅れて杣小屋を訪れた猟師の弥七が連れて来た黒犬が吠え続けるのですが、重兵衛と弥七は何も…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(62)

・岡本綺堂「影」(6) 9月18日付(59)に述べたように、本作を初出誌で読んだとき私はかなりがっかりしました。そして9月17日付(58)にも言及した安藤鶴夫の「凡作」との評に納得したものでしたが、一旦本作についての記事を切り上げるに当たり、本作のど…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(61)

・岡本綺堂「影」(5) 昨日の続きで、幽Classics『飛驒の怪談』の「編者解説」から、戯曲「影」について述べた箇所の後半を見て置きましょう。314頁11行め〜315頁2行め、 芸妓おつやが、旅人の妖変に気づくあたりの暗示的な演出はまことに巧みで、舞台上に…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(60)

・岡本綺堂「影」(4) 昨日の続き。 幽Classics『飛驒の怪談』の「編者解説」から、戯曲「影」について述べた箇所を抜いて置きましょう。学研M文庫 伝奇ノ匣2『岡本綺堂 妖術伝奇集』には触れるところがありません。 表題作に据えた「飛驒の怪談」の解説…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(59)

・岡本綺堂「影」(3) 昨日触れたように、本作を読むには10年前に幽Classics『飛驒の怪談』に収録されるまで、初出誌に当たるしかありませんでした。――私は2014年3月24日付「楠勝平『おせん』(1)」に述べた、浪人時代に入り浸っていた某区立図書館で『…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(58)

・岡本綺堂「影」(2) 岡本氏晩年の戯曲「影」については、初出誌から取った複写がどこかに紛れ込んでしまい、そのうち本文も2011年1月9日付「岡本綺堂『飛騨の怪談』(1)」に書影を貼付した、東雅夫編の幽Classics『飛驒の怪談 新編 綺堂怪奇名作選』に…

Wilhelm Meyer-Förster “Alt-Heidelberg”(3)

3月15日付(2)の続き。 私の参照した岩波文庫旧版(番匠谷英一譯)旺文社文庫(植田敏郎訳)岩波文庫新版(丸山匠訳)は、それぞれ1頁(頁付なし)が扉、扉の裏(頁付なし)には岩波文庫(新版)のみ上部に「ALT-HEIDELBERG/1901/Wilhelm Meyer-Förster…

Wilhelm Meyer-Förster “Alt-Heidelberg”(2)

3月12日付(1)の続き。なお、この戯曲の概要については、岩手大学工学部の宮本裕教授のHPの「ドイツの窓・ドイツを知ろう ドイツに関するページ」に紹介されている、「基礎ドイツ語」5月号・第26巻第1号(昭和50年5月・三修社)掲載の 渕田一雄「…

Wilhelm Meyer-Förster “Alt-Heidelberg”(1)

・岩波文庫(1)*1 ・マイアーフェルスター作/番匠谷英一譯 ・岩波文庫1127『アルト ハイデルベルク』昭和十年三月二十五日印刷・昭和十年三月三十日發行・★ 定価二十錢・152頁 現物は未見だが国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧出来る。 ・岩波…

『白川喜代次遺作集』(3)

「IIII 隨筆」は目次には「秋 思…………………(二四〇)/ 他三篇」とあり本文239頁(頁付なし)は中扉で「4 隨 筆」とあります。目次に挙がっている「秋思」240〜242頁3と次の「希望」242頁4〜244頁は「略歴」には記載がありません*1。 245〜247頁7「学生劇斷想…

『白川喜代次遺作集』(2)

目次には「白川喜代次遺作集目次」とあって、以下、I 戯曲・II 小説・III 詩・IIII 隨筆と整理されています(原本ではローマ数字はそれぞれ1文字)。以下、順に、巻末の「白川喜代次略歴」(以下「略歴」)を参照しつつ見ていきましょう。 I 戯曲 挿 話………………

『白川喜代次遺作集』(1)

この本のことはこれまで殆ど注意されていないらしい。在籍していた早稲田にも所蔵されていないし、CiNiiでもNACSISでもヒットしない。私は国会図書館の近代デジタルライブラリー(館内限定公開)で通覧して、その概要をあらあら筆写した。しかしながら、当時…

村松定孝『わたしは幽霊を見た』考証(05)

1月7日付(02)で、自伝小説『あぢさゐ供養頌』と随筆集『言葉の影像(かげ)』を資料として、と書いたが、これについてもう少し述べておくべきであろう。『言葉の影像』は随筆集なので、記憶違いはあるかも知れないが、意図して虚構を書くようなことはなか…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(06) 影①

1月4日付(3)に引いた『岡本綺堂読物選集』④異妖編 上巻の岡本経一「あとがき」に、「晩年の昭和十一年三月、これを「影」として戯曲化したが、戦後の二十二年十月、六代目菊五郎と花柳章太郎の顔合せに初めて上演された。」とあった。 この「木曾の旅人」…