瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

美内すずえ『ガラスの仮面』(14)

実はその後、単行本で第21巻まで読んで、メモも取っているのだが、やはり文庫版と対照しないと突っ込み所が今一つ、つかめない。先日、文庫版第5巻と第6巻を借りて、やっと対照することが出来た。文庫版第3巻と第4巻、第7巻以降は後日の課題とする。 * * …

美内すずえ『ガラスの仮面』(13)

・単行本第9巻154頁。 社員:「失礼 わたしこういう者です」 名刺:大都芸能 企画部 長谷川栄一」 社員:北島マヤさんにお話ししたいことがあって」/ マヤ:「大都芸能 !?」/ 社員:「実はこの秋 渋谷に新しい大都タウンビルが完成するのですが/そこの9階…

美内すずえ『ガラスの仮面』(12)

8月30日付(05)で取り上げた大都タウンビルについてだが、その後、続きの巻を見た。 『ガラスの仮面 第6巻 舞台あらし②(白泉社文庫)』(一九九四年三月二十二日初版発行・一九九六年十一月二十五日第十七刷発行・定価563円・白泉社・316頁)ガラスの仮面 …

浅沼良次編『八丈島の民話』(5)

『グラフィックカラー 日本の民話 5 関東II〈千葉・東京・神奈川〉』研秀出版・147頁。26.0×21.0cm。上製本。 研秀出版は昭和40年(1965)9月に学研の子会社として設立され、平成21年(2009)10月に学研ネクストと商号を変更している。大型本の叢書を訪問販売…

浅沼良次編『八丈島の民話』(4)

浅沼氏はその後も「八丈島の民話」について、書く機会を持っている。 以下しばらく、気が付いたもののいくつかを紹介してみたい。 * * * * * * * * * * 東京都八丈島八丈町教育委員会 編著『八丈島誌』(昭和四十八年三月二十日発行・非売品・八丈…

浅沼良次編『八丈島の民話』(3)

③、上製本四六判の浅沼良次編『新編日本の民話46 八丈島』(一九八五年十月一日初版発行 特装版第一刷・231頁)企画・編集 未来社、製作・発売 トーレン。このトーレンの住所は②の東京連合印刷(ほるぷ)と同じである。東京連合印刷=トーレンなのであろう。…

浅沼良次編『八丈島の民話』(2)

①上製本(初版)、15〜199頁に民話61話、1頁17行・1行45字。「はしがき」と「目次」は1頁18行だった。「はしがき」は1行52字。200〜210頁は「わらべうた」で2段組、18行。 ④並製本(新装・オンデマンド版)は同じ。 ②上製本(ほるぷ)も復刻だが、編成が異な…

浅沼良次編『八丈島の民話』(1)

未来社の『日本の民話』シリーズは何度か版を改めて出ている。『八丈島の民話』を例にしてみると以下のようになろうか。 ①上製本(初版) ②上製本(ほるぷ) ③上製本(新編) ④並製本(新装・オンデマンド版) 呼び方の候補は他にもあるかも知れないが、仮に…

小寺融吉「八丈島の話」

小寺融吉「八丈島の話」の七人坊主関係箇所を抜いて置いたが、ついでに残りを引用して置く。 「民族」第壹卷1131〜1133頁、第六號(大正十五年九月一日發行)一四九〜一五一頁。2段組。 奥付に「民族(隔月一回一日發行)/大正十五年八月二十九日印刷納本/…

七人坊主(09)

小寺融吉「八丈島の話」より、七人坊主関連の部分を抜いて置く。雑誌「民族」第壹卷第六號(大正十五年九月一日發行・民族發行所)一五〇頁。 坊主が七人難船した揚句、八丈に上陸した。渇を覺え/てならぬので、持參の小刀を持つて海邊を掘つて水を得【以上…

七人坊主(08)

ネット上にはこの七人坊主の怪談、検索してみると10月19日付(6)で紹介した岡林リョウ「百鬼夜話」以外にも散見される。 具体的な地名を伏せ、時代を現代に置き換えたものが、2ch「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?32」に2003年4月9日に投稿さ…

七人坊主(7)

八丈島に渡った小池氏は、まず歴史民俗資料館を訪ねている(『怪奇探偵の実録事件ファイル2』25頁*1)。そこで「そういう伝説のことなら、山田さんがご存知かもしれない」とて、郷土史家の山田平右ェ門を紹介される(26頁)。山田氏を訪ねると「七人坊主の…

七人坊主(6)

浅沼良次編『八丈島の民話』で、他に東山(三原山)が出てくる話というのは、24番め(87〜89頁)の「七曜様」である。――「人形みたいにデイジケ(美しい)子供」を見た「ものしりで有名なアベノセイメイ」が、この子は若死にする、と言う。これを聞いた母親…

七人坊主(5)

「もう一つの異なるテキスト」について、小池氏の紹介を引用して置こう。『怪奇探偵の実録事件ファイル2』24頁。 浅沼良次編『八丈島の民話』(未来社)が記録する伝説のバージョンによれば、僧侶た/ちが流れついた場所は、「平根が浦*1」という海岸である…

七人坊主(4)

前回、「新聞記事を見るに「菊池」姓の人物は見えない」と注意して置いたのだが、東洋大学社会学部社会文化システム学科教授「松本誠一のホームページ」の「八丈島書誌目録稿(作成中)」を見るに、「菊池 俊(きくち・たかし 1947年・八丈島中之郷生)」と…

七人坊主(3)

平成3年(1991)7月刊『ほんとうにあったおばけの話⑩』所収、菊池俊「七人ぼうずのたたり」は、末尾(101頁)に(わたしの体験をもとにして書いたものです)とあるから、普通はM氏のように、体験した本人が、自ら喋っている調子で書いたものだ、と思う。 こ…

鎌倉の案内書(11)

・歩く地図 Nippon 5『横浜・鎌倉』 以前、6月29日付「塩嘗地蔵(03)」に紹介したが、その後、カバーの違う版を見たのでメモして置く。横浜・鎌倉―みなとみらい・中華街・北鎌倉・長谷 (歩く地図Nippon)作者: あるっく社編集部出版社/メーカー: 山と溪谷社…

七人坊主(2)

ここで、『怪奇探偵の実録事件ファイル2』から「七人坊主」の祟りの件を引用してみる。これは「M氏の話」ということになっているが、『本当にあったおばけの話⑩』の記述をもとにして、少し整理してある。 昭和二十七年(一九五二年)のことだったという。…

七人坊主(1)

前回までで『現代の民話・おばけシリーズ』と『ほんとうにあったおばけの話』シリーズについて、収録作品や著者について一通りの確認を済ませた。以下、収録されている話について、見ていくことにしたい。 このシリーズは実話を扱っているので、怪談史研究家…

『ほんとうにあったおばけの話』(11)

以下、著者を50音順にして示す。各巻の最後の頁が「著者略歴(掲載順)」になっているが、寺沢氏について8月21日付「明治期の学校の怪談(5)」に示したように、現在の居住地と所属団体、著書等が示されているに過ぎず、9月19日付「『現代の民話・おばけシ…

『ほんとうにあったおばけの話』(10)

最後。 『午後六時ののろい(ほんとうにあったおばけの話⑩)』(1991年7月初版第1刷発行・定価971円・148頁)*1 中野みち子「午後六時ののろい」(8〜18頁)……(友人からきいた話をもとにしました) 尾上尚子「わらわは稲荷大明神」(19〜28頁) ……(友人の…

『ほんとうにあったおばけの話』(09)

続き。消えたビーチサンダル (ほんとうにあったおばけの話)作者: 日本児童文学者協会出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1991/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 『消えたビーチサンダル(ほんとうにあったおばけの話⑨)』(1991年7月初版第1刷発行…

美内すずえ『ガラスの仮面』(11)

昨日、明け方悪夢を見た。なんかの勉強会で、左翼系の平和愛好家たちの集まりみたいで、普段はそんな連中と全く関わりはないのだけれども、なぜか出席していて、暗い茶色の木目模様の長い机で、前の黒板の方を見ていたのだが、どんな話なんだか覚えていない…

美内すずえ『ガラスの仮面』(10)

単行本第2巻について。 ・5頁の下に「おもな登場人物」があることは、9月13日付(08)で触れたが、その上に以下の3コマ描かれている。 「劇団つきかげ」研究生56名/ うち演劇経験歴5年以上の者Aクラス11名/5年以下の者Bクラス37名/ 初心者Cクラス8名/…

美内すずえ『ガラスの仮面』(09)

9月12日付(07)に「文庫版で指摘した点について、単行本の頁を示してみたい」と言いながら別の話にかまけてしまったのを、元に戻したい。 まず単行本第1巻に当たる部分だが、8月27日付(02)に指摘した文庫版第1巻「161頁の1コマめ」のところ、単行本も同じ…

『現代の民話・おばけシリーズ』(08)

9月29日付(02)に、①②のカバー表紙折返しに『わたしが出あったおばけ』という当初のシリーズ名が残っていることを、指摘して置いた。 この、①②と③④⑤との不統一は、奥付の裏のこのシリーズの広告にも認められる。まず①②の広告を確認して置こう。 横組みで、…

『現代の民話・おばけシリーズ』(07)

『ま夜中に鳴るピアノ(現代の民話・おばけシリーズ 5)』(1975年7月発行)奥付にはカード記入用のデータが「N.D.C.913 偕成社 212p. 22cm 1975年」と整理されている。やはり③④と同じく(①②と違い)表題作が最初に掲げられていない*1。 堀久子「赤いゆかた…

『現代の民話・おばけシリーズ』(06)

『まぼろしの軍用列車(現代の民話・おばけシリーズ 4)』(1975年6月発行)奥付にはカード記入用のデータが「N.D.C.913 偕成社 208p. 22cm 1975年」と整理されている。やはり①②と違って、同時刊行の③と同じく表題作が最初に掲げられていない。 タマイヨシア…

『現代の民話・おばけシリーズ』(05)

『すすり泣く階段(現代の民話・おばけシリーズ 3)』(1975年6月発行)奥付にはカード記入用のデータが「N.D.C.913 偕成社 208p. 22cm 1975年」と整理されている。匿名にしたうち1字名が1人いるが、男性である。①②では表題作が最初に掲げられていたが、本巻…

『現代の民話・おばけシリーズ』(04)

『ゆうれいがふくフルート(現代の民話・おばけシリーズ 2)』(1975年3月発行)奥付にはカード記入用のデータが「N.D.C.913 偕成社 200p. 22cm 1975年」と整理されている。なお、匿名にしたうち1字名が2人いるが、ともに男性である。 松村茂「ゆうれいがふ…