瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(2)

・奥付(1) 文字は全て明朝体で横組み。 第1刷と第2刷の異同は、第1刷の発行日の下に第2刷の発行日が追加されていることと、発行者の住所のうち「東京都千代田区神田一ツ橋2―3」と詰まっていたのが第2刷では「東京都千代田区神田一ツ橋 2―3」となって…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(1)

北杜夫『南太平洋ひるね旅』で、10月31日付「赤いマント(293)」に見たようにタヒチではしばしば行を共にし、11月2日付「赤いマント(295)」に見たようにサモアについて助言を与えた、H嬢こと畑中幸子の、初めての著書です。 これも、現在私が通っている6…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(11)

・新潮文庫2118(5)初刷と四刷の奥付と目録 「解説」の最後の頁の裏、「文字づかいについて」は初刷から二十四刷まで一致。 奥付、初刷と四刷のレイアウトは同じ。活字は全て明朝体だが初刷は縦長、四刷は横長に見える。 上部に「工」字型があって横線(初…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(10)

・新潮文庫2118(4)図版と「後記」 それでは、本体を見て行きましょう。 1頁(頁付なし)扉は同じに見えます。 3~4頁(頁付なし)「目 次」、3頁は一致、4頁「10」から「15」までは一致、「15 旅の終り 」を例に取ると、下部の半角漢数字「二〇九」の間を…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(09)

・新潮文庫2118(3)カバー② その後、次の2つの刷を借りて、今、私が通っている市区の図書館に所蔵されているもの5点を揃えることが出来ました。 ・昭和四十八年 四 月三十日 発 行・昭和四十八年十一月 十 日 四 刷(235頁)¥ 160 ・昭和四十八年 四 月 …

赤いマント(302)

・田辺聖子の赤マント(3) 田辺氏は初期の自伝的連作『私の大阪八景』の第一作「民のカマド」に、小学生時代の赤マント流言を取り上げているのですが、このことは殆ど注意されていないらしく、11月6日付(299)に見たように千野帽子が「文藝ガーリッシュ」…

赤いマント(301)

・田辺聖子の赤マント(2)「おべんじょ」 それでは、11月6日付(299)の続きで、田辺氏のエッセイ「おべんじょ」に見える赤マントに関する記述を見て置きましょう。諸本は以下の通りです。 ①単行本『女の長風呂(続)』13頁10行め~15頁1行め。 ②文庫…

田辺聖子『女の長風呂』(5)

・『女の長風呂(続)』の細目 要領は昨日の「『女の長風呂』の細目」に同じです。 単行本、文庫版の収録順は同じですので1箇所違っていた『女の長風呂』と違って仮に附した収録順の番号【 】は、題の前に示して置きました。 『田辺聖子全集』第九巻への再録…

田辺聖子『女の長風呂』(4)

・『女の長風呂』の細目 鍵括弧で括った題のうち太字は、傍点「ヽ」が打たれているのですが再現出来ないので仮に太字にして示したものです。さらに単行本、文庫版の収録順と位置を添えて置きました。 次いで選集への収録状況を示しました。 『田辺聖子全集』…

田辺聖子『女の長風呂』(3)

・「女の長風呂」シリーズ(2) 最初の2点の、単行本と文庫版計4冊を揃えただけなので、専ら『田辺聖子全集』第九巻の浦西和彦「解題」に頼って記述することになるのだけれども、ここでシリーズ全体について眺めて置きましょう。 まづ、「週刊文春」連載時…

田辺聖子『女の長風呂』(2)

・「女の長風呂」シリーズ(1) 15年間続いた田辺氏の「週刊文春」連載エッセイは『田辺聖子全集』に抄録だけれども、次の1巻を充てて収録されております。 ・『田辺聖子全集』第九巻(二〇〇五年二月十日 第一刷発行・集英社・口絵+563頁・A5判上製本)田…

田辺聖子『女の長風呂』(1)

さて、当ブログに今月上旬、11月7日付「安岡章太郞 編『ウィタ・フンニョアリス』(1)」及び11月8日付「安岡章太郞 編『ウィタ・フンニョアリス』(2)」、11月10日付「平成厠研究会 編『トイレでホッ!』(1)」に、2種3冊の便所・糞尿関連本を取り上げ…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(08)

・初版と新装版の奥付と目録 昨日の続きで、①ポケット・ライブラリと②新装版の奥付について。文字は全て横組み。 上部、左寄りにゴシック体で標題。上の(天から)余白は②が広いが、下(地)からの高さは同じ。 下部に四隅の切れた枠(①5.5×7.0cm②5.3×6.4cm…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(07)

・「後記」について(承前) 11月16日付(05)の続きで、②新装版12刷の「後記」の後半を引いて、これが③文庫版④全集にどのように引き継がれているか、見て置こう。改稿もしくは削除・加筆されている箇所を灰色太字で示した。 ②12刷、1行分空けて9~14行め、 …

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(6)

・諸本(本文・図版)対照 それでは、各章ごとに、諸本の図版の位置を確認して置こう。 ①②③は写真が豊富に挿入されるが、④は地図のみである。①②の本文は同版の箇所が多いようだが一部組み直しがあり、図版にも差し替えがある。同じ図版が使用されている場合…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(5)

昨日の続きで、①ポケット・ライブラリ版と②新装版について。 ①は見返しの遊紙などはなく、表紙をめくるとすぐに1頁(頁付なし)扉、2本の紐が緩く絡み合ったような飾り枠(約12.5×約8.0cm)に、横組み中央揃えで行間を広く取って、上部に「北 杜 夫/南太平…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(4)

昨日の続きで、①ポケット・ライブラリ版と②新装版について。 書影は10月27日付「赤いマント(289)」に貼付して置きました。 現在、新書にはカバーが掛かっておりますが、当時の新書にはカバーはありません。①の表紙は光沢のあるやや厚い紙で、文字は横組み…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(3)

・諸本 本書の成立事情や諸本については、文庫版の「後記」や「北杜夫全集月報3」の「創作余話 (3) 」を、10月27日付「赤いマント(289)」に引いて置いたのですが、『北杜夫全集11』の本体にある、肝腎な記述を抜いて置くのを忘れておりました。 すなわち…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(2)

・新潮文庫2118(2) 11月11日付(1)の続きで、カバーについて。 カバー表紙、同じだが獣皮様の模様が薄く入った黄色地が、私の見た初刷は黄土色に近く、二十一刷は明るい黄色、二十二刷は淡い檸檬色に見える。二十二刷は大分褪色しているようだ。文字は…

北杜夫『マンボウ響躁曲』(1)

・北杜夫『マンボウ響躁曲 地中海・南太平洋の旅』 本書に関しては、10月30日付「赤いマント(292)」に単行本の第二刷を借りたこと、10月31日付「赤いマント(293)」に『南太平洋ひるね旅』の「H嬢」が畑中幸子の実名で回想されていることに注意して置き…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(1)

・新潮文庫2118(1)*1 ・昭和四十八年 四 月二十五日 印 刷・昭和四十八年 四 月 三十 日 発 行(233頁)¥ 140 ・昭和四十八年 四 月 三 十 日 発 行・昭和 六 十 年十一月二十五日 二十一刷(235頁)定価320円 ・昭和四十八年 四 月 三 十 日 発 行・昭…

平成厠研究会 編『トイレでホッ!』(1)

・『トイレでホッ!』一九九二年九月一〇日初版第一刷発行©・定価1,262円・TOTO出版・211頁・四六判並製本 版元の紹介ページには「3刷」とあるが、「定価=本体1,262円+税」と消費税3%のままの定価が示されているので、平成9年(1997)3月までの増…

赤いマント(300)

9月25日に(272)として準備していたのですが、一部確認のために後回しにしているうちに1ヶ月以上経ってしまいました。 * * * * * * * * * * 大宅壮一「「赤マント」社會學」について、当ブログで度々言及し、当ブログ告知専用 Twitter アカウント「…

安岡章太郞 編『ウィタ・フンニョアリス』(2)

「滑稽糞尿譚」は文庫版に新たに附された標題で、単行本では「ウィタ・フンニョアリス」のみである。しかし分かりにくいので「あとがき」の、前回引用しなかった部分で話題にしていた火野葦平「糞尿譚」に因んだものに変えたのであろう。 装幀についても述べ…

安岡章太郞 編『ウィタ・フンニョアリス』(1)

・単行本(昭和五十五年十二月十六日 第一刷発行・定 価 一二〇〇円・講談社・265頁・四六判上製本)ウィタ・フンニョアリス作者:安岡章太郎メディア: 単行本・文春文庫『滑稽糞尿譚 ウィタ・フンニョアリス』1995年2月10日 第1刷・定価437円・文藝春秋・2…

赤いマント(299)

・田辺聖子の赤マント(1) 田辺聖子『私の大阪八景』に、赤マント流言が取り上げられていることは、2019年7月3日付(191)及び2019年7月4日付(192)に当該箇所を引用して、その前後に『田辺写真館が見た ”昭和” 』なども参照しつつ、モデルとなった田辺氏…

赤いマント(298)

・北杜夫の赤マント(13) 本題に入ると云ってからが長くなっておりますが、要は、南太平洋で韓国人女性から赤マントの話を聞かされたのは、10月26日付(288)に引いた、最晩年の回想(歿後『マンボウ最後の家族旅行』として刊行)のように、『楡家の人びと…

赤いマント(297)

・北杜夫の赤マント(12) 昨日の続きで、いよいよ章の題になっている「西サモアの幽霊など」の話になります。文庫版205頁16行め~206頁16行め、全集239頁下段14行め~240頁上段10行め、【11月19日追記】11月14日付「北杜夫『南太平洋ひるね旅』(03)」に挙…

赤いマント(296)

・北杜夫の赤マント(11) 昨日の続き。 ドクター・ハンに電話した後、ホテルを出てアピアの町を歩いていたところ、文庫版204頁11行め~205頁6行め、全集239頁上段5~21行め、【11月19日追記】11月14日付「北杜夫『南太平洋ひるね旅』(03)」に挙げた①初版…

赤いマント(295)

・北杜夫の赤マント(10) さて、例によって前置きが長くなりましたが、タヒチで北氏としばしば行動を共にしたH嬢こと畑中幸子が、北氏に「韓国人の医者」を訪ねるよう勧めたのです。この医者は何処にいたのかと云うと、文庫版67頁17行め~68頁2行め、全集1…