瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(176)日本文化

仏間の硝子棚より。 ・講談社現代新書256 堀一郎『日本のシャーマニズム』昭和四六年七月一六日第一刷発行 昭和五二年二月一〇日第三刷発行・定価=390円・228頁日本のシャーマニズム (講談社現代新書 256)作者:堀 一郎講談社Amazon 昨年の7月27日にメモして…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(10)

2月15日付(09)から続けて、最後の2冊、<新装版>⑨⑩に及ぶべきだが森氏の伝記資料として新しい情報もないので滞らせてしまった。いづれ機会を作って果たすことにしたいが、今は別のことを片付けて置くこととしたい。 それと云うのは、――隣の市の中央図書館…

津留宏『一少女の成長』(07)

・石原静子の著訳書(1) 石原氏には故石原静子先生を偲ぶ会実行委員会 編『「小さな実験大学」の発掘者 追悼 石原静子先生』(2011年7月・町田 : 和光学園・159頁)なる追悼文集があって和光大学附属梅根記念図書・情報館に所蔵されている。「一般注記」項…

祖母の蔵書(175)有吉佐和子②

祖母は有吉佐和子を愛読していた。単行本15冊は2023年7月19日付(109)に纏めて置いた。その後、古本屋に見せたのだけれども採ってくれなかったので『女二人のニューギニア』だけ持ち帰って他は祖母宅に残して置いた。 ここには、あちこちに分散してあった文…

祖母の蔵書(174)瀬戸内寂聴②

昨年、酷暑の中、最終的な整理作業を行い、持ち帰っても仕方がないものは段ボールに詰めて仏間に残して来たのだが、整理が追い付かずに仮に持ち帰ったものが、今もそのままになっている。明け渡す2週間くらい前から2軒の古本屋に来てもらって、最初に招んだ…

祖母の蔵書(173)推理小説家

これはそもそも一昨年の8月8日に「祖母の蔵書()西村京太郎」と題して書き始め、その後、昨年7月18日に2冊追加してそのままになっていた。よって以下、新たに見出し【西村京太郎】を追加して以後の本文に見える「昨年」は2022年である。 【西村京太郎】 祖…

津留宏『一少女の成長』(6)

私が本書を手にしたのは、本書が研究資料として活用している「一少女」の日記に、2021年3月23日付「赤いマント(315)」に見たように赤マント流言の記述があるからであった。 しかし、当時はこの「一少女」が何者であるか突き止められなかった。 津留氏は『…

赤いマント(373)

・黒井千次『禁域』(2) 昨日の続きで、「花鋏を持つ子供」の設定を確認して置こう。 7~15頁「一」の冒頭部(7頁2行め~8頁11行め)が場所の説明になっている。長くなるので7頁5行め~8頁4行めを抜いて置こう。 省線の駅から大通りを来て左へ折れるその道…

赤いマント(372)

当ブログではこれまで黒井千次(1932.5.28生)の著書を2点取り上げている。初回の記事はそれぞれ、2022年9月1日付「黒井千次『たまらん坂』(1)」と2023年1月1日付「黒井千次『漂う』(1)」である。 黒井氏の小説は、海外に赴任することになった知人から…

赤いマント(371)

昨日の続き。 ・加藤廣『昭和からの伝言』(2) 加藤氏は現在の東京都新宿区高田馬場で生れている。このとき父親はまだ生きていたが、療養生活に入っていて同居はしていなかったのであろう。 加藤氏の家は、16頁14行め「ボクの家のような新興住宅」或いは17…

赤いマント(370)

もう1つ、昭和5年(1930)生れの人の回想を挙げて置こう。 実はこちらの方が、松尾羊一『テレビ遊歩道』よりも先に、3年半前には気付いていたのだけれども、内容をどの程度紹介するか、迷っているうち、図書館で見掛ける度に借りて来てはいたのだが、記事に…

赤いマント(369)

・松尾羊一『テレビ遊步道』(2) 昨日の続き。 松尾氏は翌週(Ⅱ)132頁12行め~134頁3行めに、再度赤マント流言に触れている。 赤マントと酒鬼薔薇 七月十一日 「おい、赤マントってなんのことだ」と何人かの友人から問い合わせがあった。い/つだったかこの…

赤いマント(368)

昭和10年代の文献などは検索を掛けては拾って行っていたのだが、一昨年末に国立国会図書館デジタルコレクションが全文検索出来るようになって、かなりの数の未見の資料が引っ掛かるようになった。それ以前に引っ掛けていて未見、もしくは一応見たけれども詳…

赤いマント(367)

今年も東京の赤マント流言の時期(!)になって来た。森満喜子の著書及び経歴の調査もまだ継続するつもりだけれども、ここで季節の話題(?)に触れて置かねばなるまい。 さて、まだ私の手許には100件を超える未紹介の資料がある。尤も、85年前の騒ぎを、そ…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(09)

森氏は最晩年に旧著を2冊、新装版として再刊しているが、どちらにも森氏が新たに加えた要素はない。 うち1冊は旧版をそのまま用いている。もう1冊は全面的に組み直している。 ⑨『沖田総司・おもかげ抄 <新装版>』 本書は④『定本 沖田総司――おもかげ抄』ほ…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(08)

続けて単著の⑨⑩に及ぼうと思っていたのだが、昨日も述べたように、ともに<新装版>で、何ら新しい情報もないので、ここでは森氏の経歴を最も詳細に記している、次の共著を見て置くことにする。 ⑸ 新人物往来社編『沖田総司読本』第一刷(1990.10.15) 番号…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(07)

昨日の続き。 ⑧『新選組青春譜――勇と歳三と総司と』 森氏は昭和47年(1972)刊①『沖田総司哀歌』以来、昭和51年(1976)を除いて毎年1冊ずつ合計7冊、著書を新人物往来社から出し続けていたが、昭和54年(1979)刊⑦『遙かなる沖田総司』からしばらく途切れて…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(06)

返却期限が来て図書館に返したり、別の本を借りたりでなかなか思うに任せないが、毎日投稿しないことにしたので単著の最後まで、脇道にそれずに済ませてしまおう。 ⑤『沖田総司落花抄』 本書は特別区及び都下の公立図書館に殆ど所蔵がなく、私は第一刷(1977…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(05)

一昨日からの続き。 ③『沖田総司幻歌』 これは今、私の手許に3冊ある。第一刷(1974.11.15)が2冊、第二刷(1976.10.15)が1冊、前者のうち1冊については2023年12月9日付「森満喜子「濤江介正近」(01)」にて、受入印や愛に溢れた書入れを紹介して置いた。…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(04)

昨日の続き。 ②『沖田総司抄』 私が見たのはカバー裏表紙に「60年3月25日」とある「受入」票が貼付されている第七刷のみである。 そこで2023年12月24日付「森満喜子「濤江介正近」(16)」に上げた第三刷と第五刷のオークションサイトの画像も参照して…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(03)

前回、1月17日付(02)に森氏の著作リストを作成して見た。 単著に①②③……、共著に⑴⑵⑶……と番号を打って整理した。 単著はこれで全てだと思う。 共著(寄稿)は投稿後『沖田総司読本』を追加した。今後も見付かるかも知れない。その場合はその都度(必要があれ…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(02)

1月14日付(01)に続けて森満喜子の著書と経歴について確認して行くつもりだったのだが、どうせやるなら一通り揃えてからにしようと思って、近隣市の図書館の書庫に眠っている著書を借り集めている。既に殆どを取り上げているが、ここに纏めて示して置くこと…

名和弓雄『拷問刑罰史』(01)

そもそも昨年のうちに取り上げるつもりだったのだが、年末年始には住所録の更新を兼ねた年賀状以外に何もしないし、神社にも寺にも行く気がしないので初詣なんてもう何年も行っていなくて、私にとっては別に特別な時期ではなくて、まぁ寒い時分に仕事を休ん…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(01)

早速、今日・明日から課金記事の投稿を始めようと思っていたのだが、仕様が違うので中々慣れない。昨日無料部分を書き終えて、今日有料部分を書き掛けたのだが、システムエラーとかで保存出来なかった。 で、気分屋の私は忽ち、どうせ売れやしないのに課金記…

課金記事について(1)

昨日は、一昨日の記事の補足とすべく、祖母の夫と陸軍士官学校で同期だった人の追想録を取り上げるつもりだったのだが、先日の Windows 更新プログラムにエラく時間が掛かったので、もう Windows 10 ではアカンのかと思って、矢鱈と奨めて来る Windows 11 を…

祖母の遺品(19)軍事郵便⑧

・(吉田)文江宛便箋【17】 姉の久枝の夫・小川武夫は陸軍士官学校本科42期、昭和5年(1930)7月19日卒業、10月25日任官、さらに陸軍大学校50期、昭和10年(1935)12月13日入校、昭和13年(1938)5月28日卒業、当時の階級は工兵大尉で、昭和20年(1945)3月…

赤いマント(366)

昭和14年(1939)の赤マント流言は東京近辺にとどまらず、大阪から九州、さらに朝鮮にまで到達していたのだが、海外でも報道されていたことが分かった。 スタンフォード大学附属フーヴァー研究所(Hoover Institution)の「邦字新聞デジタル・コレクション J…

祖母の遺品(18)軍事郵便⑦

これは軍事郵便ではなく、かつ祖母の夫の歿後のものになるが、同じ朝日出版社の封筒に纏めてあったので、通し番号を打って記事の題も仮に「軍事郵便」のままとして置く。 ・𠮷田清の通夜の案内【16】 B4判1枚謄写刷。私の家のスキャナではA4判までしか読み取…

祖母の遺品(17)軍事郵便⑥

昨日取り上げた【13】と同じ、アキコ・マコト姉弟宛の便箋を、更に2通分取り上げて置く。 ・(吉田)アキコ/マコト宛便箋【14】 B5判よりも若干小振りで、昨日見た【13】よりも薄くて紙質の良い、13行罫紙を使っている。昭和17年(1942)のものだろうか。 …

祖母の遺品(16)軍事郵便⑤

朝日出版社の封筒に纏めてあった、伯母宛の祖父からの軍事郵便について、昨日までで葉書(12通)を済ませたので、今度は残りのものを見て行くこととしよう。 これら便箋は母親である祖母宛の書簡に同封してあったのだろう、封筒はない。よって日付がなければ…