2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
・新潮文庫1499(1) 素足の娘 (1961年) (新潮文庫)作者: 佐多稲子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1961メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る素足の娘 (新潮文庫 さ 4-2)作者: 佐多稲子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1961/07メディア: 文庫 …
・物集高音「赤きマント」(8) なかなか見事な展開というべきなのですが、最後の最後に来て、白フリル(富崎ゆう)はここまでの議論をひっくり返してしまうのです。前回引いたところに続く、議論のまとめに当たる発言を全文抜いて置きましょう。34頁上段14…
・物集高音「赤きマント」(7) 髭博士(レ博士)は白フリル(富崎ゆう)に対して、「事件があってもなくても、関係」なく「警察が実際に紙芝居を取り締まった」ことが問題なので、「噂」が「先行してる」すなわち「紙芝居が原因でないなら、それはなぜ」な…
・物集高音「赤きマント」(6) 昨日の場面の続き。 疑いを発したチヨ女史に、白フリル(富崎ゆう)は「作者本人が云ってるンだから!」と肯定して見せます。次いで髭博士(レ博士)から、原文は2013年10月25日付(04)に引きましたが加太こうじ『紙芝居昭…
・物集高音「赤きマント」(5) 本作が小沢信男「わたしの赤マント」の内容を無視したのは、意図的であるようにも思えます。すなわち、物集氏は端から赤マントについてその実像を究めようなどとは考えていなかったのだろう、と思われるのです。買被りかも知…
・物集高音「赤きマント」(4) 開会後、1月24日付(94)で触れた下間化外先生の話が済んで、出品者の白フリル(その服装に由来する、地の文での富崎ゆうの呼称)は話を「黒服の七十代」添田チヨに振ります。28頁下段13〜17行め、 「チヨさんはどう? 先生…
・物集高音「赤きマント」(3) ついで富崎ゆうが赤マントの紹介をします。この小説は、登場人物の口調をそのまま写した会話によって展開するので、抜き出すとどうも可笑しな按配で、どうせならいっそ朗読劇でも作って音源を上げたい感じなのですけれども、…
・物集高音「赤きマント」(2) 1月2日付(72)の続きで、第一夜「赤きマント」で展開される赤マントについての説明を、確認して行きましょう。 開会前に出品者の富崎ゆうと話した一丸和美は「赤マント」を出品すると聞かされて、次のように反応します。23…
小沢信男「わたしの赤マント」を取り上げた「朝日新聞」掲載の、河野多恵子「文芸時評」が『文学1983』に再録されていることは、2013年11月21日付(31)に書きました。ここら辺りはvzf12576のブログ「本はねころんで」の2011-07-06「小沢信男著作 113」…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(9) 1月19日付(89)に引いた書換え【83】のうち、記憶している記事が「ありもしない」ものだった場合、何故そのような記憶が生じたのかを推測した箇所は、『東京百景』では「この時に、たとえば黒色ギャングの記事な…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(8) それでは最後の部分、主人公牧野氏の3度めの寄稿の残りの部分と、それに対する「週刊アダルト自身」編集部からの、掲載を断る返信について見て置きましょう。 ・【91】169上21「お心当り、」→27頁2「お心あたり」 …
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(7) ・【84】168下6「密かに」→26頁1「ひそかに」 ・【85】168下18「促がした」→26頁8「促した」 ・【86】169上6「『パノラマ島奇談』を、」→26頁14「『パノラマ島綺談』を、」 ・【87】169上8「はみ出して」→26頁16「…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(6) ここは大幅に書き換えられていますので、段落ごと引用しましょう。共通する箇所を太字にしました。 ・【83】『文学1983』168頁上段8〜20行め、 昭和十五年、私は中学一年生の時に、この記事を読んだ/ことにな…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(5) 川端氏の電話で小学校当時のことはかなり明瞭になったのでしたが、そこでも解決されなかった最後の疑問について、主人公の牧野氏は三度「週刊アダルト自身」編集部へ「お尋ね」を寄稿します。まずはその前半につい…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(4) 一昨日からの続きで、川端氏からの電話の終盤。 ・【59】165下4「無くなったから、」→21頁18「なくなったから、」539頁15 ・【60】165下6「おたく等*1は」→21頁19「おたくらは」539頁16 ・【61】165下9〜11「赤マ…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(3) 昨日の続きで、同級生川端氏からの電話の中盤。字句の修正以上のものは、一昨日まで遡って番号を赤にしました。 ・【38】163上3「出たのが」→18頁15「でたのが」 ・【39】163上3「ひっくり返る」→18頁15「ひっくり…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(2) 昨日の続きで、泰明小学校の同級生の川端氏からの電話について。 ・【15】160下22「ずいぶん暫く。」→16頁1「ずいぶんしばらく。」 ・【16】161上2「空いてる」→16頁2「あいてる」 ・【17】161上5「隅っこで、」→1…
・小沢信男「わたしの赤マント」校異(1) ブログ「スナーク森」のすずしろ氏からもらった2013年11月19日付(29)へのコメントについては、2013年11月20日付(30)にも触れましたが、その後、なかなか初出誌「文藝」を閲覧しに行く余裕を得ません。 そこで…
・日本民話の会 学校の怪談編集委員会『学校の怪談大事典』1996年4月第1刷発行・2004年3月第8刷発行・定価1,400円・ポプラ社・223頁・A5判上製本*1 書影だけは2011年5月18日付「明治期の学校の怪談(4)」に貼って置きました。絵 前嶋昭人。 1頁(頁付なし…
・松谷みよ子『現代民話考』の赤マント(4) 次に5例め(単行本単行本95頁3〜14行め・文庫版114頁3〜16行め)を見て置きます。引用の要領は前回までに同じ。 ○長野県南安曇*1郡豊科町豊科小学校。昭和六年入学、十二年卒業。五年生の頃の話。|学校のお便/…
・松谷みよ子『現代民話考』の赤マント(3) 一昨日からの続き。 私は『現代民話考』の欠陥は、分類が怪異の内容と場所の二重基準になってしまっていることだと思っています。特に「[第二期]Ⅱ学校」はその欠点が遺憾なく発揮された巻となってしまったように…
・松谷みよ子『現代民話考』の赤マント(2) 昨日の続き。引用の要領も昨日に同じ。 続いて7例め・8例め(単行本211頁10〜212頁3行め・文庫版253頁9行め〜254頁4行め)と、色の指定はないのですが「マント」の話が並びますので、念のため引いて置きます。 ○…
・松谷みよ子『現代民話考』の赤マント(1) 『現代民話考』に載る、北川幸比古(1930.10.10生)の赤マントの体験談の時期が、何故か誤記されていたことは、2013年10月24日付(03)にて指摘しました。『現代民話考』は松谷みよ子が民話の研究会改め日本民話…
・中村希明『怪談の心理学』(6) 中村氏の赤マント体験談は「「赤マント・青マント」の恐怖」の節にもう1つ述べられています。29頁14行め〜30頁11行め、 当時の小学校低学年生間の赤マントの怪談の大流行は、鎖の一つの中で筆者のように自/己増幅した恐怖…
・中村希明『怪談の心理学』(5) それでは、「「赤マント・青マント」の恐怖」の節に述べられている、中村氏の体験を見て置きましょう。28頁10行め〜29頁7行め、 筆者は戦時色の強くなってきた昭和十四年に、当時(日本の韓国併合により)京城と呼ばれ/て…
・中村希明『怪談の心理学』(4) 1月3日付(73)に引いた「あとがき」に、「「便所の怪談」のルーツが、実は‥‥旧制高校生たちのやるせないうっぷんばらし」とありました。この辺りは第一章の「「あかずの便所」の怪談」の節とその次の「昭和初期の不況と戦…
・中村希明『怪談の心理学』(3) 赤マントは「第一章 トイレの怪談の系譜――デマの心理学」に記述されています。 最初から節見出しを挙げて置きましょう。漢字はゴシック体、仮名は明朝体の太字です。18頁1行め「デマゴーグとしての「学校の怪談」」、20頁1…
・中村希明『怪談の心理学』(2) 中村氏の没年ですが、松尾貴史(1960.5.11生)公式サイト「松尾貴史 敷地」の「不定期・怪しな日記」に「織田非道」という記事がありまして、その中に「故・中村希明先生」と書かれています。日付は「●某月某日」としか示…
・中村希明『怪談の心理学』(1) 昨日の続きをやろうかと思ったのですが、新年の図書館の開館を待って、もう少し文献の確認をしてからの方が良さそうな気がして来たので、2013年10月24日付(03)に取り上げ、2013年11月7日付(17)でも予告したところの、…
・物集高音「赤きマント」(1) それでは、2013年12月29日付(69)にて触れた、現在のWikipedia「赤マント」項の下敷きになっている、物集高音「赤きマント」の内容について確認して行きましょう。 ・講談社ノベルス『赤きマント 【第四赤口の会】』二〇〇…