瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

昭和史

芥川龍之介旧居跡(16)

・群像 日本の作家 11『芥川龍之介』(3) 一昨日からの続きで、槌田満文「文学紀行/芥川の東京・湘南を歩く」から、2節め「田端の旧居跡」の後半、191頁上段2行め~下段5行め、 龍之介が「我鬼窟」のちに「澄江堂」と名づけた書/斎は、多くの新進作家を集…

赤いマント(218)

・朝里樹『日本現代怪異事典』(6) 昨日の続き。 単なる変質者(?)出没の噂に過ぎない松ヶ枝小学校の事例を、長くもない事典項目に書き込んだことに、私は朝里氏の主張を感じます。こんな事例を取り上げるくらいなら、加太こうじが『紙芝居昭和史』にか…

赤いマント(217)

・朝里樹『日本現代怪異事典』(5) さて、昨日まで検討したように、若干私のフォローしていない説も提示されていましたが、それはともかくも、朝里氏は赤マント流言の実態には全く迫れていません。ですから私は特に本書を取り上げる意味を感じず、取り上げ…

赤いマント(216)

・朝里樹『日本現代怪異事典』(4) 早速、朝倉喬司「「学校の怪談」はなぜ血の色を好むのか?」=「「学校の怪談」はなぜ血の色が好きなのか?」=「トイレの花子さんはなぜ死んだ?」の載っている雑誌か本を借りて来て、朝倉氏の説を再検討したいところなの…

赤いマント(213)

・朝里樹『日本現代怪異事典』(1) それでは、11月24日付(212)に取り上げた朝里樹 監修『大迫力! 日本の都市伝説大百科』の下敷きになったと思しき、朝里樹『日本現代怪異事典』26頁上段5行め~27頁中段17行め「赤マント(あかまんと)」項を検討して見…

赤いマント(212)

・朝里樹 監修『大迫力! 日本の都市伝説大百科』(2) 西東社の「大迫力!」シリーズは、初めA4判の「写真と絵でわかる」シリーズが出て、次いでA5判のイラスト「大百科」シリーズが現在も続刊中で、「日本の都市伝説」は最新刊である。大判ビジュアル図解 …

赤いマント(211)

・朝里樹 監修『大迫力! 日本の都市伝説大百科』2019年9月5日 発行・定価1300円・西東社・223頁・A5判並製本大迫力! 日本の都市伝説大百科作者: 朝里樹出版社/メーカー: 西東社発売日: 2019/08/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る オールカ…

芥川龍之介旧居跡(3)

・吉野朔実『お父さんは時代小説が大好き』(3) 昨日の続き。 芥川龍之介旧居跡の「 “ぜんぜん知らない人” 宅」に当たる部分(東京都北区田端1丁目20-9)が現在「北区管理地」になっていることについて、何かするつもりなのかと検索して見るに、北区HPに「…

芥川龍之介旧居跡(1)

・吉野朔実『お父さんは時代小説が大好き』(1) 芥川龍之介が田端に住んでいたことは、もちろん知っていたけれども、私は都内はそれなりに歩いたけれども余り名所巡りみたいな按配では歩かなかったので、田端の切通しも何度も歩いたけれども、芥川旧居跡を…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(144)

・青木純二の経歴(11)横浜での活躍③ 昨日の続きで横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」にて閲覧出来る『横浜文化名鑑』について。 155~163頁「文化団体とその動向」は本文には見出しなく目次に拠る。3段組で横浜の文化団体を列挙して行く…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(143)

・青木純二の経歴(12)横浜での活躍② 昨日の続き。 10月27日付(141)に見たように昭和19年(1944)4月には朝日新聞東京本社の整理部に勤務していたが、昨日見たように昭和21年(1946)2月には「神奈川新聞」に連載を持っている。神奈川新聞社に移籍したの…

北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(1)

8月8日に投稿予定だったがしばらく後回しにしていた。 * * * * * * * * * * 7月20日付「elevator の墜落(3)」に、北杜夫が医局時代に聞いた怪談を吉行淳之介との対談『恐怖対談』から引用して、『どくとるマンボウ医局記』を参照すべきであろう…

赤いマント(210)

・武田百合子『ことばの食卓』(3) 昨日の続き。 小児性愛の気味のある牛乳屋が登場するのはここまでである。 ①20頁5~12行め②21頁9行め~22頁2行め③21頁9行め~22頁2行め④179頁5~12行め まわってくる紙芝居屋は、二人ともが「黄金バット」をやっていた。…

赤いマント(209)

・武田百合子『ことばの食卓』(2) 昨日の続きで「牛乳」について、牛乳を飲まされていた話題が赤マントに展開して行くまでを見て置こう。 昨日引用した箇所に続いて、牛乳配り=牛乳屋について描写する。①17頁7行め~18頁1行め②18頁9行め~19頁3行め③18頁…

赤いマント(208)

・武田百合子『ことばの食卓』(1) 8月4日付「武田百合子『ことばの食卓』(2)」にて、『ことばの食卓』諸本の体裁を確認するために2篇め、「草月」の連載では第1回に当たる「牛乳」を例に取り上げたが、この「牛乳」に赤マントが出て来るのである。しか…

赤いマント(207)

・吉行淳之介『贋食物誌』(2) 昨日の続き。 和田氏との対談ではごく簡略になって、当初女学生を狙っていることになっていた件などが見当たらない。これは7月18日付「吉行淳之介『恐怖対談』(3)」に引いた、恐怖対談シリーズの担当編集者・横山正治「解…

赤いマント(206)

7月22日付(205)に予告した、吉行氏が赤マント流言体験を書いたエッセイを確認して置こう。 ・吉行淳之介『贋食物誌』(1) 諸版と引用の要領については7月24日付「吉行淳之介『贋食物誌』(1)」に同じ。 ①42~43頁・②65~67頁・③73~76頁5行め「19・餅…

赤いマント(205)

・吉行淳之介『特別恐怖対談』(2) 昨日の続きで、6節め「小鳥クリーニングと赤マント」の後半、吉行氏と和田氏の語る赤マントの件を見て置こう。 単行本144頁2行め~145頁8行め・文庫版160頁15行め~163頁6行め・文芸文庫55頁8行め~56頁(15行め)。 和…

赤いマント(204)

一昨日まで最初の『恐怖対談』と最後の『特別恐怖対談』の2点だけだけれども、吉行淳之介「恐怖対談シリーズ」について一応の確認をした。そして昨日、手始めに「エレベーターの墜落」にまつわる怪談を取り上げたのだけれども、本題はむしろこちらの方である…

吉行淳之介『恐怖対談』(1)

吉行淳之介(1924.4.13〜1994.7.26)の小説は、殆ど読んだことがない。有名作家の作品は他の人に任せて置けば良いと思っていたのと、題材にされている娼婦に興味も親しみも覚えないからである。落語の廓噺も好きではない。勉強のために聞いたので、大して面…

赤いマント(203)

・黒田清『そやけど大阪』(6) 昨日引いた、滝川小学校の卒業生たちが同窓会で語った赤マント流言の内容について、確認して置こう。 「小学四、五年生のころだったか」の段落が、実は小学3年生のときだったと思われるのだが、黒田氏が実際に接した流言の内…

赤いマント(201)

・黒田清『そやけど大阪』(4) 昨日見た、第三章の18節め「匂いの記憶が町並みを浮かばせる」に述べられていた平成5年(1993)4月の同窓会のことは、19節め、183頁11行め~185頁「紙芝居の街、郷愁の赤マント」に続くのである。 前節の最後の段落を受けて…

赤いマント(200)

・黒田清『そやけど大阪』(3) 昨日の続き。 滝川小学校の同窓会については、まづ第二章の10節め「昭和十年代の天満を地図で ”再現” 」の冒頭、前回引用した箇所の前の段落に、99頁11~12行め、 九月はじめの日曜日、小学校の同窓会があった。場所は天満天…

赤いマント(199)

・黒田清『そやけど大阪』(2) 私は高校時代の3年間を兵庫県で過ごし、大阪にも年に何度か出たけれども、ほぼ梅田の周辺で用事を済ませて、それ以外の場所に行って見たことがない。たまに都会に出る高校生には大阪は何だか複雑で、寄席や映画を見るような…

赤いマント(198)

田辺聖子の赤マントについて、時期と登場人物につき少々長くなってしまった。河合隼雄との対談では、昨日の引用に続く「大きな意味をもって存在する男の子」の節に、登場する男子のモデルについて(『私の大阪八景』には触れずに)語っており、小説との関連…

赤いマント(196)

・田辺聖子『私の大阪八景』(15) タヌキ先生⑦ 昨日の続きで、河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の、田辺氏との対談から、小学4年生時の回想を抜いて置こう。 1節め「人生のいちばん初め…

赤いマント(192)

・田辺聖子『私の大阪八景』(11) 昨日、主人公トキコが授業中に小説を書いていることをタヌキ先生に見つかって、教壇で級友たちに見せるように言われて笑われるところを見たが、今日はその続きで読み上げさせられるところを抜いて置こう*1。『全集』第一巻…

赤いマント(191)

・田辺聖子『私の大阪八景』(10) タヌキ先生の確認で長くなったが、6月30日付(188)の続き、少し飛ばして、『全集』第一巻31頁5~19行め(長篇全集218頁上段3行め~下段1行め・岩波現代文庫34頁4行め~35頁5行め・角川文庫(改版)37頁8行め~38頁7行め)…

赤いマント(190)

・田辺聖子『私の大阪八景』(9) タヌキ先生④ 『田辺写真館が見た ”昭和” 』19章め「昭和の子供の夏休み」では、昨日の引用した箇所までで一旦中断して、195頁11~12行め、 ――このお話は前にもある所へ書いたことがあるけれども、この、一見、かしこそうな…

赤いマント(189)

・田辺聖子『私の大阪八景』(8) タヌキ先生③ 昨日の続きで、タヌキ先生のモデルと思われる先生の回想を、まづ『楽天少女 通ります 私の履歴書』から抜いて置こう。42頁4~12行め、 母は当然の如く教育ママであった。勉強のキライな小学生である私は、がみ…