瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

昭和史

日本の民話1『信濃の民話』(10)

ここで「信濃の民話」編集委員会について改めて見て置こう。 瀬川拓男・松谷みよ子夫婦は編者で、再話を担当している。 瀬川氏は【1】及び【9】【17】【24】【25】【27】【33】【46】の8話を担当、そうすると松谷氏は「わらべうた」を除く50話のうち42話を担…

白馬岳の雪女(068)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」1節め② 確かに、牧野陽子のように「白馬岳の雪女」はハーン「雪女」に基づくもので、原話などではない、と思っていたとしても、前回引用したように『信濃の民話』に載る「雪女」の最後に「採集 村沢武…

白馬岳の雪女(067)

9月11日付(044)の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(28)「二」1節め① 47頁7行め、3行取り2字下げでやや大きく「二 ハーンと「民話」の世界」とある。ここから68頁までが「二」章である。 しかし、実は「二」章なのか不安があって、――「一」章の最後の…

能美金之助『江戸ッ子百話』(10)

さて、5月23日付「杉村恒『明治を伝えた手』(5)」に見たように、杉村恒『明治を伝えた手』の解説「職人の世界」に、江戸ッ子東魂会に触れたところがある。 170頁12行め~172頁10行め、 江戸っ子東魂会 能美金之助氏は荒川区東尾久に住んでいる。十五年前…

白馬岳の雪女(64)

・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(3) 昨日の続きで、橘正典『雪女の悲しみ』の示唆により「日本昔話タイプ・インデックス」より雪女関連の話を見て行くこととする。 345頁上段5行め「233 しがま女房」と、上段16行め「234 雪…

白馬岳の雪女(60)

昨日の続き。 ・橘正典『雪女の悲しみ』(2) 奥付は横組みで、上部に[著者略歴]がある。「昭和4年 兵庫県加古川市に生まれる。/昭和29年 京都大学文学部卒業。/現 在 京都薬科大学教授/著 作 ‥‥」著作は5点、川端康成とフォークナーについての単著、…

白馬岳の雪女(42)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(22)「一」12節め① いよいよ「一 白馬岳の雪女伝説」の最後の節、44頁9行め~47頁6行め「北安曇の「雪女郎」の正体」を見て置こう。44頁10行め~45頁6行め、 日米開戦を半年後にひかえた一九四一年六月、長野県…

白馬岳の雪女(19)

牧野陽子は、ハーン研究家の間に、遠田勝が云うような「雪女」の出典問題をめぐる論争など存在しない、とした。確かにその通りなのだけれども、実は長野県では論争なしに「雪女」は地元の伝承と信じ込まれているらしいのである。 幾つか例を挙げて置こう。 …

上田満男『わたしの北海道』(1)

・すずさわ叢書14『わたしの北海道―アイヌ・開拓史』1977年7月25日発行・定価1,200円・すずさわ書店・318頁・四六判並製本わたしの北海道―アイヌ・開拓史 (1977年) (すずさわ叢書〈14〉)作者:上田 満男すずさわ書店Amazon 見返しは表紙・裏表紙とも黄緑色の要…

芥川龍之介「尾生の信」(4)

さて、ロマンチックでない私は、来ない人を待ち続けたような経験も、あったようななかったような、なかったと書くつもりが、よく考えて見るとあったのだけれども、それよりも、私が行かなかったことの方が多かったのである。 事情は様々である。しかし、携帯…

長沖一『上方笑芸見聞録』(13)

昨日の続きで、劇場や文学作品、演目、映画その他を列挙して行く。 こちらの方は未定稿で大体の分類はしてあるが、敢えて50音順にしなかった。 【劇場・演芸場】 ナンバ・グランド 25 南の花月 9~11・75~76・87・100・103・118・139・147・154・181 ナンバ…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(3)

昨日の続き。 「昭和の青春」の諸篇を眺めていると、最後がやや尻すぼみになっているような印象が拭えない。しかしながら最後、【14】篇めが「終わりと始まり」と題しているところからして、急に打ち切りになったのではないだろう。 しかしながら、【12】「ち…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(2)

それでは本書の主体を成す短篇連作「昭和の青春」の細目を、仮に【番号】を附し、題、(頁)、掲載号、主人公と主要人物、舞台となっている場所、さらに序でとして取り上げられている昭和の事物をメモして置こう。 【1】モクモク号走る(6~15頁)1997年春号…

池内紀『記憶の海辺』(4)

・池内紀の居住歴(6)出身地② 池内氏の生れ育った集落が姫路市新在家、現在の新在家本町であったことは前回確認した記述と地図からして間違いないでしょう。 そのことは、本書の中では明示されないままなのですが、歿後刊行された次の本に収録された、本書…

池内紀『記憶の海辺』(3)

・池内紀の居住歴(5)出身地① 池内氏が上京するまで過ごしていた集落については【2】「38度線」に詳しく述べてあります(以下、各章の副題は略します)が、集落名が何処にも書いてないのです。しかしながら、本文冒頭、21頁1~3行めに、 里の山を八丈岩山*1…

池内紀『記憶の海辺』(1)

・池内紀の居住歴(4) 池内氏が雑司ヶ谷に住んでいた時分に、西口彰の老弁護士殺しがあったらしい、と気付いたから、と云う訳でもないのだが、池内氏の雑司ヶ谷を始めとする東京での居住地を確かめて見るような按配になった。尤も、私は池内氏の読者ではな…

長沖一『上方笑芸見聞録』(9)

・花菱アチャコの藝名(3) 昨日の続きで、連載の最後に「拾遺といった形で」紹介されている、アチャコの由来説を見て置こう。185頁5~8行め、 二つ目は、別の座談会で、杉浦エノスケに久しぶりに会った。彼はアチャコより二つ歳上とい/うが元気だ。しかも…

長沖一『上方笑芸見聞録』(8)

・花菱アチャコの藝名(2) 昨日、Wikipedia「花菱アチャコ」項に、『昭和人物エピソード事典』を典拠として挙がるアチャコの由来説3種について、その全てが本書にも見えることを指摘した。尤も「アーチョン」説については「アチャコが決まって説明していた…

長沖一『上方笑芸見聞録』(6)

・横山エンタツの出生地(3) 連載の第【8】回、「花菱アチャコ」の「二」節めに引用される、藤沢桓夫の2通めの手紙を見て置こう。67頁10行め~68頁1行めに1字下げ、前後1行空けで引用されている。 ……留サン(吉田留三郎)が言うことには、阪本勝氏が何かに…

長沖一『上方笑芸見聞録』(5)

・横山エンタツの出生地(2) それでは連載の第【8】回、「花菱アチャコ」の「二」節めに戻って、藤沢桓夫が寄越した手紙を見て置こう。67頁2~8行めに1字下げ、前後1行空けで引用されている。 ……四月号の文中に出て来るエンタツ氏の後輩の将棋のH七段とい…

長沖一『上方笑芸見聞録』(4)

ここで6月2日付(2)に述べた、歿後刊行のため雑誌連載をそのまま収録している、と云った按配であることが明瞭に窺われる箇所を2つ、見て置きたい。 ・横山エンタツの出生地(1) 「花菱アチャコ」の「二」節めは、6月3日付(3)に示した細目にある通り、…

長沖一『上方笑芸見聞録』(3)

昨日見た長沖渉「あとがき」の冒頭に「『上方笑芸見聞録』は朝日放送のPR雑誌『放送朝日』に、昭和四十八年から四十九年まで二年間にわたり二十四回連載された」とある。 そこで、推定される号とその刊年月を、本書の章節と対照させてみよう。【 】に連載…

長沖一『上方笑芸見聞録』(2)

昨日は一昨日の続きを投稿するつもりで、帰宅後準備しようとしたら(1)が投稿されていた。 連休中に、連休明けに本書について投稿するつもりで準備していたのだが、当初(2)として次に上げるつもりだった2000年に作成した索引が、そのまま上げられるよう…

長沖一『上方笑芸見聞録』(1)

以下は2000年12月21日に保存したままになっていた長沖一(1904.1.30~1976.8.5)の遺著の、メモと索引である。書影は2020年1月2日付「在阪ラジオ局の思ひ出(1)」に貼付した。2000年当時私は「在阪ラジオ局の思ひ出(1)」に挙げたCDや書籍を読んで、昭和…

杉村恒『明治を伝えた手』(7)

昨日の続きで、解説「職人の世界」の4章め、188頁3行め~195頁「〝戦場の村〟に残る伝統工芸」及び5章め、196~200頁10行め「〝カメラの世界〟がとらえたこと」の内容を簡単に確認して置こう。 4章めは南ベトナムでの取材を述べたもので、時期が明示されてい…

杉村恒『明治を伝えた手』(6)

昨日の続きで、解説「職人の世界」3章め、181頁10行め~188頁2行め「技術は承けつがれる」の、グラビア頁の補足となる記述を見て置こう。5月16日付(2)に、仮に附した番号を添えて置くこととする。 まづ、181頁11~14行め、 取材した人達にはそれぞれ個性…

杉村恒『明治を伝えた手』(4)

昨日の続き。 解説1章めには、本書からは割愛した職人について述べたところがある。168頁17行め~169頁12行め、昨日の引用の続きになる。 そして一人ひとりの仕事の中にある本当に専門的な知識については、私にはまだまだ分らないことが多くあった。/【168…

杉村恒『明治を伝えた手』(3)

5月16日付(2)の続き。 160頁までのグラビア頁に続いて、161~200頁、解説「職人の世界」と201~202頁「あとがき」がある。 161頁(頁付なし)解説の扉。左側に二重線の枠(16.2×4.0cm)があって、明朝体縦組みで、上部中央に大きく「職人の世界」下部中央…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(21)

・吉田正三について(6) 昨日引用した東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』106頁に「好事家」からの「注文」のことが見えていましたが、まさにそうした需要を満たす吉田氏の画集『千住の吉田政造筆/東京の絵馬』があります。2月上旬に…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(20)

・吉田正三について(5) 一昨日からの続きで、東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』105頁16行め~106頁15行めを見て置きましょう。 ‥‥。むか/しは、父親の描いた絵馬を、千住から/池袋あたりまで持っていった。【105】 「雑司ケ谷の…