瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

昭和史

上田満男『わたしの北海道』(1)

・すずさわ叢書14『わたしの北海道―アイヌ・開拓史』1977年7月25日発行・定価1,200円・すずさわ書店・318頁・四六判並製本わたしの北海道―アイヌ・開拓史 (1977年) (すずさわ叢書〈14〉)作者:上田 満男すずさわ書店Amazon 見返しは表紙・裏表紙とも黄緑色の要…

芥川龍之介「尾生の信」(4)

さて、ロマンチックでない私は、来ない人を待ち続けたような経験も、あったようななかったような、なかったと書くつもりが、よく考えて見るとあったのだけれども、それよりも、私が行かなかったことの方が多かったのである。 事情は様々である。しかし、携帯…

長沖一『上方笑芸見聞録』(13)

昨日の続きで、劇場や文学作品、演目、映画その他を列挙して行く。 こちらの方は未定稿で大体の分類はしてあるが、敢えて50音順にしなかった。 【劇場・演芸場】 ナンバ・グランド 25 南の花月 9~11・75~76・87・100・103・118・139・147・154・181 ナンバ…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(3)

昨日の続き。 「昭和の青春」の諸篇を眺めていると、最後がやや尻すぼみになっているような印象が拭えない。しかしながら最後、【14】篇めが「終わりと始まり」と題しているところからして、急に打ち切りになったのではないだろう。 しかしながら、【12】「ち…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(2)

それでは本書の主体を成す短篇連作「昭和の青春」の細目を、仮に【番号】を附し、題、(頁)、掲載号、主人公と主要人物、舞台となっている場所、さらに序でとして取り上げられている昭和の事物をメモして置こう。 【1】モクモク号走る(6~15頁)1997年春号…

池内紀『記憶の海辺』(4)

・池内紀の居住歴(6)出身地② 池内氏の生れ育った集落が姫路市新在家、現在の新在家本町であったことは前回確認した記述と地図からして間違いないでしょう。 そのことは、本書の中では明示されないままなのですが、歿後刊行された次の本に収録された、本書…

池内紀『記憶の海辺』(3)

・池内紀の居住歴(5)出身地① 池内氏が上京するまで過ごしていた集落については【2】「38度線」に詳しく述べてあります(以下、各章の副題は略します)が、集落名が何処にも書いてないのです。しかしながら、本文冒頭、21頁1~3行めに、 里の山を八丈岩山*1…

池内紀『記憶の海辺』(1)

・池内紀の居住歴(4) 池内氏が雑司ヶ谷に住んでいた時分に、西口彰の老弁護士殺しがあったらしい、と気付いたから、と云う訳でもないのだが、池内氏の雑司ヶ谷を始めとする東京での居住地を確かめて見るような按配になった。尤も、私は池内氏の読者ではな…

長沖一『上方笑芸見聞録』(9)

・花菱アチャコの藝名(3) 昨日の続きで、連載の最後に「拾遺といった形で」紹介されている、アチャコの由来説を見て置こう。185頁5~8行め、 二つ目は、別の座談会で、杉浦エノスケに久しぶりに会った。彼はアチャコより二つ歳上とい/うが元気だ。しかも…

長沖一『上方笑芸見聞録』(8)

・花菱アチャコの藝名(2) 昨日、Wikipedia「花菱アチャコ」項に、『昭和人物エピソード事典』を典拠として挙がるアチャコの由来説3種について、その全てが本書にも見えることを指摘した。尤も「アーチョン」説については「アチャコが決まって説明していた…

長沖一『上方笑芸見聞録』(6)

・横山エンタツの出生地(3) 連載の第【8】回、「花菱アチャコ」の「二」節めに引用される、藤沢桓夫の2通めの手紙を見て置こう。67頁10行め~68頁1行めに1字下げ、前後1行空けで引用されている。 ……留サン(吉田留三郎)が言うことには、阪本勝氏が何かに…

長沖一『上方笑芸見聞録』(5)

・横山エンタツの出生地(2) それでは連載の第【8】回、「花菱アチャコ」の「二」節めに戻って、藤沢桓夫が寄越した手紙を見て置こう。67頁2~8行めに1字下げ、前後1行空けで引用されている。 ……四月号の文中に出て来るエンタツ氏の後輩の将棋のH七段とい…

長沖一『上方笑芸見聞録』(4)

ここで6月2日付(2)に述べた、歿後刊行のため雑誌連載をそのまま収録している、と云った按配であることが明瞭に窺われる箇所を2つ、見て置きたい。 ・横山エンタツの出生地(1) 「花菱アチャコ」の「二」節めは、6月3日付(3)に示した細目にある通り、…

長沖一『上方笑芸見聞録』(3)

昨日見た長沖渉「あとがき」の冒頭に「『上方笑芸見聞録』は朝日放送のPR雑誌『放送朝日』に、昭和四十八年から四十九年まで二年間にわたり二十四回連載された」とある。 そこで、推定される号とその刊年月を、本書の章節と対照させてみよう。【 】に連載…

長沖一『上方笑芸見聞録』(2)

昨日は一昨日の続きを投稿するつもりで、帰宅後準備しようとしたら(1)が投稿されていた。 連休中に、連休明けに本書について投稿するつもりで準備していたのだが、当初(2)として次に上げるつもりだった2000年に作成した索引が、そのまま上げられるよう…

長沖一『上方笑芸見聞録』(1)

以下は2000年12月21日に保存したままになっていた長沖一(1904.1.30~1976.8.5)の遺著の、メモと索引である。書影は2020年1月2日付「在阪ラジオ局の思ひ出(1)」に貼付した。2000年当時私は「在阪ラジオ局の思ひ出(1)」に挙げたCDや書籍を読んで、昭和…

杉村恒『明治を伝えた手』(7)

昨日の続きで、解説「職人の世界」の4章め、188頁3行め~195頁「〝戦場の村〟に残る伝統工芸」及び5章め、196~200頁10行め「〝カメラの世界〟がとらえたこと」の内容を簡単に確認して置こう。 4章めは南ベトナムでの取材を述べたもので、時期が明示されてい…

杉村恒『明治を伝えた手』(6)

昨日の続きで、解説「職人の世界」3章め、181頁10行め~188頁2行め「技術は承けつがれる」の、グラビア頁の補足となる記述を見て置こう。5月16日付(2)に、仮に附した番号を添えて置くこととする。 まづ、181頁11~14行め、 取材した人達にはそれぞれ個性…

杉村恒『明治を伝えた手』(4)

昨日の続き。 解説1章めには、本書からは割愛した職人について述べたところがある。168頁17行め~169頁12行め、昨日の引用の続きになる。 そして一人ひとりの仕事の中にある本当に専門的な知識については、私にはまだまだ分らないことが多くあった。/【168…

杉村恒『明治を伝えた手』(3)

5月16日付(2)の続き。 160頁までのグラビア頁に続いて、161~200頁、解説「職人の世界」と201~202頁「あとがき」がある。 161頁(頁付なし)解説の扉。左側に二重線の枠(16.2×4.0cm)があって、明朝体縦組みで、上部中央に大きく「職人の世界」下部中央…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(21)

・吉田正三について(6) 昨日引用した東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』106頁に「好事家」からの「注文」のことが見えていましたが、まさにそうした需要を満たす吉田氏の画集『千住の吉田政造筆/東京の絵馬』があります。2月上旬に…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(20)

・吉田正三について(5) 一昨日からの続きで、東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』105頁16行め~106頁15行めを見て置きましょう。 ‥‥。むか/しは、父親の描いた絵馬を、千住から/池袋あたりまで持っていった。【105】 「雑司ケ谷の…

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(3)

昨日の続きで、今回は本書の成立について見て置こう。 229~230頁「あとがき」は最後、230頁17行め、1行分空けて2字下げで「昭和三十八年三月」付、下寄せで「東京新聞社社会部長 新貝博記 」とある。ここは記名だけれども法人著作物であり著作権は消滅して…

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(2)

昨日の続き。 経年劣化もあってかクリーム色っぽく見えるやや厚手の見返し(遊紙)があって、1頁(頁付なし)扉には角の丸い太線の枠(14.4×7.5cm)に横組みで、上部に明朝体で大きく標題「名 人」上にやや小さく「〈町の伝統に生きる人たち〉」下に「東京新…

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(1)

・ハヤカワ・ライブラリ『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』1963年 4 月15日発行・¥ 250・早川書房・230頁・新書判並製本名人―町の伝統に生きる人たち (1963年) (ハヤカワ・ライブラリー)メディア: - 4月12日付「杉村恒『明治を伝えた手』(1)」に関連…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(2)

昨日の続き。 ・冨田均『住所と日付のある東京風景』(2) この地図のことは28篇め、235~242頁「地図と高速道路と猫」にも、236頁16行め~237頁11行め、 和楽路屋発行の『東京都区分地図帖コンパクト版』をとり出す。これが今の東京を歩くには絶/好の地図…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(1)

雑司ヶ谷の高田書店には、私には勿論、ここまでする程の思入れがあるはずもないのだが、思い掛けず新たな切り口が得られることもあるので、事の序でに色々と、図書館に行く度に漁ってしまうのである。 ところで、2020年2月撮影の Google ストリートビューに…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(3)

・池内紀の居住歴(3) 板橋の次に住んだ豊島区雑司ヶ谷であるが、中公新書2023『東京ひとり散歩』の「まえがき」には、ⅴ頁5~11行め、 雑司ヶ谷には、けっこう長くいた。少し歩くと鬼子母神の境内にきた。樹齢五百年とかの/大イチョウがそびえており、人…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(1)

・池内紀の居住歴(1) 4月9日付「水島新司『ドカベン』(60)」にて、鈴木則文監督の実写映画『ドカベン』にて「朝日奈書店」として使用されていた書店が豊島区雑司が谷の高田書店であることを確認し、営業期間について豊島区南池袋の古書店・古書 往来座…

佐木隆三『復讐するは我にあり』(1)

さて、4月9日付「水島新司『ドカベン』(60)」を「今村昌平監督『復讐するは我にあり』(1)」と題して投稿しようかと思ったのだが、鈴木則文監督『ドカベン』のロケ地として、欅並木の鬼子母神表参道と西参道商店街の分岐点にあった本屋に注目したのだか…