瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

昭和史

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(4)

・新版と定本の比較② 風の盆についての記憶や知識を辿って行くうちに余計な話で長くなったが、ようやっと1月12日付(1)の続き。 ③定本は②新版よりも8頁増えているが、120頁【風の盆案内】の最後、3段め25行めの次、1行分使って縦線(4.0cm)で仕切って、26…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(11)

・古俳書『加賀染』附『鵜坂集』 私はまだ『中島文庫目録』を見ないけれども、富山県立図書館の「中島文庫」には『杏文庫山岳古史料蔵目』に載る山岳関係史料だけでなく、相当量の古俳書が収蔵されていて、富山県立図書館HPの古絵図・貴重書ギャラリーにて閲…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(10)

・昭和17年(1942)上京の時期 昨日見た「烏水翁のこと その一」に続く「その二」は、「上高地は神河内が正しき説」に続いて小島烏水が「山岳」第三十五年第一号(昭和十五年五月)に発表した「神河内地名考」を受けて中島氏が「山岳」第三十六年第一号に発…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(7)

・杏文庫山岳古史料蔵目 昨日の続き。 「第十章 山 岳 古 史 料」551頁扉(頁付なし)。 ・552~566頁「杏文庫山岳古史料蔵目 其一」 552頁2行め~553頁2行め「序」 「黒部奥山研究」を志した経緯を略述、そしてこれを「成就」させ、小島烏水「序」と中島氏…

白馬岳の雪女(094)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(4) 昨日の続き。もっと簡単に見て行くつもりだったのだが遭難記事について少々細かくなってしまった。 3 白馬を愛した人々 【1】お花畑への埋骨の遺書 大阪の染色工芸家「悟道さん」と、蕨平部落の山案内人・松沢…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(185)

・叢書東北の声44『杉村顕道作品集 伊達政宗の手紙』(8)「伊達政宗の手紙」 さて、借り出した当日、駅や帰りの車中で土方正志「解説」や「底本一覧」を見ても各作品の執筆時期が説明されていなかったことから、その興味でまづ表題作を読み始めた。そして…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(181)

・叢書東北の声44『杉村顕道作品集 伊達政宗の手紙』(4)未収録作品について 12月9日付(178)から本書を取り上げているので(4)とした。 この他に、土方正志「解説 杉村顕道の足跡」の気になったところとしては、昨日の引用の続き、480頁下段9行め~482…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(1)

①現代教養文庫1055(1981年12月30日 初版第1刷発行・定価560円・社会思想社・342頁)*1 日本怪談集 妖怪篇 (現代教養文庫)作者:今野円輔社会思想社Amazon カバー表紙、標題は白抜き、副題は灰色の明朝体、編者名は副題と同じ大きさのゴシック体灰色、その下…

日本の民話1『信濃の民話』(14)

10月22日付(10)の最後に書名だけメモして置いた、次の本を見た。 ・松谷みよ子・曽根喜一・水谷章三・久保進 編『戦後人形劇史の証言――太郎座の記録――』一九八二年四月一九日発行・一声社・334頁・四六判上製本 表紙は丸背の赤い布装、背表紙に黒の明朝体…

白馬岳の雪女(071)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(30)「三」1節め 私の興味は白馬岳の雪女がどのように展開したのか、より正確に辿ることにあるので、松谷みよ子とその「民話」を検討した「二 ハーンと「民話」の世界」は、殆ど素通りしてしまった。松谷氏の再話については、…

白馬岳の雪女(070)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」 今週、仕事の方で何ヶ月か前にやった作業を久し振りにやって見たのだが、吃驚するくらい、捗らなかった。機械が新しくなったと云うこともある。それと同じで、遠田氏の本の検討も「一」とこれに関連する「二」の1…

日本の民話1『信濃の民話』(10)

ここで「信濃の民話」編集委員会について改めて見て置こう。 瀬川拓男・松谷みよ子夫婦は編者で、再話を担当している。 瀬川氏は【1】及び【9】【17】【24】【25】【27】【33】【46】の8話を担当、そうすると松谷氏は「わらべうた」を除く50話のうち42話を担…

白馬岳の雪女(068)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」1節め② 確かに、牧野陽子のように「白馬岳の雪女」はハーン「雪女」に基づくもので、原話などではない、と思っていたとしても、前回引用したように『信濃の民話』に載る「雪女」の最後に「採集 村沢武…

白馬岳の雪女(067)

9月11日付(044)の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(28)「二」1節め① 47頁7行め、3行取り2字下げでやや大きく「二 ハーンと「民話」の世界」とある。ここから68頁までが「二」章である。 しかし、実は「二」章なのか不安があって、――「一」章の最後の…

能美金之助『江戸ッ子百話』(10)

さて、5月23日付「杉村恒『明治を伝えた手』(5)」に見たように、杉村恒『明治を伝えた手』の解説「職人の世界」に、江戸ッ子東魂会に触れたところがある。 170頁12行め~172頁10行め、 江戸っ子東魂会 能美金之助氏は荒川区東尾久に住んでいる。十五年前…

白馬岳の雪女(64)

・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(3) 昨日の続きで、橘正典『雪女の悲しみ』の示唆により「日本昔話タイプ・インデックス」より雪女関連の話を見て行くこととする。 345頁上段5行め「233 しがま女房」と、上段16行め「234 雪…

白馬岳の雪女(60)

昨日の続き。 ・橘正典『雪女の悲しみ』(2) 奥付は横組みで、上部に[著者略歴]がある。「昭和4年 兵庫県加古川市に生まれる。/昭和29年 京都大学文学部卒業。/現 在 京都薬科大学教授/著 作 ‥‥」著作は5点、川端康成とフォークナーについての単著、…

白馬岳の雪女(42)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(22)「一」12節め① いよいよ「一 白馬岳の雪女伝説」の最後の節、44頁9行め~47頁6行め「北安曇の「雪女郎」の正体」を見て置こう。44頁10行め~45頁6行め、 日米開戦を半年後にひかえた一九四一年六月、長野県…

白馬岳の雪女(19)

牧野陽子は、ハーン研究家の間に、遠田勝が云うような「雪女」の出典問題をめぐる論争など存在しない、とした。確かにその通りなのだけれども、実は長野県では論争なしに「雪女」は地元の伝承と信じ込まれているらしいのである。 幾つか例を挙げて置こう。 …

上田満男『わたしの北海道』(1)

・すずさわ叢書14『わたしの北海道―アイヌ・開拓史』1977年7月25日発行・定価1,200円・すずさわ書店・318頁・四六判並製本わたしの北海道―アイヌ・開拓史 (1977年) (すずさわ叢書〈14〉)作者:上田 満男すずさわ書店Amazon 見返しは表紙・裏表紙とも黄緑色の要…

芥川龍之介「尾生の信」(4)

さて、ロマンチックでない私は、来ない人を待ち続けたような経験も、あったようななかったような、なかったと書くつもりが、よく考えて見るとあったのだけれども、それよりも、私が行かなかったことの方が多かったのである。 事情は様々である。しかし、携帯…

長沖一『上方笑芸見聞録』(13)

昨日の続きで、劇場や文学作品、演目、映画その他を列挙して行く。 こちらの方は未定稿で大体の分類はしてあるが、敢えて50音順にしなかった。 【劇場・演芸場】 ナンバ・グランド 25 南の花月 9~11・75~76・87・100・103・118・139・147・154・181 ナンバ…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(3)

昨日の続き。 「昭和の青春」の諸篇を眺めていると、最後がやや尻すぼみになっているような印象が拭えない。しかしながら最後、【14】篇めが「終わりと始まり」と題しているところからして、急に打ち切りになったのではないだろう。 しかしながら、【12】「ち…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(2)

それでは本書の主体を成す短篇連作「昭和の青春」の細目を、仮に【番号】を附し、題、(頁)、掲載号、主人公と主要人物、舞台となっている場所、さらに序でとして取り上げられている昭和の事物をメモして置こう。 【1】モクモク号走る(6~15頁)1997年春号…

池内紀『記憶の海辺』(4)

・池内紀の居住歴(6)出身地② 池内氏の生れ育った集落が姫路市新在家、現在の新在家本町であったことは前回確認した記述と地図からして間違いないでしょう。 そのことは、本書の中では明示されないままなのですが、歿後刊行された次の本に収録された、本書…

池内紀『記憶の海辺』(3)

・池内紀の居住歴(5)出身地① 池内氏が上京するまで過ごしていた集落については【2】「38度線」に詳しく述べてあります(以下、各章の副題は略します)が、集落名が何処にも書いてないのです。しかしながら、本文冒頭、21頁1~3行めに、 里の山を八丈岩山*1…

池内紀『記憶の海辺』(1)

・池内紀の居住歴(4) 池内氏が雑司ヶ谷に住んでいた時分に、西口彰の老弁護士殺しがあったらしい、と気付いたから、と云う訳でもないのだが、池内氏の雑司ヶ谷を始めとする東京での居住地を確かめて見るような按配になった。尤も、私は池内氏の読者ではな…

長沖一『上方笑芸見聞録』(9)

・花菱アチャコの藝名(3) 昨日の続きで、連載の最後に「拾遺といった形で」紹介されている、アチャコの由来説を見て置こう。185頁5~8行め、 二つ目は、別の座談会で、杉浦エノスケに久しぶりに会った。彼はアチャコより二つ歳上とい/うが元気だ。しかも…

長沖一『上方笑芸見聞録』(8)

・花菱アチャコの藝名(2) 昨日、Wikipedia「花菱アチャコ」項に、『昭和人物エピソード事典』を典拠として挙がるアチャコの由来説3種について、その全てが本書にも見えることを指摘した。尤も「アーチョン」説については「アチャコが決まって説明していた…

長沖一『上方笑芸見聞録』(6)

・横山エンタツの出生地(3) 連載の第【8】回、「花菱アチャコ」の「二」節めに引用される、藤沢桓夫の2通めの手紙を見て置こう。67頁10行め~68頁1行めに1字下げ、前後1行空けで引用されている。 ……留サン(吉田留三郎)が言うことには、阪本勝氏が何かに…