傳説
昨年の5月来度々借りて来ては伊藤英治 編『松谷みよ子の本 別巻 松谷みよ子研究資料』を眺めている。同じ題材を繰り返し扱っているのに索引がないので、159~452頁「松谷みよ子全著作目録」は繰り返し眺めては他に同じ題材で書いている(書いてありそうな)…
さて、田代の平家の旗竹の話は、松谷みよ子が5月6日付(03)に引いた「太郎座」パンフレット以来、何度か書いているのですけれども、これは5月7日付(04)の後半に見たように江戸時代後期の地誌にも見えております。7月15日付(16)に引いたくまの文庫③『熊…
未刊に終った未来社版日本の民話『紀伊の民話』のために、松谷氏は何処を歩いてどのような話を聞いたか、どうして未刊に終ったのか、集めた話はその後の作品にどのように活用されたのか、或いは、松谷氏と同じ話を載せている文献はないか、それは松谷氏とは…
松谷氏の著書は恐ろしく多く、かつ再録もしくは改稿が多く、非常に扱いが難しいのですけれども、私には系統立てて追って行く余裕などとてもでないが、存しません。松谷みよ子民話研究室なき今、それこそ日本民話の会の企画としてでも『松谷みよ子の本』別巻…
・くまの文庫③『熊野中辺路伝説(下)』(3) 続いて、6月25日付(14)に見た和田寛「和歌山の民話・伝説」では「栗山某と要約されていた要約されていた、もう1話を見て置くこととしましょう。 (下)には㉘~㉝の6話、天狗の話が纏めてあるのですが、その中…
昨日の続き。 ・くまの文庫③『熊野中辺路伝説(下)』(2) さて、3~7頁「目 次」を見るに、章立てはしておりませんが樹木、鳥、蛇‥‥と云った風に何話か纏めて排列してあることに気づかされます。その最初8題が樹木に関する話で、その8番め、16~17頁「平家…
前回6月25日付(14)に取り上げた和田寛「和歌山の民話・伝説」に見える、松谷みよ子が昭和34年(1959)の紀州採訪で聞いたのと同じ話ですが、稿末「主要参考文献」に見える次の本に拠るであろうことは容易に察せられます。 ・くまの文庫②『熊野中辺路伝説(…
ここで「民話の手帖」からしばらく離れて、6月5日付(11)に取り上げた「新修日本絵巻物全集/月報」と同時に、先月末に借りていた次の本の返却期限が迫って来たので、取り急ぎメモを取って置くこととする。――本を買わずに、コピーも取らずにやっていると、…
庭の梅の実も粗方落ちてしまった。昨日は1日勤務で帰りに高円寺に行ったりして、帰ってから拾う余裕がなかった。パソコンを立ち上げる気力もなかった。――4年振りの高円寺駅界隈は、変わっていないような、しかし何処となく違和感を感じさせる、妙な気分であ…
昨日の続き。――過去の記事を確認してから書き始めたら文体が敬体になってしまった。そういう気分なのでそのままにして置く。 さて、昭和36年(1961)11月15~17日の「竜の子太郎」初演(砂防会館)時のパンフレットの松谷みよ子「作者の言葉」では、この「旗…
未来社『日本の民話』シリーズでは、日本の民話56『紀州の民話』が昭和50年(1975)に徳山静子 編で出ているが、当初、昭和35年(1960)に『紀伊の民話』の題で刊行されるはずであった。しかしこれは実現しなかった。 ――瀬川拓男・松谷みよ子夫妻は未来社の…
・『書物通の書物随筆』第一巻『赤堀又次郎『読史随筆』』(3) 昨日の続きで、しばらく佐藤哲彦「解題」の「赤堀又次郎について」の出典(及び直接の依拠資料)について確認することとしたい。昨日列挙したブログ記事については【①空山】の如く、記事公開…
丁度一年前、2022年3月13日付(09)まで、当時刊行されたばかりだった『昔話・伝説を知る事典』が殆ど改訂もなされていない上に*1、一部執筆者が恐らくこうした安易な復刊計画に反対してか、自分の執筆項目ごと引き上げたために重要な項目が幾つもなくなって…
昨日、菊地正の八王子の民話集についても着手すべきか、と書いたのだけれども、今日、勤め帰りに図書館に寄ってちらちら眺めて、とても手に負えないと思った。昨日述べたことについても、若干訂正を要するかと思ったのだが、これも本格的な検討には発展させ…
・北八王子町会「北八王子だより」(2) 昨日の続きで、「北八王子だより」No.29(2020 年6月号)に引用・紹介されている「■ 首無し地蔵の伝説」の2つめを見て置こう。こちらは八王子市図書館蔵書のカバー表紙・背表紙・裏表紙の白黒複写を掲載してい…
・北八王子町会「北八王子だより」(1) 北八王子町会は八王子市町会自治会連合会「東北部地区連合会HP」に拠ると2022年3月現在で230世帯、世帯数から見て、八王子市石川町の南端、北八王子駅、八王子市立第一中学校、八王子市立第八小学校と云った辺りを…
昨日は清水成夫『八王子周辺の民話』及び『八王子ふるさとのむかし話』に言及されている、日野原(日野市日野台)の首塚の場所と伝承について確認するうち、何時なくなったのかの検証(と云うか見当を付けること)で長くなってしまった。八王子市石川町の首…
昨日引用した清水成夫による2種の「首なし地蔵」のうち、気になるのは「現在の第八小学校の敷地内にあった」との記述である。 何故なら、現在位置は岐れ道で方角を失って倒れた、と云う話の内容に良く合うからである。八王子市立第八小学校の敷地では、周囲…
八王子に「首なし地蔵」と呼ばれる地蔵があって、と云う話は稲川淳二が広めてかなり有名になっているらしい。その鑓水の道了堂跡にある石地蔵だが、立像と座像の2躯があって、稲川氏は一方に指定しているのに混乱を来している。その上、稲川氏は近著に収録し…
・「ふるさと八王子」の転載 本書は「ふるさと八王子」の記事を多く、ほぼそのまま転載している。しかし、その殆どが明示されていない。 そこで、ここに一覧にして纏めて置いた。巻二については、ここに追加するか、それとも別に纏めるか、改めて考えること…
昨日に続けて清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』巻二の内容を眺めて置きたいところでなのですが、本シリーズは都内の公立図書館には揃いで所蔵しているところがなく、都下の公立図書館にも殆ど所蔵されておりません。しかしながら、それでも巻二を所蔵し…
・巻一(6)浅川地区 昨日の続きで5章めを眺めて置く。要領は11月24日付(05)に同じ。 144頁6行め~「<浅川地区>」 *「目次」4頁め上段2行めには1字下げでやや大きく「浅川地区(三十話)」とある。 《1》恋もかなう樫の木(八王子市東浅川町)144頁7行…
・巻一(5)加住地区 昨日の続きで4章めを眺めて置く。要領は11月24日付(05)に同じ。 135~144頁5行め「<加住地区>」 *「目次」3頁め下段10行めには1字下げでやや大きく「加住地区(九話)」とある。 《1》滝は落ちると移った滝山城(八王子市丹木町)…
・巻一(4)横山地区 昨日の続きで3章めを眺めて置く。要領は一昨日に同じ。 101~134頁「<横山地区>」 *「目次」3頁め上段2行めには1字下げでやや大きく「横山地区(二十五話)」とある。 《1》神龍の伝説(八王子市長房町)101頁2行め~102頁3行め ※『…
・巻一(3)小宮地区 昨日の続きで2章めを眺めて置く。要領は昨日に同じ。 1点、典拠を追加して置く。 ・創価大学民話研究会 編著『はちおうじの昔話』昭和59年9月10日発行・定価1200円・有峰書店・188頁・四六判並製本 これも本書以降に刊行されているので…
・巻一(2)八王子地区 本書には、前回引いた「まえがき」にあったように、八王子市内の5つの地区の伝説等が纏められている。 以下、地区ごとに、仮に《番号》を打って細目を眺めて置くこととしよう。4行取り2段抜きの題の左下に添えてある(地名)は、仮に…
・郷土資料シリーズ⑷『八王子周辺の民話』(3)跋① 66~67頁上段に橋本義夫「跋」を見て置こう。66頁上段1~4行め、 編者清水成夫氏は武相地方に知られた地方史家であ/る。今日まで四十余年、生活の三分二ほどの傾けるとい/う地方紙のマニヤ的な熱心家で…
・郷土資料シリーズ⑷『八王子周辺の民話』(2) 扉の裏に東京都立八王子図書館長の秋間節愛「まえがき」がある。「昭和四十三年八月一日」付で、まづ最初の2段落で民話の意義について述べ、そして範囲と編輯については3段落め、6~8行めに、 民話の解釈には…
・郷土資料シリーズ(4)『八王子周辺の民話』昭和43年8月1日発行・東京都立八王子図書館・67+4頁・A5判並製本 表紙は淡い紫色の模造紙で、表紙の文字は明朝体縦組み、中央に太字で大きく「八 王 子 周 辺 の 民 話」と標題、その右脇上寄りに「清 水 成…
小倉英明『私たちの郷土由木村』の「白水」は、鑓水の地名由来伝説らしいのですけれども、それとはっきり書いてある訳ではありません。 私の見たうちで、これを地名の由来に結び付けたのは10月18日付「小泉二三『思い出の鑓水』(1)」に内容を確認した地方…