瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

傳説

日本の民話1『信濃の民話』(12)

・信濃叢書『信濃昔話集』(2) 本書に「採集 牧内武司」として見えている話の典拠と思しき牧内武司の著書だが、昨日述べたように10月20日付(08)に見た伊那民俗研究會 編『伊那民俗叢書 第二輯 昔ばなし』と共通する話が少なくないようだ。――もちろん『昔…

日本の民話1『信濃の民話』(09)

昨日の続きで最後、5章めを①上製本(初版)第一刷にて見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 259頁(頁付なし)中央上部に大きく「木 曾 路」。260頁(頁付なし)は左下に「西筑摩郡」。2012年11月30日付「泉鏡花『高野聖』の文庫本(4)」の…

日本の民話1『信濃の民話』(08)

昨日の続きで、①上製本(初版)第一刷の、4章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 207頁(頁付なし)中央上部に大きく「諏訪湖・伊那谷」。208頁(頁付なし)は左下に「諏 訪 郡 諏 訪 市 岡 谷 市 上伊那郡/下伊那郡 駒ヶ根市 飯 田 …

日本の民話1『信濃の民話』(07)

一昨日からの続きで、①上製本(初版)第一刷の、3章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 139頁(頁付なし)中央上部に大きく「安曇野・筑摩の里*1」。140頁(頁付なし)は左下に「北安曇郡 南安曇郡 大 町 市/東筑摩郡 松 本 市」。 【…

日本の民話1『信濃の民話』(06)

昨日の続きで、①上製本(初版)第一刷の、2章めを見て行くこととする。要領は昨日に同じ。 91頁(頁付なし)中央上部に大きく「塩田平・佐久平」。92頁(頁付なし)は左下に「小 県 郡 北佐久郡 南佐久郡/小 諸 市 上 田 市*1」。 【16】鯨の夫婦〔南佐久郡…

日本の民話1『信濃の民話』(05)

昨日の続きで、2019年12月20日付(1)に挙げた諸本のうち①上製本(初版)第一刷にて、細目を見て行くこととする。 番号は打たれていないが、整理の便宜のため仮に【 】に番号を附した。まづ3行取り3字下げでやや大きく題、その下に小さく〔 〕に地域を入れ…

日本の民話1『信濃の民話』(4)

昨日の続きで、2019年12月20日付(1)に挙げた諸本のうち①上製本(初版)第一刷にて、内容を見て置こう。排列であるが「はしがき」の昨日引用した箇所に続いて、2頁16~18行め、 次に地域のわけ方については、長野県は、もともと、人文地理的にも自然地理的…

白馬岳の雪女(068)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」1節め② 確かに、牧野陽子のように「白馬岳の雪女」はハーン「雪女」に基づくもので、原話などではない、と思っていたとしても、前回引用したように『信濃の民話』に載る「雪女」の最後に「採集 村沢武…

白馬岳の雪女(58)

今時の人には分かりづらいかも知れないが、100年前であれば身分は絶対に近かった。――グリム童話に出て来る忠義な下僕が、幾ら頼りになってもお姫様とは恋仲にならないように。そしてお姫様に恋される異類は、実は王子様なのである。 尤も、アイヌ社会の身分…

白馬岳の雪女(57)

・丸山隆司「【研究ノート】民話・伝説のポストコロニアリスム」(6) 一昨日見たように、丸山氏は「悲しき蘆笛」の粗筋を紹介、末尾は原文のまま引用して、次のように述べる。39頁下段9~17行め、 ‥‥。も/うすこしあからさまにいえば、この話のモチーフは…

白馬岳の雪女(56)

白馬岳から随分離れ、丸山氏の文章からも遠ざかっているが、仕方がない(?)ので昨日の続き*1。 ・丸山隆司「【研究ノート】民話・伝説のポストコロニアリスム」(5) ところが平成6年(1994)の「和人のアイヌ文化理解について――事例その1 青木純二『アイ…

白馬岳の雪女(55)

・丸山隆司「【研究ノート】民話・伝説のポストコロニアリスム」(4) 一昨日の続き。 丸山氏は最後に、青木純二の「異文化理解、他者理解の貧困さ」の実例として「悲しき蘆笛」の粗筋を紹介、特に末尾は原文をそのまま抜いている。『アイヌの傳説と其情話…

白馬岳の雪女(54)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(26)「一」8節め⑤ 昨日予告した、8節め「「雪女」と偽アイヌ伝説」の最後、青木氏が「白馬岳の雪女」を捏造した理由について、遠田氏の推測と、牧野氏の新稿に見える説を見た上で、昨日の検討を踏まえた上での私見を述べて置こ…

白馬岳の雪女(53)

昨日は第百書房版『アイヌの傳説』の発行日に関する疑問から、前々から気になっていた札幌市図書館OPAC の「青木純一」の豆本『アイヌの伝説』、更には図書館のデータがどうも奇妙な実例として昭和3年(1928)の北海道帝國大學附属圖書館『北海道史料展覽目…

白馬岳の雪女(51)

・丸山隆司「【研究ノート】民話・伝説のポストコロニアリスム」(2) 一昨日の続き。 昨日引用した遠田勝『〈転生〉する物語』の「一 白馬岳の雪女伝説」の8節め「「雪女」と偽アイヌ伝説」に、「‥‥。もちろん青木は今日「東京朝日新聞記者」という肩書きか…

白馬岳の雪女(50)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(25)「一」8節め④ 遠田氏は、この丸山氏の文章には気付いていないようだ。ここで同じ箇所――「はしがき」6段落めを抜いての、遠田氏のコメントを、事の序でに見て置こう。37頁2~13行め、「一 白馬岳の雪女伝説」…

白馬岳の雪女(48)

・『樹木の伝説』の十六人谷 序でにもう少し「十六人谷」の文献を提示して置こう。――8月30日付(34)に書影だけ示した Truth In Fantasy 65『花の神話』のシリーズの続篇と云うべき、同じ秦寛博(1970生)編著の次の本に「十六人谷」が載っている。 ・Truth …

白馬岳の雪女(47)

・辺見じゅん「十六人谷」(10)『闇の祝祭』③ それでは①単行本と②現代短歌文庫とを対象させつつ、連作「十六人谷」について確認して置こう。と云っても私の関心は伝説及びそこから創作した辺見版「十六人谷」との関連にあるので、全ての短歌を取り上げるつ…

白馬岳の雪女(43)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(23)「一」12節め② 次に「一 白馬岳の雪女伝説」の最後の節、44頁9行め~47頁6行め「北安曇の「雪女郎」の正体」から、『信濃の伝説』の著者を紹介したところを見て置こう。45頁14行め~46頁6行め、 著者の村沢…

白馬岳の雪女(42)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(22)「一」12節め① いよいよ「一 白馬岳の雪女伝説」の最後の節、44頁9行め~47頁6行め「北安曇の「雪女郎」の正体」を見て置こう。44頁10行め~45頁6行め、 日米開戦を半年後にひかえた一九四一年六月、長野県…

白馬岳の雪女(41)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(21)「一」11節め⑤ 遠田氏は「白馬岳の雪女」の流布と定着に『大語園』が大きな役割を果たしたように読みたいらしいが、影響は殆どなかっただろう。 従って『大語園』に関しては差当り、村松眞一の「勘違い」と、これを「利用…

白馬岳の雪女(40)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(20)「一」11節め④ 昨日は、11節め「昭和の大説話集『大語園』」に関連して、村松眞一が平成10年(1998)に発表した「ハーンの「雪女」と原「雪女」」にて『大語園』に載る「白馬岳の雪女」をハーンの「雪女」の原話と見做した…

白馬岳の雪女(39)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(19)「一」11節め③ 昨日の続きで、11節め「昭和の大説話集『大語園』」から、遠田氏が『大語園』の「白馬岳の雪女」が「ハーンからの翻案」とハーン研究者たちにも気付かれず、逆にハーンの「雪女」の原話とみなされてしまっ…

白馬岳の雪女(38)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(18)「一」11節め② 昨日は11節め「昭和の大説話集『大語園』」には入らず、2節めと3節めに『大語園』が持ち出されていたところを引いて、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧出来なくなっていることや、やや使いにくい…

白馬岳の雪女(37)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(17)「一」11節め① 遠田氏の叙述が青木純二のアイヌ伝説捏造及び捏造疑惑に回り道をした序でに、昨年の12月に見付けて置いた青木氏晩年*1の、アイヌ伝説についての発言を見て置いた。 実は青木氏については、昭和40年代には放…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(174)

記事のタイトルは「白馬岳の雪女(37)」或いは「上田満男『わたしの北海道』(4)」でも良かったのだが、私の青木純二調査のそもそものきっかけは「木曾の旅人」の改作者としての興味からだったのでこの題にして置こう。 ・上田満男『わたしの北海道』更科…

上田満男『わたしの北海道』(3)

本書については、7月17日付(1)に上田賢「序にかえて」にて初出と内容について確認し、第一部「アイヌのゆくえ」の細目を見て置いた。次いで7月18日付(2)に連載時期と北海道立図書館に切抜きが5冊に整理されて所蔵されていること、未刊分の記事を紹介し…

白馬岳の雪女(36)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(16)「一」10節め 青木純二のアイヌ伝説捏造については、8月27日付(31)に「大蛇を退治した娘」等、近年 Twitter で取り沙汰されているものについて、私の分かっている範囲で触れて置いた。しかしながら、本書…

白馬岳の雪女(35)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(15)「一」9節め② 昨日の続きで9節め「地名の魔力」の後半を見て行こう。39頁8行め~40頁6行め、 物語は地名をもとめ、地名は物語に魔力を与える。結局、白馬岳の雪女伝説の流布において、青/木の果たした最大の功績――これを…

白馬岳の雪女(34)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(14)「一」9節め① 8節め「「雪女」と偽アイヌ伝説」は続いて、これら、ハーン「雪女」翻案と一見判りにくい(だからこれまで指摘されて来なかった)『アイヌの傳説と其情話』の2例と、人名も行文も引き写している…