2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧
・中村希明『怪談の心理学』(9) 一昨日からの続きで、中村希明『怪談の心理学』51頁11行め〜52頁1行めを抜いて見ましょう。 しかし、これよりずっとディテイルの多い話がおおよそ三十年前の中学生の伝聞として/『現代民話考』に採録されているから、これ…
・中村希明『怪談の心理学』(8) 昨日の続きで、中村希明『怪談の心理学』50頁7〜11行めを抜いて見ましょう。 しかし、着せかけられるのがはんてんに変わっているだけで、あとのディテイルはまっ/たくそっくりの「赤いチャンチャンコ」の話が、それよりか…
・中村希明『怪談の心理学』(7)*1 さて、これまで中村希明『怪談の心理学』の「赤いはんてん」に関する記述は、専ら2014年1月4日付「赤いマント(74)」に引用して置いた部分を使用して来ました。しかしこれは記事の題からも明らかなように、飽くまでも赤…
それでは本文を比較して見たいのですが、諸版について書名を一々出すのも煩いので①初出誌「不思議ナックルズ」Vol.6、②『日本“怪奇”伝説』、③『怪奇事件はなぜ起こるのか』と番号で示すことにします。私はまだ①を見ていませんので、②と③の比較ということにな…
それでは『怪奇事件はなぜ起こるのか』に再録されなかった、『日本“怪奇”伝説』にのみ掲載されている図版について確認して置きましょう。 074頁下、左側に顔写真があって肩に掛かる程度の黒髪で額は秀でており、黒縁眼鏡を掛け、目を細め歯並びの良い歯を覗…
『日本“怪奇”伝説』版の冒頭見開き左側、071頁左上の縦組み白抜きのリード文も『怪奇事件はなぜ起こるのか』には再録されていませんから、ここに引いて置きましょう。 かつて芝居で使われた少女人形に纏わる、/実際に起きた数々の怪異。/今なお恐怖の増殖…
たまたま昨晩、近所の図書館で借りた東雅夫編『私は幽霊を見た 現代怪談実話傑作選』330〜351頁に、稲川淳二「生き人形」が載っていることに気付きました。この本の書影は2014年9月20日付「遠藤周作「幽霊見参記」(05)」に貼りました。354頁【底本一覧】に…
昨日ふと『新耳袋殴り込み』と同じように『稲川怪談殴り込み』を誰かやってくれないか、と思い付いたのでしたが、実は既にそのような試みは、稲川氏の代表作「生き人形」についてなされていたのでした。 ・小池壮彦『怪奇事件はなぜ起こるのか 「生き人形」か…
1月20日付「赤い半纏(06)」に述べたように、久し振りのコメント投稿を承けて昨日まで、後で触れるつもりだった「赤い半纏」の流布についての憶測を、取り敢えず手持ちの材料で述べてみました。ここで1月19日付「赤い半纏(05)」に戻って、その続きで当初…
2014年1月4日付「赤いマント(74)」に既に引きましたが、中村希明『怪談の心理学』では8頁9〜10行め「昭和五十二、三年頃になると、まったく同一ストーリーの「赤いはんてん」/の怪談がなんと女子大生のあいだで大流行するのである」としている「赤いはん…
私が一昨日の晩(日付が変わっていたので20日未明というべきですが)に風呂場でつらつら「赤い半纏」のこれまでに分かっている流れを反芻してみて、ふと、2014年1月4日付「赤いマント(74)」に引いた中村希明『怪談の心理学』に「あたりは鮮血が飛び散って“…
昨日、仕事やらブログ更新やらを終えて(いや、仕事は途中だった)風呂に入ろうとパソコンを閉じようとして、ブログにコメントが付いていることに気付きました。――毎日何らかの記事更新を(誰から強制された訳でもないのに)日課にするとなると、コメントの…
昨日の続きで、ここまでに引いた部分に於いて疑問に思われる点をさらに指摘して置くつもりだったのですが、動画サイトに複数存在している時期を異にする、稲川氏の語りを聞いてみるに、細かいところで少なからぬ異同があります。稲川氏は必ずと云って良いく…
昨日の続き。 前回1月17日付(3)に引いたブックレット2頁めのコメントに「長い時間が経ってからその続きや真相が見えてくる事があるんですよね…。」とあるのは、この「赤い半纏〈完全版〉」には従来の「赤いはんてん」にはなかった「続きや真相」が追加され…
昨日の続き。 稲川氏の「赤い半纏」には複数の音源が存在します。2011年2月8日付「今野圓輔編著『日本怪談集―幽霊篇―』(1)」にも書いたように、私は稲川氏の怪談を聞いても怖いと思わないのです。すなわち、1月14日付「子不語怪力亂神(1)」にも述べた…
昨日の続きで、032頁13行めから引いてみましょう。 平山 怖いですね。それをラジオで放送したんですか。 稲川 しました。普通に話すのもいいんだけど、私、つくったんですよ。フシを。「赤〜/い〜は〜ん〜て〜ん〜着〜せ〜ましょか」って。 それから、二十年…
2014年4月18日付「赤いマント(138)」を書いて以来、「赤いはんてん」の流布について、稲川氏の果たした役割をもう少し確認して置きたいと思って、次の本を図書館で見てはたまに借り出していたのでした。 ・平山夢明・稲川淳二『怖い話はなぜモテる 怪談が…
怪異談が好きな人間にもいろいろあると思いますが、私は基本的に「子不語怪力亂神」という立場で、すなわち、まともな人は怪異なんぞを語らない、だから怪異談を御大層なもののように持ち上げたり、わざと拵え事をして大袈裟にしたりするのが苦手です。私は…
・単行本(5)挿絵 収録される写真については、前回1月9日付(11)まででほぼ確認を済ませたので、次に図版について単行本と文庫版を比較して見よう。コラムに挿入されている図版については後述する。 1月3日付(05)に引いたように、単行本の「挿絵」=文…
今回の投稿は、古い草稿に、形を整える程度の加筆修正を行ったものである。 すなわち「赤いマント」の連載を続けていた2013年12月28日から準備していたものだが、この本に気付いたのと同じ図書館の参考資料室で取った岩崎京子(1922.10.26生)の略歴のメモ書…
・MF文庫(3) 2015年5月24日付(2)の続き。 奥付の上部に縦長のゴシック体横組みでごく小さく初出が示されている。 (初出誌) ゆうれい談 1973年りぼん6月号付録 読者からのゆうれい談 1983年バラエティー6〜8月号 ゆうれいタクシー 199…
横書きで読む、画面で読む、ということに馴染まないので、青空文庫で作品を読んだことは、殆どない。 もちろん、理由はそればかりではない。30年来の図書館主義者で、作品は本文だけでなく収録している本の装幀やら、編集振りやら解説などにも注目する癖があ…
・小学館文庫『トキワ荘実録』(5)写真③ 一昨日から文庫版に増補された写真を確認しているが、最後に単行本刊行後に行われた会合に於ける写真を見て置こう。 ・平成7年(1995)4月 手塚悦子さんを励ます会 ・150頁、横長の写真で下に横組みで「1995年、手…
・小学館文庫『トキワ荘実録』(5)写真② 今回は、当時の写真ではないが、昭和期のトキワ荘にまつわるものの写真について見て置く。 ・115頁(頁付なし)、第二章「実録トキワ荘」の扉、題の下に水彩画らしいアパートの絵があり、キャプションは横組みで上…
1月3日付(05)に再開してからタグを[改版][改装]にしていたが、1月4日付(06)以降装幀に触れていないので[改装]を削り[漫画][昭和史]に差し替えた。 ・小学館文庫『トキワ荘実録』(4)写真① 昨日まで確認して来たように、文庫版は単行本カラー口絵にあっ…
・単行本(4)カラー口絵③ 一昨日からの続きで、カラー口絵の最後、8頁(頁付なし)を見て置こう。 上段はカラー(6.3×5.1cm)で、右に縦組みで、 ちばてつや氏『1・2・3と4・5ロク』(『少女クラ/ブ』一九六二年一月〜一二月連載)のとびら原画 とあ…
・単行本(3)カラー口絵② 4頁(頁付なし)上段(8.0×6.0cm)は右に縦組みで「石ノ森章太郎氏主宰「東日本漫画研究会」の肉筆同人誌/「墨汁一滴」第7号表紙(一九五八年五月)」。文庫版255頁(頁付なし)にあるものは拡大されている(11.1×8.2cm)が白黒…
・単行本(2)カラー口絵① 昨日の続きで、扉の次にあるアート紙のカラー口絵(1〜8頁)を見て置こう。文庫版には口絵はなく収録していても分散しており、もちろんカラーではない。 キャプションは単行本はゴシック体細字、文庫版は明朝体。 1頁(頁付なし)…
・単行本(1) カバー表紙は2015年8月13日付(1)に示したが、上部に手書き風の標題、明朝体の副題、ゴシック体の「丸山 昭著」右下にゴシック体で「ほぷる出版」とある。文字は全て横組みで「カンヅメ」のみ赤で、他は紫色。イラストは赤い缶詰に著者の似…
第12週「大阪一のおとうさま」の第72回(12月19日放映)は、まず第71回(12月18日放映)での白岡正吉(近藤正臣)の死を受けて、ナレーションが「九州の炭坑にいる雁助にも、うめからの手紙が届いていました」と言って正座して感慨にふける雁助(山内圭哉)…