瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

生歿年

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(133)

・青木純二の経歴(2) 先行研究で、青木氏の経歴について最も充実した調査結果を示しているのは、10月15日付(132)に触れた、牧野陽子(1953生)の論文によって批判された、遠田勝(1955生)の次の本である。 ・遠田勝『〈転生〉する物語――小泉八雲「怪談…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(130)

・杉村顕道の家系(3) さて、杉村氏の父について、明治期に官界・実業界で成功を収めた人物として、まづ国立国会図書館デジタルコレクションにて『人事興信録』に当たってみることにした。 ・『人事興信録』明治三十六年四月十五日印刷・同 三十六年四月十…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(129)

・杉村顕道の家系(2) 杉村顕(1904.5.26~1999.6.11)と杉村惇(1907.9.7~2001.8.13)は生歿年月日も判明している。 いや、叢書東北の声11『杉村顕道怪談全集 彩雨亭鬼談』435~455頁、杉村顕道の次女・杉村翠の談話「父・顕道を語る」には、歿年月日は4…

杉村顕道の著書(1)

・杉村顕道『増補 近代名医伝』昭和三十三年九月二十日印刷・昭和三十三年十月 一 日発行・定価 二八〇 円・槐書院・374頁・B6判並製本 「増補」は角書。 見返しの遊紙、扉、吉田富三「序」1頁(頁付なし)「昭和三十三年九月上浣」付で裏は白紙。武藤完雄「…

吉行淳之介『贋食物誌』(2)

・吉行淳之介の誕生日(1) 吉行淳之介の年譜としては、当初、近所の市立図書館等で目にした次の本に載るものを参照していた。 ・新潮現代文学42『砂の上の植物群・夕暮まで』 昭和五十四年六月 十 日 印刷・昭和五十四年六月十五日 発行・定価一二〇〇円・…

『三田村鳶魚日記』(18)

・皆川家との関係(4) 昨日引いた『三田村鳶魚日記』昭和七年六月二十六日(日)条ですが、書き振りからしてこれが、5月4日付(15)に見た、大正11年(1922)8月13日に絶縁を申し渡して以来10年振りの、皆川豊治(1895.4.25~1948.5.11)との再会であった…

『三田村鳶魚日記』(06)

【4月18日追記】「赤いマント」記事に使用する資料の確認と云うことで始めたのですが、赤マントに話が及ぶ前が随分長くなってしまいました。これは別の記事にするべきだと思い直して、今更ながら『三田村鳶魚日記』に改称します。すなわち「赤いマント(181…

小金井喜美子『鴎外の思ひ出』(8)

・特別展図録『私がわたしであること』(2) 昨日の続き。 51頁(頁付なし)も全面に写真で「鴎外博士のお子様 観潮楼の縁側で 「婦女界」12巻3号 大正4年9月」茉莉(満12歳)類(満4歳)杏奴(満6歳)。 巻頭論文・巻末論文は3段組。 4〜5頁、金井景子(早…

小金井喜美子『鴎外の思ひ出』(4)

単行本は口絵に続いて「序にかへて」が4頁で頁付は単独。 まづ一頁、3行取り6字下げでやや大きく「序 に か へ て」と題し、さらに1行空けて2字下げで短歌。 文庫版5頁は4行取り4字下げでやや大きく「序にかえて」とあり、3字下げで短歌。 あ や し く も 重…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(84)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(19) 今回は昨日の続きで、ここまでの検討につき一応の結論を述べるつもりでしたが、その前に細かいことを2つ、取り上げて置きましょう。 * * * * * * * * * * 「嫁子ネズミの話」の「一」節めの類話が、同じ佐々木喜…

田辺貞之助『江東昔ばなし』(7)

・田辺氏の家族の生歿年(4) 昨日の続き*1。 ・妻 2016年12月26日付「田辺貞之助『女木川界隈』(4)」の最後に引いた『女木川界隈』の「お稲荷さま(二)」の節に拠れば、昭和5年(1930)秋の妹の死と、昭和7年(1932)の母の死の間に結婚している。昭和6…

田辺貞之助『江東昔ばなし』(6)

・田辺氏の家族の生歿年(3) 12月27日付「田辺貞之助『女木川界隈』(5)」の続き*1。 ・姉(2) 12月27日付「田辺貞之助『女木川界隈』(5)」に「姉は1人しか登場しない。」と書いた。しかし、「江東の女たち」の節の「お直ちゃん」に、このお直ちゃ…

田辺貞之助『女木川界隈』(5)

・田辺氏の家族の生歿年(2)*1 昨日見たように『女木川界隈』では家族の生歿年を曖昧にしていたのが『江東昔ばなし』ははっきりさせている。これは『江東昔ばなし』の前年に「改葬の嘆き」を執筆して、家族の年忌について確認する機会を得たためであろうか…

田辺貞之助『女木川界隈』(4)

次に巻頭から1節ずつ取り上げて、改稿して再録している『江東昔ばなし』との異同を細かく挙げて行こうかと思ったのだが、それは大変な作業量になってしまい、とてもでないがこの年末までに済ませられそうにないので、差当り登場する人物について述べた箇所を…

園田てる子(1)

横書きで読む、画面で読む、ということに馴染まないので、青空文庫で作品を読んだことは、殆どない。 もちろん、理由はそればかりではない。30年来の図書館主義者で、作品は本文だけでなく収録している本の装幀やら、編集振りやら解説などにも注目する癖があ…

学会誌の訃報欄(4)

遺稿でも調べる機会でもない限り、B氏がどこまで突き止めていたかは分かりません。――改竄や錯簡は、これまで『C』に触ったことのある人のうち、『C』から言葉の用例を摘み食いしただけの人はともかく、『C』を真面目に自分の研究に援用しようと考えた人…

学会誌の訃報欄(3)

この『C』という本は、素性のはっきりしない、ちょっと使いづらい本なのです。明治以前から知られている、そこそこ有名な本で、言及されることも少なくはないのですけれども、最初に紹介した人物が誤った成立年とともに世に広めたため、その後、成立年をめ…

学会誌の訃報欄(2)

もう10年近く会っていないと思うのだけれども、その、既に発病して後と思われる頃に、1度だけ電話がありました。今はネットや携帯電話での通信が主流なので、携帯電話もメールも使用しないでいると、ほぼ存在しないような按配で暮らせます。私も誰からも連絡…

学会誌の訃報欄(1)

先日、遥か以前、まだ院生だった頃に引き受けてしまったためにやっている古典研究関係の仕事の調べ物で久し振りに出身大学の図書館を訪ねました。校友の資格でずっと継続して貸出を受けているのだけれども、普段は通勤途中に定期で立ち寄れる別館に寄ってし…

河本正義『覗き眼鏡の口上歌』(2)

5月28日付(1)の続き。 7〜17頁、上笙一郎「解説」は、12頁13〜14行め「‥‥原本の編者や書誌的事項に」ついて、「‥‥、まず編者の河本正義に/ついて見れば、兵庫県在住の民俗学研究者であった‥‥」として、昭和戦前の兵庫県民俗研究会の機関誌「兵庫県民俗資…

鎌倉の案内書(12)

昨年の9月上旬から中旬にかけて書きかけていたもの。 * * * * * * * * * *・岩波ジュニア新書(岩波書店) 以前調べたことのある塩嘗地蔵の記述をもう一度拾ってみようと思ったのは、岡田寿彦・関戸勇『カラー版 鎌倉 感じる&わかるガイド(岩波…

画博堂の怪談会(1)

田中河内介の怪談が語られ(なかっ)た画博堂の怪談会については、東雅夫編『文藝怪談実話(ちくま文庫・文豪怪談傑作選・特別篇)』(二〇〇八年七月十日第一刷発行・定価900円・筑摩書房・394頁*1)に「史上最恐の怪談実話!?――田中河内介異聞」131〜201頁…