2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧
・田辺聖子『私の大阪八景』(7)タヌキ先生② それでは、赤マントに関する箇所の初めの方を引いて置こう*1。『全集』第一巻30頁18~20行め(長篇全集217頁下段15~19行め・岩波現代文庫33頁11~14行め・角川文庫(改版)36頁15行め~37頁1行め)、傍点「ヽ…
・田辺聖子『私の大阪八景』(6) 時期~タヌキ先生① それでは、ようやっと小説の本文を検討することにするが、今年刊行したいと思っていた拙著『昭和十四年の「赤マント」』*1には、小沢信男「わたしの赤マント」と合わせて「わたしたちの赤マント」と題す…
・田辺聖子『私の大阪八景』(5) 小学校名の確認② なかなか本作の検討に移れないが、自分が通った小学校について、田辺氏本人も前回述べたような校名の変遷に付いて行けず、混乱を来しているのでその点をもう少々確認して置こう。 すなわち『田辺写真館が…
・田辺聖子『私の大阪八景』(4) 小学校名の確認① 昨日の続きで、今日は早速赤マントに関する記述を抜いて検討を加えて行こうと思っていたのだが、早速躓いてしまった。 それと云うのも、舞台となった主人公が通う小学校が、『全集』第一巻14頁16~17行め…
・田辺聖子『私の大阪八景』(3) 昨日に続いて、主人公「トキコ」の設定と、作者の田辺氏の経歴とを比較して、と云うことを一応考えていたのだが、これを始めるとまた相当長くなってしまう上に、既に田辺氏を研究している人によって済まされているであろう…
・田辺聖子『私の大阪八景』(2) 以前『田辺聖子全集』を見たとき、エッセイで赤マントに言及していたのを見付けたように記憶するのだが、僅かな記述で、どのように位置付けて良いか、記事にするには工夫が必要だったので保留にしていたことを忘れていた。…
・田辺聖子『私の大阪八景』(1) 昨日の続き。 田辺氏が赤マントを持ち出した小説は、30代で書いた自伝風の連作『私の大阪八景』であった。 しかるに、人気作家の作品でありながら「赤マント 田辺聖子」で普通に検索してもヒットしない。すなわちネット上…
・『田辺聖子全集』別巻1(二〇〇六年八月十日第一刷発行・集英社・口絵+521頁・A5判上製本)田辺聖子全集 別巻1 年譜・田辺聖子で読む昭和史/対談と鼎談/田辺聖子論二編/初出一覧作者: 田辺聖子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/08/04メディア: 単行…
・山中恒『戦争の中の子どもたち』(2) 前回、本書の赤マントに関する記述が延吉実『司馬遼太郎とその時代 戦後篇』に引用されているのを見た。そのついでに、2013年12月30日付(70)に若干の補足訂正を加えて置くこととしたい。 その前にまづ、2013年12月…
・延吉実『司馬遼太郎とその時代』(4) 『戦後篇』140~196頁「第4章 難波塩草」、169頁13行め~183頁7行め「3 難波塩草尋常小学校 Ⅰ」の節、赤マントについての記述の今回は後半、174頁12行めから175頁4行めまでを見て置こう。引用は2字下げで前後1行分…
・延吉実『司馬遼太郎とその時代』(3) 赤マントの記述は、『戦後篇』140~196頁「第4章 難波塩草」の、169頁13行め~183頁7行め「3 難波塩草尋常小学校 Ⅰ」の節、司馬氏が入学・卒業した小学校についての司馬遼太郎(本名・福田定一)のエッセイの短い…
・延吉実『司馬遼太郎とその時代』(2) 本書は6月1日付(176)に示したように、全2巻であるが、1冊めの『戦中篇』311~313頁「おわりに」の末尾近く、312頁17行め~313頁1行めに、 『司馬遼太郎とその時代』は、戦前・戦中・戦後の三部構成(全三巻)で構…
・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(4) 一昨日からの、以下3点の比較の最後。 〔3〕子供の疑問 【A】「民話と文学の会かいほう」No.50(1987.7)大島広志「父の背中」 →『ピアスの白い糸』(1994.11)1…
・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(3) 昨日からの、以下3点の比較の続き。 〔2〕事件 【A】「民話と文学の会かいほう」No.50(1987.7)大島広志「父の背中」 →『ピアスの白い糸』(1994.11)167頁2~3…
・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(2) 昨日の続きで、まづ二見WAi WAi文庫『東京ミステリー/とっておきの怖い話』について、一昨日までと同じの要領で取り上げる話の題と投稿者を示して置こう。第六章…
・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(1) 昨日まで、二見WAi WAi文庫『東京ミステリー/とっておきの怖い話』を取り上げて、60話中10話を紹介して見た。 ここまでは実は、前置きみたいなものである。――私が…
一昨日(及び昨日)の続きで、TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(二見WAi WAi文庫)について、最後の章からまづ1話、最後を取り上げて見る。 ・第六章 語りつがれてきた戦慄の怪奇譚(1) 「目次」の10頁1…
・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(2) 昨日の続きだが、6月9日付(18)と同じく事故車の話なので標記の題にした。第五章「日常を切り裂く凶々しき出来事*1」の10話め。 【50】不幸を招き寄せるバイク―――…
昨日の続きで、TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(二見WAi WAi文庫)について。 ・第五章 日常を切り裂く凶々しき出来事(1) 「目次」の9頁5~15行め、章題*1に続いてやはり10題。 165頁(頁付なし)がこ…
昨日の続きで、TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(二見WAi WAi文庫)について。 ・第四章 時空を超えて彷徨う哀しき魂(1) 「目次」の8頁9行め~9頁4行め、章題*1に続いてやはり10題。 123頁(頁付なし)…
昨日、もしくは一昨日の続きで、TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(二見WAi WAi文庫)について。 ・第三章 世にも不思議な恐怖の怪現象(1) 「目次」の7頁12行め~8頁8行め、章題に続いてやはり10題。 83…
・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(1) 昨日の続きだが、今回は話の内容を記事の題にした。第二章「血も凍らせる怨霊たちの呻き」の7話め。 【17】いわくつきの不気味な中古車―――H・Sさん(十九歳) 72…
昨日の続きで、TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(二見WAi WAi文庫)について。 さて、第一章「理不尽にも開かれた冥界への扉」には「目次」の6頁3~12行めに10題挙がっているが、昨日一昨日のペースで粗筋…
昨日の続きで、TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(二見WAi WAi文庫)について。 ・第一章 理不尽にも開かれた冥界への扉(2) 【03】セピア色の湖に遊ぶ妖しい母子―――Y・Mさん(十七歳) 19~22頁 「私が…
5月29日付(2)の続きで、TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(二見WAi WAi文庫)について。 6~10頁(頁付なし)「目 次」。末尾、10頁12行め中央やや下に「本文イラスト……日野浦 剛」とある。 11頁(頁付な…
2018年4月8日付(1)に挙げた諸版のうち、今手許に⑤平成4年(1992)雄山閣ブックス19と⑦平成16年(2004)新装版、⑧平成28年(2016)雄山閣アーカイブス 歴史篇の3冊がある。今回は口絵(20頁、頁付なし)について見て置こう。 ⑤と⑦はアート紙、⑧は本文共紙…
・「炭燒の話」と「木曾の旅人」(1) 昨日、千葉俊二と東雅夫が、岡本綺堂「木曾の旅人」の「初出」を、2人とも「改題改稿して」としつつ「やまと新聞」連載の「五人の話」のうちの、其四「炭焼の話」としていることに注意した。 いろいろと違っていながら…
・文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション(2) 2018年12月20日付(86)の続き。 このシリーズは各作品の本文末に、下寄せでやや小さく初出について注記している。『霊 星新一・室生犀星ほか』93~132頁「木曾の旅人」では、132頁2行めまでが本文で、3~4行めに9…
今年もまた、2018年6月1日付(2)及び2018年6月2日付(3)に述べた、梅の収穫時期になってしまった。梅の実は先月中旬から落ち始めていたが、下旬になってから、古い蜂蜜漬けの瓶の中身を纏めて、3つを空にして、実は実家の父に殆ど献上(?)しているのだ…
・延吉実『司馬遼太郎とその時代 戦後篇』(2003年9月20日第1刷発行・定価2400円・青弓社・306頁・四六判上製本)司馬遼太郎とその時代 戦後篇作者: 延吉実出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2003/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 折に…