落語
・ちくま文庫 筑摩書房 あ 14 3 安藤鶴夫『わが落語鑑賞』一九九三年三月二十四日 第一刷発行・定価951円・490頁わが落語鑑賞 (ちくま文庫)作者:鶴夫, 安藤筑摩書房Amazon※ 帯あり「今月の新刊」 こ 5 16 麻生芳伸 編『落語特選 下』二〇〇〇年二月九日 第一…
仕事から帰って遅くなった昼食を済ませ、お茶を飲みながら録画して置いた笑福亭仁鶴追悼特集の「バラエティー生活笑百科」を見て、泣けて泣けて仕方がなかった。 私は仁鶴室長の全盛期も知らないし、落語も最近まで聞いたことがなかった*1。 兵庫県立高校時…
・銀河テレビ小説「たけしくんハイ!」シナリオとの異同(9) 昨日の続き。――こんなに長く続けるつもりはなかったのだが、2018年7月13日付(05)まで、近所の図書館のリサイクル本コーナーで入手した布勢博一『シナリオ』2冊について述べ、口絵写真を眺めて…
私は兵庫県明石市の生れだけれども、生後43日で新幹線に乗って神奈川県に移ったので、播州弁を母語として生育していない。 しかし、一応兵庫県出身と云っても宜しかろう、と思うのは、小・中の義務教育と今や義務教育と云っても良さそうな高校の12年間のうち…
・桂米朝『四集・上方落語ノート』(2) 昨日の続きで、まづ本書の内容を最後まで眺めて置くこととする。 85~113頁「考証断片・その四」も6項、85頁2行め~88頁「「風の神送り」補足」は『三集・上方落語ノート』の「風の神送り考」の補足、末尾に(平成四…
一昨日からの続き。 古いところでは既に次の本に『博物志』が典拠である旨の記述があった。 ・桂米朝『四集・上方落語ノート』平成10年1月10日発行・定価2500円・青蛙房・269頁・四六判上製本 『上方落語ノート』は、卒業論文から大学院の修士課程まで…
それでは昨日述べたように、当ブログよりも4ヶ月前に上方落語「三年酒」の典拠として『博物志』『搜神記』を挙げていた、paxchina のブログ「paxchinaのブログ」の記事、2017/9/7「千日酒(せんじつしゅ)」を、このままでは15日のYahoo!ブログ サービス終了…
さて、昨年の1月から2月に掛けて、こんなこともまだ明らかにされていないのか、と意外に思いつつ『搜神記』と『博物志』に原話が載ることを紹介してみたのだが、やはり既に複数の指摘があった。 まづ、新しいところで、paxchina のブログ「paxchinaのブログ…
・高松家との関係(1)八重夫人との婚姻届 義弟の夫人とは昭和7年(1932)の京城訪問時に初めて会ったようです。そしてこれを切っ掛けとして高松家との交際が密になったようで、そのことが実は私が『三田村鳶魚日記』についてやや詳しく確認して置く必要を…
・戸田学『上方落語の戦後史』(4) 昭和30年(1955)春の、正岡氏の宝塚若手落語会訪問について、豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談2』と戸田学『上方落語の戦後史』の記述の齟齬について。 『桂米朝座談2』は晩年であるが正岡氏の応対をした桂米朝本人の…
・戸田学『上方落語の戦後史』(3) 昨日の続きで、昭和30年(1955)春に正岡氏が宝塚若手落語会を訪ねた折のことを述べた戸田学『上方落語の戦後史』と、桂米朝の『桂米朝座談2』のための対談での回想との齟齬について。 『桂米朝座談2』は、正岡氏の弟…
・戸田学『上方落語の戦後史』(2) 昨日の続きで、戸田学『上方落語の戦後史』の、正岡氏の宝塚訪問の折の記述を見て置こう。 これは、135〜192頁「第三章 凋落期(昭和二十五年〜三十一年)」の15節中11節め、180頁16行め〜184頁2行め「桂小文枝誕生」に添…
昭和30年(1955)春、正岡氏が宝塚若手落語会を見に来た折のことは、2月17日付(24)に引いた、本書の続編に当たる『風流艷色寄席』の記述*1、そして2月20日付(27)に引いた『桂米朝座談2』のために新収録された桂米朝(1925.11.6〜2015.3.19)の、大西信…
2月22日付(29)の続きで、正岡氏と大阪との関わりについて、『艷色落語講談研究』の「上方落語/島 め ぐ り*1」の末尾、46頁1〜14行めを抜き出して置こう。 「君は文団治と知ってるの」とその晩、富貴の棧敷で吉井師から訊かれたとき、「いゝえ」と簡単/…
宇井氏の上方落語関連書も左程読めていないのだが、2月16日付「正岡容『艶色落語講談鑑賞』(23)」に取り上げた『桂米朝集成』全四巻、2月19日付「正岡容『艶色落語講談鑑賞』(26)」に取り上げた*1『桂米朝座談』全二巻を豊田善敬(1954.5.5生)と編集し…
・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』(4) 2月20日付(27)に引いた桂米朝の、昭和30年(1955)春、宝塚若手落語会を見に来た正岡氏についての回想の最後、東京出身の正岡氏が「あッ、タダなんか……」と言ったことになっているが、これについては2月18日付…
・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』(3) 正岡容『艶色落語講談鑑賞』執筆に際し、桂米朝が協力したことは『1』に収録されている落語速記、173〜193頁、四「島巡り」、173頁は扉、中央に明朝体縦組み「四 島 巡 り 桂 米朝」、175〜192頁に2段組で本文、…
・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』(2) 正岡容については、『1』47〜113頁「二 わが師を語る」の前半(49〜90頁)「鼎談 師正岡容を語る」は、2015年6月29日付(05)に紹介した『正岡 容集覧』の「解説鼎談」の再録である。 そして『2』には巻頭、1〜…
2月16日付(23)に紹介した豊田善敬・戸田学『桂米朝集成』全四巻(岩波書店・四六判上製本)に続いて、次の2冊が刊行された。 ・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝座談』全二巻(岩波書店・四六判上製本) 『1』 2005年12月14日 第1刷発行・222頁桂米朝座談〈1…
・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝集成』(3) 一昨日からの続き。――『【第四巻】師・友・門人』の巻末「初出一覧」459頁7行めに、 資料 艷色落語 紀州飛脚 『名作鑑賞・風流艷色寄席』あまとりあ社、昭和三〇年八月五日発行 とある。風流艶色寄席:名作鑑賞作者…
・豊田善敬・戸田学 編『桂米朝集成』(2) このシリーズは、新聞・雑誌・パンフレット等に発表して単行本には収録されていなかった文章や対談を集成したものだが、中には纏まった記述のない事項に関して、編者が準備して聞き手を務めた〈新収録〉の対談・…
2015年8月7日付(22)に、初出の雑誌「あまとりあ」での掲載順を示し、連載の続きに単行本『艷色落語講談鑑賞』に収録されていないものが4話あることに注意して置いた。 今年度、私は十数年振りに下り電車に乗って通勤することになったので、なかなか都内に…
・張華『博物志』の「千日酒」(2) 昨日の続きで、張華『博物志』卷十「雜說下」全14条のうち11条めに載る「千日酒」について、1月29日付(11)と同じ要領で変則的に書き下して見る。 昔、劉玄石、中山ノ酒家ニ於テ酒ヲ酤フ。酒家千日酒ヲ與フ。其の節度を…
・張華『博物志』の「千日酒」(1) 昨日の続きで、千日酒の話を、張華『博物志』卷十「雜說下」より抜いて置こう。 西晉(265〜316)の張華(232〜300)の『博物志』と、東晉(317〜420)の初期の人・干寶の『搜神記』とでは、『博物志』の方が先行してい…
昨日の続きで、書き下し文にして示す。字間右寄りに「ー」が打たれた熟語についてはこれを太字にして示した。なお読みを確定させていない箇所があるが、追々勘えて行くこととする。また「曰く、‥‥、と。」の発言を示す箇所を鍵括弧で示すこととした。 狄希は…
昨日は『搜神記』の訳注書について述べようと思っていたのだが、2度にわたって記事が消失してしまった。やり直す余裕がなかったので、別の記事を挙げた。今日も平日でとてもでないが同じ作業を繰り返す余裕はない。そこで先に、1月27日付(10)に訓点を省い…
いよいよ本題に入る。「三年酒」の原話は東晉の干寶『捜神記』もしくは西晉の張華『博物志』、唐の李瀚『蒙求』の「玄石沈湎」の注釈書に見えている。まづ『捜神記』から見て置こう。 ・『和刻本漢籍隨筆集』第十三集(昭和四十九年八月發行・發行 古典研究…
昨日の続きで、都家歌六『落語レコード八十年史』について。同書の内容は1月15日付「都家歌六『落語レコード八十年史』(1)」に示してある。 さて、1月17日付(05)の初めに引いた「演題別索引」に見える頁のうち、(上)144頁と345頁に触れていなかった。…
1月20日付(07)までしばらく、都家歌六『落語レコード八十年史』(上)152〜154頁「二代目三木助の「三年酒」余話」について確認した。都家師は結論して、154頁11〜13行め、 要するに、これは我々の手でこの事実を発見、偶然の符合から幸いにも完全な形で復…
都家歌六『落語レコード八十年史(上)』152〜154頁「二代目三木助の「三年酒」余話」について、1月18日付(06)の続き。 数年前に田端に三代目桂三木助の仲子未亡人を訪ねた折に、「あの録音盤はもうありませんかねえ」と尋ねたところ、しばらくして三代目…