瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

雜誌

赤堀又次郎伝記考証(065)

・肖像写真 今年は鹿島家について掘り下げつつ、赤堀氏の資料の検討を更に続けて行くつもりだったのだが、毎日投稿すると云う方針を放棄したのと、業務が忙しくなったのと、それから Wikipedia に「赤堀又次郎」項が立項されたので様子を見ているうちに、こ…

『斎藤隆介全集』月報(19)

昨日の続きで今日も「月報」には触れない(手許にないので)が関連する話題なので題はそのままにして置く。 ・「樺太の春」(1) 前半は、241頁2行め「神社山のてっぺん」から、10行め「スキーを始めて三日目」の斎藤氏が「午前二時」に、3行め「山一面に今…

『斎藤隆介全集』月報(18)

昨日の本題。今「月報」が手許にないのだけれども先月来の話の続きなので題は改めないで置く。 ・斎藤隆介全集4『ケチ六・火を噴く山(短編童話4)』一九八二年四月三十日 第一刷発行・一九八五年四月二十日 第三刷発行・定価1400円・岩崎書店・251頁・B5…

辺見じゅん『花子のくにの歳時記』(2)

・辺見じゅん「民話歳時記」 小学館のPR誌「本の窓」だが、国立国会図書館デジタルコレクションでは国立国会図書館限定公開なので閲覧は出来ていない。ここでは検索結果から分る点、初出の順序、掲載号と頁、刊年月と云った辺りを『花子のくにの歳時記』での…

辺見じゅん『花子のくにの歳時記』(1)

・辺見じゅん『花子のくにの歳時記』1991年12月10日 初版第1刷発行・定価1408円・小学館・237頁・四六判上製本花子のくにの歳時記作者:辺見 じゅん小学館Amazon ハルキ文庫版も出ているが未見。 辺見じゅんの著述には特に興味がある訳でもなかったのだが、…

『斎藤隆介全集』月報(14)

さて、斎藤氏が北海道の新聞社の記者をしていた時期(1939~1942)のことに触れた文章は、月報にもう1つ、神沢利子「個人的まことに個人的な感想ですが」〔六2-1~2〕が載っています。 少々長くなりますが、当該箇所〔1上4~下14〕を抜いて置きましょう。 …

『斎藤隆介全集』月報(12)

9月25日付(02)に見た『斎藤隆介全集』第十一巻「年譜」の「一九三八年(昭和十三年)|二十一歳」条、3月の明治大学卒業から12月の小説「三好晴海入道」までの間に、徴兵検査で即日帰郷、そして「「主婦の友」「婦女界」の雑誌記者を経て、北海道新聞に入社…

『斎藤隆介全集』月報(10)

昨日の続きで、斎藤氏原作の映画「心の花束」について、国立国会図書館デジタルコレクションから幾つか資料を拾って置きましょう。 飯島正・筈見恒夫・岸松雄・内田岐三雄 責任編輯『映画年鑑』一九三六年版(昭和十一年三月十五日印刷・昭和十一年三月二十…

『斎藤隆介全集』月報(2)

昨日の続きで、月報の寄稿から斎藤氏の経歴に関連する記述を拾って行くこととしましょう。 もちろん、全部を取り上げる訳ではなく、私の興味に従って取捨しております。すなわち、8月23日付「日本の民話『紀伊の民話』(26)」に『戦後人形劇史の証言』の記…

現代民話考 Ⅱ『軍隊』(01)

① 現代民話考 その十「軍 隊(上)」(日本民話の会編集「民話の手帖」第11号(第5巻/第3号)44~91頁上、一九八二年十月一日発行・定価 八八〇円・発行 日本民話の会・発売元 第一法規出版・160頁・A5判並製本) ② 現代民話考 その十一「軍 隊(下)」(…

現代民話考 第二期 Ⅲ『ラジオ・テレビ局の笑いと怪談』(05)

・『現代の民話』の「あとがき」 それでは昨日の続きで、新書判223頁2行め~224頁14行め・文庫版237頁2行め~238頁16行めを見て置きましょう。改行位置を前者「/」後者「|」で示しております。 一九九六年一月から三月まで、NHK教育テレビの「人間大学…

現代民話考 第二期 Ⅲ『ラジオ・テレビ局の笑いと怪談』(02)

①「ラジオ・テレビ局にまつわる笑いと怪談」(2) 昨日の続き。 ②③の「あとがき」は続いて、②388頁9行め~390頁2行め③440頁11行め~442頁7行め、著書の利用を許可してくれた放送関係者や、取材に応じ、情報を提供してくれた人たちへの謝辞が連ねてあります…

現代民話考 第二期 Ⅲ『ラジオ・テレビ局の笑いと怪談』(01)

① 現代民話考 その八「ラジオ・テレビ局にまつわる笑いと怪談」(日本民話の会編集「民話の手帖」第8号(第四巻第二号)56~109頁、一九八一年十月十日発行・定価 八八〇円・発行 日本民話の会・発売元 蒼海出版・208頁・A5判並製本) ② 現代民話考 第二期 …

松谷みよ子民話研究室「現代民話考」(02)

松谷みよ子民話研究室及び『現代民話考』の成立事情については断片的な記述を拾って見るばかりでしたが、その後、これまでその(主として物理的な)重さから敬遠していた『松谷みよ子の本』を見てみますと、やはりかなり詳しく、その辺りの事情が書いてあっ…

松谷みよ子民話研究室「現代民話考」(01)

2020年3月29日付「飯盒池(9)」の後半に述べたように、私は松谷みよ子『現代民話考』には幾つかの欠陥があり、読者から送られて来たアンケートの原文に遡って確認する必要があると、前々から思っておりました。 いえ、実は、直接、運動したこともあったの…

日本の民話『紀伊の民話』(13)

・松谷みよ子全エッセイ1『わたしの暦』 さて、返却期限が迫って来たので6月4日付(10)に書影を示した『松谷みよ子全エッセイ』を見直しておりましたら、それと明記していないのですが紀州採訪のことと思われる記述のあることに気付きました。 111~117頁…

日本の民話『紀伊の民話』(12)

さて、こうして松谷氏が同じ主題について書いた文章には種々変遷があることが分かって来ると、立風書房(及びちくま文庫)版『現代民話考』の基になった雑誌「民話の手帖」に連載された「現代民話考」を、どうしても見たくなるところです。しかしながら、5月…

日本の民話『紀伊の民話』(08)

庭の梅の実も粗方落ちてしまった。昨日は1日勤務で帰りに高円寺に行ったりして、帰ってから拾う余裕がなかった。パソコンを立ち上げる気力もなかった。――4年振りの高円寺駅界隈は、変わっていないような、しかし何処となく違和感を感じさせる、妙な気分であ…

日本の民話『紀伊の民話』(2)

昨日、松沢雅彦・笠井純・小林昭子の3人について「よく分からない」と書いてしまった。 『戦後人形劇史の証言/――太郎座の記録――』の各章は、さらに松谷みよ子に拠る概説、当時の〔資料〕翻刻、団員関係者の長めの〔手記〕と短い〔アンケートより〕から成る…

祖母の蔵書(178)井伏鱒二

祖母は戦争未亡人となって夫の郷里に疎開したもののやはり上手く行かずに親兄姉を頼って上京して、やがて父の元部下の口利きでGHQの地図局に職を得て久しく勤めることになるのだが、その前に三兄の紹介で「家庭文化」と云う雑誌の編集部に勤めて「アメリカ人…

大和田刑場跡(24)

・名和弓雄「沖田総司君の需めに応じ」(2) 昨日の続きで、まづ「捕物展」についてだが、もちろん昭和期の地方の百貨店の催事なぞは図録でも出していない限り、調べる手懸りがこれまでは摑めなかったのだが、国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲…

大和田刑場跡(12)

現在、大和田刑場が江戸三大刑場だと広めている、主要な発信源の1つとしては、Twitter(X)の Tweet(Post)が指摘出来そうです。 「三大刑場」に「大和田刑場」を含めた Tweet は、HN「多田野文タイBOT(@bun_kei_tai_bot)」の2012年9月9日の次の投稿が(…

祖母の蔵書(163)旅行

私が知る時期の祖母は近所の、決まった場所を回るばかりだったと思う。段差を越えられなくなっていたから、例えば年末に家人と家人の実家(祖母の長男の家)までお供した際に、新幹線から在来線に乗換えるときに間違ってエレベーターやエスカレーターのない…

山本禾太郎「東太郎の日記」(38)

現在の連合の源流になる、鈴木文治(1885.9.4~1946.3.12)が設立した労働運動団体・友愛会とその機関誌「労働及産業」については、少々込み入っているので詳細は割愛して、差当り山本禾太郎の処女作と思しき小品が掲載されている号とその前後について、見て…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(15)

・エロス堂書店の広告 復刻『江戸と東京』第四冊の佐藤健二「解説3◉『江戸と東京』瞥見――巻頭言と広告を読みながら――」の、370頁上半分を使って掲出されている「表3 広告掲載回数」には、掲載回数の多い「広告主体」が15件挙がるが、うち10件めに「エロス…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(14)

昨日の続き。 私は馬上氏のことは昨日初めて調べて見たような按配で、ネット上の人名事典の知識をベースに、国立国会図書館デジタルコレクションでヒットする著述の題目を眺めて見たくらいでしかない。佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』巻末の「索引」には…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(13)

昨日の続き。 ・「江戸と東京」第三卷第一號 昭和12年(1937)1月1日発行 38~39頁、馬上義太郎「淺草から消えた名物」は、前半、39頁上段4行めまでが「◯ 花 屋 敷」で、後半が「◯ 十 二 階」である。見出しは3字下げ。 そろ〳〵大東京にも十二階を知らざ/…

佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』(8)

1頁白紙があって396~407頁「喜多川周之 著作および活動の目録」になる。ここに挙がっている雑誌や記事の多くは、所蔵している機関に出向かないと閲覧出来ないものが殆どのようだ。見に行こうか? いや、元より私は十二階に興味があると云うより、本書第三章…

佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』(7)

昨日は佐藤氏が敢えて「第四章」を立てたことに対する共鳴から与太話になってしまったが、今日はその第四章の内容をもう少し見て置きたい。 265頁(頁付なし)が章の扉で裏は白紙、267頁から2段組の本文で第三章までは設けられていた脚註欄はない。編年体で…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(12)

・濱本浩「塔の眺め」(8) ここで一旦、添田知道「十二階の記憶」から離れて「塔の眺め」に戻ろう。32頁下段11行め~33頁上段9行め、 ‥‥。ところで、最近になつ/て、田山花袋氏の著書の中に思ひがけなく「十二階の眺め」な/る一項があつた。早速讀んでみる…