瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

雜誌

大和田刑場跡(24)

・名和弓雄「沖田総司君の需めに応じ」(2) 昨日の続きで、まづ「捕物展」についてだが、もちろん昭和期の地方の百貨店の催事なぞは図録でも出していない限り、調べる手懸りがこれまでは摑めなかったのだが、国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲…

大和田刑場跡(12)

現在、大和田刑場が江戸三大刑場だと広めている、主要な発信源の1つとしては、Twitter(X)の Tweet(Post)が指摘出来そうです。 「三大刑場」に「大和田刑場」を含めた Tweet は、HN「多田野文タイBOT(@bun_kei_tai_bot)」の2012年9月9日の次の投稿が(…

祖母の蔵書(163)旅行

私が知る時期の祖母は近所の、決まった場所を回るばかりだったと思う。段差を越えられなくなっていたから、例えば年末に家人と家人の実家(祖母の長男の家)までお供した際に、新幹線から在来線に乗換えるときに間違ってエレベーターやエスカレーターのない…

山本禾太郎「東太郎の日記」(38)

現在の連合の源流になる、鈴木文治(1885.9.4~1946.3.12)が設立した労働運動団体・友愛会とその機関誌「労働及産業」については、少々込み入っているので詳細は割愛して、差当り山本禾太郎の処女作と思しき小品が掲載されている号とその前後について、見て…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(15)

・エロス堂書店の広告 復刻『江戸と東京』第四冊の佐藤健二「解説3◉『江戸と東京』瞥見――巻頭言と広告を読みながら――」の、370頁上半分を使って掲出されている「表3 広告掲載回数」には、掲載回数の多い「広告主体」が15件挙がるが、うち10件めに「エロス…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(14)

昨日の続き。 私は馬上氏のことは昨日初めて調べて見たような按配で、ネット上の人名事典の知識をベースに、国立国会図書館デジタルコレクションでヒットする著述の題目を眺めて見たくらいでしかない。佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』巻末の「索引」には…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(13)

昨日の続き。 ・「江戸と東京」第三卷第一號 昭和12年(1937)1月1日発行 38~39頁、馬上義太郎「淺草から消えた名物」は、前半、39頁上段4行めまでが「◯ 花 屋 敷」で、後半が「◯ 十 二 階」である。見出しは3字下げ。 そろ〳〵大東京にも十二階を知らざ/…

佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』(8)

1頁白紙があって396~407頁「喜多川周之 著作および活動の目録」になる。ここに挙がっている雑誌や記事の多くは、所蔵している機関に出向かないと閲覧出来ないものが殆どのようだ。見に行こうか? いや、元より私は十二階に興味があると云うより、本書第三章…

佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』(7)

昨日は佐藤氏が敢えて「第四章」を立てたことに対する共鳴から与太話になってしまったが、今日はその第四章の内容をもう少し見て置きたい。 265頁(頁付なし)が章の扉で裏は白紙、267頁から2段組の本文で第三章までは設けられていた脚註欄はない。編年体で…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(12)

・濱本浩「塔の眺め」(8) ここで一旦、添田知道「十二階の記憶」から離れて「塔の眺め」に戻ろう。32頁下段11行め~33頁上段9行め、 ‥‥。ところで、最近になつ/て、田山花袋氏の著書の中に思ひがけなく「十二階の眺め」な/る一項があつた。早速讀んでみる…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(11)

・濱本浩「塔の眺め」(7) 一昨日からの添田知道「十二階の記憶」の検討の続き。39頁中段22行め~下段13行め、 だからこれは「だまかした」といふ/のとは些か違ふ。濱本氏にも此の通り/【39中】話したのであつたが、それが「十階目/の飴屋をだまかした…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(10)

・濱本浩「塔の眺め」(6) 昨日の最後に引いた添田知道「十二階の記憶」の続きを見て置こう。38頁上段14行め~中段7行め、 結局作品の中には使はないでもすん/でしまつた「十二階から信濃の山が見/えるか」といふことに就いて、あれだ/けの苦勞をしてゐ…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(09)

・濱本浩「塔の眺め」(5) 昨日取り上げた「十二階の斜塔」問題には、実はもう少々資料があるのだけれども、濱本氏の文章の関連では『淺草』1冊で十分なので、後回しにして先に進もう。 続く段落に添田知道(さつき)が登場する。32頁上段17行め~下段11行…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(7)

・濱本浩「塔の眺め」(3) 一昨日からの続きで、31頁上段12行め~下段6行め、 ところが、では何の邊まで見へましたでせう? ときくと/僕も見たことがないから知らぬがね、との返答であつた。貴/君のやうな淺草通が塔の眺めを知らぬのはをかしいではない…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(6)

・濱本浩「塔の眺め」(2) さて、「塔の眺め」に戻ろう。以下しばらく、凌雲閣十二階から何処まで見渡せたのか、32頁下段8行めまで、濱本氏の調査が綴られている。今回は31頁上段11行めまで抜いて置こう。 そこで登つたことのありさうな知人に就て確めやう…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(5)

・濱本浩「塔の眺め」(1) 昨日の続き。――佐藤健二の纏めた「喜多川周之「十二階凌雲閣」問わず語り」に拠ると、喜多川周之(1911.6.9~1986.11.13)は昭和35年(1960)頃に、添田知道(1902.6.14~1980.3.18)から濱本浩(1891.4.20~1959.3.12)が自分の…

佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』(5)

第三章「「十二階凌雲閣」問わず語り」については、細目を示して置きたいようにも思うのだが、どうもこのところ先月に比べれば随分涼しくはなったけれども、湿度は高いままで、どうにも草臥れたままである。よって直ちに本題に入ろうと思う。 この第三章の大…

佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』(1)

石角春之助 編輯「江戸と東京」は近隣の市の図書館にある復刻版を初め、第一冊と第四冊を昨年の9月下旬に借り*1、10月上旬に第二冊と第三冊を借りて2週間ほど全4冊揃えて眺め、それから10月20日に第一冊と第四冊を返却したのだが、序でに書架にて関連しそう…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(4)

・小木新造 監修/槌田満文・大串夏身・佐藤健二・吉見俊哉 編集・解説『復刻『江戸と東京』』第四冊(2) 佐藤健二「解説3◉『江戸と東京』瞥見――巻頭言と広告を読みながら――」の最後の段落(373頁12~14行め)に、 全体としてどんな意味がありうるか、予…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(3)

前回の補足。 佐藤氏が「追悼号の斎藤の回想(㉗)」と云っているのは、第六卷第一號16~17頁中段9行め(復刻第四冊278~279頁)に収録される斎藤昌三「風の如き春之助君」であるが、この文章は次の本に再録されている。 ・少雨叟第六随筆集『書齋隨歩』昭和…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(2)

・小木新造 監修/槌田満文・大串夏身・佐藤健二・吉見俊哉 編集・解説『復刻『江戸と東京』』第四冊 国立国会図書館にはこの復刻版しか所蔵されていない。この復刻版も9月12日付(1)に示した卷號を見るに不定期刊行で番号が飛んでいる。しかし、これで全…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(1)

・小木新造 監修/槌田満文・大串夏身・佐藤健二・吉見俊哉 編集・解説『復刻『江戸と東京』全四冊』一九九一年四月二五日 初版第一刷・明石書店・A5判上製本 以下の書影は全て函の背だが、私は公立図書館蔵書を見たので函は見ていない。 ・第一冊(522頁)…

祖母の遺品(11)

・若山家の関東大震災(10)佐藤歯科医院③明治 9月9日付(09)の続き。 当ブログは翌日の記事を投稿するくらいまで、特に断らずに加筆修正している。投稿後に眺めると編集画面では気付かなかったアラが目に付く。かつ、ここまで書いて置こうと思っても入力し…

道了堂(120)

この記事はまだ祖母宅の整理を本格化させる前の6月に借りた雑誌と書籍について、返却期限が迫ったため7月13日にメモだけは取って置こうと作成したものの、御覧の通りこれと云った情報もないので「投稿すべきものがないときに投稿」として放って置いたのだが…

赤堀又次郎伝記考証(059)

・赤堀象万侶⑪ウルル 赤堀又次郎の父・赤堀象万侶についてはまだ分からないことばかりである。今は見出した少ない資料からその経歴・交遊圏を辿って行くばかりである。 ・「風俗畫報」第二十號(明治二十三年九月十日刊行・定價/一部金拾錢・東陽堂編輯所・…

祖母の蔵書(147)歴史雑誌

昨日の山本周五郎は昨年来の懸案(?)だった。クローゼットの奥に纏めてあるのを見付けたときには随分沢山あるような気がしたのだが、数えてみると19冊で、他に保存されていたものと合わせても32冊である*1。昨年、ベテランの古本屋に相談に行った際、言下…

祖母の蔵書(144)漢字パズル②

雑誌・MOOK は7月7日付(097)に纏めて行くつもりが、まだその後掘り出したものを追加出来ていないが、ここでは昨日一昨日の続きとして新書判及び文庫判のものを纏めて置こう。 居間のソファの脇に新書判の漢字パズルが何冊かあることは以前から見て分かって…

祖母の蔵書(143)パズル雑誌②

昼前、買物の帰りに祖母宅の脇に回って見たら仏間の障子を閉める若い男性が見えた。それから外階段の方に回ると段ボールを抱えた男が下りて来るところで路上駐車したトラックに家具類が積んであった。他に3人ばかり。どうやら家財の運び出しに行き合せたよう…

祖母の蔵書(142)パズル雑誌①

私は祖母が87歳のときに初めて会って、その頃はまだ元気で月に1度私ら夫婦で御機嫌伺いに通っていた*1。夕方待ち合せて、馴染みの料理屋で御相伴に与るのである。しかし、次第に食べる量も減り、かつ18時から1時間半ほどの料理屋の夕食では疲れるようになっ…

祖母の蔵書(139)相撲

祖母の家には小型の液晶テレビがあったが、付いていた記憶は殆どない。耳が遠くなって、台詞が聞き取れないのでドラマなどは久しく見ていないようだった。大きな声でしっかり話せば聞こえるので、買物などでは困らない。90代には見えなくても80代には見えた…