瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2019-01-01から1年間の記事一覧

森川直司『裏町の唄』(06)

・『昭和下町人情風景』の「あとがき」(1) 森川氏は本書以外にも、前回挙げた『やさしい商品先物取引100問100答』の他に何冊か、本を出している。商品取引の基礎知識 (1973年) (ビジネス新書)作者:森川 直司出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 1973…

森川直司『裏町の唄』(5)

本書の成立について、本書「まえがき」には次のように説明されている。2頁9行め~3頁5行め、 ・・・・、小学校時代の友人や深川に住んでいたことのある知人たちとの昔語りの中から/も、戦前の深川が意外に早く消え去りつつあるのを強く感じさせられたので、昨年…

森川直司『裏町の唄』(4)

本書の成立を説明するには、どうしても『昭和下町人情風景』に触れないといけない。 そこで今回はその準備として『昭和下町人情風景』の細目を見て置くこととしよう。 ・森川直司『昭和下町人情風景』の細目 3頁(頁付なし)は中扉で上部中央に楷書体太字縦…

森川直司『裏町の唄』(3)

12月25日付(2)の続きで、まづ本書の細目を見て置こう。 5頁(頁付なし)は「目次」の扉、6~10頁(頁付なし)に細目、6頁1行め「まえがき」のみゴシック体で頁を示さない。1行分空けて「入 学 13」の如く頁を示す。2字の題は1字分空白を挟んで、3字分にし…

出張旅行の思ひ出(2)

本題に入らないまま長くなってしまった、昨日の続き。 * * * * * * * * * * それはともかく、Twitter も、信ずるに足る見識を示している人の Tweet ならば Follow しても良いのかも知れないが、それも大変なので誰も Follow していない。しかし、…

出張旅行の思ひ出(1)

電車に乗ってもスマホやタブレットを見ている人ばかりである。道を歩いていても、スマホやタブレット、さもなければ屋内で吸えなくなったので歩き煙草の連中が少なくない。いや、最近は自転車に抜かれた途端に煙にやられることが、これも幾度かあって、あれ…

森川直司『裏町の唄』(2)

【12月26日追記】投稿当初「赤いマント(222)」と題していたが、「赤いマント」の記述の検討に入る前に、本の内容を一通り見て置くことにしたので、記事の題を著者名と書名に改めた。 * * * * * * * * * * 昨日の続きで、本書と、その抄録を一部…

森川直司『裏町の唄』(1)

【12月26日追記】投稿当初「赤いマント(221)」と題していたが、「赤いマント」の記述の検討に入る前に、本の内容を一通り見て置くことにしたので、記事の題を著者名と書名に改めた。 * * * * * * * * * *・森川直司『裏町の唄』昭和53年4月15日…

日本の民話35『越中の民話』(2)

③上製本『新編日本の民話16 富山県』一九八五年十月一日初版発行 特装版第一刷・262頁 体裁は2011年10月26日付「浅沼良次編『八丈島の民話』(3)」に取り上げた、『新編日本の民話46 八丈島』に同じ。共通するところはここには省略する。 和紙風の扉に「新…

日本の民話55『越中の民話』第二集(1)

昨日取り上げた『越中の民話』と同じ双書「日本の民話」の1冊、すなわち日本の民話35『越中の民話』に「第一集」と追加されたのはこの『第二集』が刊行されたためである。これもやはり2011年10月24日付「浅沼良次編『八丈島の民話』(1)」及び2017年9月2日…

日本の民話35『越中の民話』(1)

昨日取り上げた『信濃の民話』と同じ双書「日本の民話」の1冊、やはり2011年10月24日付「浅沼良次編『八丈島の民話』(1)」及び2017年9月2日付「浅沼良次編『八丈島の民話』(7)」に倣って、整理して置くこととする。 ①上製本(初版)266頁・A5判上製本…

日本の民話1『信濃の民話』(1)

未来社版『日本の民話』シリーズは、かつては大抵の図書館のNDC「388」の棚にずらりと並んでいた。しかし今や、書庫に仕舞われたり、台車の付いた階段を登らないと届かないような高所の棚に並べられたり、50順にバラバラに配架されたり、すっかり影が薄くな…

青木純二『山の傳説』(05)

本書の諸版については8月11日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(098)」及び9月25日付(01)に、初版(丁未出版社版)と覆刻版(大空社版『柳田國男の本棚』第五巻)についてメモして置いた。しかしながら、私の見た初版は図書館で製本屋に製本さ…

赤いマント(220)

・朝里樹 監修『大迫力! 日本の都市伝説大百科』(3) 11月23日付(211)の続きで、178~179頁「赤マント」項の内容を確認して置こう。 179頁の上部に青い明朝体でごく大きく「赤マント*1」とあり、その下にやや大きく「子どもをさらう夕暮れどきの怪人*2」…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(145)

・朝里樹 監修『大迫力! 日本の都市伝説大百科』 本書のことは11月23日付「赤いマント(211)」に取り上げたが、「二章 迫りくる影」の21項め(通しで42項め)、116~117頁に「おんぶ幽霊」が立っていた。 見開きのイラスト、左頁(116頁)に青光りする女性…

切符の立売り(2)

昨日の続き。 私は兵庫県立高等学校の3年生だった平成2年(1990)1月13日・14日に実施された、第1回大学入試センター試験を受験している。 高校2年のとき、私は国公立文系コースに所属していたのだが、徹底的な数学・英語嫌いの上に、同級の連中との折り合い…

切符の立売り(1)

当初、昨日の続きで上方落語「三年酒」の原話について書くつもりだったけれども、勤務先の近所の図書館に取り寄せを依頼していた本が、土曜の帰りに立ち寄ったときにはまだ準備出来ていなかった。明日の帰りに借りて帰るつもりだけれども、直ちに記事に出来…

上方落語「三年酒」の原話(18)

・桂米朝『四集・上方落語ノート』(2) 昨日の続きで、まづ本書の内容を最後まで眺めて置くこととする。 85~113頁「考証断片・その四」も6項、85頁2行め~88頁「「風の神送り」補足」は『三集・上方落語ノート』の「風の神送り考」の補足、末尾に(平成四…

上方落語「三年酒」の原話(17)

一昨日からの続き。 古いところでは既に次の本に『博物志』が典拠である旨の記述があった。 ・桂米朝『四集・上方落語ノート』平成10年1月10日発行・定価2500円・青蛙房・269頁・四六判上製本 『上方落語ノート』は、卒業論文から大学院の修士課程まで…

上方落語「三年酒」の原話(16)

それでは昨日述べたように、当ブログよりも4ヶ月前に上方落語「三年酒」の典拠として『博物志』『搜神記』を挙げていた、paxchina のブログ「paxchinaのブログ」の記事、2017/9/7「千日酒(せんじつしゅ)」を、このままでは15日のYahoo!ブログ サービス終了…

上方落語「三年酒」の原話(15)

さて、昨年の1月から2月に掛けて、こんなこともまだ明らかにされていないのか、と意外に思いつつ『搜神記』と『博物志』に原話が載ることを紹介してみたのだが、やはり既に複数の指摘があった。 まづ、新しいところで、paxchina のブログ「paxchinaのブログ…

芥川龍之介旧居跡(21)

裏のお婆さんが死んだのは、まだ社宅に住んでいた頃のことだったような気もして来た。 しかし、退去後に取り壊された裏の家に新築された家を見に行き、出ていた表札がうちの苗字と同じだったことを両親に報告したような気もする。20年前の記憶は曖昧だ。当時…

芥川龍之介旧居跡(20)

・都内の旧居追懐(5) 昨日の続き。もう少々、私が21年前まで住んでいた家について回想しよう。 玄関は洋式で、やや横幅のある茶色く塗装した扉だった。真鍮の丸い把手があって、その下の前方後円墳のような形の鍵穴に、やはり真鍮の先端にM字型の突起の付…

芥川龍之介旧居跡(19)

昨日の続き。 ・都内の旧居追懐(4) 家の東側、深夜の侵入者が逃げて行った方には、竹を組んだ垣があって、1人がやっと通れるくらいの隙間があった。その、土を踏み固めた通路を通って家の北側の回ると、コンクリート板を積み上げた塀があって、高さは2m…

芥川龍之介旧居跡(18)

一昨日からの、浪人から修士論文を提出する頃まで、8年余り住んだ、都内の築60年の住宅について、続き。 昨日は題を変えるべきかと思ったのだが、そのままで良いような気がして来たので変えずに置く。芥川龍之介旧居跡の現状に触発されて私が暮らした家のこ…

芥川龍之介旧居跡(17)

題は変えるべきと思うが、差当りそのまま投稿して置く。 ・都内の旧居追懐(2) 昨日の続き。 私は2階の北西に板の間を2部屋、勉強部屋と寝室をもらっていた。と云って、2つとも奇妙な部屋だった。 北西隅の勉強部屋は4畳くらいの東西に長い部屋だったけれ…

芥川龍之介旧居跡(16)

・群像 日本の作家 11『芥川龍之介』(3) 一昨日からの続きで、槌田満文「文学紀行/芥川の東京・湘南を歩く」から、2節め「田端の旧居跡」の後半、191頁上段2行め~下段5行め、 龍之介が「我鬼窟」のちに「澄江堂」と名づけた書/斎は、多くの新進作家を集…

芥川龍之介旧居跡(15)

・群像 日本の作家 11『芥川龍之介』(2) 昨日の続きで、槌田満文「文学紀行/芥川の東京・湘南を歩く」について、ゴシック体の見出しを列挙して置こう。見出しのある行の前は1行空け。 190頁上段1行め「龍之介ゆかりの地」、190頁下段3行め「田端の旧居跡…

芥川龍之介旧居跡(14)

・群像 日本の作家 11『芥川龍之介』一九九一年四月十日 初版第一刷発行・定価1748円・小学館・351頁・四六判上製本芥川龍之介 (群像 日本の作家)作者:後藤 明生出版社/メーカー: 小学館発売日: 1991/03メディア: 単行本 奥付の前(351頁の裏)の目録による…

赤いマント(219)

【お詫び】11月下旬の記事の書名が全て『現代日本怪異事典』となっておりました。書名の校正漏れを指摘したところにこうして間違ってしまい、誠に面目ない次第です。煩雑になりますので一々の記事には断らず、纏めて訂正して、ここに記してお詫び申し上げま…