瑣事加減

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2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(1)

『怪談 FINAL EDITION』2009年9月10日初版第1刷発行・定価1333円・INFASパブリケーションズ・255頁・四六判並製本怪談 FINAL EDITION (studio voice BOOKS)作者: 小池壮彦出版社/メーカー: INFASパブリケーションズ発売日: 2009/09/12メディア: 単行本(ソフ…

小池壮彦『東京近郊怪奇スポット』(2)

昨日の続きで、どういう本かを確認して置く。 * * * * * * * * * * 90箇所はアトランダムで年代順とか地域別とか、内容による分類とか、そういうものはないらしい。 目次で勘定するに、(名所)46箇所、(準名所)9箇所、(旧名所)2箇所、(穴場)33箇所…

小池壮彦『東京近郊怪奇スポット』(1)

『東京近郊怪奇スポット』1996年7月10日初版発行・定価1165円・長崎出版・186頁・四六判並製本 Amazon詳細ページに書影がある。カバー裏表紙折返しに中央左寄りに縦組み明朝体で「装幀――吉野冨士彦」とある。 カバー表紙折返し、上部に新宿の高層ビル群をネ…

最近の『舞姫』関連本(01)

2011年6月16日執筆。もう少し、続きが書ける程度に準備してから上げようと思っていたら、続きは一向に書けないまま、今になってしまった。2012年12月12日付に「鴎外」誌を取り上げたのは、下に書いたような事情で、「鴎外」を所蔵している図書館に立ち寄った…

松本清張『潜在光景』(3)

昨日の続き。次に角川文庫の方を見て置く。 出典一覧潜在光景 『影の車』角川文庫 八十通の遺書 『装飾評伝』筑摩書房 発作 『カルネアデスの舟板』角川文庫 鉢植を買う女 『影の車』角川文庫 鬼畜 『カルネアデスの舟板』角川文庫 雀一羽 『増上寺刃傷』講…

松本清張『潜在光景』(2)

2月17日付(1)の続き。 奥付の前の頁(頁付なし)に、角川ホラー文庫には「出典一覧」、角川文庫には「出典一覧」と「初出」がある。まず、角川ホラー文庫の方を見て置く。 出典一覧潜在光景 『影の車』角川文庫 八十通の遺書 『装飾評伝』筑摩書房 発作 …

七人坊主(39)

昨日の続きで、3日前に書いたものの後半。 * * * * * * * * * * とにかく、常光氏の本を読むと、江戸時代の怪談や民間伝承との関連を見ようという作業こそ(民俗学者らしく)行われていますが、「学校の怪談」がどのように展開して来たのか、戦後…

七人坊主(38)

一昨年の「七人坊主」の記事について、きっかけとなった小池氏の本のことどもをだらだらと述べてみる*1。 * * * * * * * * * * 小池壮彦の本は、怪談の検証をした本としては、他の著者の書いたものより読み応えがあるような気がするので、図書館で…

John Steinbeck “The Pearl”(2)

・角川文庫1578『真珠』(2) 2月16日付(1)の続きで、カバーの続きから。 表紙折返し、右下に横組みゴシック体で「カバー 山羊十生」とあるのは共通。上部に横組みの紹介文があるが、三十三版は「真 珠」と題して、半行分空けて明朝体9行(1行17字)で9…

七人坊主(37)

昨日雪が降ると言われていたのに午前中は薄日も差していたし、今日は曇りで朝のうち沿岸部で、と言っていたのに昼に雪が舞っている。それにしても寒い。それなのに花粉が飛び始めたらしい。庭の梅も先日咲いた。 * * * * * * * * * * 2012年2月27…

森鴎外『舞姫』の文庫本(08)

・岩波文庫31-006-0(1) 『舞姫・うたかたの記 他三篇』 1981年1月16日第1刷発行(185頁)舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)作者:森 鴎外出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1981/01/16メディア: 文庫・1985年12月10日第8刷発行・定価200円 ・198…

松本清張『潜在光景』(1)

・角川ホラー文庫9413 『恐怖短編集 潜在光景』平成6年10月10日初版発行・定価505円・角川書店・270頁 扉にのみ「恐怖短編集」の前後に「―」がある。カバー表紙・背表紙・裏表紙折返し、奥付と広告には「―」はない。 ・角川文庫13546 潜在光景 (角川文庫)作…

John Steinbeck “The Pearl”(1)

・角川文庫1578『真珠』(1) 昭和三十二年八月十五日初版発行(102頁) 昭和五十五年九月二十日三十三版発行 定価140円 昭和五十五年九月二十日三十三版発行 定価200円 昭和六十二年十月三十日三十八版発行 定価220円 今、手許に3冊借りてある。三十三版2…

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(10)

・角川文庫2094(5) 2月9日付(09)の続きで、八十三版のカバーについて。 表紙について「角川文庫 二十四の瞳」もしくは「安西水丸 二十四の瞳」でGoogle画像検索してみたが、このカバーはヒットしなかった。どんな表紙かというと、上部に横組みで大きく…

芥川龍之介『羅生門』の文庫本(11)

・角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』(4) 2012年12月7日付(6)の続き。十二版・十六版・十七版と同じ表紙の二十二版を見た。十七版及び角川文庫14718『羅生門・鼻・芋粥』改版初版と比較しつつメモして置く。 【二十二版】平成元年四月十日初版発行・平成十…

謬説の指摘(4)

「批判」に腹を立ててしまうような「先生」が、万事このような頑なで、権威主義的だったりしたら、話は単純なのですが、そうではありません。自分に「論」のある事柄については、話が出来なくても、そういうものがない題目に関しては、驚くほど鋭い判断力を…

太宰治『斜陽』の文庫本(17)

・角川文庫26(2) 2012年8月5日付(09)に、望月氏のカバーを貼って置いたが、当時は未見だった。その後、見る機会があったのでメモして置く。 【百十五版】昭和二十六年八月十五日初版発行・平成十年四月十日百十五版発行・定価300円・190頁 百十二版と比…

謬説の指摘(3)

ところで、従来の通説への対し方も、さまざまです。「いけない」説を徹底的に批判する場合もありますし、そっちを殆ど無視して専ら自らの「よい」説の正当性を強調するか、いろいろですが、それはまぁ、戦略です。効果的な出し方をする訳です。死後も崇拝者…

謬説の指摘(2)

ところが、学界というところは基本的に「金持ち喧嘩せず」の世界で、謬説の修正ということに消極的です。 ある主題について、その時代の専門家でもない人物が思い付きで乗り込んできて、少々怪しい説を唱え、その説がそれなりに有名になってしまう、というこ…

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(09)

・角川文庫2094(4) 平成19年(2007)6月に角川文庫14733として改版されて以後、カバーが3種類あることを2012年8月9日付(2)に指摘したが、その前の角川文庫2094も4種類のカバーが存在することを指摘して置いたが、さらにもう1種類確認したのでここにメ…

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(8)

・角川文庫14733(3) 2012年10月8日付(4)に、てぬぐい専門店「かまわぬ」コラボレーションによる和柄スペシャルカバーが掛かった改版四版(平成二十二年五月十五日発行)を紹介したが、2012年8月9日付(2)で見たように、改版初版(平成十九年六月二十…

松本清張「装飾評伝」(10)

昨日の続きで「贋作の思想」の15頁上段を見てみる。 美術史の上では、単なる笑い話のようにしか扱われない/この事実に作者は目を付け、これを物語の主題にしている/のである。(話は飛ぶが、芸術新潮の昭和五十六年一月号/から九月号に連載された「青木繁…

松本清張「装飾評伝」(09)

以下、田中氏の「贋作の思想」から、「装飾評伝」に関する部分を抜き出してみる。 清張さんの昭和三十三年の好短篇に「装飾評伝」があ/る。冬の北陸路の断崖から墜死して、四十二歳を閉じた異/端の天才画家の名和薛治と、その弟子で、師の評判の陰に/かく…

松本清張「装飾評伝」(08)

2012年11月13日付(6)に、松本清張短篇全集09『誤差』(光文社文庫、カッパ・ノベルス)の、「昭和三十九年十月」付の「あとがき」から関係箇所を引いて置いた。松本氏本人が「発表当時、モデルは岸田劉生ではないかと言われたが、劉生がモデルでないにし…

水村美苗『私小説』(1)

・新潮文庫6169 『私小説 from left to right』平成十年十月一日発行・定価629円・461頁 書影は2012年7月10日付「水村美苗『続明暗』の文庫本(1)」に貼って置いた。帯のために下部が見えないが、模様に紛れるように明朝体横組みで「新潮文庫」とある。ち…

謬説の指摘(1)

私は古典文学研究をやっておったのですが、そのとき、驚いたのは、古典の本文に基づかない、妙な理屈を展開した「論文」が少なからず存在することでした。本文を読む限りではこんな解釈は出来んだろう、と云うようなことを堂々と書いている。何故こうなった…

柳田國男『海南小記』の文庫本(1)

・角川文庫1421(1) 【改版三版】昭和三十一年六月十日初版発行・昭和四十五年六月五日六版発行・昭和四十八年四月三十日改版三版発行・272頁 【改版四版】昭和三十一年六月十日初版発行・昭和四十五年六月五日六版発行・昭和四十九年一月三十日改版四版発…

太宰治『走れメロス』の文庫本(8)

・角川文庫1143 2012年12月4日付(6)で見た改版四十七版には「98.7」印があった。平成10年(1998)7月受入で、「寄贈」印もないので購入だとすると、やはり2012年11月9日付(5)で見た改版四十七版にかかっていたカバーが発行当時のもので、その後掛…