瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

美術史

阿部主計『妖怪学入門』(3)

2018年4月8日付(1)に挙げた諸版のうち、今手許に⑤平成4年(1992)雄山閣ブックス19と⑦平成16年(2004)新装版、⑧平成28年(2016)雄山閣アーカイブス 歴史篇の3冊がある。今回は口絵(20頁、頁付なし)について見て置こう。 ⑤と⑦はアート紙、⑧は本文共紙…

怪談同好会編『古今怪異百物語』(3)

東雅夫 編『昭和の怪談実話ヴィンテージ・コレクション』の「編者解説」及び『百物語の怪談史』の書き方を見るに、本書には装幀挿画の担当者の名前が入っていないらしい。 そこで、ここに装幀挿画の担当者を明示する資料を紹介したい。確か、6月上旬に「讀賣…

怪談同好会編『古今怪異百物語』(2)

幽クラシックス『昭和の怪談実話ヴィンテージ・コレクション』に収録されている図版について、確認して置こう。昨日紹介した下書き(2014年4月2日)でも、入力するつもりで空白にしていたが、そのままになっていた。 10〜11頁見開きカラー図版は、11頁下左に…

怪談同好会編『古今怪異百物語』(1)

以下は2014年4月2日に準備した下書きで、続きが書けそうになったので若干の注記と追補をして投稿することにした。本当はもっと手を入れたくなったのだが際限がないのでまずは昨年の下書きをほぼそのまま示して置く。 * * * * * * * * * * 本書は以…

早川聞多『現代語訳 春画』(1)

もともと古典専攻なので、院生の頃には所蔵先を調べて指導教授に推薦状を書いてもらって大学図書館を通して閲覧申請をして送付されて来た許可状に印鑑を持って、版本や写本や、書簡の類も読んだものである。今は、ネット上にカラー写真で公開している大学や…

「はじまりは国芳−江戸スピリットのゆくえ」(1)

昨年は美術館に殆ど行かなかった。「藤牧義夫展」に前期・後期に足を運んだくらいか。かつては面白そうな東京近辺の特別展に出掛けては図録を買ったものだが、今では美術館の閲覧室で見れば良い、という気分で執着がなくなって来た。最近の図録は小ぶりで高…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(17)

いよいよ窮して来たので、昨日は古い下書き記事から、書いた当時少し躊躇するところがあって出さなかったものを上げて置いたのだが、今日も9月上旬に書いて、なんとなくそのままになっていた記事を上げて置く。当時、もう少しなんとかしようと思っていたのだ…

石子順造編著『小絵馬図譜』(1)

上京して(浪人してから)大学に入った当時、先輩や同輩が芳賀書店について思わせ振りな物言いをするのを聞いて、全く予備知識のなかった私はただ、何なのか、と思った記憶があるが、その後、店舗の場所を知ったが中に入ることもなく過ごしている。シネアル…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(16)

本書の「第12章 物語は連鎖する」に、これまで度々引用してきた小野忠重による藤牧義夫の評伝「回想の藤牧義夫」の全文を「美術の世界ですっかり認知された藤牧義夫像の原型」として、掲載しています(260〜264頁)。 これは、藤牧氏再評価のきっかけとなっ…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(15)

・吉田正三について(2) さて、吉田氏ですが、小野氏の『ガラス絵と泥絵』の「小絵馬考」第二章「絵馬の盛衰」(101〜122頁。第一章は「絵馬の起源」96〜100頁)に、次のように紹介されています(114頁7行め〜115頁4行め)。 ●東京最後の絵馬屋 その絵馬屋…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(14)

前回8月22日付(13)に、本書が「社長の谷口春郷がどんな人物だったのかはよくわからないのだが」としていた(175頁17行め)銀座スタヂオの社長について、三重県の「大石村ガレージ画廊」HPにあった略歴を貼り付けて置きました。これなどは調べたうちに入…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(13)

「これから」「浅草の姉の家」に「行くといって」出ていったのが最後だ、と「友人」は回想していて(264頁)、浅草区小島町の中村家が行先になっているのは、太田家に伝わる「いまから小島町に出かけるつもりだ、と告げて……腰をあげた」という話(316頁)と…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(12)

随分回り道をしてしまいましたが、ようやく8月15日付(08)に一旦上げて削除したものの修正稿を上げます。 姉の太田みさをの家が、向島區吾嬬町のどの辺りだったのか、正確に分からないのですが、駒村氏が藤牧氏の下宿からの距離を「三キロほど」としている…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(11)

昨日、明治座の位置に触れました。明治座には4月17日付「港屋主人「劇塲怪談噺」(5)」で関東大震災で焼失したことに触れていましたが、ここはその後の明治座です。 震災までは、浜町川(浜町堀)に面した、日本橋区久松町38(現、中央区日本橋浜町二丁目1…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(10)

一昨日、8月16日付(09)にて、市電で新大橋を渡って、……と、うっかり書いてしまったのですが、藤牧氏の目的地である「日本橋區濱町二ノ十一」は、森下町から新大橋線、ではなく、その手前の亀沢町で、参考にさせてもらっているサイト「ぽこぺん都電館」の「…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(09)

昨日、失踪当日について駒村氏がどのようなイメージを読者に抱かせようとしているか、そのためにどのような伏線を張っているか、をざっと確認してみようと思って始めてみたところ、いきなり先日見落としていた疑問点に引っ掛かり、そして地図で方角やら距離…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(08)

本書については、もう1点瑣事に触れて終わりにして、後は大谷氏の『藤牧義夫 眞僞』や現在開催されている展覧会の公式カタログについて触れるついでに、述べることにしようと考えていました。 しかし昨日、平成23年(2011年)8月14日付「産経新聞」日刊24673…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(7)

一昨日からの続き。 * * * * * * * * * *・275頁2行め「いたゞ度ふ」は「いたゞき度う」とあるべきですから、2箇所(ママ)を附すべきです。前者「き」は藤牧氏の誤脱でしょうが念のため現物で確認したいものです、(ママ)がないと駒村氏の見落と…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(6)

昨日の続き。 * * * * * * * * * *・197頁10行め「いたる部分」はネット上には散見されますが、普通は「いたるところ」なのではないでしょうか。 ・215頁17〜18行め「壊れやすく、いなしやすいのだ。」――文脈から何となく意味は分かりますが、相撲…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(5)

細々したものを挙げて置きます。人によっては許容範囲かも知れません。この他、若干保留しています。 * * * * * * * * * *・16頁8行め「万物の森羅万象」→「森羅万象」だけで良い。 ・25頁5〜6行め「六十歳なかば」は「六十歳代半ば」もしくは「六…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(4)

昨日の続きを少々。 山と溪谷社のHPには「お詫びと訂正」というページがあります。もちろん山の案内書が間違っていたら死にかねない訳ですから当然ですが、重大な結果が予想されないから放置して良い、とは思いません。ネット上では一部、著者や篤志の読者…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(3)

7月24日付(1)でも触れた本字の問題ですが、これは著者というより編集者がフォローすべきだと私は思っています。もちろん著者がその辺りがあやふやでは確かに困るのですが、しかしある程度慣れた人であってもどこかしら妙な癖が付いて可笑しな風に読んでし…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(2)

細々したことは後回しにして、一番の疑問点と思われる箇所について先に述べて置きます。 第14章「雨の夜」、これは昭和10年(1935)9月2日の失踪当日について検証した部分です(315〜333頁)。 その中で、319頁3行め以降の、当日の天候について述べたところ…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(1)

藤牧義夫(1911〜1935*1)という版画家が、生誕百年ということもあって脚光を浴びています。 私は一昨年、たまたま別の人について検索しているうちに、espritlibreのブログ「玉乗りする猫の秘かな愉しみ」に辿り着き、さらにそこから同氏が藤牧氏についてま…