瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2016-01-01から1年間の記事一覧

田辺貞之助『江東昔ばなし』(6)

・田辺氏の家族の生歿年(3) 12月27日付「田辺貞之助『女木川界隈』(5)」の続き*1。 ・姉(2) 12月27日付「田辺貞之助『女木川界隈』(5)」に「姉は1人しか登場しない。」と書いた。しかし、「江東の女たち」の節の「お直ちゃん」に、このお直ちゃ…

事故車の怪(1)

11月15日付「今野圓輔『幽霊のはなし』(06)」に引いた、『幽霊のはなし』64頁10〜15行めの「首だけの幽霊話」であるが、私は人から聞いた覚えはないのだが、あちこちで目にした記憶がある。今野氏が記述する話は「人身事故をおこした乗用車のボンネットに…

松山ひろし『真夜中の都市伝説』(3)

昨日の続きで、2冊めの『壁女』の細目を見て置く。 『壁女』は文庫版『怖すぎる都市伝説』と比較することが出来た。大きな異同は文庫版が児嶋都のイラストを省略していることである。なお『壁女』ではイラスト頁にも頁付が打ってある。 単行本『壁女』の頁の…

松山ひろし『真夜中の都市伝説』(2)

12月18日付(1)の続き。 その後、文庫版『怖すぎる都市伝説』を見た。 ・文庫ぎんが堂『怖すぎる都市伝説』2013年4月10日第1刷発行・定価600円 イースト・プレス 245頁 文庫版『怖すぎる話』は未見。但し『怖すぎる都市伝説』に省略した話が存するの…

田辺貞之助『女木川界隈』(5)

・田辺氏の家族の生歿年(2)*1 昨日見たように『女木川界隈』では家族の生歿年を曖昧にしていたのが『江東昔ばなし』ははっきりさせている。これは『江東昔ばなし』の前年に「改葬の嘆き」を執筆して、家族の年忌について確認する機会を得たためであろうか…

田辺貞之助『女木川界隈』(4)

次に巻頭から1節ずつ取り上げて、改稿して再録している『江東昔ばなし』との異同を細かく挙げて行こうかと思ったのだが、それは大変な作業量になってしまい、とてもでないがこの年末までに済ませられそうにないので、差当り登場する人物について述べた箇所を…

田辺貞之助『女木川界隈』(3)

一昨日からの続き。 1章め「女木川界隈」の細目。 「蓮田の四季」11〜18頁15行め 「お神楽と万歳」19〜23頁11行め 「随想三夜」24〜36頁14行め 「第一夜 浜の話」24頁2行め〜 「第二夜 ボンデン祭」28頁11行め〜 「第三夜 夜づき」32頁12行め〜 「つなみ(一)…

田辺貞之助『女木川界隈』(2)

昨日の続き。 扉の用紙は横縞模様の淡い橙色。楷書体縦組みで上部に「女 木 川 界 隈」、下部に「田辺貞之助」とある。ごく薄い灰色で版本風の絵が刷られており右上から左下へ斜めに、標題の2字めの上をかすめる子持枠の上辺が入る。下は『江戸名所圖會』巻…

田辺貞之助『女木川界隈』(1)

私はカバーの掛かったものと掛かっていないものの、2冊を見た。 田辺貞之助『女木川界隈』昭和37年7月1日初版発行・定価340円・実業之日本社・286頁・B6判上製本 カバー表紙は、11月29日付「田辺貞之助『江東昔ばなし』(5)」に引用した生駒散人のブログ…

大島廣志 編『野村純一 怪異伝承を読み解く』(1)

・やま かわ うみ 別冊『野村純一 怪異伝承を読み解く』 2016年7月7日 第1版第1刷発行・定価1800円・アーツアンドクラフツ・171頁・A5判並製本野村純一 怪異伝承を読み解く作者: 大島廣志出版社/メーカー: アーツアンドクラフツ発売日: 2016/06/01メディア…

山岸凉子『日出処の天子』(32)

あすかコミックス・スペシャル『山岸凉子全集』(8) 2015年5月13日付(27)に、全集版と文庫版の内容比較を行ったが、単行本(花とゆめCOMICS)との比較をしていなかったので、ざっと対応関係を確認して置く。 なお、二重もしくは三重の四角い枠のナ…

『夢で田中にふりむくな』(2)

昨日の続き。 昨日は『日本の現代伝説』全4冊(白水社)の章立てを確認するだけで終わってしまった。 このシリーズ各冊の巻末「主要引用文献」を見るに、その殆どが「不思議な世界を考える会会報」なのである。 この「不思議な世界を考える会会報」には2月11…

『夢で田中にふりむくな』(1)

・渡辺節子 岩倉千春 編著『夢で田中にふりむくな ひとりでは読めない怖い話』 1996年7月5日初版発行・定価971円・ジャパン タイムズ・238頁・四六判並製本 渡辺氏が4冊全てに、岩倉氏が4冊めに編著者として参加している『日本の現代伝説』全4冊(白水社・…

松山ひろし『真夜中の都市伝説』(1)

私は単行本『現代民話考』が刊行されていた時代に高校生だったので、話の型録と云うとどうしても『現代民話考』と云う発想になってしまう。そして、大学以降は例の「学校の怪談」のブームで、民俗学者までが怪談を商品として扱うようになって、私は腰が引け…

田辺貞之助『うろか船』(10)

12月13日付(06)に細目を示した7章め「ラジオ歳時記」に、後年詳しく述べることになる、故郷の思い出を語っているのであるが、まづ昭和32年(1957)2月24日(日)放送の、仮に【5】とした話題を、直前の【4】の2段落めから引いて見よう。203頁2〜16行め、…

田辺貞之助『うろか船』(9)

昨日までで本書の装幀から細目、奥付から目録に至るまでを略述した。 私がこの本を見ようと思ったのは、11月29日付「田辺貞之助『江東昔ばなし』(5)」及び11月30日付「人力車の後押しをする幽霊(6)」に述べたように、最晩年の『江東昔ばなし』の内容が…

田辺貞之助『うろか船』(8)

昨日の続きで、9章め「学生の性倫理」について。 228頁、1行めに2字下げで大きく明朝体で「学生の性倫理」とあり、3行分空けて、2行取り6字下げでゴシック体で「一、序説」とある。2節めからも2行取り。末尾、246頁5〜6行めに一回り小さく括弧で「(昭和二十…

田辺貞之助『うろか船』(7)

昨日の続きで、8章め「映画について」について。 210頁、1行めに2字下げで大きく明朝体で「映画について」とあり、3行分空けて、2行取り4字下げでやや大きく明朝体で1節めの題「訳者と映画」がある。 冒頭、210頁3〜10行めを眺めて見よう。 『女優ナナ』とい…

田辺貞之助『うろか船』(6)

12月11日付(5)の続きで、7章め「ラジオ歳時記」について。 192頁、1行めに2字下げで大きく明朝体で「ラジオ歳時記」とあり、2行めは6字下げでやや小さく「昭和三十一年十一月四日 (日)」、3行めは7字下げでやや小さく「前七、四五――八、〇〇」、4行めは…

山岸凉子『日出処の天子』(31)

あすかコミックス・スペシャル『山岸凉子全集』(7) 本編である『日出処の天子』を収録する第1巻〜第8巻については2015年5月11日付(25)以下に述べたが、続編である「馬屋古女王」を収録する第9巻を見た。 ・山岸凉子全集9『馬屋古女王』昭和61年3月2…

田辺貞之助『うろか船』(5)

一昨日からの続きで、5章め「幼き日のことども(砂村風物詩)」について。 144頁、1行めに2字下げで大きく明朝体で「幼き日のことども――砂村風物詩」とある。12月8日付(2)で見たように「目次」では副題は( )に入っていた。3行分空けて、2行取り4字下げ…

田辺貞之助『うろか船』(4)

昨日の続きで、3章め「翻訳雑感」について。 118頁、1行めに2字下げで大きく明朝体で「翻 訳 雑 感」とあり、3行分空けて、2行取り6字下げでゴシック体で1節めの題「翻訳繁昌記」がある。2節めからも2行取り。末尾、131頁13行めに一回り小さく括弧で「(雑誌…

田辺貞之助『うろか船』(3)

昨日の続きで、1章め「頭のなかの空地」について。 13頁、1行めに2字下げで大きく明朝体で「頭のなかの空地」とあり、3行分空けて、2行取り4字下げでやや大きく明朝体で1節めの題「頭のなかの空地」がある。2節めからは3行取り。1頁16行、1行43字。章節の末…

田辺貞之助『うろか船』(2)

それでは昨日の続きで10の章について「目次」を眺めて置こう。 1章め、13〜61頁「頭のなかの空地」*1、「目次」では8頁1行め、明朝体で大きく章題を示し、「……」で繋いで下部に半角漢数字で頁を示す。2〜10行めには、2字下げで、 頭のなかの空地 (一三) 性の…

田辺貞之助『うろか船』(1)

11月29日付「田辺貞之助『江東昔ばなし』(5)」に言及した、生駒散人のブログ「古本ときどき音楽」の2010-02-07「■[最近買った古本]:島田謹二『マノン物語』ほか」に貼付される書影は、カバーらしい。今、私の手許にある某市立図書館蔵書は、横縞模様の…

『梁塵秘抄』の文庫本(1)

・岩波文庫(1)佐佐木信綱 校訂 ①昭和 八 年八月三〇日 第 一 刷 発 行 ②昭和一六年七月二五日 第 七 刷改版発行 ③岩波文庫935―935a『新訂 梁塵秘抄』(198頁) ・昭和四八年二月二〇日 第二一刷 発 行 定価★★ ・岩波文庫30-022-1『新訂 梁塵秘抄』 ・1976…

今野圓輔『幽霊のはなし』(10)

一昨日からの続きで、第二章の3節めを見て置こう。 98頁、章題と同じ大きさの明朝体、3行取り1字下げで「いろんな国の幽霊たち*1」とあり、さらに1行空けて、3行取り2字下げで一回り大きなゴシック体の項目名。要領はこれまでに同じ*2。 オーストラリアの幽…

今野圓輔『幽霊のはなし』(09)

昨日の続きで、第二章の2節めを見て置こう。 93頁、章題と同じ大きさの明朝体、3行取り1字下げで「米ソの政治家たち」とあり、さらに1行空けて、3行取り2字下げで一回り大きなゴシック体の項目名。要領はこれまでに同じ。 リンカーン大統領の亡霊*1(93頁2行…

今野圓輔『幽霊のはなし』(08)

11月16日付(07)の続きで、第二章の1節めを見て置こう。 81頁(頁付なし)は第一章の扉で大半は図版(16.2×7.8cm)、左側の上部に「第二章 外 国 の 幽 霊*1」明朝体の題は大きい。下部、図版寄りに明朝体で小さく「いたずらな嵐の精 (テグナア画)*2」と…

関田一喜『坐禅の構造と実践』(1)

2015年12月12日付「山本禾太郎「東太郎の日記」(34)」に予告した、山本禾太郎が米島清の筆名で応募した「第四の椅子」が第一次予選通過作品となった、昭和3年(1928)の讀賣新聞社「本社五十五周年記念懸賞大衆文藝」で、二等当選となった「河豚クラブ」の…