瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

怪異談

日本の民話『紀伊の民話』(12)

さて、こうして松谷氏が同じ主題について書いた文章には種々変遷があることが分かって来ると、立風書房(及びちくま文庫)版『現代民話考』の基になった雑誌「民話の手帖」に連載された「現代民話考」を、どうしても見たくなるところです。しかしながら、5月…

日本の民話『紀伊の民話』(11)

昨日の続き。 ・松谷みよ子全エッセイ2『わたしの風土記』 149~233頁「Ⅱ わたしの風土記」には各地の民話を取り上げた29篇が纏めてあるがその23番め、198~201頁「天狗さまざま」は、末尾(201頁5行め)に下詰めでやや小さく「(一九七八・三「新修日本絵…

日本の民話『紀伊の民話』(07)

8日前の続き。今年は人手不足で勤務時間を増やされてしまい、出勤日も多くなって呑気にブログを書いていられなくなった。――毎日投稿するのを止めたのは、たまたま投稿出来なくなって継続記録(?)が途絶えたので、ならば別に毎日でなくても良いか、と思った…

日本の民話『紀伊の民話』(06)

前回の続き。 さて、この「栗山の医者どの」の話の完全版を、松谷氏は『民話の世界』の11年後、紀州の山間部で聞いてからだと26年ほど後に、前回書影を示した『現代民話考Ⅰ 河童・天狗・神かくし』に載せております。187~346頁、第二章「天 狗」、242頁12行め…

日本の民話『紀伊の民話』(5)

一昨日の続き。 私にはどうも、未刊に終ったり、計画通り刊行されなかった本について、どのくらい進捗していたのか、内容を知る手懸りがないか、探って見たくなる癖があって、『紀伊の民話』のことは2年半前に『戦後人形劇史の証言/――太郎座の記録――』を読…

日本の民話『紀伊の民話』(4)

昨日の続き。――過去の記事を確認してから書き始めたら文体が敬体になってしまった。そういう気分なのでそのままにして置く。 さて、昭和36年(1961)11月15~17日の「竜の子太郎」初演(砂防会館)時のパンフレットの松谷みよ子「作者の言葉」では、この「旗…

日本の民話『紀伊の民話』(3)

一昨日の続き。『戦後人形劇史の証言/――太郎座の記録――』「3「たつの子太郎」「うぐいす姫」のころ 一九六〇年――一九六三年」の章の〔資料〕には1箇所だけ、この『紀伊の民話』の準備に関する、具体的な記述がある。 132~140頁「太 郎 座/竜の子太郎初演…

飯盒池(11)

・日本の民話10『秋田の民話』一九五八年 七 月二〇日 第一刷発行・一九七八年一二月二〇日 第一七刷発行・定価一二〇〇円・未来社・308頁・A5判上製本秋田の民話 (1958年) (日本の民話〈第10〉)Amazon 本書には2020年3月13日付「日本の民話1『信濃の民話』…

道了堂(132)

Wikipedia 英語版に「Doryodo Ruins」が取り上げられていることを知った。「List of reportedly haunted locations in Japan」項にはまづ「Tokyo」の7箇所を挙げるが、その7つめが、 Doryodo Ruins Two bodies were allegedly found on the site, a body of …

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(194)

・朝里樹『山の怪異大事典』(2) 前回「出し過ぎ」と批判しましたが、本書も取り上げている怪異や妖怪などは出世作の『日本現代怪異事典』に出しているものと重なって来るだろうし、本書の「構成」が「地方ごとになって」いると云うのも、同時期に刊行が始…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(193)

怪異妖怪愛好家・作家の朝里樹が「蓮華温泉の怪話」の類を「おんぶ幽霊」と呼ぼうとしていることについては、2018年8月18日付(035)以来縷々批判を加えたのですが、全く気付いていないのか、それとも気付いていても黙殺しているのか、とにかく私の云うこと…

赤いマント(371)

昨日の続き。 ・加藤廣『昭和からの伝言』(2) 加藤氏は現在の東京都新宿区高田馬場で生れている。このとき父親はまだ生きていたが、療養生活に入っていて同居はしていなかったのであろう。 加藤氏の家は、16頁14行め「ボクの家のような新興住宅」或いは17…

赤いマント(369)

・松尾羊一『テレビ遊步道』(2) 昨日の続き。 松尾氏は翌週(Ⅱ)132頁12行め~134頁3行めに、再度赤マント流言に触れている。 赤マントと酒鬼薔薇 七月十一日 「おい、赤マントってなんのことだ」と何人かの友人から問い合わせがあった。い/つだったかこの…

赤いマント(368)

昭和10年代の文献などは検索を掛けては拾って行っていたのだが、一昨年末に国立国会図書館デジタルコレクションが全文検索出来るようになって、かなりの数の未見の資料が引っ掛かるようになった。それ以前に引っ掛けていて未見、もしくは一応見たけれども詳…

赤いマント(367)

今年も東京の赤マント流言の時期(!)になって来た。森満喜子の著書及び経歴の調査もまだ継続するつもりだけれども、ここで季節の話題(?)に触れて置かねばなるまい。 さて、まだ私の手許には100件を超える未紹介の資料がある。尤も、85年前の騒ぎを、そ…

赤いマント(366)

昭和14年(1939)の赤マント流言は東京近辺にとどまらず、大阪から九州、さらに朝鮮にまで到達していたのだが、海外でも報道されていたことが分かった。 スタンフォード大学附属フーヴァー研究所(Hoover Institution)の「邦字新聞デジタル・コレクション J…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(190)

他のことにかまけて後回しにしているけれども、材料がない訳でもなく、追究を止めた訳ではないので、この題で年に1回は投稿して置きたいと思っておるのですが、いざ、過去に集めた材料に取り掛かろうとしても中々確認が難しい。しかし、このままだと当記事の…

白馬岳の雪女(105)

白馬岳の雪女は、柳田國男「山と傳説」を序文のように載せている青木純二『山の傳説 日本アルプス篇』に載ったこともあってか、民俗学の文献にも早い時期から取り上げられている。 ・中山太郎 編『日本民俗學辭典』 ①初版(昭和書房)昭和八年十一月一日 印 …

白馬岳の雪女(104)

以下、2021年8月22日に書き上げて23日に補訂して、仮に「白馬岳の雪女()牧野陽子の小松和彦説?」と題して保存して置いたものを、殆どそのまま投稿する。 「白馬岳の雪女」については一昨年の秋、信越の古書店からネット注文で長野・飯田・富山で戦前・戦…

道了堂(124)

・地域批評シリーズ(4) 10月26日付(123)の続きで、①B5判「第1章 八王子市ってどんなトコ?」≒②文庫版「第2章 多摩を束ねた八王子の歴史」章末の「八王子ミステリーツアー」に言及されていた「本編」の記述を見て置こう。 道了堂の記述があるのは3節め…

大和田刑場跡(11)

・地域批評シリーズ(マイクロマガジン社) この記事も昨日の、10月27日付「八王子城(16)」と同趣旨で書いております。 私は別に大和田刑場跡に興味がある訳ではなくて、昨日の八王子城が、学部生時代(30年前)その怪異談について篤実な郷土史家がしっか…

八王子城(16)

・地域批評シリーズ(マイクロマガジン社) 当ブログでは道了堂の歴史を正しく跡付けようと思っていて、取り敢えず出版物に掲載されている情報は網羅しようとしておるのですが、八王子市域の怪異談の現場については道了堂に注意する前に、八王子城について、…

道了堂(123)

・地域批評シリーズ(3) 10月22日付(122)の続き。 ①第2章=②第3章以降も出来ればざっと眺めて置きたいところだが、ぐずぐずしている間に返却期限も迫って来た。それから、前回の記事で取り上げた2つの章についても細かく見て行くと図版やコラムに出入…

祖母の遺品(03)

・若山家の関東大震災(2) 昨日紹介したものに隣合うように、震災直前の若山次郎の葉書3通が保存してあった。 ・若山津子宛(大正12年8月)二十九日付若山次郎葉書 青黒インクで表に「朝鮮羅南本町第五九/號官舍/若山津子様/至急」とあり、額面の下、左…

赤堀又次郎伝記考証(39)

・『書物通の書物随筆』第一巻『赤堀又次郎『読史随筆』』(9) 斎藤精輔『辞書生活五十年史』に関しては昨日で切り上げようと思っていたのだが纏まらなかったので、続き。 稲村徹元(1928生)とは何処かで見たような名前だと思ったら、2022年11月23日付「…

赤いマント(364)

昨日の続き。 ・關寛之『日本児童宗教の研究』(6) 赤マント流言の時期は、長らく明確にされていなかった。年表類にも載せていないものが多い。 当ブログで拾い集めて来たように、少なからぬ数の体験者が回想を残している。正しい時期(?)に回想している…

赤いマント(363)

昨日の続き。 ・關寛之『日本児童宗教の研究』(5) 本書の中に赤マント流言のことはもう1箇所、この「E 迷 信 の 傳 播」の章の結論を述べた、三四〇頁2行め~三四三頁5行め「5 迷信の傳播に關する學説の批判」の節の最後に、持ち出されている。この節は…

赤いマント(359)

昨日見た「大日」第二百三十四號掲載の水島爾保布「巢鴨より」の続きは、別の流言の紹介になる。赤マント流言そのものには特に戦時色は指摘出来ないが、続いて紹介される2種類の流言は戦時色を色濃く湛えている。思い当たる資料及び先行研究の全てに目を通す…

赤いマント(358)

昨日の続き。 ・「大日」第二百三十四號(昭和十五年 十 月廿八日 印刷納本・昭和十五年十一月 一 日 發 行・定 價 金 參 拾 錢・八二頁) 七五~七六頁*1、水島爾保布「巢鴨より」は全体が流言を扱ったものとなっている。冒頭から中段13行めまで抜いて置こ…

道了堂(118)

・広坂朋信『東京怪談ディテクション――都市伝説の現場検証』 この本は2016年8月30日付「広坂朋信『東京怪談ディテクション』(1)」に述べたように、典拠を明示した怪談検証本として前々から本格的に取り上げるつもりだったが、その典拠が明示してある=典…