怪異談
・泡坂妻夫「キジマくんの話」(3) この小説は、クレイイラストレーションの内職をしている衣田糸子(いだいとこ)が、手紙を書き掛けるところから始まる。夫は会社員の嘉文(よしぶみ)。糸子は2週間ほど前に山梨に高校時代の友達10人ほどとブドウ狩りに…
もう12年半も前のことになるが、2013年10月6日付(1)からしばらく、当ブログにて「キジマさん」の話を取り上げたことがあった。 その後、北原尚彦『SF奇書天外』を読んで知った永山一郎「配達人No.7に関する日記」に就いて、高校時代に聞いた話を思い出…
・都筑道夫の赤マント(5) 『昨日のツヅキです』の「赤マントの怪人」の、残りの論評部分は機会があれば改めて検討することにして、今回は差当り、一昨日昨日と引用した箇所について、もう少々検討を加えて置こう、と思っていたのである。 そこでまづ、3月…
・都筑道夫の赤マント(4) 昨日の続きで『昨日のツヅキです』の「赤マントの怪人」の続き、92頁3行め~93頁4行めを抜いて置こう。 この噂はかなりひろまったらしく、事実無根の怪説として、新聞の記事にもなった。その/記事にも、江戸川公園に出没すると…
・都筑道夫の赤マント(3) 一昨日からの続きで『昨日のツヅキです』について。都筑道夫(1929.7.6~2003.11.27)はそのものズバリ、91~93頁「赤マントの怪人」と題して、当時を回想している。しかし何故かこれまで注目されて来なかった。いや、そもそも本…
・小沢信男「夏が来れば」 小沢信男「わたしの赤マント」については、当ブログの初期に「讀賣新聞」の記事発見を報告した2013年11月3日付(013)に、11月11日にブログ「本はねころんで」のID「vzf12576」氏から間接的に小沢氏の謝辞を伝えられたのだけれども…
・羽仁進の赤マント 羽仁進(1928.10.10生)の映画は、見ていない。父親の羽仁五郎(1901.3.29~1983.6.8)やその愛人(?)の花柳幻舟(1941.5.15~2019.2.28)、一人娘の羽仁未央(1964.2.29~2014.11.18)のことは、父が愛読していた単行本『山藤章二のブ…
私は昭和53年(1978)4月に小学校に入学したから、口裂け女が騒ぎになった頃は低学年だけれども小学生で、この噂にはそれなりに踊らされたと思うのだけれども、仏像に熱中するような変な、ちょっと賢い子供だったので(まぁ4月上旬生れと云う advantage があ…
・赤塚行雄の赤マント(2) 評論家赤塚行雄の赤マント流言体験については、2018年11月23日付(165)に、2006年1月18日付「産経新聞」の「【現象へ】子供を狙った犯罪 赤塚行雄氏に聞く 希薄な近隣“守る目”弱体」なるインタビュー記事の一節に回想されていた…
・星新一『きまぐれ博物誌』 星新一(1926.9.6~1997.12.30)もエッセイ集に赤マント流言を回想している。しかし残念ながら(?)登下校時に恐怖したと云ったものではない。 ①単行本『きまぐれ博物誌』(昭和46年1月25日初版印刷/昭和49年9月20日18版発行…
・五木寛之の赤マント(17) 五木氏の本は、今図書館に行っても随筆が並んでいるばかりだが、当時は流行作家だったので、Twitter(現 X)で検索してみると本作についても結構な数の tweet がヒットした。――それらで指摘されている「にっぽん退屈党」の読みど…
・黒井千次『禁域』(8) 黒井氏は昭和7年(1932)5月28日生、当ブログで既に取り上げた中では、2013年12月17日付(057)に見た種村季弘(1933.3.21〜2004.8.29)と同学年と云うことになる。種村氏は2013年12月18日付(058)に見たように、山手線で新大久保…
・黒井千次『禁域』(5) 「三」章、父の折檻が終わり、母は三輪家に謝りに行き、そして主人公の明史は茶の間で、最初は36頁1行め「食べたくない……。」と言っていたのだが祖母の給仕で遅い夕食を食べ始め、落ち就いたところで祖母に色々尋ねる。ここも章末ま…
・黒井千次『禁域』(4) 前回、と云うより2024年2月26日付(373)の続きで、7~15頁「一」、8頁6~7行め、主人公の明史は「家の前のあまり広くはない道」で「兄/の晴人が学校の友達を何人か連れて来てそこで蹴球を始め」るのに参加、11頁10~11行め「ゆる…
・高橋幸雄「灰色のノート」(5) 昨日からの「Ⅱ 黄昏」の設定の確認を続けよう。 この相撲協会の陳情の場面は、安田属官の指で頭髪をいじる癖などを描写しながら②単行本『銀跡記』で勘定するに4頁余り続く。そして最後に安田属官の席に挨拶に来たS取締と…
赤マント流言は、当ブログでも初期に取り上げた小沢信男「わたしの赤マント」を始めとして、当時、児童生徒・学生だった世代の作家により、しばしば小説にも取り上げられている。しかし「わたしの赤マント」の初出がそうであったように(『東京百景』収録に…
・田口道子『東京青山1940 陽が落ちても朝はくる』 本書については2020年1月21日付「田口道子『東京青山1940』(01)」から2020年2月26日付「田口道子『東京青山1940』(24)」まで1ヶ月程、細目や著者の居住地や学歴などについて考証しました*1…
私は当初、軽い気持ちでHN「higonosuke」のブログ「黌門客」の最新記事、1月13日付「北村薫「大岡昇平の真相告白」のこと」を読んで疑問に思った、矢野勝巳『文学する中央線沿線―小説に描かれたまちを歩く』の地理に関する記述の確認を始めてしまって、思わ…
昨年の5月来度々借りて来ては伊藤英治 編『松谷みよ子の本 別巻 松谷みよ子研究資料』を眺めている。同じ題材を繰り返し扱っているのに索引がないので、159~452頁「松谷みよ子全著作目録」は繰り返し眺めては他に同じ題材で書いている(書いてありそうな)…
昨日の続き。 本作は前回も触れたように『松谷みよ子の本 第7巻 小説・評論・全1冊』147~268頁に「あの世からのことづて―私の遠野物語」として収録されている。750~756頁「あとがき」から、関係する記述を抜いて置こう。754頁1~8行め、 『あの世からのこ…
本書についてはこれまで2016年4月16日付(1)、2016年5月8日付(2)、2019年2月4日付(3)と専ら、単行本と文庫版の、外形的な比較ばかりしていたのだが、6月4日付「日本の民話『紀伊の民話』(10)」の【11月13日追記】を書いて、伊藤英治 編『松谷みよ…
前回見た発生時代順 日本むかしむかし⑩『いまのむかし』とほぼ同じ頃、やや先行して紀州の天狗の話を松谷氏が作品化していたことに気付いたのも、やはり『松谷みよ子の本』別巻を眺めていて、のことでした。 ・『松谷みよ子の本 第4巻 童話・詩・全1冊』一九…
前回、7月18日付(19)に、紀州の天狗の話が、狼の話に比べて具体的なのは、早い時期に文章化していたからではないか、との見当を示して置きましたが、そのつもりで伊藤英治 編『松谷みよ子の本 別巻 松谷みよ子研究資料』を眺めて行くと、昭和40年代に、幾…
・松谷みよ子『現代民話考』第三期 松谷氏は『現代民話考』の「天狗考」の冒頭、紀州熊野で聞いた天狗の話をかなり詳しく紹介していました。 そこで『松谷みよ子の本』と同時期に刊行されていたので、『松谷みよ子の本』には前文が収録されなかった『現代民…
松谷氏の著書は恐ろしく多く、かつ再録もしくは改稿が多く、非常に扱いが難しいのですけれども、私には系統立てて追って行く余裕などとてもでないが、存しません。松谷みよ子民話研究室なき今、それこそ日本民話の会の企画としてでも『松谷みよ子の本』別巻…
・くまの文庫③『熊野中辺路伝説(下)』(3) 続いて、6月25日付(14)に見た和田寛「和歌山の民話・伝説」では「栗山某と要約されていた要約されていた、もう1話を見て置くこととしましょう。 (下)には㉘~㉝の6話、天狗の話が纏めてあるのですが、その中…
前回6月25日付(14)に取り上げた和田寛「和歌山の民話・伝説」に見える、松谷みよ子が昭和34年(1959)の紀州採訪で聞いたのと同じ話ですが、稿末「主要参考文献」に見える次の本に拠るであろうことは容易に察せられます。 ・くまの文庫②『熊野中辺路伝説(…
さて、こうして松谷氏が同じ主題について書いた文章には種々変遷があることが分かって来ると、立風書房(及びちくま文庫)版『現代民話考』の基になった雑誌「民話の手帖」に連載された「現代民話考」を、どうしても見たくなるところです。しかしながら、5月…
昨日の続き。 ・松谷みよ子全エッセイ2『わたしの風土記』 149~233頁「Ⅱ わたしの風土記」には各地の民話を取り上げた29篇が纏めてあるがその23番め、198~201頁「天狗さまざま」は、末尾(201頁5行め)に下詰めでやや小さく「(一九七八・三「新修日本絵…
8日前の続き。今年は人手不足で勤務時間を増やされてしまい、出勤日も多くなって呑気にブログを書いていられなくなった。――毎日投稿するのを止めたのは、たまたま投稿出来なくなって継続記録(?)が途絶えたので、ならば別に毎日でなくても良いか、と思った…