瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

怪異談

白馬岳の雪女(096)

・三浦秀夫『妖怪変化譚 日本の異界へ』2003年 9月30日初版第1刷印刷・2003年10月10日初版第1刷発行・定価1500円・鳥影社・165頁・四六判並製本妖怪変化譚―日本の異界へ作者:三浦 秀夫鳥影社Amazon カバー表紙折返し、右下にゴシック体縦組みで小さく「装丁 …

長沢武「北アルプスの怪異伝説」(1)

・シリーズ 山と民俗6『山の怪奇・百物語』(1) 記事の題にしたのはこの本に、当ブログで『北アルプス夜話』や『北アルプス白馬連峰』を取り上げた長沢武が寄稿した文章である。この山村民俗の会 編『山の怪奇・百物語』の書影は2018年3月23日付「田中康…

白馬岳の雪女(095)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(5) 昨日の続き。 5 白馬につたわる話 【1】白馬の雪ん子(女の子) 174頁2~5行め、前置きの後半、4~5行め「‥‥、村の人々は深い山並みのどこかに雪ん子がいると信じて、いい伝えてきた。そして、本/当に見たとい…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(2)

・現代教養文庫1055(2) 昨日の続きで「はじめに」の最後の方を見て置こう。6頁2~12行め、 編者の聞書、採集以外の資料については、本文に関係深い部分だけの再録にとどめた。原文は/できるだけ尊重したが、一部分の抜書で充分でない場合は、前後を要約…

今野圓輔 編著『日本怪談集―妖怪篇―』(1)

①現代教養文庫1055(1981年12月30日 初版第1刷発行・定価560円・社会思想社・342頁)*1 日本怪談集 妖怪篇 (現代教養文庫)作者:今野円輔社会思想社Amazon カバー表紙、標題は白抜き、副題は灰色の明朝体、編者名は副題と同じ大きさのゴシック体灰色、その下…

白馬岳の雪女(090)

・大島廣志の「雪女」(2) 8月9日付(013)に、大島氏が昭和62年(1987)4月に世間話研究会の例会で「小泉八雲の『雪おんな』と雪女伝承」と題する発表をしていることに触れた。その内容は、その12年後に発表した論文「「雪おんな」伝承論」に反映されてい…

赤いマント(327)

・五木寛之の赤マント(15) 昨日の続き。 それでは、①上製本『日本の民話 12 現代の民話』の「私の民話論 生きている民話」=②文庫版『日本の民話⑫ 現代の民話』の「私の民話論/――生きている民話――」から、当該箇所を抜いて置こう。①249頁3~20行め(改行…

赤いマント(326)

・五木寛之の赤マント(14) 五木寛之が接した赤マント流言については、2020年10月22日付(284)に一応の纏めをして置いた。昭和14年(1939)京城の三坂小学校1年生のとき「赤マント青マント」の噂に怯えたものと思われる。 五木氏は、2020年10月8日付(273…

白馬岳の雪女(082)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(41)「五」1節め⑦ 昨日は何とか投稿したものの、余裕がなく、その後手を入れてそれなりに整えたものの、意を尽していない。 要するに、――全国的には松谷みよ子の再話で有名になったのだろうが、地元・長野県では胡桃沢友男の…

白馬岳の雪女(081)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(40)「五」1節め⑥ 昨日の続き。 しかし、遠田氏は越中・富山県側の伝承(?)事情を調べようともしない。いや、その後、8月1日付(005)に見たように黒部川の支流・黒薙川の十六人谷伝説に注目し、富山大学のシンポジウムに参…

白馬岳の雪女(64)

・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(3) 昨日の続きで、橘正典『雪女の悲しみ』の示唆により「日本昔話タイプ・インデックス」より雪女関連の話を見て行くこととする。 345頁上段5行め「233 しがま女房」と、上段16行め「234 雪…

白馬岳の雪女(17)

・遠田勝『〈転生〉する物語』(01)はじめに① それでは、差当り「十六人谷」についての確認が終わったところで、今度こそ7月31日付(04)の続きで、8月1日付(05)に保留にした遠田勝『〈転生〉する物語――小泉八雲「怪談」の世界』の内容を検討して行こう。…

白馬岳の雪女(15)

・辺見じゅん「十六人谷」(7) 白馬岳の雪女に関連する話題として、しばらく白馬岳の雪女そっちのけで「十六人谷」を取り上げて来た。 ここで一応の纏めをして置くと、辺見じゅん「十六人谷」は、白馬岳――黒薙川の柳又谷の源流部――の「雪女」を抱き合わせ…

石崎直義 編著『越中の伝説』(4)

昨日の続きで、3章め「怪異伝説」について。113頁上段、中央に大きく「怪 異 伝 説」。下段1行めに2行取り1字下げでやや大きく1節め「妖怪変化」。 ・1節め、113頁下段~120頁下段11行め「妖怪変化」 【1】「 山の神の会議 」 113頁下段2行め(婦負郡八尾町仁…

赤いマント(325)

昨日の続きで、ブログ「古新聞百物語」に紹介されていた、昭和14年(1939)2月23日付「東京朝日新聞」のコラム「青鉛筆」の内容について、簡単に確認して置きましょう。 ・東京のラジオ放送の日時と内容 さて、当時はテレビ放送はまだ開始されておりませんの…

赤いマント(324)

それでは「東京朝日新聞」の、恐らく唯一の赤マント流言当時の記事を見て置きましょう。尤も、当ブログは私の蒐集記事集積所と云うべき場所で、公開はしていますからそれなりに読めるように努めてはおりますが、飽くまでも資料の原態を伝えることを旨として…

赤いマント(320)

・朝倉喬司『毒婦伝』(1) 朝倉喬司(1943.6.23~2010.11.30頃)が赤マント流言の起源を二・二六事件に結び付けようとしていることについては、2013年10月24日付(003)に見た通りなのですが、そこで考証したように、使用している資料『現代民話考』が流言…

古墳墓の怪(1)

・女七塚の祟り(1) 小沢昭一『わた史発掘 戦争を知っている子供たち』に古い墳墓の祟りの話が載っていた。しかしこの話は世に知られていないらしく、少々内輪めくが古い話でもあるので、紹介して置こうと思ったのである。 『わた史発掘』の諸本は3月25日…

赤いマント(315)

前回まで内容を確認した津留宏『一少女の成長 小さな魂の記録の分析』に私が注目したのは、引用されている菊池登喜子(1929.7.13生、仮名)の日記に、赤マント流言が記録されているからであった。 章立ては3月20日付「津留宏『一少女の成長』(3)」に確認…

赤いマント(313)

2014年2月20日付(120)に取り上げたPHP文庫『都市伝説王』の「赤マント」項の依拠資料について、当時は小沢信男 編『犯罪百話 昭和篇』との類似に気付きつつ、大きな誤解があることから「別の本に拠った可能性」を指摘するに止めていましたが、その後、2…

七人坊主(54)

この話については、2016年10月21日付(52)に、松谷みよ子『現代民話考』に収録されていること、2016年10月22日付(53)にちくま文庫版に於ける追加であることを確認して以来、そのままになっていました。 多分、これらの記事を上げたのと同じ頃だったと思い…

平野威馬雄『お化けについてのマジメな話』考証(05)

・中村四郎さんの話(5) 昨日の続き。 【7】わたしが人魂になって飛んでいる(35頁10行め~36頁15行め) これは冒頭を確認して置けば良いだろう。35頁11~14行め、 それから、私は、青春時代……そう、二十三歳のころ、とてもへんてこな夢をみています……。/き…

平野威馬雄『お化けについてのマジメな話』考証(04)

・中村四郎さんの話(4) 昨日の続き。 【5】あの老婆は死神か(27頁1行め~31頁8行め) この話については2020年9月30日付「中学時代のノート(22)」に検討した。「六年ほど前」と云うので昭和43年(1968)かその前年のことらしいと考えたのだが、これもや…

平野威馬雄『お化けについてのマジメな話』考証(03)

一昨日からの続き。 ・中村四郎さんの話(3) さて、ここまでは問題はないのであるが、ここから親の年齢が出て来ると忽ち怪しくなって来る。但し前回、中村氏の生年を確定させたことで、平野氏の記述の混乱について、一応訂正案を示すことが出来たように思…

平野威馬雄『お化けについてのマジメな話』考証(02)

・中村四郎さんの話(2) 昨日の続き。 【2】臨終間際の姉が夢枕に立った(19頁14行め~22頁4行め) 19頁15行め~20頁1行め、 どうも、わたしの一族は、大なり小なり、なんとなく、幽界との交通に適応した素質をもって/【19】いるようでございます。‥‥ と…

平野威馬雄『お化けについてのマジメな話』考証(01)

2016年8月17日付「淡谷のり子「私の幽霊ブルース」考証(2)」に、本書に載る淡谷のり子(1907.8.12~1999.9.22)の談話を紹介した。淡谷氏はこの話を度々語っているので、比較検討しようと思っていたのだが、当時、幽霊となって現れたとされる人物の子息が…

赤いマント(312)

研究者には色々なタイプがあって、所謂大家と呼ばれるような人の中にも、研究成果を中々発表しない人もいれば、自らの判断尺度を公式のように使って、何くれと口出しするような人もいる。 私には若い頃の宮田登(1936.10.14~2000.2.10)についての知識がな…

赤いマント(310)

・宮田登の赤マント(7)阿部定と赤マント③ 昨日は「奇しくも」だけで終わってしまいましたが、他の内容についても見て置きましょう。 やはり気になるのは赤マント流言を「「赤マントの女」事件」と呼んでいることです。当ブログではこれまで紹介されて来な…

赤いマント(309)

・宮田登の赤マント(6)阿部定と赤マント② さて、2つの「阿部定と赤マント」の比較の続き。要領は昨日に同じです。 【2】大宅壮一と本田和子の赤マント事件 〔A〕『江戸東京を読む』二八五頁8行め~二八六頁3行め 『都市の民俗学』62頁8行め~63頁5行め …

赤いマント(307)

・宮田登の赤マント(4)江戸東京フォーラム④ 小木新造 編『江戸東京を読む』を眺めていると、若い頃のことが色々思い出されます。奥付の裏に「◆ちくまライブラリー◆/江戸東京を知るための本」として12点の目録*1、うち関係者の名が見えるのは1点め小木新…