瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小説の背景

赤いマント(299)

・田辺聖子の赤マント(1) 田辺聖子『私の大阪八景』に、赤マント流言が取り上げられていることは、2019年7月3日付(191)及び2019年7月4日付(192)に当該箇所を引用して、その前後に『田辺写真館が見た ”昭和” 』なども参照しつつ、モデルとなった田辺氏…

赤いマント(294)

・北杜夫の赤マント(9) また赤マント流言の話に戻れなくなってしまいました(笑)が、乗り掛かった船ですので昨日予告した件について確認して置きます。――まぁ、こんな寄り道ばかりしているから検索サイトからも見放されてしまうのでしょう。或いは「釣り…

赤いマント(286)

・北杜夫の赤マント(1) 北杜夫『楡家の人びと』に取り上げられている赤マント流言を論考に活用したのは、本田和子(ますこ。1931.1.15生)が最初ではないかと思うのだけれども、本田氏がどのように取り扱っているか、当ブログでは2013年11月20日付(30)…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(167)

・青木純二原作映画『地獄の唄』(2) 念のため、「日活」HPでも確認して見た。 ・「地獄の唄 前篇」 地獄の唄 前篇 (じごくのうた1) 都新聞懸賞連載小説を映画化したもので、新入社の根岸東一郎、辻峯子を主役とし、「大地は微笑む」の合同監督の後に…

阿知波五郎「墓」(17)

昨日の続き。 次いで6月12日付(14)に引いた3日め「七月二十一日。」条の冒頭の「渇にたえられぬまま」水を飲む場面があり、そして初めて、何でこんなことを計画したのかが、説明される。続きを抜いて置こう。425頁2~11行め、 野球のボールが書庫の壁に当…

阿知波五郎「墓」(12)

昨日の続きで、ちくま文庫『絶望図書館――立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語』344~346頁「[閉鎖書庫 番外編]/入れられなかった幻の絶望短編」の、かなり詳細に及ぶ情報募集告知について、検討して見よう。 まづ冒頭、344頁4~13行め、 …

芥川龍之介旧居跡(15)

・群像 日本の作家 11『芥川龍之介』(2) 昨日の続きで、槌田満文「文学紀行/芥川の東京・湘南を歩く」について、ゴシック体の見出しを列挙して置こう。見出しのある行の前は1行空け。 190頁上段1行め「龍之介ゆかりの地」、190頁下段3行め「田端の旧居跡…

芥川龍之介旧居跡(14)

・群像 日本の作家 11『芥川龍之介』一九九一年四月十日 初版第一刷発行・定価1748円・小学館・351頁・四六判上製本芥川龍之介 (群像 日本の作家)作者:後藤 明生出版社/メーカー: 小学館発売日: 1991/03メディア: 単行本 奥付の前(351頁の裏)の目録による…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(122)

・杉村顯『信州百物語』の評価(3) 9月15日付(118)の続き。 前回(昨日)も問題にしたが、② 著者が判明したことも、本書が復活を遂げる(?)に与って大いに力があったと思われる。 作者も成立事情も分からぬまま本書を読んだ場合、「怪奇」でないただの…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(118)

・杉村顯『信州百物語』の評価(2) 繰り返しになるが、――結論を言うと、本書は編集に時間を掛けていない、やや安易に編纂された伝説集であった。 それが最近、やや名が知られるようになったのには、次の4つの要因が考えられる。 ① 岡本綺堂「木曾の旅人」…

赤いマント(197)

・田辺聖子『私の大阪八景』(16) タヌキ先生⑧ 昨日の続きで、河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の、田辺氏との対談から、3節め「小学四年生という時代」を全文抜いて置こう。48頁下段7行…

赤いマント(195)

・田辺聖子『私の大阪八景』(14) タヌキ先生⑥ 昨日書影を示した河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の関係だが、頁数が一致するところから察せられるように、装幀が違うだけで本体はほぼ同…

赤いマント(194)

・田辺聖子『私の大阪八景』(13) タヌキ先生⑤ 昨日で『私の大阪八景』については一区切りにして、今日から新たに、大阪でやはり小学生時代にこの流言に接した人物の回想を取り上げる予定だったのだが、念のため「答案の回覧」について述べている本をもう1…

赤いマント(184)

・田辺聖子『私の大阪八景』(3) 昨日に続いて、主人公「トキコ」の設定と、作者の田辺氏の経歴とを比較して、と云うことを一応考えていたのだが、これを始めるとまた相当長くなってしまう上に、既に田辺氏を研究している人によって済まされているであろう…

赤いマント(177)

・延吉実『司馬遼太郎とその時代』(2) 本書は6月1日付(176)に示したように、全2巻であるが、1冊めの『戦中篇』311~313頁「おわりに」の末尾近く、312頁17行め~313頁1行めに、 『司馬遼太郎とその時代』は、戦前・戦中・戦後の三部構成(全三巻)で構…

川端康成『朝雲』(9)

続いて「文學ト云フ事」の予告編について検討するつもりだったのだけれども、動画を再生させながら原作と色々な場面を対照させる余裕がなかったのでしばらく後に回す。 さて、私は当時、緒川たまきや井出薫を見て、憧れのような気分にはなったけれども、それ…

川端康成『朝雲』(3)

昨日の続き。 当ブログの初期に参照してリンクを貼付したサイトの中には、リンク切れになっているページも少なくなく、その中には移転して存続しているページもあるけれども、跡形もなく消えてしまったページもある。そんな中で最初期の2011年1月1日付「森鴎…

川端康成『朝雲』(2)

昨日上げた下書きには、1行空けて以下の追加があります。これが2017年11月に加筆した分かも知れません。 戦前の高等女学校の教師で、戦中に若くして死んだ文学者に、渡辺直己・新美南吉・中島敦がいる。 祖母が日本橋出身と云う生徒に、私立女子高に孫が通っ…

川端康成『朝雲』(1)

以下は2016年8月22日に書いた下書き*1。朝雲作者: 川端康成出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1946/04/12メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 前置きとして未見だけれども昭和21年(1946)版の書影を貼付して置く。初版は昭和20年(19…

森類『鴎外の子供たち』(5)

・山﨑國紀『鴎外の三男坊 森 類の生涯』(4) 昨日、〈第九章〉の123頁3行め~125頁(5行め)「4 絵画から小説執筆へ――その苦闘」の節、123頁6~8行めに「‥‥。類が、於菟に「小倉日記」/の写しを預け、岩波書店に行ってもらい、その結果を聞きに行った翌…

森類『鴎外の子供たち』(4)

昨日の続き。 ・山﨑國紀『鴎外の三男坊 森 類の生涯』(3) 本当なら頭から順にメモを取りながら読むところなのだけれども、なかなかその余裕がない。だから、風呂上りの湯冷ましなどに読んで、粗方読み終えてしまった。細かいところでいろいろ気になった…

森類『鴎外の子供たち』(3)

昨日の続きで、参考として参照した著者の評伝について。 ・山﨑國紀『鴎外の三男坊 森 類の生涯』(2) 第1版の第1刷と第2刷・第4刷を比較して見た。 異同は奥付の発行日の2行めの追加と、カバー裏表紙の左上の2行、1行めが第1刷・第2刷は「ISBN4-380…

森類『鴎外の子供たち』(1)

小金井喜美子や森於菟の、鴎外についての回想の諸本を借りて来たついでに、森茉莉や小堀杏奴、それから森類『鴎外の子供たち』も借りて来て、メモを取ってみたのだが、ダイアリーからブログに移行するに際して、過去の記事を通覧していたら、2013年2月28日の…

別冊太陽「森鴎外」(2)

・別冊太陽 日本のこころ 193「森鴎外 近代文学界の傑人」(2) ・昨日見た1章め、山崎一穎「鴎外の生涯」には、研究者や作家の書いたコラムが5つ挿入されているが、その4つめ、36~39頁、岡井隆「詩歌人 鴎外の謎と魅力/日露戦争従軍の体験詩歌句集『うた…

別冊太陽「森鴎外」(1)

・別冊太陽 日本のこころ 193「森鴎外 近代文学界の傑人」 2012年2月17日 初版第1刷発行・平凡社・定価2300円・159頁・A4判並製本森鴎外―近代文学界の傑人 (別冊太陽 日本のこころ 193)作者: 山崎一穎出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2012/01/19メディア: …

小金井喜美子『鴎外の思ひ出』(1)

・単行本(八木書店・四六判上製本) ・昭和三十一年一月二十九日発行(四+四+二六五頁)定価 四百五十円 ・昭和三十一年一月二十九日初版発行・昭和三十一年四月 十 日再版発行・定価 四百五十円 装幀に初版と再版で異同はない。古書店のサイトに拠れば、…

小金井喜美子『森鴎外の系族』(1)

著者の小金井喜美子(1870.十一.二十九〜1956.1.26)は作家森鴎外(1862.正.十九〜1922.7.9)劇評家三木竹二(1867.九.五〜1908.1.10)の妹で近世学藝史家森潤三郎(1879.4.15〜1944.4.6)の姉。夫は東京帝国大学医学部教授小金井良精(1858.十二.十四〜1944…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(83)

・末広昌雄「雪の夜の伝説」(18) 昭和31年(1956)の「山と高原」二月号(第二三三号)掲載「雪の夜の伝説」の「狩山の鼠」は、前回引用したところまでで終わりですが、佐々木喜善『東奥異聞』の「嫁子ネズミの話」の「一」節めは、最後に12月12日付(78)…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(30)

・白銀冴太郎「深夜の客」(6) 一昨日からの続きで、①白銀冴太郎「深夜の客」と②杉村顕道「蓮華温泉の怪話」の比較を最後まで済ませるつもりだったのだけれども、前回、事実尊重と云う点を問題にしたので、今回はこの点をもう少々詰めて置こうと思う。 『…

高濱虚子「杏の落ちる音」(2)

昨日の続き。 ・岩波文庫31-028-4『風流懺法 他三篇』(2) カバー表紙には緑地に白の横線が21本、中央上部、横線の4本めから12本めまでに掛かる黒の正方形、その上部に明朝体横組みで「風流懺法/他三篇/高浜虚子作」とあって下部に緑で「岩波」の壺印。…