瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

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「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(193)

怪異妖怪愛好家・作家の朝里樹が「蓮華温泉の怪話」の類を「おんぶ幽霊」と呼ぼうとしていることについては、2018年8月18日付(035)以来縷々批判を加えたのですが、全く気付いていないのか、それとも気付いていても黙殺しているのか、とにかく私の云うこと…

祖母の蔵書(183)古典①物語

・角川文庫933『今昔物語集 本朝仏法部 下巻』昭和 四 十 年九月 十 日 初版発行・昭和四十八年五月三十日 六版発行・¥280・478 頁 ・角川文庫934『今昔物語集 本朝世俗部 上巻』昭和二十九年九月十五日 初 版 発 行・昭和四十八年四月三十日 二十版発行…

祖母の蔵書(182)司馬遼太郎⑨

司馬遼太郎の『街道をゆく』に関しては、2022年8月10日付(023)に、一昨年の8月中旬までに見付けていた18冊と、寝間の本棚で見落としていた1冊の合計19冊を纏めて置いた。 ところが2023年5月16日付(048)に述べたように、その直後にシリーズの最初の方の8…

祖母の蔵書(181)エリス・ピーターズ

祖母は同じシリーズの本はある程度、纏めて保管していたのだが、順番に並べておらず(しかし、これまで見て来たように時代小説のシリーズは番号を打っていないことが多く、並べにくいと云うことはある)途中の何巻かが別置されていたりする。私にはそもそも…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(11)

3月15日付(10)の続きで、隣の市の中央図書館で借りた森満喜子『沖田総司抄』の第一刷を、2月6日付(04)に記述した第七刷を比較して置こう。 私の見た第一刷のカバーは、特に背表紙が褪色、裏表紙もやや褪色している。異同はカバー裏表紙の左下、第一刷「…

祖母の蔵書(179)源氏物語②

祖母は『源氏物語』に関する本を少なからず持っていた。そこで、①校訂本、②現代語訳・評釈・概要、③主題別解説・評論・エッセイに分けて整理して見る。 『源氏物語』は、高等女学校で教育を受けた世代の女流作家が好んで取り上げている。彼女たち女流作家に…

「新潮社の辞典!」の広告(10)

2013年3月25日付(01)を投稿した頃には都内勤務で、昭和の新潮文庫が並んだ公立図書館を歩いて幾つも回れたから(都内までは電車だが)カバー折返しの広告に変遷のあることに気付いて辿って見ようなどと云う発想になったのだった。角川文庫のカバー折返しに…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(10)

2月15日付(09)から続けて、最後の2冊、<新装版>⑨⑩に及ぶべきだが森氏の伝記資料として新しい情報もないので滞らせてしまった。いづれ機会を作って果たすことにしたいが、今は別のことを片付けて置くこととしたい。 それと云うのは、――隣の市の中央図書館…

祖母の蔵書(175)有吉佐和子②

祖母は有吉佐和子を愛読していた。単行本15冊は2023年7月19日付(109)に纏めて置いた。その後、古本屋に見せたのだけれども採ってくれなかったので『女二人のニューギニア』だけ持ち帰って他は祖母宅に残して置いた。 ここには、あちこちに分散してあった文…

祖母の蔵書(173)推理小説家

これはそもそも一昨年の8月8日に「祖母の蔵書()西村京太郎」と題して書き始め、その後、昨年7月18日に2冊追加してそのままになっていた。よって以下、新たに見出し【西村京太郎】を追加して以後の本文に見える「昨年」は2022年である。 【西村京太郎】 祖…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(09)

森氏は最晩年に旧著を2冊、新装版として再刊しているが、どちらにも森氏が新たに加えた要素はない。 うち1冊は旧版をそのまま用いている。もう1冊は全面的に組み直している。 ⑨『沖田総司・おもかげ抄 <新装版>』 本書は④『定本 沖田総司――おもかげ抄』ほ…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(06)

返却期限が来て図書館に返したり、別の本を借りたりでなかなか思うに任せないが、毎日投稿しないことにしたので単著の最後まで、脇道にそれずに済ませてしまおう。 ⑤『沖田総司落花抄』 本書は特別区及び都下の公立図書館に殆ど所蔵がなく、私は第一刷(1977…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(05)

一昨日からの続き。 ③『沖田総司幻歌』 これは今、私の手許に3冊ある。第一刷(1974.11.15)が2冊、第二刷(1976.10.15)が1冊、前者のうち1冊については2023年12月9日付「森満喜子「濤江介正近」(01)」にて、受入印や愛に溢れた書入れを紹介して置いた。…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(04)

昨日の続き。 ②『沖田総司抄』 私が見たのはカバー裏表紙に「60年3月25日」とある「受入」票が貼付されている第七刷のみである。 そこで2023年12月24日付「森満喜子「濤江介正近」(16)」に上げた第三刷と第五刷のオークションサイトの画像も参照して…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(03)

前回、1月17日付(02)に森氏の著作リストを作成して見た。 単著に①②③……、共著に⑴⑵⑶……と番号を打って整理した。 単著はこれで全てだと思う。 共著(寄稿)は投稿後『沖田総司読本』を追加した。今後も見付かるかも知れない。その場合はその都度(必要があれ…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(02)

1月14日付(01)に続けて森満喜子の著書と経歴について確認して行くつもりだったのだが、どうせやるなら一通り揃えてからにしようと思って、近隣市の図書館の書庫に眠っている著書を借り集めている。既に殆どを取り上げているが、ここに纏めて示して置くこと…

名和弓雄『拷問刑罰史』(01)

そもそも昨年のうちに取り上げるつもりだったのだが、年末年始には住所録の更新を兼ねた年賀状以外に何もしないし、神社にも寺にも行く気がしないので初詣なんてもう何年も行っていなくて、私にとっては別に特別な時期ではなくて、まぁ寒い時分に仕事を休ん…

森満喜子「濤江介正近」(2)

私は高校3年生のときだけ、誰に誘われたのだったか忘れたが文芸部に所属して、小説みたいなものを書いたことがあるのだが、そのとき隣のクラスの新選組ファンの女子生徒が実に堂々たる、長州の間者として新選組に紛れ込んだ若者を主人公にした小説を書いて、…

祖母の蔵書(157)夏目漱石

寝間の本棚より。 ・吉田敦彦『漱石の夢の女』一九九四年一〇月二五日 第一刷発行・一九九四年一二月 五 日 第二刷発行・定価2330円・青土社・358頁・四六判上製本漱石の夢の女作者:吉田 敦彦青土社Amazon※「青土社/刊行案内」No.40 Summer 1994 チラシ挟ま…

祖母の蔵書(156)辞書②

大野晋・佐竹昭広・前田金五郎 編『岩波古語辞典』1974年12月25日 第1刷発行©・1975年4月5日 第2刷発行・¥ 2200・岩波書店・一四八八頁・B6判上製本函入岩波古語辞典ノーブランド品Amazon※ 帯あり、書影にほぼ同じだが、最下部左、書影には「定価 2200 …

祖母の蔵書(155)海外女流作家

【デュ・モーリア】大久保康雄 訳 客間のクローゼット右側1段め。 ・新潮文庫2004/テ-4-1『レベッカ(上)』昭和四十六年 十 月 三 十 日 発 行・平成元年 二 月 十 五 日 三十五刷・定価440円・新潮社・341頁レベッカ 上 (新潮文庫 テ 4-1)作者:デュ …

祖母の蔵書(152)モーム

・創元推理文庫 111『秘密諜報部員』サマセット・モーム 龍口直太郎訳 1959年5月20日初版・1963年8月2日12版・定価160円・東京 創元新社・379頁秘密諜報部員 (1959年) (創元推理文庫)作者:サマセット・モームAmazon この本は客間のクローゼット左側1段め…

佐藤健二『浅草公園 凌雲閣十二階』(2)

昨日の続き。 本書は、Amazon レビューにあったように、凌雲閣についての概要を手っ取り早く知りたいと云う人には不向きかも知れない。その点は「細馬宏通『浅草十二階』青土社、二〇〇一」として度々言及されている細馬宏通の著書を参照した方が良いかも知…

石角春之助 編輯「江戸と東京」(2)

・小木新造 監修/槌田満文・大串夏身・佐藤健二・吉見俊哉 編集・解説『復刻『江戸と東京』』第四冊 国立国会図書館にはこの復刻版しか所蔵されていない。この復刻版も9月12日付(1)に示した卷號を見るに不定期刊行で番号が飛んでいる。しかし、これで全…

祖母の蔵書(151)森村誠一

寝間の隅の小簞笥の下の段ボールに3冊あった。 ・角川文庫10688/も 3-42 『棟居刑事の推理』平成十年五月二十五日 初版発行・定価476円・角川書店・268頁棟居刑事の推理 (角川文庫)作者:森村 誠一角川書店Amazon・朝日文庫 も 6-5『虹の刺客 小説・伊達騒動…

祖母の蔵書(150)辞書①

ここには祖母の持っていた辞書を纏めて置きたい*1。 ・『ど忘れ二・三・四字熟語活用辞典』平成9年5月1日 初 版・定価1,438円・教育図書・305頁・20.0×12.0cmど忘れ二・三・四字熟語字典―大字版教育図書Amazon 合皮表紙にカバー。 ・講談社+α文庫 H-5-1 …

祖母の蔵書(149)獅子文六

角川小説新書(角川書店)新書判並製本 ・『嵐といふらむ』昭和三十一年七月三十一日初版發行・昭和三十一年十一月二十日三版發行・定價 百五拾圓・292頁嵐といふらむ (1956年) (角川小説新書)作者:岩田 豊雄角川書店Amazon カバーを欠く、本体表紙に青鉛筆…

祖母の蔵書(146)山本周五郎

山本周五郎の小説は、2011年1月1日付「森鴎外『雁』の年齢など」に述べたような理由で、私は読んでいない。父の本棚にもそこそこあったと思うのだけれども。 穏健な読書家で時代小説を特に愛好していた祖母は、昭和50年代に続刊されていた新潮文庫を中心に、…

祖母の蔵書(145)明治生れの男性作家

ここには、祖母が少数しか持っていなかった、日本の男性作家のうち、別に纏めている推理小説・時代小説・歴史小説に属さない作品を書いている明治生れの人物を纏めて置こう。 【谷崎潤一郎】 祖母は『源氏物語』を愛読していて、與謝野晶子・円地文子・田辺…

祖母の蔵書(143)パズル雑誌②

昼前、買物の帰りに祖母宅の脇に回って見たら仏間の障子を閉める若い男性が見えた。それから外階段の方に回ると段ボールを抱えた男が下りて来るところで路上駐車したトラックに家具類が積んであった。他に3人ばかり。どうやら家財の運び出しに行き合せたよう…