瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

改装

現代民話考 第二期 Ⅲ『ラジオ・テレビ局の笑いと怪談』(06)

6月19日付(02)にて、NHK前会長坂本朝一について②単行本([第二期]Ⅲ・第1刷)の松谷みよ子「あとがき」に「すでに故人となられた」と誤っていたのを③ちくま文庫版が誤魔化して(!)いることを指摘し、 ‥‥。ここは③ではなく②の増刷時に訂正したのではない…

松谷みよ子『日本の伝説』(03)

・『松谷みよ子のむかしむかし』(2) 昨日の続きで、元版の『日本の伝説』全5冊と、『松谷みよ子のむかしむかし』全10冊の後半『六』から『十』として抱き合わされた5冊を比較して見よう。 仮に『日本の伝説』を①、そして各冊は『1』『2』『3』『4』『…

松谷みよ子『日本の伝説』(02)

前回の続き。 ・『松谷みよ子のむかしむかし』(1) 前回見た『日本の伝説』全5冊は、先行して刊行されていた『日本のむかし話』全3冊と『日本の神話』全2冊と抱き合わせて『松谷みよ子のむかしむかし』全10冊に改編されている。しかし判型や装幀・内容は殆…

松谷みよ子『日本の伝説』(01)

未刊に終った未来社版日本の民話『紀伊の民話』のために、松谷氏は何処を歩いてどのような話を聞いたか、どうして未刊に終ったのか、集めた話はその後の作品にどのように活用されたのか、或いは、松谷氏と同じ話を載せている文献はないか、それは松谷氏とは…

日本の民話『紀伊の民話』(22)

・「おじさんの話」(2) この「おじさんの話」は連載33回で30題、但し1題は別扱いになって最終的に『松谷みよ子の本4』では29題となっている。 ①少年少女/現代創作民話全集 2『木やりをうたうきつね/おじさんの話』1971年12月 1刷・1977年4月 6刷・…

日本の民話『紀伊の民話』(20)

前回、7月18日付(19)に、紀州の天狗の話が、狼の話に比べて具体的なのは、早い時期に文章化していたからではないか、との見当を示して置きましたが、そのつもりで伊藤英治 編『松谷みよ子の本 別巻 松谷みよ子研究資料』を眺めて行くと、昭和40年代に、幾…

日本の民話『紀伊の民話』(18)

松谷氏の著書は恐ろしく多く、かつ再録もしくは改稿が多く、非常に扱いが難しいのですけれども、私には系統立てて追って行く余裕などとてもでないが、存しません。松谷みよ子民話研究室なき今、それこそ日本民話の会の企画としてでも『松谷みよ子の本』別巻…

田辺聖子『女の目くじら』(1)

田辺聖子のエッセイには2020年11月20日付「田辺聖子『女の長風呂』(1)」に述べたような理由で少し触れてみました。価値観の古さには如何ともし難いものがありますが、私は実際そんな雰囲気の中で育って来たので、普通に懐かしく感じるばかりです。もちろ…

日本の民話『紀伊の民話』(09)

・『松谷みよ子の本 第2巻 太郎の物語・民話系創作文学・全1冊』一九九四年十二月二十五日・第一刷発行・講談社・669頁・上製本(20.0×14.8cm)松谷みよ子の本 (第2巻) 太郎の物語・民話系創作文学作者:松谷 みよ子講談社Amazon 649~655頁、松谷みよ子「あと…

祖母の蔵書(188)吉屋信子③

初め4月10日付(187)の「吉屋信子②」に「5月1日追加」と註記して加筆していたのだが、AJBCについて調べたりして長くなったので独立させることにした。 ・『ある女人像/―近代女流歌人伝―』昭和四十五年十月一日 AJBC版第一刷・頒価500円・新潮社(頒布…

飯盒池(11)

・日本の民話10『秋田の民話』一九五八年 七 月二〇日 第一刷発行・一九七八年一二月二〇日 第一七刷発行・定価一二〇〇円・未来社・308頁・A5判上製本秋田の民話 (1958年) (日本の民話〈第10〉)Amazon 本書には2020年3月13日付「日本の民話1『信濃の民話』…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(193)

怪異妖怪愛好家・作家の朝里樹が「蓮華温泉の怪話」の類を「おんぶ幽霊」と呼ぼうとしていることについては、2018年8月18日付(035)以来縷々批判を加えたのですが、全く気付いていないのか、それとも気付いていても黙殺しているのか、とにかく私の云うこと…

祖母の蔵書(183)古典①物語

・角川文庫933『今昔物語集 本朝仏法部 下巻』昭和 四 十 年九月 十 日 初版発行・昭和四十八年五月三十日 六版発行・¥280・478 頁 ・角川文庫934『今昔物語集 本朝世俗部 上巻』昭和二十九年九月十五日 初 版 発 行・昭和四十八年四月三十日 二十版発行…

祖母の蔵書(182)司馬遼太郎⑨

司馬遼太郎の『街道をゆく』に関しては、2022年8月10日付(023)に、一昨年の8月中旬までに見付けていた18冊と、寝間の本棚で見落としていた1冊の合計19冊を纏めて置いた。 ところが2023年5月16日付(048)に述べたように、その直後にシリーズの最初の方の8…

祖母の蔵書(181)エリス・ピーターズ

祖母は同じシリーズの本はある程度、纏めて保管していたのだが、順番に並べておらず(しかし、これまで見て来たように時代小説のシリーズは番号を打っていないことが多く、並べにくいと云うことはある)途中の何巻かが別置されていたりする。私にはそもそも…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(11)

3月15日付(10)の続きで、隣の市の中央図書館で借りた森満喜子『沖田総司抄』の第一刷を、2月6日付(04)に記述した第七刷を比較して置こう。 私の見た第一刷のカバーは、特に背表紙が褪色、裏表紙もやや褪色している。異同はカバー裏表紙の左下、第一刷「…

祖母の蔵書(179)源氏物語②

祖母は『源氏物語』に関する本を少なからず持っていた。そこで、①校訂本、②現代語訳・評釈・概要、③主題別解説・評論・エッセイに分けて整理して見る。 『源氏物語』は、高等女学校で教育を受けた世代の女流作家が好んで取り上げている。彼女たち女流作家に…

「新潮社の辞典!」の広告(10)

2013年3月25日付(01)を投稿した頃には都内勤務で、昭和の新潮文庫が並んだ公立図書館を歩いて幾つも回れたから(都内までは電車だが)カバー折返しの広告に変遷のあることに気付いて辿って見ようなどと云う発想になったのだった。角川文庫のカバー折返しに…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(10)

2月15日付(09)から続けて、最後の2冊、<新装版>⑨⑩に及ぶべきだが森氏の伝記資料として新しい情報もないので滞らせてしまった。いづれ機会を作って果たすことにしたいが、今は別のことを片付けて置くこととしたい。 それと云うのは、――隣の市の中央図書館…

祖母の蔵書(175)有吉佐和子②

祖母は有吉佐和子を愛読していた。単行本15冊は2023年7月19日付(109)に纏めて置いた。その後、古本屋に見せたのだけれども採ってくれなかったので『女二人のニューギニア』だけ持ち帰って他は祖母宅に残して置いた。 ここには、あちこちに分散してあった文…

祖母の蔵書(173)推理小説家

これはそもそも一昨年の8月8日に「祖母の蔵書()西村京太郎」と題して書き始め、その後、昨年7月18日に2冊追加してそのままになっていた。よって以下、新たに見出し【西村京太郎】を追加して以後の本文に見える「昨年」は2022年である。 【西村京太郎】 祖…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(09)

森氏は最晩年に旧著を2冊、新装版として再刊しているが、どちらにも森氏が新たに加えた要素はない。 うち1冊は旧版をそのまま用いている。もう1冊は全面的に組み直している。 ⑨『沖田総司・おもかげ抄 <新装版>』 本書は④『定本 沖田総司――おもかげ抄』ほ…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(06)

返却期限が来て図書館に返したり、別の本を借りたりでなかなか思うに任せないが、毎日投稿しないことにしたので単著の最後まで、脇道にそれずに済ませてしまおう。 ⑤『沖田総司落花抄』 本書は特別区及び都下の公立図書館に殆ど所蔵がなく、私は第一刷(1977…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(05)

一昨日からの続き。 ③『沖田総司幻歌』 これは今、私の手許に3冊ある。第一刷(1974.11.15)が2冊、第二刷(1976.10.15)が1冊、前者のうち1冊については2023年12月9日付「森満喜子「濤江介正近」(01)」にて、受入印や愛に溢れた書入れを紹介して置いた。…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(04)

昨日の続き。 ②『沖田総司抄』 私が見たのはカバー裏表紙に「60年3月25日」とある「受入」票が貼付されている第七刷のみである。 そこで2023年12月24日付「森満喜子「濤江介正近」(16)」に上げた第三刷と第五刷のオークションサイトの画像も参照して…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(03)

前回、1月17日付(02)に森氏の著作リストを作成して見た。 単著に①②③……、共著に⑴⑵⑶……と番号を打って整理した。 単著はこれで全てだと思う。 共著(寄稿)は投稿後『沖田総司読本』を追加した。今後も見付かるかも知れない。その場合はその都度(必要があれ…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(02)

1月14日付(01)に続けて森満喜子の著書と経歴について確認して行くつもりだったのだが、どうせやるなら一通り揃えてからにしようと思って、近隣市の図書館の書庫に眠っている著書を借り集めている。既に殆どを取り上げているが、ここに纏めて示して置くこと…

名和弓雄『拷問刑罰史』(01)

そもそも昨年のうちに取り上げるつもりだったのだが、年末年始には住所録の更新を兼ねた年賀状以外に何もしないし、神社にも寺にも行く気がしないので初詣なんてもう何年も行っていなくて、私にとっては別に特別な時期ではなくて、まぁ寒い時分に仕事を休ん…

森満喜子「濤江介正近」(2)

私は高校3年生のときだけ、誰に誘われたのだったか忘れたが文芸部に所属して、小説みたいなものを書いたことがあるのだが、そのとき隣のクラスの新選組ファンの女子生徒が実に堂々たる、長州の間者として新選組に紛れ込んだ若者を主人公にした小説を書いて、…

祖母の蔵書(157)夏目漱石

寝間の本棚より。 ・吉田敦彦『漱石の夢の女』一九九四年一〇月二五日 第一刷発行・一九九四年一二月 五 日 第二刷発行・定価2330円・青土社・358頁・四六判上製本漱石の夢の女作者:吉田 敦彦青土社Amazon※「青土社/刊行案内」No.40 Summer 1994 チラシ挟ま…