瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

地理

山田野理夫『アルプスの民話』(4)

昨日の続き。 「目 次」7頁3行め「雪 お ん な」を「六四」とするが66頁からである。 11頁(頁付なし)長野県の略地図があって、郡の境界線と河川、山と主要都市を示す。しかし中央アルプスの山が全く記入されていない。 以下、各話に仮に番号を附し、末尾に…

山田野理夫『アルプスの民話』(3)

それでは、内容について①上製本に拠りつつ見て置こう。 ・「はしがき」 1~4頁「は し が き」の1段落め、1頁2~9行め わたしが山へ惹かれたのは蔵王山からです。暮しのため仙台を去り、東京に棲むように/なってからは日本アルプスの山々です。山里で民話の…

白馬岳の雪女(01)

しばらく遠ざかっているうちに色々と忘れてしまった。――女子高の講師をしていたときには生徒の顔と名前を大体すぐに覚えてしまったのに、その後、花粉症を発症して、そのせいか鼻中隔彎曲症の影響も顕在化してからは、人の顔と名前が覚えられなくなった。そ…

上田満男『わたしの北海道』(1)

・すずさわ叢書14『わたしの北海道―アイヌ・開拓史』1977年7月25日発行・定価1,200円・すずさわ書店・318頁・四六判並製本わたしの北海道―アイヌ・開拓史 (1977年) (すずさわ叢書〈14〉)作者:上田 満男すずさわ書店Amazon 見返しは表紙・裏表紙とも黄緑色の要…

小谷野敦の新書(1)

私は小谷野敦(1962.12.21生)の著書はブログや Twitter の延長のような感じで大体面白く読んでいる。ミステリーファンから酷評されていた『このミステリーがひどい!』も、どうも探偵小説を手にする気になれない(2時間ドラマなど映像化されたものは見てい…

芥川龍之介「尾生の信」(4)

さて、ロマンチックでない私は、来ない人を待ち続けたような経験も、あったようななかったような、なかったと書くつもりが、よく考えて見るとあったのだけれども、それよりも、私が行かなかったことの方が多かったのである。 事情は様々である。しかし、携帯…

長沢武『北アルプス夜話』(3)

昨日の続き。 ・略地図と口絵写真 ①初版の見返しは黄緑色の用紙で表紙見返しの見開きにのみ右が上で横転した手書きの子持枠(21.6×15.8cm)にて「北アルプス連峰と周辺」と題する、白馬岳から乗鞍岳まで略地図がある。 ②復刻版の見返しは淡い縹色の用紙で、…

長沢武『北アルプス夜話』(1)

①長沢武『北アルプス夜話』昭和52年9月25日 初版発行・900円・信濃路・268頁・B5判並製本 ②長沢武『【復刻】北アルプス夜話』2008年1月20日 初版第1刷発行・定価1900円・長崎出版・口絵4頁+286頁・四六判並製本北アルプス夜話作者:長沢 武長崎出版Amazon ②…

池内紀『記憶の海辺』(7)

・池内紀の居住歴(7)東京 一昨日昨日と前置きが長くなりましたが、どうも、池内氏の書いていることには一貫性と云うか、整合性がないのです。 いえ、政治的立場や思想的な一貫性と云うことではなくてほんの瑣事です。しかしながら、細かいところが食い違…

池内紀『昭和の青春 播磨を想う』(2)

それでは本書の主体を成す短篇連作「昭和の青春」の細目を、仮に【番号】を附し、題、(頁)、掲載号、主人公と主要人物、舞台となっている場所、さらに序でとして取り上げられている昭和の事物をメモして置こう。 【1】モクモク号走る(6~15頁)1997年春号…

池内紀『記憶の海辺』(4)

・池内紀の居住歴(6)出身地② 池内氏の生れ育った集落が姫路市新在家、現在の新在家本町であったことは前回確認した記述と地図からして間違いないでしょう。 そのことは、本書の中では明示されないままなのですが、歿後刊行された次の本に収録された、本書…

池内紀『記憶の海辺』(3)

・池内紀の居住歴(5)出身地① 池内氏が上京するまで過ごしていた集落については【2】「38度線」に詳しく述べてあります(以下、各章の副題は略します)が、集落名が何処にも書いてないのです。しかしながら、本文冒頭、21頁1~3行めに、 里の山を八丈岩山*1…

池内紀『記憶の海辺』(1)

・池内紀の居住歴(4) 池内氏が雑司ヶ谷に住んでいた時分に、西口彰の老弁護士殺しがあったらしい、と気付いたから、と云う訳でもないのだが、池内氏の雑司ヶ谷を始めとする東京での居住地を確かめて見るような按配になった。尤も、私は池内氏の読者ではな…

長沖一『上方笑芸見聞録』(6)

・横山エンタツの出生地(3) 連載の第【8】回、「花菱アチャコ」の「二」節めに引用される、藤沢桓夫の2通めの手紙を見て置こう。67頁10行め~68頁1行めに1字下げ、前後1行空けで引用されている。 ……留サン(吉田留三郎)が言うことには、阪本勝氏が何かに…

越中の思ひ出(5)

昨日の続き。 私は国立の大学院に騙されるようにして移って、2度学会発表をさせられたのだが、うち1度が金沢であった。 そこで、新宿で再会してしばらく車中で久闊を叙した越中の友人に早速連絡して、またお世話になりたいと言うと快く引き受けてくれた。 こ…

越中の思ひ出(4)

題とは相違して信越国境の思ひ出みたいな按配だが、越中旅行の途次の体験なので題はそのままにして置く。 昨日の続き。 さて、南小谷駅で2輛編成の気動車の、確か、1輛めの窓際に乗って発車を待っていると、新たに松本方面からの列車が到着したらしく、ぞろ…

越中の思ひ出(3)

昨日の続き。――越中の地名を幾つも眺めているうちに思い出が甦って、少しずつ記憶を辿って行くうちに、覚えず妙なことを思い付いてしまった。 さて、当時の私はどう思ったのかと云うと、友人の、短大を卒業して就職してもう2年になろうと云う高校の同級生か…

越中の思ひ出(2)

昨日の続き。 私が初めて越中を訪ねたのは学部を卒業した3月上旬、卒業旅行と云うほどではないが、青春18切符でサークルの友人たちの実家に泊めてもらって、まづ卒業後北海道で就職することが決まっていた者の実家に、恐らく最後の機会になるわけだから泊め…

越中の思ひ出(1)

当ブログで、未来社版『越中の民話』や、石崎直義 編著『越中の伝説』を取り上げている理由は、そのうちに分かると思いますが、これらの本を見ているうちに越中に出掛けたときのことを色々と思い出したのである。 私が越中に出掛けたのは3度、学部を卒業した…

杉村恒『明治を伝えた手』(4)

昨日の続き。 解説1章めには、本書からは割愛した職人について述べたところがある。168頁17行め~169頁12行め、昨日の引用の続きになる。 そして一人ひとりの仕事の中にある本当に専門的な知識については、私にはまだまだ分らないことが多くあった。/【168…

杉村恒『明治を伝えた手』(3)

5月16日付(2)の続き。 160頁までのグラビア頁に続いて、161~200頁、解説「職人の世界」と201~202頁「あとがき」がある。 161頁(頁付なし)解説の扉。左側に二重線の枠(16.2×4.0cm)があって、明朝体縦組みで、上部中央に大きく「職人の世界」下部中央…

駒村吉重『君は隅田川に消えたのか』(20)

・吉田正三について(5) 一昨日からの続きで、東京新聞社社会部 編『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉』105頁16行め~106頁15行めを見て置きましょう。 ‥‥。むか/しは、父親の描いた絵馬を、千住から/池袋あたりまで持っていった。【105】 「雑司ケ谷の…

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(2)

昨日の続き。 経年劣化もあってかクリーム色っぽく見えるやや厚手の見返し(遊紙)があって、1頁(頁付なし)扉には角の丸い太線の枠(14.4×7.5cm)に横組みで、上部に明朝体で大きく標題「名 人」上にやや小さく「〈町の伝統に生きる人たち〉」下に「東京新…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(2)

昨日の続き。 ・冨田均『住所と日付のある東京風景』(2) この地図のことは28篇め、235~242頁「地図と高速道路と猫」にも、236頁16行め~237頁11行め、 和楽路屋発行の『東京都区分地図帖コンパクト版』をとり出す。これが今の東京を歩くには絶/好の地図…

和楽路屋『東京区分地図帖コンパクト版』(1)

雑司ヶ谷の高田書店には、私には勿論、ここまでする程の思入れがあるはずもないのだが、思い掛けず新たな切り口が得られることもあるので、事の序でに色々と、図書館に行く度に漁ってしまうのである。 ところで、2020年2月撮影の Google ストリートビューに…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(5)

昨日の続きで中公新書2023『東京ひとり散歩』の「鬼子母神懐古――雑司ヶ谷」の問題点について、もう少し突っ込んだ指摘をして置こう。 * * * * * * * * * * いや、そもそも「雑司が谷 わが夢の町」では、王子電車の牛乳運搬から「武蔵野の面影」を…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(4)

中公新書2023『東京ひとり散歩』の「鬼子母神懐古――雑司ヶ谷」は、読むほどに「雑司が谷 わが夢の町」を下敷きに書かれたように感じるのだが、対比するとなると全文を抜くことになってしまうのでそれは控えて、最後に「雑司が谷 わが夢の町」の誤りを訂正し…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(3)

・池内紀の居住歴(3) 板橋の次に住んだ豊島区雑司ヶ谷であるが、中公新書2023『東京ひとり散歩』の「まえがき」には、ⅴ頁5~11行め、 雑司ヶ谷には、けっこう長くいた。少し歩くと鬼子母神の境内にきた。樹齢五百年とかの/大イチョウがそびえており、人…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(2)

・池内紀の居住歴(2) 昨日の続き。 中公新書2023『東京ひとり散歩』の「まえがき」に拠れば、池内氏は姫路から上京して、まづ北区滝野川に住んでいる。滝野川と云っても西は赤羽線(埼京線)の板橋駅から、東は京浜東北線の王子駅近くまで、かなりの面積…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(1)

・池内紀の居住歴(1) 4月9日付「水島新司『ドカベン』(60)」にて、鈴木則文監督の実写映画『ドカベン』にて「朝日奈書店」として使用されていた書店が豊島区雑司が谷の高田書店であることを確認し、営業期間について豊島区南池袋の古書店・古書 往来座…