瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

地理

湯口康雄『黒部奥山史談』(1)

・湯口康雄『黒部奥山史談』一九九二年十一月二十日発行・定価三、〇〇〇円・桂書房・257頁・A4判上製本 著者の湯口康雄(1936~2013.11)については、奥付の上にある「著者略歴」に、 湯口康雄*1 昭和十一年 富山県に生まれる 昭和三十二年 富山大学教育学部…

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(7)

前回、第四章「風の盆のこころ」にある、編者の成瀬氏が何十年(!)も風の盆を見ておらず、住居も富山市に構えていたとの記述を引用した。 しかし、その後、八尾の実家に戻ったらしい。昨日の引用に続く最後の部分、②新版108頁③定本116頁下段、前を1行分空…

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(5)

題に(1)まで遡って「 編」を補った。 ・新版と定本の比較③ 本書は新潮社の「とんぼの本」や、河出書房新社の「ふくろうの本」や「らんぷの本」と同じ作りのビジュアル概説書である。 前回引いた版元HPの紹介文にあったようにオールカラーではない。カラー…

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(4)

・新版と定本の比較② 風の盆についての記憶や知識を辿って行くうちに余計な話で長くなったが、ようやっと1月12日付(1)の続き。 ③定本は②新版よりも8頁増えているが、120頁【風の盆案内】の最後、3段め25行めの次、1行分使って縦線(4.0cm)で仕切って、26…

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(3)

今回も余談に終始する。 * * * * * * * * * * 八尾の人と知り合いになって、風の盆に招待されるようなことがあれば、つまり八尾旧町の民家の二階から眺めていられるのなら行って見たいと思うけれども、観光客の一人として人混みに参加しようとまで…

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(2)

私は八尾には行ったことがない。越中の友人の家には3度厄介になって、1度くらい飛驒を越えて高山線で乗り込みたいと思ったのだが、飛越国境を越える列車の本数が少ないので断念した。風の盆を知ったのはもちろん石川さゆりの演歌で、母が演歌好きなので夕食…

成瀬昌示 編『風の盆おわら案内記』(1)

・新版と定本の比較① 本書には以下の3つの版がある。版元は言叢社(東京)、A5判並製本。 ①初版(1991年8月・112頁) ②新版(一九九五年八月五日発行・定価1942円・112頁) ③定本(二〇〇四年七月二五日発行・定価2000円・120頁)定本 風の盆おわら案内記言…

長沢武「北アルプスの怪異伝説」(1)

・シリーズ 山と民俗6『山の怪奇・百物語』(1) 記事の題にしたのはこの本に、当ブログで『北アルプス夜話』や『北アルプス白馬連峰』を取り上げた長沢武が寄稿した文章である。この山村民俗の会 編『山の怪奇・百物語』の書影は2018年3月23日付「田中康…

長沢武『北アルプス白馬連峰』(2)

昨日の続き。 1頁(頁付なし)は「―発刊によせて―/ 白馬連峰への熱い思い」、執筆しているのは3行め下寄せ「白馬村長 横 沢 裕 」で、第3代村長(1974~1990)。村長の序文をもらっているのは、奥付の左上に横組みで著者紹介「長 沢 武*1」1行分空けて、 昭…

長沢武『北アルプス白馬連峰』(1)

・長沢武『北アルプス白馬連峰――その歴史と民俗』昭和六十一年八月一日初版発行・定価 二、八〇〇円・郷土出版社・口絵+290頁・A5判上製本 やや黄ばんだ鼠色の、皺の入った紙を被せた表紙、印刷は緑で、表紙中央にやや横長の明朝体太字で標題、「ス」の左脇…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(13)

・「黒部の古文書二、三」 前回の最後に述べたように、この文章の末尾には「(『山小屋』昭和二年一〇月号)」とあるから、1月3日付(10)に引いた「烏水翁のこと その二」の冒頭に「私は昭和の初め頃から黒部奥山の登山史料と取組んでいて、‥‥」とある、「黒…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(12)

・越信新道と宮永家系譜の論文構想 さて、本書所収の文章のうち、最も新しいのは第五章「立山史談」の「立山詣日記――ある放送から抜粋――」で、昭和40年(1965)8月に、中島氏が主宰していた俳誌「辛夷」に発表している。これ以降の執筆がないことについては…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(11)

・古俳書『加賀染』附『鵜坂集』 私はまだ『中島文庫目録』を見ないけれども、富山県立図書館の「中島文庫」には『杏文庫山岳古史料蔵目』に載る山岳関係史料だけでなく、相当量の古俳書が収蔵されていて、富山県立図書館HPの古絵図・貴重書ギャラリーにて閲…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(10)

・昭和17年(1942)上京の時期 昨日見た「烏水翁のこと その一」に続く「その二」は、「上高地は神河内が正しき説」に続いて小島烏水が「山岳」第三十五年第一号(昭和十五年五月)に発表した「神河内地名考」を受けて中島氏が「山岳」第三十六年第一号に発…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(9)

・小島烏水蔵『立嶽登臨図記』 昭和21年(1946)3月の津沢大火と、そのときに焼失したもの、免れたものについては、「烏水翁のこと その一」にも記述がある。これは小島烏水(1873.12.29~1948.12.13)の回想である*1。書き出しを見て置こう。510頁9~17行め…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(8)

・昭和21年(1946)3月の津沢大火 前回見た『杏文庫山岳古史料蔵目』に収載されている史料は、2021年12月25日付(01)にも触れたが、「略年譜」593頁9~11行め、 昭和59年4月24日 旧蔵書、遺族小池氏から富山県立図書館に寄贈、図書館ではこれを「中島文庫」…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(7)

・杏文庫山岳古史料蔵目 昨日の続き。 「第十章 山 岳 古 史 料」551頁扉(頁付なし)。 ・552~566頁「杏文庫山岳古史料蔵目 其一」 552頁2行め~553頁2行め「序」 「黒部奥山研究」を志した経緯を略述、そしてこれを「成就」させ、小島烏水「序」と中島氏…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(6)

・「辛夷」 昨日の続き。 「第八章 岳 辺 余 録」523頁扉(頁付なし)。 ・524~530頁2行め「山 の 話 七 つ」(『辛夷』五巻八号、昭和三年八月) ・530頁3行め~531頁9行め「山 を 愛 す」(『辛夷』昭和十年五月) ・531頁10行め「山 話 今 は 昔」(『辛夷』…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(5)

昨日の続き。 「第五章 立 山 史 談」445頁扉(頁付なし)。 ・446~450頁11行め「立 山 談 義」(『観光手帖』一号・昭和二十九年) ・450頁12行め~455頁18行め「立山室堂の話」(二三、一〇、一五 於 杏子文庫) 成稿の日付と場所のみで初出が示されていない。…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(4)

昨日は「第三章 白馬岳をめぐって」の「白馬岳志雜攷」を見ただけで力尽きてしまったが、この章には他に次の小文が収められている。 ・345頁12行め~348頁17行め「白馬雜談」(『山岳会報』八二号・昭和十四年) これは「日本山岳会」HPの「会報「山」バックナ…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(3)

・白馬岳志雜攷 昨日の続き。 「第一章 黒部奥山と奥山廻り役」にはこの他に2篇、これ以降は全て新たに活字を組んでいる。また、これ以降のものは末尾に下詰めで「凡 例」の最後、13行め「六、初出書誌名とその年月は各文末に記した。」とある通り、初出を示…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(2)

・黒部奥山と奥山廻り役 昨日の続き。 「第一章 黒部奥山と奥山廻り役」の扉まで頁付がない。1~2頁、小島烏水「序」は2頁15行め「昭和十四年秋季皇霊祭の佳日」すなわち昭和14年(1939)9月24日付、3頁、中島正文「小 序」は13行め「昭和十四年十月二十日」…

中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』(01)

・中島正文 著/廣瀬誠 編『北アルプスの史的研究』昭和六十一年七月十五日発行・定価 九、五〇〇円・桂書房・口絵+目次+593頁・A5判上製本 カラー印刷の折図(56.8×56.0cm)が付く。キャプションは下辺の下左寄りに明朝体横組みで「「黒部奥山廻繪圖」文化…

白馬岳の雪女(094)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(4) 昨日の続き。もっと簡単に見て行くつもりだったのだが遭難記事について少々細かくなってしまった。 3 白馬を愛した人々 【1】お花畑への埋骨の遺書 大阪の染色工芸家「悟道さん」と、蕨平部落の山案内人・松沢…

白馬岳の雪女(093)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(3) 本書は12月20日付(091)に引いた「はじめに」に拠れば、昭和42年(1967)から原稿用紙に書き始め、さらに「広報はくば」に縮約して連載していたのを、好評につき纏めたものと云う。 「ものがたり」と題している…

白馬岳の雪女(092)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(2) 「もくじ」の最後、16頁下段3~7行めに下寄せで、 《写真・カット提供》*1 カバー表/森 肇 カバー裏/梨 子 田 真 口 絵/白馬村観光課 カ ツ ト/著 者 とある。石沢氏のカット・挿絵には「清」のサインがある…

白馬岳の雪女(091)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』昭和47年12月25日 初版発行・昭和48年4月1日 3版・¥580・信濃路・285+6頁・B6判並製本北アルプス白馬ものがたり (1974年)作者:石沢 清信濃路 東京 農山漁村文化協会Amazon 発行所が社団法人信濃路(長野市)で、発…

白馬岳の雪女(086)

・日本の民話55『越中の民話』第二集(1) さて、遠田勝『〈転生〉する物語』に、『日本昔話通観●第11巻/富山・石川・福井』とともに取り上げられ、11月14日付(080)・11月15日付(081)・11月16日付(082)に見て来たように、やや恣意的な評価がなされて…

日本の民話55『越中の民話』第二集(4)

一昨日からの続きで、最後の4章めを見て置こう。 213頁(頁付なし)扉「九十歳の老媼七話/ ――話手 小矢部市埴生 上田はる(明治十七年生)」。 【80】嫁さになりそこなった蛇娘(215~218頁)挿絵215頁左上 【81】鴨川へ流れていった桃太郎(219~221頁) …

日本の民話55『越中の民話』第二集(3)

昨日の続きで、2章めと3章めを見て置く。 73頁(頁付なし)2章め「海の子守りうた」の扉。 【24】狐退治(75~76頁) 話手 氷見市南大町 余川久太郎 【25】蛸と鯛と茄子の山遊び(77~78頁)挿絵77頁上 話手 氷見市南大町 余川久太郎 【26】魚のけんかの仲裁…