瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

地理

松谷みよ子民話研究室「現代民話考」(02)

松谷みよ子民話研究室及び『現代民話考』の成立事情については断片的な記述を拾って見るばかりでしたが、その後、これまでその(主として物理的な)重さから敬遠していた『松谷みよ子の本』を見てみますと、やはりかなり詳しく、その辺りの事情が書いてあっ…

松谷みよ子民話研究室「現代民話考」(01)

2020年3月29日付「飯盒池(9)」の後半に述べたように、私は松谷みよ子『現代民話考』には幾つかの欠陥があり、読者から送られて来たアンケートの原文に遡って確認する必要があると、前々から思っておりました。 いえ、実は、直接、運動したこともあったの…

日本の民話『紀伊の民話』(11)

昨日の続き。 ・松谷みよ子全エッセイ2『わたしの風土記』 149~233頁「Ⅱ わたしの風土記」には各地の民話を取り上げた29篇が纏めてあるがその23番め、198~201頁「天狗さまざま」は、末尾(201頁5行め)に下詰めでやや小さく「(一九七八・三「新修日本絵…

日本の民話『紀伊の民話』(09)

・『松谷みよ子の本 第2巻 太郎の物語・民話系創作文学・全1冊』一九九四年十二月二十五日・第一刷発行・講談社・669頁・上製本(20.0×14.8cm)松谷みよ子の本 (第2巻) 太郎の物語・民話系創作文学作者:松谷 みよ子講談社Amazon 649~655頁、松谷みよ子「あと…

日本の民話『紀伊の民話』(08)

庭の梅の実も粗方落ちてしまった。昨日は1日勤務で帰りに高円寺に行ったりして、帰ってから拾う余裕がなかった。パソコンを立ち上げる気力もなかった。――4年振りの高円寺駅界隈は、変わっていないような、しかし何処となく違和感を感じさせる、妙な気分であ…

日本の民話『紀伊の民話』(07)

8日前の続き。今年は人手不足で勤務時間を増やされてしまい、出勤日も多くなって呑気にブログを書いていられなくなった。――毎日投稿するのを止めたのは、たまたま投稿出来なくなって継続記録(?)が途絶えたので、ならば別に毎日でなくても良いか、と思った…

日本の民話『紀伊の民話』(06)

前回の続き。 さて、この「栗山の医者どの」の話の完全版を、松谷氏は『民話の世界』の11年後、紀州の山間部で聞いてからだと26年ほど後に、前回書影を示した『現代民話考Ⅰ 河童・天狗・神かくし』に載せております。187~346頁、第二章「天 狗」、242頁12行め…

日本の民話『紀伊の民話』(5)

一昨日の続き。 私にはどうも、未刊に終ったり、計画通り刊行されなかった本について、どのくらい進捗していたのか、内容を知る手懸りがないか、探って見たくなる癖があって、『紀伊の民話』のことは2年半前に『戦後人形劇史の証言/――太郎座の記録――』を読…

日本の民話『紀伊の民話』(4)

昨日の続き。――過去の記事を確認してから書き始めたら文体が敬体になってしまった。そういう気分なのでそのままにして置く。 さて、昭和36年(1961)11月15~17日の「竜の子太郎」初演(砂防会館)時のパンフレットの松谷みよ子「作者の言葉」では、この「旗…

飯盒池(11)

・日本の民話10『秋田の民話』一九五八年 七 月二〇日 第一刷発行・一九七八年一二月二〇日 第一七刷発行・定価一二〇〇円・未来社・308頁・A5判上製本秋田の民話 (1958年) (日本の民話〈第10〉)Amazon 本書には2020年3月13日付「日本の民話1『信濃の民話』…

道了堂(132)

Wikipedia 英語版に「Doryodo Ruins」が取り上げられていることを知った。「List of reportedly haunted locations in Japan」項にはまづ「Tokyo」の7箇所を挙げるが、その7つめが、 Doryodo Ruins Two bodies were allegedly found on the site, a body of …

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(194)

・朝里樹『山の怪異大事典』(2) 前回「出し過ぎ」と批判しましたが、本書も取り上げている怪異や妖怪などは出世作の『日本現代怪異事典』に出しているものと重なって来るだろうし、本書の「構成」が「地方ごとになって」いると云うのも、同時期に刊行が始…

祖母の蔵書(186)江國滋

・『日本語八ツ当り』 単行本は仏間の硝子棚、文庫版は寝間の本棚にあったと思う。 ①単行本(一九八九年八月一五日 印刷・一九八九年八月二〇日 発行・定価971円・新潮社・208頁)日本語八ツ当り作者:江國 滋新潮社Amazon※ 帯あり、書影に同じ ※ 巻四つ折の…

祖母の蔵書(182)司馬遼太郎⑨

司馬遼太郎の『街道をゆく』に関しては、2022年8月10日付(023)に、一昨年の8月中旬までに見付けていた18冊と、寝間の本棚で見落としていた1冊の合計19冊を纏めて置いた。 ところが2023年5月16日付(048)に述べたように、その直後にシリーズの最初の方の8…

祖母の蔵書(178)井伏鱒二

祖母は戦争未亡人となって夫の郷里に疎開したもののやはり上手く行かずに親兄姉を頼って上京して、やがて父の元部下の口利きでGHQの地図局に職を得て久しく勤めることになるのだが、その前に三兄の紹介で「家庭文化」と云う雑誌の編集部に勤めて「アメリカ人…

祖母の蔵書(174)瀬戸内寂聴②

昨年、酷暑の中、最終的な整理作業を行い、持ち帰っても仕方がないものは段ボールに詰めて仏間に残して来たのだが、整理が追い付かずに仮に持ち帰ったものが、今もそのままになっている。明け渡す2週間くらい前から2軒の古本屋に来てもらって、最初に招んだ…

津留宏『一少女の成長』(6)

私が本書を手にしたのは、本書が研究資料として活用している「一少女」の日記に、2021年3月23日付「赤いマント(315)」に見たように赤マント流言の記述があるからであった。 しかし、当時はこの「一少女」が何者であるか突き止められなかった。 津留氏は『…

赤いマント(373)

・黒井千次『禁域』(2) 昨日の続きで、「花鋏を持つ子供」の設定を確認して置こう。 7~15頁「一」の冒頭部(7頁2行め~8頁11行め)が場所の説明になっている。長くなるので7頁5行め~8頁4行めを抜いて置こう。 省線の駅から大通りを来て左へ折れるその道…

赤いマント(372)

当ブログではこれまで黒井千次(1932.5.28生)の著書を2点取り上げている。初回の記事はそれぞれ、2022年9月1日付「黒井千次『たまらん坂』(1)」と2023年1月1日付「黒井千次『漂う』(1)」である。 黒井氏の小説は、海外に赴任することになった知人から…

赤いマント(371)

昨日の続き。 ・加藤廣『昭和からの伝言』(2) 加藤氏は現在の東京都新宿区高田馬場で生れている。このとき父親はまだ生きていたが、療養生活に入っていて同居はしていなかったのであろう。 加藤氏の家は、16頁14行め「ボクの家のような新興住宅」或いは17…

赤いマント(370)

もう1つ、昭和5年(1930)生れの人の回想を挙げて置こう。 実はこちらの方が、松尾羊一『テレビ遊歩道』よりも先に、3年半前には気付いていたのだけれども、内容をどの程度紹介するか、迷っているうち、図書館で見掛ける度に借りて来てはいたのだが、記事に…

赤いマント(369)

・松尾羊一『テレビ遊步道』(2) 昨日の続き。 松尾氏は翌週(Ⅱ)132頁12行め~134頁3行めに、再度赤マント流言に触れている。 赤マントと酒鬼薔薇 七月十一日 「おい、赤マントってなんのことだ」と何人かの友人から問い合わせがあった。い/つだったかこの…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(08)

続けて単著の⑨⑩に及ぼうと思っていたのだが、昨日も述べたように、ともに<新装版>で、何ら新しい情報もないので、ここでは森氏の経歴を最も詳細に記している、次の共著を見て置くことにする。 ⑸ 新人物往来社編『沖田総司読本』第一刷(1990.10.15) 番号…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(07)

昨日の続き。 ⑧『新選組青春譜――勇と歳三と総司と』 森氏は昭和47年(1972)刊①『沖田総司哀歌』以来、昭和51年(1976)を除いて毎年1冊ずつ合計7冊、著書を新人物往来社から出し続けていたが、昭和54年(1979)刊⑦『遙かなる沖田総司』からしばらく途切れて…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(06)

返却期限が来て図書館に返したり、別の本を借りたりでなかなか思うに任せないが、毎日投稿しないことにしたので単著の最後まで、脇道にそれずに済ませてしまおう。 ⑤『沖田総司落花抄』 本書は特別区及び都下の公立図書館に殆ど所蔵がなく、私は第一刷(1977…

森満喜子「濤江介正近」拾遺(05)

一昨日からの続き。 ③『沖田総司幻歌』 これは今、私の手許に3冊ある。第一刷(1974.11.15)が2冊、第二刷(1976.10.15)が1冊、前者のうち1冊については2023年12月9日付「森満喜子「濤江介正近」(01)」にて、受入印や愛に溢れた書入れを紹介して置いた。…

名和弓雄『拷問刑罰史』(01)

そもそも昨年のうちに取り上げるつもりだったのだが、年末年始には住所録の更新を兼ねた年賀状以外に何もしないし、神社にも寺にも行く気がしないので初詣なんてもう何年も行っていなくて、私にとっては別に特別な時期ではなくて、まぁ寒い時分に仕事を休ん…

祖母の遺品(18)軍事郵便⑦

これは軍事郵便ではなく、かつ祖母の夫の歿後のものになるが、同じ朝日出版社の封筒に纏めてあったので、通し番号を打って記事の題も仮に「軍事郵便」のままとして置く。 ・𠮷田清の通夜の案内【16】 B4判1枚謄写刷。私の家のスキャナではA4判までしか読み取…

祖母の遺品(17)軍事郵便⑥

昨日取り上げた【13】と同じ、アキコ・マコト姉弟宛の便箋を、更に2通分取り上げて置く。 ・(吉田)アキコ/マコト宛便箋【14】 B5判よりも若干小振りで、昨日見た【13】よりも薄くて紙質の良い、13行罫紙を使っている。昭和17年(1942)のものだろうか。 …

祖母の遺品(14)軍事郵便③

・吉田映子宛(昭和18年秋)絵葉書【6】 宛名は「東京都目黒区/駒場町八〇一/𠮷田清方/吉田 映子 様」で差出人は「中支派遣/呂第五五〇〇部隊/𠮷田 清」。「濟閲檢」欄には朱文円印「塚本」。宛名の下半分、橙色の横線に「廠 本 品 需 軍 陸」とあって…