瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

地理

ビートたけし『たけしくん、ハイ!』(27)

・銀河テレビ小説「たけしくんハイ!」シナリオとの異同(20) 昨日の続き。 ・第8回(1)英一郎④ 古田(綾田俊樹)の持って来た話で、西野一家はすっかり金持ちになれる希望に浮かされるのだが、そんな家族を余所に、英一郎(趙方豪)は家を出て下宿する…

北杜夫『マンボウ酔族館』(3)

『マンボウ酔族館 パートⅥ』55番め「雨の音から」、昨日引用した箇所の続きを見て置きましょう。286頁11行め~287頁9行め、 ところが東サモアに来て、恐るべき豪雨を味わった。ここはサマセット・モームが名短篇/「雨」を書いたように、まさしく雨の本場なの…

北杜夫『マンボウ酔族館』(2)

昨日の続き。 北氏が「週刊小説」連載のエッセイ「マンボウ酔族館」に南太平洋旅行の回想「ゴーガンの息子」を書こうと思ったのは、平成10年(1998)夏、2つ前(『マンボウ酔族館 パートⅥ』280~284頁)54番め「ふしぎな縁」によれば、夫人が首を痛めてギプ…

北杜夫『マンボウ酔族館』(1)

昨日の続きで、12月13日付「北杜夫『マンボウ響躁曲』(06)」の最後に予告した、渥美清たち所謂「山田組」のタヒチ旅行について述べた北杜夫の「別の著述」について、確認して置きましょう。 ・北杜夫『マンボウ酔族館 パートⅥ』1999年5月25日初版第1刷・…

北杜夫『マンボウ響躁曲』(09)

・渥美清のタヒチ旅行(4) この辺り、北杜夫「マンボウ南太平洋をゆく」を見るに、10月31日付「赤いマント(293)」に抜いた『マンボウ響躁曲』単行本236頁18行め~236頁2行め、昭和51年(1976)4月11日の朝7時半に「空港」すなわちファアア国際空港に着い…

北杜夫『マンボウ響躁曲』(8)

12月14日付(7)の続き。――書庫から出してもらって借りていた倍賞千恵子『お兄ちゃん』の返却期限が来たため、一旦返却して日を改めてまた借りようと思っていました。手許になくても続けて15日に投稿するつもりで粗方準備を済ませ、念のため必要と思われる…

赤いマント(311)

・宮田登の赤マント(8)阿部定と赤マント④ 昨日の続きで、12月22日付(309)の引用について補足。 〔B〕では「都市の語り出す」女性の怪異の「物語」と云う構図を崩して、「都市生活者の心意」と云う節に組み込み、赤マントが実は「フォークロアの系譜」…

赤いマント(308)

・宮田登の赤マント(5)阿部定と赤マント① さて、2つの「阿部定と赤マント」――「都市の語り出す物語」(『江戸東京を読む』二八四頁14行め~二八六頁3行め=『都市の民俗学』61頁13行め~63頁5行め)と『歴史と民俗のあいだ』186頁2~189頁2行め、について…

赤いマント(305)

・宮田登の赤マント(2)江戸東京フォーラム② 中々宮田氏の赤マントに関する記述に及びませんが、私はいつ、どのような機会に、何を材料にして発言(もしくは記述)しているのか、確認しないことには研究資料として使うのに躊躇を覚えるタチなので、――余り…

赤いマント(304)

昨日の続きで、大宅壮一の評論「「赤マント」社會學」に言及している民俗学者について見て置きましょう。2人めですが順序からするとこちらを先に取り上げるべきでした。 * * * * * * * * * *・宮田登の赤マント(1)江戸東京フォーラム① 私は妖怪に…

北杜夫『マンボウ響躁曲』(6)

・渥美清のタヒチ旅行(1) 「マンボウ南太平洋をゆく」には、タヒチで「男はつらいよ」の撮影部隊に遭遇したとの記述がある。 北氏がタヒチに到着した日の夜のことだがら昭和51年(1976)4月11日、場所は北氏の一行が投宿したトラヴェロッジ・ホテルである…

北杜夫『マンボウ響躁曲』(5)

北氏は昭和51年(1976)4月14日の真夜中にタヒチから帰国の途に就いている。その最終日にも、やはり「幻滅」を味わっているのである。 単行本243頁8~15行め(文庫版245頁7~14行め)、 翌日は、藤森さんたちはホテル・タハラのフロントに勤めている鳥飼さん…

岩佐嘉親『南海の楽園』(3)

・北杜夫『南太平洋ひるね旅』との関連(2)写真の現像を見せて土人をおどかした話 11月4日付「赤いマント(297)」に引用して置きましたが、これを語ったI氏本人の著書である本書(泰流選書『南太平洋の楽園』)では、7章め「南海の幽霊奇談」の1節め、13…

岩佐嘉親『南海の楽園』(2)

・北杜夫『南太平洋ひるね旅』との関連(1)及び岩佐氏の略歴 昨日の続き。 北杜夫『南太平洋ひるね旅』にて、西サモアの首都アピアで会った「呉図書館のI氏」が岩佐嘉親であることは間違いありません*1。しかし、確証がある訳ではありませんから、何か記…

岩佐嘉親『南海の楽園』(1)

この本を手にしようと思ったのもやはり、昨日取り上げた『南太平洋の環礁にて』の著者畑中幸子と同じく、著者の岩佐氏が北杜夫『南太平洋ひるね旅』に「I氏」として登場しているからです。11月3日付「赤いマント(296)」に、北氏が「I氏」に初めて会う場…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(4)

・北杜夫『南太平洋ひるね旅』との関連(1) 私が本書を読もうと思った切っ掛けは、北杜夫『南太平洋ひるね旅』に著者の畑中幸子が「H嬢」として登場するからです。 しかしながら、本書には「プカルアに渡る準備のためタヒチに滞在中、わたしは紀行執筆の…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(172)

・青木純二あれこれ(2)嫁が欲しい② それでは昨日の続きで、青木純二「嫁が欲しい」の原本を見ていないらしい湯沢雍彦『大正期の家族問題』は,何処からこれを持って来たのか、と云う疑問を片付けて置きましょう。 ・体系日本史叢書17『生活史Ⅲ』昭和44年…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(171)

・青木純二あれこれ(1)嫁が欲しい① 私は青木純二が目下、10月6日付(166)に述べたように与太伝説捏造記者として遇されていることに、少々不満を持っております。そこで、そうでない一面を紹介して見たいと思うのです。 ・ 湯沢雍彦『大正期の家族問題――…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(1)

北杜夫『南太平洋ひるね旅』で、10月31日付「赤いマント(293)」に見たようにタヒチではしばしば行を共にし、11月2日付「赤いマント(295)」に見たようにサモアについて助言を与えた、H嬢こと畑中幸子の、初めての著書です。 これも、現在私が通っている6…

北杜夫『南太平洋ひるね旅』(6)

・諸本(本文・図版)対照 それでは、各章ごとに、諸本の図版の位置を確認して置こう。 ①②③は写真が豊富に挿入されるが、④は地図のみである。①②の本文は同版の箇所が多いようだが一部組み直しがあり、図版にも差し替えがある。同じ図版が使用されている場合…

赤いマント(298)

・北杜夫の赤マント(13) 本題に入ると云ってからが長くなっておりますが、要は、南太平洋で韓国人女性から赤マントの話を聞かされたのは、10月26日付(288)に引いた、最晩年の回想(歿後『マンボウ最後の家族旅行』として刊行)のように、『楡家の人びと…

赤いマント(297)

・北杜夫の赤マント(12) 昨日の続きで、いよいよ章の題になっている「西サモアの幽霊など」の話になります。文庫版205頁16行め~206頁16行め、全集239頁下段14行め~240頁上段10行め、【11月19日追記】11月14日付「北杜夫『南太平洋ひるね旅』(03)」に挙…

赤いマント(296)

・北杜夫の赤マント(11) 昨日の続き。 ドクター・ハンに電話した後、ホテルを出てアピアの町を歩いていたところ、文庫版204頁11行め~205頁6行め、全集239頁上段5~21行め、【11月19日追記】11月14日付「北杜夫『南太平洋ひるね旅』(03)」に挙げた①初版…

赤いマント(295)

・北杜夫の赤マント(10) さて、例によって前置きが長くなりましたが、タヒチで北氏としばしば行動を共にしたH嬢こと畑中幸子が、北氏に「韓国人の医者」を訪ねるよう勧めたのです。この医者は何処にいたのかと云うと、文庫版67頁17行め~68頁2行め、全集1…

赤いマント(294)

・北杜夫の赤マント(9) また赤マント流言の話に戻れなくなってしまいました(笑)が、乗り掛かった船ですので昨日予告した件について確認して置きます。――まぁ、こんな寄り道ばかりしているから検索サイトからも見放されてしまうのでしょう。或いは「釣り…

赤いマント(293)

・北杜夫の赤マント(8) 昨日の続きで『南太平洋ひるね旅』の確認。 しかし夕方には体調不良も落ち着いて、ホテルに来た紺野老人に会って学者2人に引き合わされます。その場面、文庫版66頁6行め~67頁12行め、全集169頁下段20行め~170頁下段11行め、【11…

赤いマント(292)

・北杜夫の赤マント(7) ここで『南太平洋ひるね旅』の本文を引用する前に諸本の比較をして置こうと思ったのですが、これは後日果たすことにして、ここでは赤マントに関連する記述に絞って見て置くこととしましょう。と云って、当ブログのことですから赤マ…

赤いマント(290)

・北杜夫の赤マント(5) 昨日の続きで後半も見て置きましょう。異同があるのでここでは『見知らぬ国へ』200頁15行め201頁7~15行め(改行位置「|」)を抜いて置きましょう。灰色太字にした箇所が「創作余話 (3) 」3頁下段3~22行め(改行位置「/」)に…

赤いマント(288)

・北杜夫の赤マント(3) それでは北杜夫の遺著『マンボウ最後の家族旅行』の「『楡家の人びと』独訳のことなど」の赤マントに触れている、最後の部分を抜いて置きましょう。単行本97頁3~11行め(改行位置「/」)・文庫版142頁2~11行め(改行位置「|」…

赤いマント(284)

・五木寛之の赤マント(12) 10月11日付(276)に引いた『七人の作家たち』の「編者解説」には「朝鮮に渡って、各地を転々としながら」とあったが、五木寛之『わが人生の歌がたり』第一部『昭和の哀歓』や、「記憶の曖昧さについて」(「日刊ゲンダイ」連載…