瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

事件

成瀬巳喜男監督『女の中にいる他人』(4)

昨日、映画『女の中にいる他人』で、妻を殺された杉本(三橋達也)が、犯人が親友の田代(小林桂樹)だと気付いてからも通報しなかった理由を、再見していないこともあって想像を交えてつらつら考えて、と云うか、妄想して見た。その続き。 一方、親友・杉本…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(3)

・池内紀の居住歴(3) 板橋の次に住んだ豊島区雑司ヶ谷であるが、中公新書2023『東京ひとり散歩』の「まえがき」には、ⅴ頁5~11行め、 雑司ヶ谷には、けっこう長くいた。少し歩くと鬼子母神の境内にきた。樹齢五百年とかの/大イチョウがそびえており、人…

佐木隆三『復讐するは我にあり』(2)

昨日の続き。 ・福樹荘の神吉梅松弁護士(2) さて、前回参照した大正15年(1926)5月1日現在『東京電話番号簿』に神吉氏の名は見当たらないようであるが、中央区立図書館地域資料室アーカイヴス「電話帳簿」を見て行くと、神吉氏の名前も拾うことが出来る…

佐木隆三『復讐するは我にあり』(1)

さて、4月9日付「水島新司『ドカベン』(60)」を「今村昌平監督『復讐するは我にあり』(1)」と題して投稿しようかと思ったのだが、鈴木則文監督『ドカベン』のロケ地として、欅並木の鬼子母神表参道と西参道商店街の分岐点にあった本屋に注目したのだか…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(7)

・プカルア滞在期間について(2) 昨日の続き。一昨日、4月19日付(5)の最後に「明後日」見て置こうと予告した件についても、少し触れております。 昨日見た「Ⅱ」章の11節め、36頁7行め~37頁6行め「着く日を/考えない」に、畑中氏の乗船したスクーナー…

赤いマント(322)

・朝倉喬司『毒婦伝』(3) 昨日の見た「阿部定」の章の能美金之助『江戸ッ子百話』に依拠した箇所の、続きを見て置きましょう。282頁17行め~283頁13行め、 定の事件の約三年後の昭和十四年ごろ、東京に、少年少女を襲って生血を吸う「赤マント」出現の/…

赤いマント(321)

・朝倉喬司『毒婦伝』(2) 昨日の続き。 装幀その他は文庫版と比較する機会を得て記述することとしましょう。 取り上げられている毒婦は次の3人です。 ・5~127頁「高橋お伝」 ・129~245頁「花井お梅」 ・247~377頁「阿部定」 小沢信男 編『犯罪百話 昭…

水島新司『ドカベン』(60)

・実写映画の「朝日奈書店」は雑司が谷の高田書店 2019年3月12日付「斎藤澪『この子の七つのお祝いに』(1)」以来 Amazon Prime には入ったままなのだが、近頃はなかなか見る余裕がない。復讐するは我にあり デジタルリマスター版 [DVD]発売日: 2004/03/25…

津留宏『一少女の成長』(2)

本書再刊の事情、いや成立の事情も、3~4頁「改訂新版まえがき」に述べてある。末尾、4頁12行めに下寄せで「六甲山寓にて 津留 宏」とあり1行分空けて13行め3字下げでやや小さく「昭 和 五 十 五 年 六 月」とある。 3頁8行め~4頁5行め、 大学を終えて、あ…

能美金之助『江戸ッ子百話』(6)

昨日の続きで、鶴見俊輔『不定形の思想』所収「小さな雑誌」、初出は中央公論社から刊行されていた第四次「思想の科学」の「日本の地下水」、一九六一年八月条について、本書『上』の鶴見俊輔「『江戸ッ子百話』の読者として」などと対照させながら、内容を…

七人坊主(54)

この話については、2016年10月21日付(52)に、松谷みよ子『現代民話考』に収録されていること、2016年10月22日付(53)にちくま文庫版に於ける追加であることを確認して以来、そのままになっていました。 多分、これらの記事を上げたのと同じ頃だったと思い…

赤いマント(308)

・宮田登の赤マント(5)阿部定と赤マント① さて、2つの「阿部定と赤マント」――「都市の語り出す物語」(『江戸東京を読む』二八四頁14行め~二八六頁3行め=『都市の民俗学』61頁13行め~63頁5行め)と『歴史と民俗のあいだ』186頁2~189頁2行め、について…

赤いマント(284)

・五木寛之の赤マント(12) 10月11日付(276)に引いた『七人の作家たち』の「編者解説」には「朝鮮に渡って、各地を転々としながら」とあったが、五木寛之『わが人生の歌がたり』第一部『昭和の哀歓』や、「記憶の曖昧さについて」(「日刊ゲンダイ」連載…

中学時代のノート(27)

・昭和56年頃に聞いた怪談ノート(24) この件については、昨日で打ち止めとするつもりだったが、久しく思い出すことのなかった先生や級友、校舎や行事の記述を久し振りに熟読して、少し思い出したことがあるので、補足して置きたい。 小学4年生のときの担任…

中学時代のノート(14)

・昭和56年頃に聞いた怪談ノート(11)後篇① 怪談(その六)血が出る蛇口 それでは続いて、18~29頁「後篇」を眺めて行くこととしよう。 18頁は1行めに1字下げで「後 篇」とあり、1行空けて3行めから本文。まづ3行め、前置きに当たる文章がある。 先生が本で…

赤いマント(264)

・中村希明『怪談の心理学』(16) 9月1日付(262)の続きで、「なぜ赤マントの怪人になったか」の節の最後を見て置きましょう。34頁13行め~35頁8行め、 ではなぜこの時期にトイレの赤マントの恐怖デマが成立したのだろうか。 しのびよる戦争の不安は、まず…

阿知波五郎「墓」(15)

昨日の続きを上げるつもりであったが、前置きとして書き始めたら長くなってしまったので続きは次回に回すことにした。 * * * * * * * * * * 私がこの小説に興味を持ったのは、2016年10月4日付(01)に書いたように、怪異談の発端になっている、女…

芥川龍之介旧居跡(18)

一昨日からの、浪人から修士論文を提出する頃まで、8年余り住んだ、都内の築60年の住宅について、続き。 昨日は題を変えるべきかと思ったのだが、そのままで良いような気がして来たので変えずに置く。芥川龍之介旧居跡の現状に触発されて私が暮らした家のこ…

赤いマント(215)

・朝里樹『日本現代怪異事典』(3) 朝里氏は「発生の背景」を述べたものとして、物集高音『赤きマント』に続いて次の文献を取り上げております。26頁下段16行め~27頁上段4行め、 また別冊宝島編集部編『伝染る「怖い噂」』/の中の朝倉喬司「『学校の怪談』…

赤いマント(214)

・朝里樹『日本現代怪異事典』(2) 昨日は、朝里氏が人攫いの赤マントの典拠とした『魔女の伝言板』『現代民話考7』に、改めて批判を加えて置きました。ともに(朝里氏は体験者には注意していないのですが)三原幸久と北川幸比古が赤マント流言の当時耳に…

文藝別冊「芥川龍之介」没後九十年 不滅の文豪(3)

・松田奈緒子「私の好きな芥川龍之介」(3) 昨日の続きで答え2の後半、3頁下段11~18行め、 随筆なども読むうちに、芥川が学生時代に千駄木の鴎/外の旧居・観潮楼の前を通っていたということを知って、/自分もそこを通ったことがあると思ったら、急に身…

北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(1)

8月8日に投稿予定だったがしばらく後回しにしていた。 * * * * * * * * * * 7月20日付「elevator の墜落(3)」に、北杜夫が医局時代に聞いた怪談を吉行淳之介との対談『恐怖対談』から引用して、『どくとるマンボウ医局記』を参照すべきであろう…

赤いマント(209)

・武田百合子『ことばの食卓』(2) 昨日の続きで「牛乳」について、牛乳を飲まされていた話題が赤マントに展開して行くまでを見て置こう。 昨日引用した箇所に続いて、牛乳配り=牛乳屋について描写する。①17頁7行め~18頁1行め②18頁9行め~19頁3行め③18頁…

赤いマント(201)

・黒田清『そやけど大阪』(4) 昨日見た、第三章の18節め「匂いの記憶が町並みを浮かばせる」に述べられていた平成5年(1993)4月の同窓会のことは、19節め、183頁11行め~185頁「紙芝居の街、郷愁の赤マント」に続くのである。 前節の最後の段落を受けて…

elevator の墜落(2)

前回引いた『三田村鳶魚日記』昭和4年(1929)の四月十七日(水)条の、三越エレベーター墜落の真相ですが、この書き方では誰から聞いたのか分かりません。東京府豐多摩郡澁谷町金王の吉田冠十郎の家でこんな話が出たのか、それとも吉田家への往返に平音次郎…

elevator の墜落(1)

私は幸いにしてエレベーターの事故に巻き込まれたことはありませんが、Wikipedia「事故の一覧」項や「List of elevator accidents」項を見るに、稀に、扉が開いたまま昇降して挟まれたり、極稀に、籠が落下する事故も起こっています。停電等で途中で停止して…

『三田村鳶魚日記』(22)

・昭和7年の満韓旅行(6)京城の高松家① 5月11日付(21)の続き。 長春(満洲国新京)での最終日、六月三十日(木)条は殆どが袁金鎧を訪ねたことについて述べ、そして最後に、350頁下段4~5行め「‥‥。○夜出発、送行者李文権、栗山/夫妻、皆川豊治。」とあ…

『三田村鳶魚日記』(01)

【4月18日追記】「赤いマント」記事に使用する資料の確認と云うことで始めたのだが、赤マントに話が及ぶ前が随分長くなってしまった。これは別の記事にするべきだと思い直して、今更ながら『三田村鳶魚日記』に改称します。すなわち「赤いマント(172)」を…

赤いマント(171)

【4月10日追記】 以下の内容については、先方より誠意ある回答を得て解決しました。 記事については備忘と自戒のため、そのままとして置きますが、現在何の問題もなきことをお断りして置きます。 * * * * * * * * * * 昨日のうちに主張したいとこ…

赤いマント(170)

【4月10日追記】 以下の内容については、先方より誠意ある回答を得て解決しました。 記事については備忘と自戒のため、そのままとして置きますが、現在何の問題もなきことをお断りして置きます。 * * * * * * * * * * 正直、これ以上この話を続け…