瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

事件

赤いマント(369)

・松尾羊一『テレビ遊步道』(2) 昨日の続き。 松尾氏は翌週(Ⅱ)132頁12行め~134頁3行めに、再度赤マント流言に触れている。 赤マントと酒鬼薔薇 七月十一日 「おい、赤マントってなんのことだ」と何人かの友人から問い合わせがあった。い/つだったかこの…

祖母の蔵書(172)吉田映子①

𠮷田映子(1937.11.27~1997.1.2)は祖母の長女で、家人の伯母である。平成11年3月21日付「火葬証明書」に拠ると「本籍」は「鳥取県鳥取市材木町XXX番地」でこれは父親、つまり祖母の夫の実家である。「死亡年月日」の「平成9年1月2日午前6時21分」から「平…

赤堀又次郎伝記考証(063)

・鹿島則泰の鹿島神宮宮司退任(2) 昨日の続きで『鹿島人物事典』51頁上段2~11行め「鹿島敏夫」項を見て置こう。まづ見出し「鹿 島 敏 夫*1 明治四年(一八七一)―大正一五年(一九二六)」があり、最後の行は下詰めで〈鹿野〉とのみ、執筆者は鹿野貞一で…

赤堀又次郎伝記考証(062)

昨日の続き。 ・鹿島則泰の鹿島神宮宮司退任(1) 鹿島則泰は、八丈島で名前も伝えられていない女性から生れた。5月11日付(051)に見た鹿島敏夫『先考略年譜稿』にも引いたように、鹿島則文には八丈島に遠島になる前、既に妻(植松氏)鉉子がいたが子はな…

大和田刑場跡(18)

・刀菊山人「濤江介正近という珍刀」(2) 昨日の続き。――刀菊山人こと宮崎三代治は以上のような調査結果を引提げて「福永先生」すなわち福永酔剣の意見を徴している。15頁下段5行め~16頁上段15行め、 ‥‥、福永先生にお伺いしましたところ、正近には二代/…

大和田刑場跡(16)

さて、前回引いた後藤安孝「武州下原刀の研究(十九)」にて、後藤氏は酒井正近の処刑を明治三年(1870)、場所を「竹ノ鼻処刑場(八王子市新町)」としていた。 2022年11月7日付(01)に、東京都八王子市『ふるさと八王子』の「大和田河原の刑場」を取り上…

大和田刑場跡(15)

取っ組み合いの喧嘩などもう40年くらいしていないと思うが、私は大抵相手の後ろに回り込んで両腕ごと胴を絞めて身動き出来なくした上で、膝で尻を蹴ると云う戦法で、尻をドンコドンコ蹴りながら、飽くまでも言葉で相手の非を認めさせた上で降参させていた。…

大和田刑場跡(14)

前回見た「八王子大和田郵政宿舎」が建設される前にあった工場であるが、昭和15年(1940)6月設立の中野篩絹の工場である。 ・帝國興信所 編輯『帝國會社銀行要録』第三十一版(昭和十八年十二月二 十 日印刷・昭和十八年十二月二十五日發行・賣價 金 參 拾 …

大和田刑場跡(13)

・村下要助『生きている八王子地方の歴史』 道了堂について、遺族に会って、古墳の話(!)を聞いている、と云う件を取り上げるために紹介した本書だが、大和田刑場についても記述があるのである。 細目を11月5日付「道了堂(128)」に示した「いろいろな話…

道了堂(131)

・村下要助『生きている八王子地方の歴史』(7) 前回見たように村下氏は堂守・浅井としの娘に会って話を聞いているはずなのだが、残念ながら道了堂について具体的な記述を残していない。年齢的に浅井としが堂守を務めていた頃に参拝していてもおかしくない…

祖母の遺品(05)

・若山家の関東大震災(4) 1日に始めたときには、読み易そうなものを選んで紹介して行くつもりだったが、読めようが読めまいが上げてしまわないと先に進めないので、箱の端から順番に取り上げて、翻刻は追って時間を見て正確なものを追加もしくは別記事と…

祖母の遺品(02)

・若山家の関東大震災(1) 祖母宅の仏間の硝子棚の上に、何やら書類が載せてあるのを見付けて下ろして見たのか何時のことだったろうか。 ――祖母宅には、祖母が救急搬送されて入院、次いで施設に入って、その看護・介護のために上京して来た長男夫婦がしば…

祖母の蔵書(103)忠臣蔵①

祖母は忠臣蔵・赤穂事件には関心を持っていたらしい。芝居の大星由良之助ではなく史実通りの大石内蔵助が活躍するものに親しんでいたようだ。 しかし、私は史実の方も芝居の方も一通り知っていると云うまでで、人と丁々発止語り合えるほどの知識も興味もなか…

赤堀又次郎伝記考証(55)

昨日で赤堀氏の調査は一旦中断するつもりであった。しかし犬山赤堀家の系譜、赤堀象万侶の明治初年の消息、そして何よりも赤堀氏の著書、校訂書から窺える動向、言語取調所・日本図書館協会・国書刊行会での活躍、完璧な著述目録、そして旧蔵書目録など、既…

赤堀又次郎伝記考証(1)

・『御即位及大嘗祭』著作権侵害事件 私は、ある人物の著述を活用する際に、生歿年月日や経歴・居住地を確認するようにしている。いつ、何処にいて、当時どういう立場だったか、それには家族も調べる必要が生じる。――『三田村鳶魚日記』の赤マント流言の記事…

稲川淳二『稲川怪談』(8)

念のために断って置くと、私は『新耳袋』は殆ど読んでいない。何冊か借りて見たのだが、昨日の最後の方に述べたように、私はどうしても背景、すなわち、時代や場所、人間関係などの説明に具体性がなくて、体験そのものだけが書かれたものにはリアリティを感…

道了堂(114)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(5) 昨日の続き。『奈落の女』224頁8~10行め、 遊佐さんたちの目当ては、同じ境内に祀られている首なし地蔵と呼ばれる地蔵だった。*1 こちらもその名のとおり、首から上の部分が欠損した地蔵尊で、悪戯半分で触れると/祟り…

道了堂(110)

・郷内心瞳『拝み屋念珠怪談』(1) 近年の実話怪談の類にも、道了堂或いは道了堂跡を取り上げたものがあって、9月13日付「『「超」怖い話』(1)」に述べたように、少しずつ拾い集めている。元より私は7月10日付「新聞解約の辯(4)」に述べたように、体験…

道了堂(108)

・小泉二三『思い出の鑓水』 昨日まで本書について確認して来たのは、もちろん道了堂の記述と写真があるからである。 写真については、10月18日付「小泉二三『思い出の鑓水』(1)」に見たように、まづ「絹の道と鎌倉街道と塩の道と」の19頁上に「道 了 様…

武井一郎夫妻殺し(1)

一昨日まで検討した『ふるさと板木』は、存在は知っていたものの何となく見ることなく過ごしていたのであったが、国立国会図書館デジタルコレクションが「個人向けデジタル化資料送信サービス」を始めて、従来[国立国会図書館/図書館送信参加館内公開]で…

道了堂(69)

・かたくら書店新書20『絹の道』(3) 昨日、本書は刊行の切っ掛けとなった企画及び舞台である場所について、きちんとした説明を欠いている、と指摘したのだけれども、実は、それを意図した章は存在している。 「一、絹の道とは何か」の章、扉(5頁)には「…

道了堂(51)

・松原タニシ『異界探訪記 恐い旅』(2) 昨日、勘定が合わないことを問題にした。本文に164箇所、そして「もくじ」に細目が示されていない「異界ギャラリー」に36箇所、重複もあるが延べで合計200箇所が取り上げられている。ところが12~014頁「異界巡りス…

校舎屋上の焼身自殺(30)

投稿当初、「道了堂(50)」と題していたのだが、そうでない話題で長くなった。「学校の怪談」と卒業生、と題しても良いかと思ったのだけれども、例にはしているけれどももっと大きい問題を扱っているつもりである。そこで却って限定して、仮に、例の代表と…

道了堂(49)

・高島昌俊 著/岡戸雅樹 撮『廃墟巡霊』2008年10月22日 初版第一刷発行・定価1,700円・ミリオン出版・195頁・A5判並製本廃墟巡霊作者:高島 昌俊ミリオン出版Amazon 148頁まではカラー印刷、149頁以降、奥付までは単色で紙質も劣り、私の見た本では手擦…

道了堂(30)

・法政大学地域研究センター叢書5『歴史的環境の形成と地域づくり』(5) 昨日の続きで、馬場喜信の論文、第一部「第七章 浜街道《絹の道》―歴史的景観の発掘と史跡化―」の208~215頁11行め「第二節 《絹の道》―その歴史的景観の発掘と史跡化」を眺めて行…

道了堂(15)

・朝日新聞東京本社社会部『多摩の百年』下(2) 昨日の続き。道了堂についての記述があるのは、2章め「横浜往還」の最後の8節め(53頁下段6行め~56頁上段)「名残とどめる道了堂」である。しかし、この節のメインではない。この章の副題「――夢の跡」を象…

坪野鉱泉(2)

昨日の記事は別に公開中の映画に便乗した訳ではなくて、本当にただ何となく思い付いて、最近度々活用している富山県立図書館の「郷土資料情報総合データベース」を検索して見たまでだったのだが、映画で盛り上がっているせいか、早速埋没しそうである。まぁ…

坪野鉱泉(1)

行ったこともないし、特に興味もないのだが、これからこの話題で、ある実験を試みることになるので、それを断って置くために記事にして置いた。 さて、私はと云えば、心霊スポット巡りには全く興味がなく、繰り返し書いているように、見えると称する人たちが…

道了堂(10)

・Wikipedia「道了堂跡」(4)編集合戦③ 一昨日からの続き。 こうして再度「保護」された「道了堂跡」項は2011年6月3日まで編集出来なくなっていました。2011年6月4日にはHN「麗花」が保護されていた「道了堂跡の異なった側面」が削除された版を取り消して…

道了堂(09)

・Wikipedia「道了堂跡」(3)編集合戦② 昨日の続き。 2011年2月15日から3月15日まで保護されて編集出来なくなっていましたが、2011年3月16日にHN「麗花」が「(保護期間終了/要出典)」の書き込みをしたところから、2011年3月21日までに「道了堂跡の異なった…