2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧
七人坊主の話に出て来る地名については、現地調査に行ったはずの小池氏は何故か「平根が浦」にのみ拘泥して、参考文献として挙げている浅沼良次『八丈島の民話』に見える地名をまるで追究しようとしていないことは、10月19日付(06)に注意して置いた。 その…
昨日引用した坊主の姿を見た、という話だが、10月22日付(09)に引用した小寺融吉「八丈島の話」では、七人坊主は海岸で惨殺され、以後「其地へ来て「坊主」と呼ぶと、必ず七人の坊主の姿が夢現と現れたので、それからは誰でも其地で坊主といふ言葉を慎んだ。…
続き。『八丈島の民話』では10月18日付(05)で見たように、続いて昭和27年(1952)の事故について述べているが、『流人の島』にはその前に、他に見えない話が挟まっている。 終戦後、外地*1から引揚げた者が、この東山の頂上に五、六家族住みついたが、これ…
続きの2つの段落。 それから毎日のように、中之郷の民家の附近を夜になると、白衣のコロモを着た亡霊が歩き/廻り住民は悩まされた。それとともに農作物の不作とか、家畜が死ぬとか不吉な事ばかりが続/いたので、ミコを頼んで拝ませてみたら七人の坊主のた…
浅沼良次『流人の島』では、初版「タタル七人の坊主」改訂版「たたる七人の坊主」で、題の片仮名・平仮名以外は同文である。 中之郷の東の位置に、南端に小岩戸岬をもっている東山が横たわっている。 むかし罪名はわからないが、島流しされた七人の坊主が中…
あるっく社編集部 編集のガイドブックは、『横浜・鎌倉(歩く地図 Nippon 5)』を10月15日付「鎌倉の案内書(11)」と6月29日付「塩嘗地蔵(003)」で、『鎌倉・横浜(たびんぐ⑤)』を7月17日付「塩嘗地蔵(019)」で紹介したが、それ以前のものを見たので紹…
近藤富蔵/八丈実記刊行会 編纂『八丈実記』緑地社、A5判上製本。 ・第一巻(昭和三十九年十一月二十五日発行・定価三、五〇〇円・523頁) 書名だが、背表紙の金文字と扉・中扉は「八丈實記」、奥付は「八丈実記」。 刊行に当たっての処理については、第一巻…
金田氏の話の不明瞭な点と言えば「掘ると二つから一人出た。」というのも、よく分からない。分からないところは聞き直すべきだったのではないか、と、どうしても思ってしまう。「録音したものを、そのまま翻字」すれば良いとは、思えない。 その前の「そうい…
昨日の引用の続き。 が、その七人坊さん*1の一人のあれを、こう祀*2っておいたんだ。そこの下/の道路で普請をしていたんだ。道普請を。道路をシオガワという海岸へつけるために、土を担い/でね。モッコというのに土をかきこんで、二人で担いで行きながら、…
矢口氏はこの伝説「七人坊主の話」を、以上3タイプ3話の他に9話、3タイプ聞いている訳だが、その内容はまだ発表されていない。 そして、世間話の祟りの話の方だが、11月9日付(16)に引用したこの資料紹介の解説部分には「七人坊主のタタリ」とあったが、本…
次もやはり断片である。初出77頁、再録では①②46頁、③47頁。 ③坊さんが上ってきて、ロッパがオバタという所で六羽鳩を撃ったそうだよ。そいでロッパガオ/ バタと名が付いた。そこでは坊さんと言われない。罰*1があたる。怪我もする。死んだ。 (藍ケ江・菊池…
さて、菊池氏の話には、船がどうなったかは語られているのだが、肝心の、七人坊主がその後どうなったのか、が、ない。 これに限らず、矢口氏の紹介する「七人坊主の話」3話は、いずれも断片である。次に挙がっているもの。 ②七人の坊さんが流れてきて、崖に…
矢口氏が紹介している七人坊主関係の話を見て行こうと思うのだが、どのような形で言及すべきか少々迷った。11月9日付(16)でも述べたが、説明不足の語りをそのまま文字に起こして特に補足説明もない。要約するにしても正確に出来る自信がないので、関係の部…
『ガラスの仮面 第7巻 炎のエチュード①(白泉社文庫)』(一九九四年六月二十二日初版発行・一九九六年一月二十五日第十五刷発行・定価563円・白泉社・313頁)ガラスの仮面 (第7巻) (白泉社文庫)作者: 美内すずえ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 1994/06/01…
昨日の追加を、若干して置きたい。 初版では各章の題下に執筆者名が一々入っていたのだが、改訂増補版では削除されており、執筆者が誰だか分からなくなっている。それからもう一点だけ、10月27日付で触れた第四篇「民俗」についてだけ、確認して置きたい。 …
10月27日付で、東京都八丈島八丈町教育委員会 編著『八丈島誌』(昭和四十八年三月二十日発行・非売品・642頁)に触れたが、改訂増補版を見た。 発行者は東京都八丈島八丈町役場、発行所は八丈町教育委員会内八丈島誌編纂委員会。 表紙は牛革みたいに加工し…
さて、128頁以下について確認しておく。 ・初版は次のようになっていた。 128〜129頁「解説④ 高度情報化[国際化・虚構化]時代の犯罪」。 ※ 節題は「世紀末的様相/日本人の精神文化の脆さ/外国人犯罪も急増」。129頁に「少年事件処理の流れ」の表。 130〜13…
福田洋=著・石川保昌=編『図説|現代殺人事件史(ふくろうの本)』河出書房新社 ・初版 図説現代殺人事件史 (ふくろうの本)作者: 福田洋出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1999/06メディア: 単行本 クリック: 21回この商品を含むブログ (2件) を見る一…
怪談の背景に興味を持っているから、ということもあってか、事件や事故などの記録にも良く目を通す。それから、どうも瑣末な間違いに目が行くタチで、事件や事故がどういう間違いから発生したのか、というところにも、怪談とは関係なしに惹かれるものがある。…
うっかりして、文庫版第4巻の後半の方を先に上げてしまった。 手許に単行本第6巻があるので、対照しながら述べてみたい。 単行本第6巻15頁が文庫版第4巻5頁である。そして単行本第6巻186頁が文庫版第4巻176頁。 * * * * * * * * * *・単行本第6巻4…
文庫版第4巻を借りてきたので、その辺りの単行本のメモと対照して見る。 ・単行本第7巻30頁3コマめ、フジナガホールでの姫川亜弓主演の舞台「王子と乞食」の、侍従長の台詞に「ああ なげかわしい/王子さまは気がちがわれてしまった………」とあるが、文庫版第4…
「八丈島中之郷のはなし」の方は、昭和47年(1972)から翌48年にかけての「三回の調査」で矢口氏が得た、昔話135話、伝説47話、世間話126話、合計308話の中から、20題24話を紹介したもの。冒頭(29〜32頁、初出70〜72頁上段)に簡単な分析があるが、まず「世…
続き。 「五」節に(一)〜(六)の6項目に分けて、個々の話について分析を試みているが、(四)が七人坊主で「八丈島中之郷の伝承の中での特徴」を示すものと指摘されている(21〜22頁)。 まず「私は「七人坊主の話」は一応伝説に分類してみた」とする。そして、…
矢口裕康『語りの伝承(鉱脈叢書15)』の奥付の前にある「所収一覧(初出論文名・掲載誌等・発行年・編発行者)」(頁付なし)の冒頭を引いて置く。 I 伝 承 昔話伝承を考える−八丈島中之郷を中心に−(原題「島の昔話伝承−八丈島中之郷を中心に−」/ 『口承…
11月2日付(10)に書いた、小池氏が[参考文献]に挙げておきながら『怪奇探偵の実録事件ファイル2』の本文中には全く触れていない国学院大学文学第二研究室記念論文編集委員会 編『口承文藝の展開』上(昭和四十九年十二月十五日発行・定価二五〇〇円・桜…
上京して(浪人してから)大学に入った当時、先輩や同輩が芳賀書店について思わせ振りな物言いをするのを聞いて、全く予備知識のなかった私はただ、何なのか、と思った記憶があるが、その後、店舗の場所を知ったが中に入ることもなく過ごしている。シネアル…
手作り立体地図八丈島出版社/メーカー: 株式会社ニシムラ精密地形模型メディア: おもちゃ&ホビー クリック: 3回この商品を含むブログを見る 今は販売されていないけれども。手前に突き出しているのが小岩戸ヶ鼻で、この話の舞台である。 * * * * * * …
『八丈實記』は全7巻の活字本(緑地社)が出ているが、東京都都政史料館の原本とは編成を変えたりしている。その辺りの処理については、全7巻について別に整理するべきかと思うので、ここでは関連する箇所のみ見て置く。 前回(昨日)見た、唐僧八人の話だが…
前回10月22日付(09)で紹介した小寺融吉「八丈島の話」以前に「七人坊主」について書いた文献は、今のところネットではヒットしない。八丈島については近藤富蔵『八丈実記』が基本文献で活字化もされているが、七人坊主は載っていないようだ。しかし、10月1…
続き。文庫版第6巻の編成は、既に10月29日付(12)で確認した。 * * * * * * * * * *・文庫版第6巻20頁6コマめ、亜弓さんとマヤのアドリブでの演技を舞台の袖から見つめる女性に、鼻の下に黒く髭のような汚れがある。単行本第9巻96頁にはない。 ・…