瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

事故車の怪(15)

今回も昨日と同様に石丸元章『ウワサを追いこせ! 』から、5月14日付(14)に引いた別冊宝島92「うわさの本」の「うわさ投稿傑作選」の「●伊奈かっぺい、呪いのソアラで今日も走る」の元になった記事を確認して置きましょう。 51〜57頁「1987年7月」について…

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(24)

・クリネックスティシューのCM(4) 昨日言及したブログ「BEAT-MANgus(椣平夢若食い散らかし記) 」の2007-04-26「もいちどウワサを追いこせ!」にも取り上げられていた石丸元章『ウワサを追いこせ! 』は、8〜14頁「1987年1月」が9月25日付「石丸元章『…

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (5)

昨日の続きで、217〜219頁「あとがき」からも、9月24日付(1)に抜いた「はじめに」と同様に、編集について述べた箇所を抜いて置きましょう。段組なしで、下部の脚注欄は空いていますが注はありません。 218頁15行め〜219頁2行め、 この本の中で僕がはたし…

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (4)

昨日の続き、と云うよりも一昨日の続きで、8〜14頁「1987年1月」の構成から確認して行くこととしましょう。 前置きの文に続いて、1頁め(8頁)右下のランキング表の順序に従って、噂が紹介されて行きます。まづ、最初の2行の最上部に、2行×3字分の正方形(一…

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (3)

昨日の続きで8〜14頁「1987年1月」について、もう少し確認して置きましょう。 8頁下段に、普通の注より一回り小さく、かつ本書には殆ど使用されていない明朝体で、 ×本文中の(P)は投稿者のペンネームで/「まるぴー」と読んでほしい。(本)は本/名で「まる…

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (2)

昨日の続き。 4〜5頁(頁付なし)「CONTENTS」 6頁(頁付なし)は下部に「SPECIAL THANKS TO」として雑誌や個人に対する謝辞。 7頁「1987年 1月―3月/第③学期」の扉*1で、上部にカバー表紙も担当している*2スージィ甘金のイラスト、下部に社会・芸能…

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (1)

別冊宝島92「うわさの本」の、石丸元章の、大月隆寛との対談を取り上げた際、5月12日付「事故車の怪(12)」に「著者紹介」を抜いて置きました*1が、その最後にある「『ウワサを追いぬけ』(仮題)の出版を計画中。」との一節にはその以前から注意していて、―…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(64)

・岡本綺堂「影」(8) さて、戯曲では、小説と違って地の文が使えません。「木曾の旅人」は台詞の間に適切に差し挟まれた地の文が、緊張感を高める効果を上げていたのですが、戯曲では台詞か、舞台の様子や登場人物の動きを説明するト書きだけになります。…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(63)

・岡本綺堂「影」(7) 昨日の続きで、本作が宜しくない理由をもう少し突っ込んで述べて見ましょう。 「木曾の旅人」では、杣の重兵衛の子供・太吉が怯えて泣き、遅れて杣小屋を訪れた猟師の弥七が連れて来た黒犬が吠え続けるのですが、重兵衛と弥七は何も…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(62)

・岡本綺堂「影」(6) 9月18日付(59)に述べたように、本作を初出誌で読んだとき私はかなりがっかりしました。そして9月17日付(58)にも言及した安藤鶴夫の「凡作」との評に納得したものでしたが、一旦本作についての記事を切り上げるに当たり、本作のど…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(61)

・岡本綺堂「影」(5) 昨日の続きで、幽Classics『飛驒の怪談』の「編者解説」から、戯曲「影」について述べた箇所の後半を見て置きましょう。314頁11行め〜315頁2行め、 芸妓おつやが、旅人の妖変に気づくあたりの暗示的な演出はまことに巧みで、舞台上に…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(60)

・岡本綺堂「影」(4) 昨日の続き。 幽Classics『飛驒の怪談』の「編者解説」から、戯曲「影」について述べた箇所を抜いて置きましょう。学研M文庫 伝奇ノ匣2『岡本綺堂 妖術伝奇集』には触れるところがありません。 表題作に据えた「飛驒の怪談」の解説…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(59)

・岡本綺堂「影」(3) 昨日触れたように、本作を読むには10年前に幽Classics『飛驒の怪談』に収録されるまで、初出誌に当たるしかありませんでした。――私は2014年3月24日付「楠勝平『おせん』(1)」に述べた、浪人時代に入り浸っていた某区立図書館で『…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(58)

・岡本綺堂「影」(2) 岡本氏晩年の戯曲「影」については、初出誌から取った複写がどこかに紛れ込んでしまい、そのうち本文も2011年1月9日付「岡本綺堂『飛騨の怪談』(1)」に書影を貼付した、東雅夫編の幽Classics『飛驒の怪談 新編 綺堂怪奇名作選』に…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(57)

堤邦彦「「幽霊」の古層」(3) それでは早速、「二 江戸怪談の影響力」の章の3節め「亡霊と旅する男」*1の、昨日の続きから最後まで見て行きましょう。 * * * * * * * * * * と、先月28日(か29日)に8月30日付(47)として書き始めたのですが、…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(56)

・末広昌雄「山の伝説」(10) 末広昌雄「山の伝説」の本文については、実は依拠したと思しき文献の見当が付いたのですが、改めて閲覧に行かないといけません*1。手持ちの資料は昨日で尽きました(流石に全文引く訳には行きません)ので、明日から9月6日付(…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(55)

・末広昌雄「山の伝説」(09) それでは最後に、9月11日付(52)にて後回しにした結末部分を見ておきましょう。 「深夜の客」及び「蓮華温泉の怪話」では、仮に【L】男の述懐とした、留置場もしくは処刑直前の犯人の述懐があるのですが「山の宿の怪異」には…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(54)

・末広昌雄「山の伝説」(8) 昨日の続きで、仮に【B】導入〜時期の説明とした箇所の「冬籠り」について検討して見ましょう。 「深夜の客」と「蓮華温泉の怪話」は、秋、浴客が下山し冬籠りの準備に取り掛かる頃、と云う事実を簡潔に述べるだけです。 とこ…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(53)

・末広昌雄「山の伝説」(7) 昨日の続きで、仮に【B】導入〜時期の説明とした部分を対照させて見ましょう。要領は昨日示した通りです。 「蓮華温泉の怪話」一九九頁5〜6行め 明治も三十年を数えて、其の年の秋のことであった。浴客もすっかり山を下って、…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(52)

・末広昌雄「山の伝説」(6) 昨日の続きで白銀冴太郎「深夜の客」の最後、仮に【L】男の述懐とした箇所について見ても良いのですが、実はここに対応する本文が「山の伝説」にはありません。ではどう纏めているのか、と云うことになりますが、ここで一旦遡…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(51)

・末広昌雄「山の伝説」(5) 昨日の続きで、8月12日付(31)に引いた白銀冴太郎「深夜の客」のうち、【K】子供の怯えたものとした箇所に対応する、「山の宿の怪異」16頁上段8行め〜中段4行めを抜いて置きましょう。要領は9月8日付(49)に示した通りで、…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(50)

・末広昌雄「山の伝説」(4) 昨日の続きで、8月12日付(31)に引いた白銀冴太郎「深夜の客」のうち、【J】巡査による男の捕縛と説明とした箇所に対応する、「山の宿の怪異」15頁下段21行め〜16頁上段7行めを抜いて置きましょう。要領は前回に同じで、書き…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(49)

・末広昌雄「山の伝説」(3) 昨日の続きで、末広昌雄「山の伝説」の「山の宿の怪異」について、その原拠となったと見られる白銀冴太郎「深夜の客」の本文と対照させて見ます。しかし白銀冴太郎「深夜の客」の本文は改めて引用しません。既に当ブログにて、…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(48)

・末広昌雄「山の伝説」(2) 昨日は、何時の間にか末広氏の行文に話を限定していましたが、そもそも「あしなか」が、学術的報告ではなく、民俗に関する随筆・読物を掲載するような趣の雑誌らしいのです。――以前から昔話や怪異談に関する文献に「あしなか」…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(47)

・末広昌雄「山の伝説」(1) さて、堤邦彦「「幽霊」の古層」の8月29日付(46)に引いた箇所の続きをさらに見て行くつもりで準備して、ほぼ出来上がっていたのですが、念のため、ですが堤氏が言及している文献を確認して置くべきだと考えて、近々返却期限…

赤いマント(163)

・「經濟雜誌ダイヤモンド」第二十七卷第七號(4) 一昨日の続きで、七二(1176)頁の2段め2行めから20行めまでの2段めを抜いて見ましょう。 ◇餘り噂が高いので、警視廳で調/べて見ても、何の根據もなく、そ/んなデマの原因になつたらしい不/良を何人か…

赤いマント(162)

・「經濟雜誌ダイヤモンド」第二十七卷第七號(3) 昨日の引用について、もう少し考察を加えて見ましょう。――「赤マント」と云われれば、マントが真っ赤なのだろうと思うのですが、そうではなくて「赤裏のマント」である、すなわち、黒マントの裏地が赤であ…

赤いマント(161)

・「經濟雜誌ダイヤモンド」第二十七卷第七號(2) 昨日の続きで、七二(1176)頁を見てみましょう。 5段組で、匡郭右辺の外、中央やや下に漢数字でこの号の頁、下部に横転して括弧に第二十七巻通しの頁が入っています。まづ3行分取って2段抜きで、稲妻型の…

赤いマント(160)

昨日は別に昔のことを書きたかった訳ではなくて、国立国会図書館デジタルコレクションが便利になった、と云う前振りをするつもりが、あらぬ方向に話が展開してしまったのです。 ・「經濟雜誌ダイヤモンド」第二十七卷第七號(昭和十四年三月一日發行・特價金…

古典籍原本調査の思ひ出(1)

近代デジタルライブラリーが平成28年(2016)5月31日に終了して国立国会図書館デジタルコレクションに統合されたことは何となく知っていた。国立国会図書館デジタルコレクションになってから検索して見るに、私が修士論文執筆に際して2万円を費やして複写を…