瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

改版

日本の民話1『信濃の民話』(10)

ここで「信濃の民話」編集委員会について改めて見て置こう。 瀬川拓男・松谷みよ子夫婦は編者で、再話を担当している。 瀬川氏は【1】及び【9】【17】【24】【25】【27】【33】【46】の8話を担当、そうすると松谷氏は「わらべうた」を除く50話のうち42話を担…

夏目漱石『夢十夜』の文庫本(7)

昨日の続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について①単行本と②岩波現代文庫の比較。肝腎なところは既に済ませてしまったが。 ①147頁の裏、奥付の前の頁は下部中央に縦組みで、まず太字でやや大きく「近藤ようこ」とあって、 一九五七年新潟市生まれ。漫画家…

夏目漱石『夢十夜』の文庫本(6)

昨日の続きで近藤ようこの漫画の①単行本と②岩波現代文庫版を比較しつつ、今回は145~147頁「あとがき」について見て置こう。 145頁(頁付なし)上部中央に小さく「あとがき」とあるのは同じだが組み直されている。146~147頁見開きもレイアウトは同じだがや…

夏目漱石『夢十夜』の文庫本(5)

一昨日からの続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について。 ①の見返し(遊紙)は獣皮風のエンボスの紫色の紙。なお本体表紙は淡い紫色に細かく「十」字の入った楯のような模様を散らした柄になっている。文字等はカバーが外せないので良く見えない。扉はや…

夏目漱石『夢十夜』の文庫本(4)

昨日の続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について。 ①A5判の単行本が②A6判の文庫判になっているのだから紙の大きさは半分、しかし余白を狭くするなどして画面はそこまで縮小していない。 カバー表紙は、前回貼付した書影に見る通り、人物や標題の配置を変…

夏目漱石『夢十夜』の文庫本(3)

近藤ようこ(1957.5.11生)の漫画は、当ブログでも2015年7月下旬に『説経 小栗判官』を6回にわたって取り上げた。本作の「近藤ようこ*漫画/夏目漱石*原作」の漫画が存在することは知っていたが、文庫版まで出ているとは知らなかった。 ②岩波現代文庫 文芸…

白馬岳の雪女(64)

・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(3) 昨日の続きで、橘正典『雪女の悲しみ』の示唆により「日本昔話タイプ・インデックス」より雪女関連の話を見て行くこととする。 345頁上段5行め「233 しがま女房」と、上段16行め「234 雪…

白馬岳の雪女(57)

・丸山隆司「【研究ノート】民話・伝説のポストコロニアリスム」(6) 一昨日見たように、丸山氏は「悲しき蘆笛」の粗筋を紹介、末尾は原文のまま引用して、次のように述べる。39頁下段9~17行め、 ‥‥。も/うすこしあからさまにいえば、この話のモチーフは…

白馬岳の雪女(56)

白馬岳から随分離れ、丸山氏の文章からも遠ざかっているが、仕方がない(?)ので昨日の続き*1。 ・丸山隆司「【研究ノート】民話・伝説のポストコロニアリスム」(5) ところが平成6年(1994)の「和人のアイヌ文化理解について――事例その1 青木純二『アイ…

白馬岳の雪女(52)

昨日問題にした、第百書房版『アイヌの傳説』の発行日だが、HN「SYMBOL 10」の7月23日11:15 の tweet に示された再版奥付の画像には「大正十五年五月 五 日初版印刷/大正十五年五月 十 日初版發行/大正十五年五月 八 日再版印刷/大正十五年五月十四日再版…

白馬岳の雪女(51)

・丸山隆司「【研究ノート】民話・伝説のポストコロニアリスム」(2) 一昨日の続き。 昨日引用した遠田勝『〈転生〉する物語』の「一 白馬岳の雪女伝説」の8節め「「雪女」と偽アイヌ伝説」に、「‥‥。もちろん青木は今日「東京朝日新聞記者」という肩書きか…

白馬岳の雪女(48)

・『樹木の伝説』の十六人谷 序でにもう少し「十六人谷」の文献を提示して置こう。――8月30日付(34)に書影だけ示した Truth In Fantasy 65『花の神話』のシリーズの続篇と云うべき、同じ秦寛博(1970生)編著の次の本に「十六人谷」が載っている。 ・Truth …

白馬岳の雪女(47)

・辺見じゅん「十六人谷」(10)『闇の祝祭』③ それでは①単行本と②現代短歌文庫とを対象させつつ、連作「十六人谷」について確認して置こう。と云っても私の関心は伝説及びそこから創作した辺見版「十六人谷」との関連にあるので、全ての短歌を取り上げるつ…

白馬岳の雪女(46)

・辺見じゅん「十六人谷」(9)『闇の祝祭』② 現代短歌文庫と交換するような按配で単行本を借りて来た。書影は8月10日付(14)に貼付してある。以下、①単行本の内容を紹介しつつ、②現代短歌文庫を比較して対応関係を示しながら、内容をもう少し細かく見て置…

白馬岳の雪女(45)

7月の1回めのワクチン接種後、左腕が痛くなったのはもちろんだが、激しい運動はしないようにとも言われたので、土曜・日曜・休日と安静にして過ごした。発熱はしなかった。先月の2回めの後は、腕の痛みはさほどではなく、全身に倦怠感があった。やはり発熱は…

白馬岳の雪女(44)

仕事から帰って遅くなった昼食を済ませ、お茶を飲みながら録画して置いた笑福亭仁鶴追悼特集の「バラエティー生活笑百科」を見て、泣けて泣けて仕方がなかった。 私は仁鶴室長の全盛期も知らないし、落語も最近まで聞いたことがなかった*1。 兵庫県立高校時…

白馬岳の雪女(43)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(23)「一」12節め② 次に「一 白馬岳の雪女伝説」の最後の節、44頁9行め~47頁6行め「北安曇の「雪女郎」の正体」から、『信濃の伝説』の著者を紹介したところを見て置こう。45頁14行め~46頁6行め、 著者の村沢…

白馬岳の雪女(42)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(22)「一」12節め① いよいよ「一 白馬岳の雪女伝説」の最後の節、44頁9行め~47頁6行め「北安曇の「雪女郎」の正体」を見て置こう。44頁10行め~45頁6行め、 日米開戦を半年後にひかえた一九四一年六月、長野県…

白馬岳の雪女(31)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(11)「一」8節め① 続く34頁12行め~38頁9行め、8節め「「雪女」と偽アイヌ伝説」にて、遠田氏は青木氏が既に『アイヌの傳説と其情話』にて2話も、ハーンの「雪女」の翻案を行っていた、と指摘する。 青木氏のアイ…

白馬岳の雪女(29)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(09)「一」6節め 30頁13行め~32頁10行め、6節め「バレット文庫の「雪女」草稿」の前半を抜いて置こう。30頁14行め~31頁8行め、 白馬岳の「雪女」伝説が、ハーンの「雪女」に由来するもうひとつ有力な証拠をあ…

白馬岳の雪女(28)

昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(08)「一」5節め 続けて28頁11行め~30頁12行め、5節め「「箕吉」か「巳之吉」か」にて、遠田氏は青木純二が依拠した本文を特定してしまう。この辺りは勿体ぶっていないので読んでいて甚だ気持ちが良い。 28頁12…

白馬岳の雪女(23)

8月14日付(18)の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(03)「一」2節め 白馬岳の雪女を取り上げた「第一部 旅するモチーフ」の「小泉八雲と日本の民話――「雪女」を中心に」については、既に2019年10月18日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(13…

白馬岳の雪女(22)

・黒部市吉田科学館「黒部奥山の昔ばなし」 信州(長野県)では北安曇郡白馬村が「「雪女」の里」を称しているのであるが、越中(富山県)の方でも8月9日付(13)に引いた『富山の伝説』にあるように「黒部で有名な話」と云う扱いなのである。 ・「広報くろ…

白馬岳の雪女(21)

・和田登『民話の森・童話の王国 信州ゆかりの作家と作品』(3) 昨日、和田氏が白馬岳の雪女について「物語としても一級である」と評していることに疑問を差し挟んだのであるが、「白馬は民話で名高い「雪女」の里です」と云う案内板が設置されるくらい、…

白馬岳の雪女(07)

・野崎雅明『肯搆泉達録』(2) 昨日の続き。 国立国会図書館デジタルコレクションの明治25年(1892)刊富山日報社版活字本の前付(頁付なし)3~5頁は岡田英之「肯搆泉達録序」で「文化乙亥春二月」付、「緒言」の内容及び文化12年(1815)成立はこれを根…

白馬岳の雪女(04)

7月22日付(03)の続き。 私は、所謂「蓮華温泉の怪話」は青木純二が岡本綺堂「木曾の旅人」に想を得て捏造したものと考えているが、そのついでに、所謂検算みたいな按配で、類例である白馬岳の雪女についても検討して見ようと思ったのである*1。そこで「蓮…

山田野理夫『アルプスの民話』(7)

・山田野理夫『怪談の世界』昭和53年7月20日 第1刷発行・定価1200円・時事通信社・243頁・四六判上製本 この本にも『アルプスの民話』が利用されている。但し前回見た『山と湖の民話』と違って、243頁「主要参考文献」に明示されている。すなわち、29点列…

山田野理夫『アルプスの民話』(2)

昨日の記事、諸版については③1965年版と⑥1976年版を追補した。番号もずらしたが過疎ブログのこと故(笑)影響はないであろう。 それはともかくとして、私が見た①上製本と⑤潮文社新書新装版の内容について見て置こう。但し手許にあるのは①のみで、⑤はこの1年…

山田野理夫『アルプスの民話』(1)

私が見たのは①上製本と⑤潮文社新書新装版で、2019年9月中旬に借りて比較し、10月11日に当記事の礎稿を作った。新書新装版は第1回の緊急事態のときにも借りていたのだが、そのときには他の資料が揃えられなかったので記事を仕上げられなかった。その後も借り…

池内紀の中公新書(1)

5月8日付「池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(3)に取り上げた中公新書2023『東京ひとり散歩』は、2007年と2008年の2年間「中央公論」に連載した「足の向くままいちにち散歩」を中心に纏めたものだった。――この頃、池内氏は「中央公論」に持っていた連載を、…