瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

改版

山田野理夫『アルプスの民話』(2)

昨日の記事、諸版については③1965年版と⑥1976年版を追補した。番号もずらしたが過疎ブログのこと故(笑)影響はないであろう。 それはともかくとして、私が見た①上製本と⑤潮文社新書新装版の内容について見て置こう。但し手許にあるのは①のみで、⑤はこの1年…

山田野理夫『アルプスの民話』(1)

私が見たのは①上製本と⑤潮文社新書新装版で、2019年9月中旬に借りて比較し、10月11日に当記事の礎稿を作った。新書新装版は第1回の緊急事態のときにも借りていたのだが、そのときには他の資料が揃えられなかったので記事を仕上げられなかった。その後も借り…

池内紀の中公新書(1)

5月8日付「池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(3)に取り上げた中公新書2023『東京ひとり散歩』は、2007年と2008年の2年間「中央公論」に連載した「足の向くままいちにち散歩」を中心に纏めたものだった。――この頃、池内氏は「中央公論」に持っていた連載を、…

長沢武『北アルプス夜話』(4)

昨日の続き。 ・初出誌「信濃路」の謎(?) 復刻版というと、元版の内容を余すところなく再現しているものと、普通思う。頁付を打ち直したり、新たに凡例や解説を加えることはあっても、元版は影印でそのまま収録されているものと思う。 しかしながら、新た…

長沢武『北アルプス夜話』(3)

昨日の続き。 ・略地図と口絵写真 ①初版の見返しは黄緑色の用紙で表紙見返しの見開きにのみ右が上で横転した手書きの子持枠(21.6×15.8cm)にて「北アルプス連峰と周辺」と題する、白馬岳から乗鞍岳まで略地図がある。 ②復刻版の見返しは淡い縹色の用紙で、…

長沢武『北アルプス夜話』(2)

・復刻版「あとがき」 昨日の続き。――久し振りに改版の確認をしたので、初版と改版を①②と仮に番号を附して整理していたことなど、要領を色々と忘れていた。そこで昨日の記事に番号を補って置いた。改めて示すと、 ①初版 昭和52年(1977)刊・信濃路(長野市…

長沢武『北アルプス夜話』(1)

①長沢武『北アルプス夜話』昭和52年9月25日 初版発行・900円・信濃路・268頁・B5判並製本 ②長沢武『【復刻】北アルプス夜話』2008年1月20日 初版第1刷発行・定価1900円・長崎出版・口絵4頁+286頁・四六判並製本北アルプス夜話作者:長沢 武長崎出版Amazon ②…

池内紀『記憶の海辺』(7)

・池内紀の居住歴(7)東京 一昨日昨日と前置きが長くなりましたが、どうも、池内氏の書いていることには一貫性と云うか、整合性がないのです。 いえ、政治的立場や思想的な一貫性と云うことではなくてほんの瑣事です。しかしながら、細かいところが食い違…

池内紀『記憶の海辺』(5)

6月17日付(4)の続き。 さて、池内氏の読者でなかった私は、この晩年の自伝的回想『記憶の海辺』を、その後、参照した歿後刊行の『昭和の青春 播磨を想う』と照合して、もう少し事情を明らかに出来れば、等と呑気に考えておったのですが、池内氏は同じこと…

奥野健男『文学における原風景』(2)

5月31日付(1)の続き。 ・『増補文学における原風景』一九七二年 四 月二五日 初 版第一刷発行・一九八九年 二 月一〇日 増補版第一刷発行・定価2,200円・集英社・302頁・四六判上製本 本書の書影も既に3月15日付「奥野健男『北杜夫の文学世界』(5)」に…

池内紀『記憶の海辺』(2)

昨日の続き。 ・初出と細目 本書の成立については、354~355頁「あとがき」に次のように述べてあります。354頁10行め~355頁4行め、 はじまりは月刊誌『ユリイカ』の連載だった。二〇一五年五月号から一八回つづけた。それか/【354】ら二年ちかく眠らせてい…

長沖一『上方笑芸見聞録』(5)

・横山エンタツの出生地(2) それでは連載の第【8】回、「花菱アチャコ」の「二」節めに戻って、藤沢桓夫が寄越した手紙を見て置こう。67頁2~8行めに1字下げ、前後1行空けで引用されている。 ……四月号の文中に出て来るエンタツ氏の後輩の将棋のH七段とい…

長沖一『上方笑芸見聞録』(3)

昨日見た長沖渉「あとがき」の冒頭に「『上方笑芸見聞録』は朝日放送のPR雑誌『放送朝日』に、昭和四十八年から四十九年まで二年間にわたり二十四回連載された」とある。 そこで、推定される号とその刊年月を、本書の章節と対照させてみよう。【 】に連載…

奥野健男『文学における原風景』(1)

本書の書影は既に3月15日付「奥野健男『北杜夫の文学世界』(5)」に貼付して置いた。 ・『文学における原風景』一九七二年四月 十五 日 初版印刷・一九七二年四月二十五日 初版発行・定価 九八〇円・集英社・226頁・四六判上製本 私の見た本にはカバーが掛…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(5)

昨日の続きで中公新書2023『東京ひとり散歩』の「鬼子母神懐古――雑司ヶ谷」の問題点について、もう少し突っ込んだ指摘をして置こう。 * * * * * * * * * * いや、そもそも「雑司が谷 わが夢の町」では、王子電車の牛乳運搬から「武蔵野の面影」を…

池内紀「雑司が谷 わが夢の町」(4)

中公新書2023『東京ひとり散歩』の「鬼子母神懐古――雑司ヶ谷」は、読むほどに「雑司が谷 わが夢の町」を下敷きに書かれたように感じるのだが、対比するとなると全文を抜くことになってしまうのでそれは控えて、最後に「雑司が谷 わが夢の町」の誤りを訂正し…

畑中幸子『南太平洋の環礁にて』(5)

・北杜夫『南太平洋ひるね旅』との関連(2) 『南太平洋ひるね旅』との関連と題して見ましたが、一応関連はしますが『南太平洋ひるね旅』に書かれなかったことの確認です。――既に2020年12月5日付(4)の段階で書くことは決まっていて、引用すべき箇所の見…

赤いマント(320)

・朝倉喬司『毒婦伝』(1) 朝倉喬司(1943.6.23~2010.11.30頃)が赤マント流言の起源を二・二六事件に結び付けようとしていることについては、2013年10月24日付(003)に見た通りなのですが、そこで考証したように、使用している資料『現代民話考』が流言…

赤いマント(319)

小松左京(1931.1.28~2011.7.26)は大阪府大阪市生れで兵庫県西宮市育ち、2019年7月10日付「赤いマント(198)」以来しばらく取り上げた、大阪府大阪市出身の黒田清(1931.2.15~2000.7.23)と同学年なので、自伝的な著作に何か赤マント流言についての記述…

赤いマント(318)

・小沢昭一の赤マント(3) それでは、4月5日付(316)に引用した《A》『わた史発掘 戦争を知っている子供たち』に小沢氏が列挙している、相生小学校時代(1936.4~1942.3)のことと思われる流行物について、ざっと確認して置こう。他の章・節に記述がある…

小沢昭一『わた史発掘』(4)

・蒲田区道塚町への転居 『わた史発掘』の「その十二 道塚篇」の4節め、①単行本182~183頁2行め②文春文庫版194頁14行め~195頁15行め③岩波現代文庫版205頁12行め~206頁17行め「道塚の想い出は暗い」に、①182頁14~17行め・改行位置「/」②195頁8~11行め・…

赤いマント(317)

・小沢昭一の赤マント(2) それでは、昨日の続きで4月4日付「小沢昭一『裏みちの花』(1)」に取り上げた『裏みちの花』にも見える「赤マント」への言及を見て置こう。 2章め「想い出の歌」の扉(頁付なし)をめくって1篇め「新開地育ち」。 《1》『裏み…

赤いマント(316)

・小沢昭一の赤マント(1) さて、しばらく小沢昭一の著述を眺めているのだけれども、それは、簡単ではあるが、赤マント流言に触れるところがあるからであった。――まづ、『わた史発掘 戦争を知っている子供たち』について見て置こう。 『わた史発掘』の諸本…

小沢昭一『裏みちの花』(1)

①単行本(文藝春秋・282頁・四六判上製本)裏みちの花作者:小沢 昭一文藝春秋Amazon・一九八九年八月三十日 第一刷・定価1262円 ・一九八九年八月 三 十 日 第一刷・一九九〇年九月二十五日 第三刷・定価1262円 カバーは第一刷と第三刷で同じ。異同は奥付の…

小松左京『やぶれかぶれ青春記』(6)

・諸本対照(2) ついでに①旺文社文庫版と④小松左京全集完全版34に附載されている、小松氏の友人たちの文章についても、章立てを見て置こう。――旺文社文庫は著者を良く知っている親類縁者や知友に、文章や談話を依頼していることが有難い。④がこれを採録し…

小松左京『やぶれかぶれ青春記』(5)

・諸本対照(1) それでは、前回までに紹介した諸本、3月29日付(1)に見た①旺文社文庫版、3月30日付(2)に見た②勁文社版、3月31日付(3)に見た④小松左京全集完全版34、4月1日付(4)に見た⑤新潮文庫を対照させて示して置こう。①②④の行数には注も含ん…

小松左京『やぶれかぶれ青春記』(4)

⑤新潮文庫11022『やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記』平成三十年十月一日発行・定価630円・395頁やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記 (新潮文庫)作者:左京, 小松発売日: 2018/09/28メディア: 文庫 編集の意図はカバー裏表紙右上の紹介文に、 『果しなき流…

小松左京『やぶれかぶれ青春記』(3)

④小松左京全集完全版34『恋愛博物館/人間博物館/やぶれかぶれ青春記』2009年5月31日第一刷発行・城西国際大学出版会・431頁・A5判仮フランス装 1頁(頁付なし)中扉、3~7頁「目次」3頁(頁付なし)扉、4~7頁は2段組(1段24行)で4~5頁上段8行め「恋愛博…

小松左京『やぶれかぶれ青春記』(2)

昨日の続き。 本作の初出は昭和44年(1969)の雑誌「螢雪時代」連載だが、他にも「螢雪時代」昭和46年5月号付録として、山藤章二のイラストで1冊に纏めたものがオークションサイトに上がっていた。版次としてはこれを⓪とすべきかも知れない。山藤氏のイラス…

小松左京『やぶれかぶれ青春記』(1)

①旺文社文庫『やぶれかぶれ青春記――他五編――』昭和52年7月1日 発 行・226頁・文庫判上製本やぶれかぶれ青春記 (旺文社文庫 66-1)作者:小松 左京メディア: 文庫 私の見た本は〔特製版〕すなわち上製本でカバーは掛かっていない。なお、同じ村上豊で別の装画…