瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

改版

北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(2)

・中公文庫(1)カバー 昨日の続きで、中公文庫版の②初版と③改版の比較。 カバー背表紙、青地に明朝体白抜きで、上部にやや大きく標題、中央やや下に著者名「北 杜夫」、下部にやや小さく「中公文庫」とあるのは共通。レーベル名の上、上下が半円形(1.6×0.…

北杜夫『どくとるマンボウ医局記』(1)

8月8日に投稿予定だったがしばらく後回しにしていた。 * * * * * * * * * * 7月20日付「elevator の墜落(3)」に、北杜夫が医局時代に聞いた怪談を吉行淳之介との対談『恐怖対談』から引用して、『どくとるマンボウ医局記』を参照すべきであろう…

吉行淳之介『贋食物誌』(4)

・新潮文庫2470(1) 八刷と十刷の比較。 本体、目録はそれぞれ13頁で、12頁めまでは3段組の目録「新潮文庫 日本の作品」で八刷は小林秀雄から渡辺淳一まで、最後は新潮社編『俳諧歳時記』(冬春夏秋)、十刷は椎名麟三から和辻哲郎まで。13頁めは「新潮文…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(103)

・青木純二『山の傳説』(6) さて、昨日までの本書の「晩秋の山の宿(白馬岳)」本文を、昭和3年(1928)7月の「サンデー毎日」に懸賞入選作として掲載された白銀冴太郎「深夜の客」との異同を指摘しつつ引用して見た。殆ど同文であることが明らかになった…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(102)

・青木純二『山の傳説』(5) 昨日の続きで、最後。 昨日引用した箇所は特に書き替えが少なかったが、ここもやはり若干手を入れている程度である。 家に歸つた主人は子供に向つて云つた。*1 『あの男は怖ろしい人殺しをしたやつだったが、俺ぁ不思議でなら…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(101)

・青木純二『山の傳説』(4) 一昨日からの続きだが、この辺りは特に書き換えが少ないようである。なお、傍点「ヽ」を打たれている文字は、ルビと同様に再現出来ないので仮に太字にして示した(「深夜の客」には傍点はないようだ)。106~109頁1行め、 『父…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(100)

・青木純二『山の傳説』(3) 昨日に続く場面を引用する。要領は昨日に同じ。102頁9行め~105頁、 飯の仕度をいそいでゐる主人はふと、奥の部屋で、八つになる男の子が、はげしく泣き出す聲/をきいた。*1 『これ、何を泣くんだ。』*2 子供のところへ飛んで…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(099)

・青木純二『山の傳説』(2) 前置きが長くなったが、「晩秋の山の宿」の本文を全文引用する。 なお、従来、本文の引用・比較に当たっては、2018年8月7日付(026)にように分割して検討して来た。しかしながら「晩秋の山の宿」の本文は「深夜の客」とほぼ同…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(098)

それでは、早速、杉村顕『信州百物語』の「蓮華温泉の怪話」が下敷きにした、と、断定して良いと思うのだけれども、その話と出典について確認して置こう。 ・青木純二『山の傳説 日本アルプス篇』(昭和五年七月 七 日印刷・昭和五年七月十七日發行・定價一…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(096)

・白銀冴太郎は杉村顕道に非ず(2) さて、問題の東雅夫 編『山怪実話大全』第三刷(二〇一七年一一月二五日 初版第一刷発行・二〇一八年 一 月二八日 初版第三刷発行・定価1200円・山と溪谷社・二三五頁)の追記だが、二二三~二三五頁「編者解説」の、昨…

武田百合子『ことばの食卓』(2)

昨日の続きで、諸版を対照して見ることとしたいが、まづ「牛乳」を例に取って、諸版の体裁を確認して置こう。 ①13頁(頁付なし)扉、上部中央に大きく「牛 乳」、14頁(頁付なし)白紙、15頁から本文で1頁14行、1行37字、15頁の本文冒頭、まづ5行分空白。16…

武田百合子『ことばの食卓』(1)

①単行本(A5判上製本)ことばの食卓作者: 武田百合子出版社/メーカー: 作品社発売日: 1984/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る・一九八四年一二月一〇日第一刷印刷・一九八四年一二月一五日第一刷発行・定価一二〇〇円・141…

遠藤周作「幽霊見参記」(15)

・吉行淳之介の解釈(2) この「幽霊見参記」の体験談については、他にも気付いたことはあるのだが、何だか続けようと云う気分にならないまま放置していた。 この体験自体は、本当に幽霊かどうかはともかく、幻覚であっても事実あったことなのであろう。――…

吉田秋生『櫻の園』(09)

・中原俊監督映画(4) ③の「main menu」画面は、右が濃いグラデーションの桃色地で文字は全て横組み、左にパッケージに使用されているB2判ポスター、その下に淡い桃色のゴシック体で英語の題「The Cherry Orchard」、ポスターの右に淡い灰色の明朝体で立体…

吉田秋生『櫻の園』(7)

来月、(と云うか、いつの間にか今週末になってしまったが)中原俊監督映画の Blu-ray 盤が発売される。櫻の園 [Blu-ray]出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント発売日: 2019/08/02メディア: Blu-rayこの商品を含むブログを見る この映画については…

吉行淳之介『贋食物誌』(3)

7月24日付(1)に引いた「あとがき」に拠ると連載は昭和48年(1973)12月11日から昭和49年(1974)4月10日まで100回、この間の日数は121日だから、年末年始と週1回くらい、休んでいる勘定になる。 山藤氏のイラストに注目すると、年記が「17・蟹(かに)③」…

吉行淳之介『贋食物誌』(2)

・吉行淳之介の誕生日(1) 吉行淳之介の年譜としては、当初、近所の市立図書館等で目にした次の本に載るものを参照していた。 ・新潮現代文学42『砂の上の植物群・夕暮まで』 昭和五十四年六月 十 日 印刷・昭和五十四年六月十五日 発行・定価一二〇〇円・…

吉行淳之介『贋食物誌』(1)

①単行本(新潮社・207頁・四六判上製本)贋食物誌 (1974年)作者: 吉行淳之介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1974メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る・昭和49年10月10日 印刷・昭和49年10月15日 発行・定価 七〇〇円 ②新潮文庫2470 贋食物誌 (197…

吉行淳之介『恐怖対談』(4)

昨日の続き。 ・『特別恐怖対談』(2) 最終回である10篇め「遠藤周作――メイ手vs.メイ人篇」単行本193~211頁・文庫版219~240頁、1頁め(頁付なし)は扉で横組みで大きく上部に単行本は中央、文庫版は左寄せで題、単行本はその下にゲスト名、文庫版は右寄…

吉行淳之介『恐怖対談』(3)

昨日の続きで、今回はシリーズ最終巻から「恐怖対談」について述べた箇所を抜き出して見よう。 ・『特別恐怖対談』(1) 吉行淳之介「あとがき」は単行本213頁・文庫版241頁、同文で字配りも同じである。2~12行め、 この本は「恐怖対談」シリーズPART…

吉行淳之介『恐怖対談』(2)

それでは、シリーズ最初の『恐怖対談』と最後の『特別恐怖対談』から、この「恐怖対談」が如何なるものであるかの記述を抜き出して見よう。 ・『恐怖対談』(1) 吉行淳之介「あとがき」は単行本(2刷)231頁・文庫版(二刷)266頁、同文で字配りも同じで…

吉行淳之介『恐怖対談』(1)

吉行淳之介(1924.4.13〜1994.7.26)の小説は、殆ど読んだことがない。有名作家の作品は他の人に任せて置けば良いと思っていたのと、題材にされている娼婦に興味も親しみも覚えないからである。落語の廓噺も好きではない。勉強のために聞いたので、大して面…

赤いマント(196)

・田辺聖子『私の大阪八景』(15) タヌキ先生⑦ 昨日の続きで、河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の、田辺氏との対談から、小学4年生時の回想を抜いて置こう。 1節め「人生のいちばん初め…

赤いマント(195)

・田辺聖子『私の大阪八景』(14) タヌキ先生⑥ 昨日書影を示した河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』の四六判並製本(光村図書出版)と四六判上製本(楡出版)の関係だが、頁数が一致するところから察せられるように、装幀が違うだけで本体はほぼ同…

赤いマント(194)

・田辺聖子『私の大阪八景』(13) タヌキ先生⑤ 昨日で『私の大阪八景』については一区切りにして、今日から新たに、大阪でやはり小学生時代にこの流言に接した人物の回想を取り上げる予定だったのだが、念のため「答案の回覧」について述べている本をもう1…

赤いマント(190)

・田辺聖子『私の大阪八景』(9) タヌキ先生④ 『田辺写真館が見た ”昭和” 』19章め「昭和の子供の夏休み」では、昨日の引用した箇所までで一旦中断して、195頁11~12行め、 ――このお話は前にもある所へ書いたことがあるけれども、この、一見、かしこそうな…

赤いマント(189)

・田辺聖子『私の大阪八景』(8) タヌキ先生③ 昨日の続きで、タヌキ先生のモデルと思われる先生の回想を、まづ『楽天少女 通ります 私の履歴書』から抜いて置こう。42頁4~12行め、 母は当然の如く教育ママであった。勉強のキライな小学生である私は、がみ…

赤いマント(183)

・田辺聖子『私の大阪八景』(2) 以前『田辺聖子全集』を見たとき、エッセイで赤マントに言及していたのを見付けたように記憶するのだが、僅かな記述で、どのように位置付けて良いか、記事にするには工夫が必要だったので保留にしていたことを忘れていた。…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(94)

・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(4) 一昨日からの、以下3点の比較の最後。 〔3〕子供の疑問 【A】「民話と文学の会かいほう」No.50(1987.7)大島広志「父の背中」 →『ピアスの白い糸』(1994.11)1…

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(93)

・TBSラジオ/東京RADIO CLUB 編『東京ミステリー/とっておきの怖い話』(3) 昨日からの、以下3点の比較の続き。 〔2〕事件 【A】「民話と文学の会かいほう」No.50(1987.7)大島広志「父の背中」 →『ピアスの白い糸』(1994.11)167頁2~3…