瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

水島新司『ドカベン』(35)

・鈴木則文監督『ドカベン』(25) これまで本作に関する記事は、8月下旬に見たときのメモを基本に、動画サイトに挙がっている特報・予告篇や断片、映画情報サイトやブログ等の記述を参考にして、さらには記憶(!)に頼って書いていたのだが、2箇月振りに再…

水島新司『ドカベン』(34)

・鈴木則文監督『ドカベン』(24) 9月20日付(09)に取り上げた【22】の12名のうち、『トラック野郎』シリーズの出演者として『映画『トラック野郎』大全集』に名前が見えるのは、北都智和のみである。テレビドラマデータベースには「北都 智和」としてある…

水島新司『ドカベン』(33)

・鈴木則文監督『ドカベン』(23) 昨日の続きで『映画『トラック野郎』大全集』によって『トラック野郎』シリーズに出演していることが確認出来る本作出演者について。 9月17日付(07)に取り上げた【18】の10名のうち3名、蓮見里美は第四作「初枝:」とし…

水島新司『ドカベン』(32)

・鈴木則文監督『ドカベン』(22) 10月13日付(24)に取り上げた『映画『トラック野郎』大全集』033〜133頁「『トラック野郎』全10作品完全解題」を見るに、それぞれの作品紹介はまづ最初の2頁にスチル写真、2頁め左上に黒地にゴシック体横組みで2列、左に…

3人のヤマンバ(1)

それはそれは楽しかった、と女子高講師時代について2015年8月9日付「吉田秋生『櫻の園』(1)」に書いたけれども、あの女子高はかなり特殊な環境だった。 それ以前にも私は共学高と男子高で教えたことがあったのだが、2つともかなり大変な学校だった。だか…

事故車の怪(5)

・常光徹 監修/中谷靖彦 絵『みたい! しりたい! しらべたい! 日本の都市伝説絵図鑑』全3巻(定価2,800円・ミネルヴァ書房・32頁・AB判上製本) ①現代の妖怪と都市伝説(2015年9月30日 初版第1刷発行)現代の妖怪と都市伝説 (みたい! しりたい! しらべたい…

幸田文『おとうと』(4)

・新潮文庫1815(2) 9月19日付(3)に、②③のカバーは同じ、と述べたが、その後、②の途中で改装されていたことが分かった。 ①三十六刷と②四十七刷を比較して見る。適宜現行のカバーが掛かっている②七十三刷とも比較する。 カバー表紙は同じ。藍色の布地の…

幸田文『父・こんなこと』(2)

・新潮文庫899(2) 昨日の続きで本体について、②三十九刷・五十七刷・五十八刷の比較。 193頁まで一致。 目録は14頁、最後に「新潮文庫最新刊」が三十九刷は2頁、五十七刷・五十八刷は3頁。 三十九刷と五十七刷の異同、1頁め、三十九刷は「富士川英郎訳 リ…

幸田文『父・こんなこと』(1)

・新潮文庫899(1) ①昭和三十年十二月二十五日発行父・こんなこと (1955年) (新潮文庫)作者: 幸田文出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1955メディア: 文庫この商品を含むブログを見る②昭和四十二年六月十日十四刷改版(193頁) ・昭和五十七年十月三十日三十…

水島新司『ドカベン』(31)

・山田の家の住所 畳の営業のためにサチ子が持っているプラカード(文庫版⑦21頁3コマめ*1)に、縦書きで「タタミの/ご注文は/一流の腕の/山田へ /――幸町三丁目二十七」と書いた紙*2を鋲で四隅を止めている。 10月14日付(25)に見た、映画に出て来る「幸…

樋口尚文編著『「昭和」の子役』(1)

・樋口尚文編著『「昭和」の子役 もうひとつの日本映画史』二〇一七年八月一五日初版第一刷発行・定価2,800円・国書刊行会・381頁・四六判上製本 本書には刊行前の8月8日付「松本清張『砂の器』(6)」に言及し、書影も貼付した。――目下検討中の『ドカベン』…

水島新司『ドカベン』(30)

・殿馬のピアノ(1) 原作では、野球部の再建に立ち上がった岩鬼に、部員の勧誘を命じられた山田がサチ子と校内を回り、山田が生徒会室に連れ込まれて大河内生徒会長に注意されている間に、サチ子が殿馬を勧誘するのだが、全くの素人と云った風情であった(…

水島新司『ドカベン』(29)

原作は、今になって読むと突っ込みどころ満載なのだが、もう今更訂正のしようがない、と云うか、訂正レベルでは済まない辻褄の合わない箇所が少なくない。――今回は、そこまでではないが、引っ掛かった点を幾つか挙げて置く。 ・東郷学園対鷹丘中の試合*1 文…

水島新司『ドカベン』(28)

・小林の無失点記録 昨日の続きで、東郷学園と鷹丘中の対戦の続きを見て置こう*1。 ――なんとか1回表を4点で凌いで、いよいよ1回裏、鷹丘中の攻撃で、小林投手が登板する。 スタンドでは、小林の父の、恰幅の良い社長が、左に社員、右に娘の稔子を従えて座っ…

水島新司『ドカベン』(27)

・東郷学園の1番バッターと6番バッター 山田の鷹丘中と対戦することになった東郷学園中野球部では*1、主将の小林の指示の下、部員が皆バテてしまうような特訓を始める(文庫版⑤233〜236頁)。部員の福本たちが「や……やりすぎの特訓だぜ」と文句を言っている…

手塚治虫『ブラック・ジャック』(8)

10月4日付(6)の続き。 原作の館与理子は犯人のことを好きだった。角膜に焼き付いた青年の立ち姿から、恐らくそのように解釈して、映画の楯与理子は犯人の風間史郎と愛し合っていた設定にした。楯与理子は陶酔の中で絞殺されるので「殺される瞬間に見た光…

水島新司『ドカベン』(26)

・鈴木則文監督『ドカベン』(21) そうすると、8月24日付(01)に紹介した冒頭の書店のシーン、現在は仕舞た屋で営業しておらず、看板なども掲げていないが、豊島区雑司ヶ谷3丁目16番の分岐で、左は商店街(鬼子母神通り商店睦会)、右が昭和15年(1940)4…

水島新司『ドカベン』(25)

・鈴木則文監督『ドカベン』(20) 今回は映画の一場面のロケ地について確認して置く。 原作では、岩鬼が山田の住む長屋を初めて訪ねるのは、母親や兄たちの言い付けを破って、長兄の婚約者・影丸亜希子の弟・隼人と柔道の試合で対戦し、負傷させてしまった…

水島新司『ドカベン』(24)

・鈴木則文監督『ドカベン』(19) 10月11日付(22)の続き。 この映画には続編は作れない、と私は思っていた。 まづ、設定と登場人物の問題。 この映画は、中学時代のことを明訓高校の、しかも2年生のときのこととして作っている。 登場するライバルは、原…

水島新司『ドカベン』(23)

・理事長の名前 私は長島や、朝日奈アッコにこだわり過ぎているかも知れぬ。 長島は、続編に登場するのかどうか、読んでいないので確かめていないが、本編の最後に1度だけ、ちらっと登場する。すなわち、9回裏に山田の逆転満塁ホームランで選抜二年連続優勝…

水島新司『ドカベン』(22)

・鈴木則文監督『ドカベン』(18) 映画では、長島は故障していない。県大会の直後に敗戦の責任を取って退部したところ、他の部員たちも辞めてしまう。そこで生徒会では「緊急生徒会議題/野球部再建の件」なる生徒会役員の集まりを開いて、長島を説得する。…

水島新司『ドカベン』(21)

・長島の故障と転校未遂 昨日の続きだが、今回も映画に全く言及しないので見出しを変えた*1。 * * * * * * * * * * 原作に於ける長島の転校に関する件、――長島の「いい思い出ができたよ」との台詞と、球威のなさに驚いた山田が、その後、柔道部に…

水島新司『ドカベン』(20)

・鈴木則文監督『ドカベン』(17) 昨日の続き。 原作では山田が鷹丘中野球部に入って野球を再開する切っ掛けとして、転校前に野球をやっていた時期のライバル小林真司と、その妹・稔子を登場させる。そしてこれに伴って人物相関図的に小林稔子とポジション…

水島新司『ドカベン』(19)

・消えたヒロイン 昨日の続きだが、今回は映画に全く言及しないので見出しを変えた*1。 * * * * * * * * * * 原作に朝日奈アッコが姿を見せなくなった頃、入れ替わるように登場するのが小林稔子(としこ)である。 山田は鷹丘中に転校する前*2「SE…

水島新司『ドカベン』(18)

・鈴木則文監督『ドカベン』(16) 映画のヒロインは朝日奈麗子(山本由香利)と云う名前だが、原作ではフルネームでは呼ばれていない。しかし「麗子」ではないらしい。では何と云う名前かと云うに、――山田の「八百長」について大河内生徒会長に意見しようと…

水島新司『ドカベン』(17)

・鈴木則文監督『ドカベン』(15) 原作と映画での影丸・賀間との関わり方の違いは、映画を再見する機会を得てから改めて詳述するつもりだけれども、1点だけ触れて置きたい。 9月27日付(15)に触れたように、車に轢かれそうになったサチ子を助けるのが、原…

手塚治虫『ブラック・ジャック』(7)

・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(7) ここで映画の出演者の年齢を確認して置こう。 主役の小森千晶を演じた片平なぎさ(1959.7.12生)は公開当時18歳。 チーム&ルーム・メイト南部京子を演じた志穂美悦子(1955.10.29生)は公開当時22歳。映画では同学…

手塚治虫『ブラック・ジャック』(6)

・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(6) 「殺される瞬間に見た光景」が「焼き付いた」ならば、それに類する経験をした人物が苦しめられるPTSDと同じような、――すなわち、殺人犯の一部には殺害の光景が、そして殺人未遂の被害者には襲われたときの光景が不意…

手塚治虫『ブラック・ジャック』(5)

・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(5) 映画の楯与理子(ハニー・レーヌ)は、パリ留学中に、やはり留学中のピアニスト風間史郎(峰岸徹)に出会い、同棲する。しかし史郎の愛に圧迫感を感じていたところに、たまたま日本の実家から(史郎の存在を知らずに…

手塚治虫『ブラック・ジャック』(4)

・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(4) 映画では自分の愛する女性を傷つけてしまった男性が、回復のために奔走した結果、ブラック・ジャックに逢着するのだが、原作ではこの辺りの経緯が曖昧である。 ただの角膜白斑なら普通に眼科を受診して手術を受けれ…