2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧
昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(33)「四」① 83頁6行め~100頁3行め「四 ハーンの「雪女」を読む」は、遠田氏の「雪女」読解である。――私には「雪女」をどう読むか、と云ったところまで先行研究を辿り直して検討するだけの準備は出来ていないの…
昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(32)「三」4節め 「三 怪談作家ハーンの誕生」の最後、4節め、79頁14行め~83頁5行め「ハーンと国語教科書」で、遠田氏は検定と云う制約のある国語教科書で、ハーンの作品がどの程度採用されているのか、確認し…
昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(31)「三」2~3節め 「三 怪談作家ハーンの誕生」の72頁14行め~74頁8行め、2節め「『怪談』の童話化」から、遠田氏は「戦後のハーンの児童向け出版物」の系譜を辿り始める。まづ「もっとも早く「怪談」を収めた…
・遠田勝『〈転生〉する物語』(30)「三」1節め 私の興味は白馬岳の雪女がどのように展開したのか、より正確に辿ることにあるので、松谷みよ子とその「民話」を検討した「二 ハーンと「民話」の世界」は、殆ど素通りしてしまった。松谷氏の再話については、…
・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」 今週、仕事の方で何ヶ月か前にやった作業を久し振りにやって見たのだが、吃驚するくらい、捗らなかった。機械が新しくなったと云うこともある。それと同じで、遠田氏の本の検討も「一」とこれに関連する「二」の1…
・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」2~6節め 10月14日付(067)にて『信濃の民話』の典拠表示について問題にしているところを引き、10月15日付(068)からは本書を離れて「信濃の民話」編集委員会について確認するため『信濃の民話』について一通り確…
・信濃叢書『信濃昔話集』(3) 昨日再説した【41】まま子と苺の実〔下伊那郡〕については、2016年2月1日付「大島廣志『民話――伝承の現実』(1)」以来度々触れている大島廣志の論文集『民話――伝承の現実』の1章め、9~89頁に「伝承の近代」として小泉八雲…
・信濃叢書『信濃昔話集』(2) 本書に「採集 牧内武司」として見えている話の典拠と思しき牧内武司の著書だが、昨日述べたように10月20日付(08)に見た伊那民俗研究會 編『伊那民俗叢書 第二輯 昔ばなし』と共通する話が少なくないようだ。――もちろん『昔…
昨日の続きで、今回は5つの地域全てについて話を提供したことになっている牧内武司について、確認して置こう。 牧内氏には次の著書があった。書名からして全県下を覆っているはずである。 ・信濃叢書『信濃昔話集』昭和十四年九月一日印行・昭和十四年九月五…
ここで「信濃の民話」編集委員会について改めて見て置こう。 瀬川拓男・松谷みよ子夫婦は編者で、再話を担当している。 瀬川氏は【1】及び【9】【17】【24】【25】【27】【33】【46】の8話を担当、そうすると松谷氏は「わらべうた」を除く50話のうち42話を担…
昨日の続きで最後、5章めを①上製本(初版)第一刷にて見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 259頁(頁付なし)中央上部に大きく「木 曾 路」。260頁(頁付なし)は左下に「西筑摩郡」。2012年11月30日付「泉鏡花『高野聖』の文庫本(4)」の…
昨日の続きで、①上製本(初版)第一刷の、4章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 207頁(頁付なし)中央上部に大きく「諏訪湖・伊那谷」。208頁(頁付なし)は左下に「諏 訪 郡 諏 訪 市 岡 谷 市 上伊那郡/下伊那郡 駒ヶ根市 飯 田 …
一昨日からの続きで、①上製本(初版)第一刷の、3章めを見て行くこととする。要領は10月17日付(05)に同じ。 139頁(頁付なし)中央上部に大きく「安曇野・筑摩の里*1」。140頁(頁付なし)は左下に「北安曇郡 南安曇郡 大 町 市/東筑摩郡 松 本 市」。 【…
昨日の続きで、①上製本(初版)第一刷の、2章めを見て行くこととする。要領は昨日に同じ。 91頁(頁付なし)中央上部に大きく「塩田平・佐久平」。92頁(頁付なし)は左下に「小 県 郡 北佐久郡 南佐久郡/小 諸 市 上 田 市*1」。 【16】鯨の夫婦〔南佐久郡…
昨日の続きで、2019年12月20日付(1)に挙げた諸本のうち①上製本(初版)第一刷にて、細目を見て行くこととする。 番号は打たれていないが、整理の便宜のため仮に【 】に番号を附した。まづ3行取り3字下げでやや大きく題、その下に小さく〔 〕に地域を入れ…
昨日の続きで、2019年12月20日付(1)に挙げた諸本のうち①上製本(初版)第一刷にて、内容を見て置こう。排列であるが「はしがき」の昨日引用した箇所に続いて、2頁16~18行め、 次に地域のわけ方については、長野県は、もともと、人文地理的にも自然地理的…
昨日の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(29)「二」1節め② 確かに、牧野陽子のように「白馬岳の雪女」はハーン「雪女」に基づくもので、原話などではない、と思っていたとしても、前回引用したように『信濃の民話』に載る「雪女」の最後に「採集 村沢武…
9月11日付(044)の続き。 ・遠田勝『〈転生〉する物語』(28)「二」1節め① 47頁7行め、3行取り2字下げでやや大きく「二 ハーンと「民話」の世界」とある。ここから68頁までが「二」章である。 しかし、実は「二」章なのか不安があって、――「一」章の最後の…
さて、5月23日付「杉村恒『明治を伝えた手』(5)」に見たように、杉村恒『明治を伝えた手』の解説「職人の世界」に、江戸ッ子東魂会に触れたところがある。 170頁12行め~172頁10行め、 江戸っ子東魂会 能美金之助氏は荒川区東尾久に住んでいる。十五年前…
昨日の続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について①単行本と②岩波現代文庫の比較。肝腎なところは既に済ませてしまったが。 ①147頁の裏、奥付の前の頁は下部中央に縦組みで、まず太字でやや大きく「近藤ようこ」とあって、 一九五七年新潟市生まれ。漫画家…
昨日の続きで近藤ようこの漫画の①単行本と②岩波現代文庫版を比較しつつ、今回は145~147頁「あとがき」について見て置こう。 145頁(頁付なし)上部中央に小さく「あとがき」とあるのは同じだが組み直されている。146~147頁見開きもレイアウトは同じだがや…
一昨日からの続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について。 ①の見返し(遊紙)は獣皮風のエンボスの紫色の紙。なお本体表紙は淡い紫色に細かく「十」字の入った楯のような模様を散らした柄になっている。文字等はカバーが外せないので良く見えない。扉はや…
昨日の続きで、近藤ようこの漫画『夢十夜』について。 ①A5判の単行本が②A6判の文庫判になっているのだから紙の大きさは半分、しかし余白を狭くするなどして画面はそこまで縮小していない。 カバー表紙は、前回貼付した書影に見る通り、人物や標題の配置を変…
近藤ようこ(1957.5.11生)の漫画は、当ブログでも2015年7月下旬に『説経 小栗判官』を6回にわたって取り上げた。本作の「近藤ようこ*漫画/夏目漱石*原作」の漫画が存在することは知っていたが、文庫版まで出ているとは知らなかった。 ②岩波現代文庫 文芸…
・『日本昔話通観●第11巻/富山・石川・福井』(2) 昨日抜いた稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』の「234 雪女房」に「11―○139」とあった。そこで本書の「目次」を見るvii頁中段6行めに「139 雪女 275」とある。275頁下段~277頁…
・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(4) 昨日の続きで345頁上段16行め「234 雪女房」を見て置こう。17行め~下段7行め、 ①男が山で白い人影に出会うと、人影は、私のことを/【上】他言するな、と告げて消える。〔C 420.2,Z 139…
・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(3) 昨日の続きで、橘正典『雪女の悲しみ』の示唆により「日本昔話タイプ・インデックス」より雪女関連の話を見て行くこととする。 345頁上段5行め「233 しがま女房」と、上段16行め「234 雪…
・稲田浩二『日本昔話通観●第28巻/昔話タイプ・インデックス』(2) 橘正典『雪女の悲しみ』の確認のために借りたのだけれども、次の作業にも絡むし、再々借り出す訳にも行かぬので、差当り関係しそうな箇所を抜いて置くこととしよう。 前回引いた「315 雪…
・橘正典『雪女の悲しみ』(4) 昨日の続きで「結 び――『雪女』――」で「民話」との関連について述べた箇所を、全て引くと長くなるので摘記して置く。 9月30日付(59)に引いた牧野陽子の紹介にあるように、この章では冒頭、129頁2~3行め、 雪女にまつわる…
一昨日からの続き。 ・橘正典『雪女の悲しみ』(3) 昨日は、目録・データベース類の誤りと、本書執筆の背景を見ただけで終わってしまった。 さて、表題作となっている「雪女の悲しみ/ ――ラフカディオ・ハーン『怪談』考――」だけれども、昨日示した『富山…