2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧
岡本綺堂「木曾の旅人」は「蓮華温泉の怪話」と関連があるのではあるまいか。 このような見解は、2011年1月8日付(04)で見た『異妖の怪談集(岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二)』(1999年7月2日第1刷・定価1600円・原書房・249頁)243〜249頁、加門七海「解説」…
昨日の続き。 ・中公文庫(2) ところで、『近代異妖篇』の他に「附録」として2篇が収録されるが、うち1つめ、253〜259頁「雨夜の怪談」は7話の怪異談を紹介するが、その「五」が木曾のえてものの話である。「木曾の怪物」と「木曾の旅人」の導入部と、3つ…
昨日書影を貼った中田薫『廃墟探訪』だが、特に参照するつもりもなかったのだが、今日、何となく立ち寄った図書館でふと思い出して検索してみるに、中田氏の著書のうち『廃墟探訪』だけが所蔵されていた。従って、中田氏の記述については後日改めて別冊宝島4…
昨日の続きだけれども『怪談 FINAL EDITION』とは完全に離れてしまうので題を改める。 書影は昨日の記事に貼って置いた。 別冊宝島「現代怪奇解体新書」に掲載される、中田薫の廃墟探訪記「日本中の廃墟を巡った男が出会った恐怖」は、埼玉県北部に存在した…
昨日の続きで、第十話「侑子」に関連して『四谷怪談』に載る、恐らく同じ話の、確認の続き。 このユウコの友人の自殺について小池氏は、ユウコに会ったとき、160頁16行め「何か語りづらい事情」があるらしく、それで161頁5〜6行め「屈託のなさ」を「わざとら…
昨日の続きで、第十話「侑子」の続き。 『幽霊物件案内』と『怪談』は怪異現象など展開もほぼ同じで、引きこもりになって骨と皮に変貌したユウコに会った人物が知人本人なのかどうか、それからさらにその後、東電OL殺人事件後に小池氏がユウコに会ったかど…
第十話「侑子」の続き。 『幽霊物件案内』では11頁16〜17行め「彼女のことを再び思い出したのは、平成九年に渋/谷のアパートで、東京電力のOLが殺される事件があったとき」のことで、それは12頁3〜4行め「謎に満ちているOL殺しが、ユウコの話の後日談と…
・角川文庫1227(1) 【五版】昭和四十一年三月二十日初版發行・昭和四十一年十二月三十日五版發行・定價百圓・199頁 【改版二十九版】昭和四十一年三月二十日初版発行・昭和四十二年十月二十日八版発行・昭和五十七年十月三十日改版二十九版発行・定価300…
廣島縣立第一高等女學校一年六組の森脇瑤子の日記をもとに、内館牧子脚本のアニメで当時の少女たちの日々を再現し、高齢になった遺族の談話を織り込んでまとめたドキュメンタリー*1。 「NHK平和アーカイブス」の「番組ライブラリー」に NHK特集 夏服の少女た…
一昨日からの続きで、第十話「侑子」について。 ホテルでのユウコの体験は、『幽霊物件案内』と『怪談』はほぼ同じであるが、細かいところが違う。すなわち、ユウコが彼氏とこのホテルの2階の部屋に入ったというのは同じ。『幽霊物件案内』は11頁7行め「休ん…
第十話「侑子」の続き。 まず、ユウコに接触した事情だが『怪談』は簡潔に次のようにまとめている(32頁10〜12行め)。 あのホテルは、かつて火事で全焼し、身元不明の女性客が死んでいる。営業再開後に幽霊の噂/がたつのは時間の問題だった。その取材が目…
第十話「侑子」31〜32頁 この話は、4月10日付「小池壮彦『幽霊物件案内』(1)」で取り上げた『幽霊物件案内』の第一章「ホテル/泊まってはいけない! 」の冒頭(11頁〜12頁11行め)に「「あの話はしない方が……」」という思わせぶりな題で掲載され、その後、…
・新潮文庫49(4) 昨日の続きで、本体の異同について。 「文字づかいについて」は②六十三刷にあったものを若干書き改めたものが③の諸刷には入る。2011年3月20日付「森鴎外『雁』の文庫本(5)」で見た、新潮文庫46『雁』六十一刷と九十三刷の異同に同じ。…
・新潮文庫49(3) カバーについて、私の見たものでは②六十三刷から③九十二刷まで、④九十三刷改版で改装されるまでが、標題が左上に配された川田氏の表紙であった。 カバー表紙折返し、右下に明朝体縦組みで「カバー 川田 幹」とあるのは共通。②六十三刷は…
・ちくま日本文学全集035 一九九二年七月二〇日第一刷発行 定価971円ちくま日本文学全集 (35) 寺田寅彦作者: 寺田寅彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1992/07メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る・ちくま日本文学034 二〇〇九…
・角川文庫2241(1) 【四十一版】昭和三十九年一月二十日初版発行・昭和五十六年十月三十日四十一版発行・定価220円・202頁 【五十版】昭和三十九年一月二十日初版発行・昭和五十九年二月二十日五十版発行・定価220円・202頁 カバーは一致。この伊藤憲治の…
・角川文庫6369(2) 初めは五版・十五版・三十六版の3つを並べて異同を確認していたのだが、前回6月5日付(1)投稿前に十四版を、その後四十三版・四十五版を見た。 【四十三版】昭和六十一年三月十日初版発行・平成十四年五月二十五日四十三版発行・定価…
・講談社文庫(1) 初版も見ているのだがまず新装版から始める。 ・新装版 新装版 大奥婦女記 (講談社文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/12/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る・1999年12月1…
昨日の続きで単行本と文庫版初版の比較。 単行本の見返しは黄土色で、表紙見返しの左(遊紙)上部に北北東を上にした伊豆大島の略地図(8.6×10.1cm)その左下に東京湾・伊豆大島・伊豆半島の略地図(3.2×3.5cm)。この地図は文庫版には収録されていない。 扉…
5月20日付(1)で角川文庫9195の初版と再版についてメモした。今度は単行本と文庫版初版を比較して見る。 ・単行本(平成四年四月三十日初版発行・定価1359円・角川書店・233頁・四六判上製本)*1 カバーは飛行機から撮影したらしき雲海で、表紙の左方奥に…
・角川文庫3335 昨日の続き。 カバー裏表紙は白地、上部に1行「ISBN4-04-122728-3 C0193 P350E 定価350円」とあり定価の下に若干小さく「(本体340円)」とある。このISBNコードは四十五版に一致、四十五版のバーコード1つめは最初に「978」があり下1桁が「2」…
・角川文庫3335 2012年9月7日付(1)と2012年9月8日付(2)に、初版(角川文庫3335)の四十五版(平成八年八月三十日四十五版発行・定価420円)を、改版(角川文庫13545)の八版と比較しつつ紹介した。聞かなかった場所 (角川文庫 緑 227-28)作者: 松本清…
2012年4月20日付(1)で取り上げた、新美南吉の日記に関連して、その後気付いたことどもを挙げて置く。今回は「終電車の幽霊」の話ではないのだが、補足ということで、追記として差込むのも手間なので(4)にして置く。 まず、2012年4月21日付(2)に、『…
・新潮文庫49(2) まずは昨日後回しにした②六十三刷のカバー裏表紙について。右上に明朝体横組み11行(1行16字)の紹介文、その上下に9.3cmの横線、その間は6.6cm。これは③七十三刷も同じ。左上は余白でバーコードはない。下の横線の下、中央に葡萄のマー…
・新潮文庫49(1) ①昭和二十三年十二月十五日発行 ②昭和四十三年三月三十日三十二刷改版(214頁) ・昭和五十二年十一月十五日四十八刷 ¥ 160*1 ・昭和五十四年二月十五日五十二刷 定価200円青年 (新潮文庫)作者: 森鴎外出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1…
・角川文庫6369(1) 葡萄が目にしみる (角川文庫)作者: 林真理子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1986/03/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 15回この商品を含むブログ (20件) を見る 林氏の著作は読んだことがないのだが、カバーが違うので比べて見…
・角川文庫3606(2) 6月2日(1)の続き。 Amazon詳細ページでは「MATSUMOTO SEICHO COLLECTION」のカバー表紙と表紙折返し・裏表紙の紹介文、伊藤憲治のカバー表紙を閲覧出来る。また、なか見!検索では五十三版(平成二十年五月十日五十三版発行)のカバ…
・角川文庫7827(1) 平成二年五月二十五日初版発行(455頁)数の風景 (角川文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1990/05/01メディア: 文庫この商品を含むブログを見る平成九年七月二十日二十二版発行・定価660円 平成十五年二月十日二十…
・角川文庫3606(1) 【初版】昭和五十一年一月十日初版発行(375頁) 【十一版】昭和五十五年五月三十日十一版発行・¥380山峡の章 (角川文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 1975/12/23メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商…
「ミだれ髪」としたけれどもこの「ミ」は片仮名のつもりではないので、普通は「みだれ髪」としている。けれども、それでは何となく雰囲気が出ないような気がして、藤島武二の装画に似せて「ミだれ髪」としてみた。深い意味や主張はない。初版本1頁の内題は「…