2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧
・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(2) 昨日の続き。 9月15日に新文芸坐で見た。目的は本作よりも『HOUSE/ハウス』の方で、私は常光徹等の『学校の怪談』がブームになる以前から学校の怪談に注目して聞書きなどをしており、小学校入学前の映画なので…
・大林宣彦監督『瞳の中の訪問者』(1) 昭和52年(1977)11月26日公開。瞳の中の訪問者 デラックス版 [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2003/08/22メディア: DVD クリック: 15回この商品を含むブログ (7件) を見る瞳の中の訪問…
・鈴木則文監督『ドカベン』(14) 昨日の続き。 花園学院との団体戦(文庫版②50〜63頁)で、副将を務めた山田は、相手の副将・麻島を持ち上げてしまう。原作では丹下が「投げろ山田!!」と声を掛けるが山田は動かない。丹下は「山田 どうして投げぬ/そのま…
・鈴木則文監督『ドカベン』(13) 丹下は映画では「複雑怪奇骨折」させられた後は登場しない*1が、原作では柔道部に留まっていて、登場人物の心境について解説的な感慨や台詞を口にするなど、隻眼だが真実を見抜く眼力を持っており、大会の対戦校の情報を伝…
・鈴木則文監督『ドカベン』(12) やはり映画本編と付き合わせないとうろ覚えのところも多いので何とも不安だが、なかなかそこまでやって検討する余裕がない。――それでも、ざっとメモして置く。 山田は柔道部に入るのだが、その切っ掛けは雨の中、柔道部退…
・鈴木則文監督『ドカベン』(11) 9月23日付(12)の続きで、原作と映画について、ざっと比較して置く。但し映画を再見する機を得ていないので、記憶に拠っている。従って、先月見た折にメモした内容以外の細部には及ばないことにした。 運動部員たちと岩鬼…
・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(14) 物語や歌舞伎などの登場人物に、その性格や役柄を被せたような名前を付けて、読者や観客に細かく説明せずに、いえ場合によっては名前の印象だけで性格や役柄の見当を付けさせる、と云う手法があって、…
・鈴木則文監督『ドカベン』(10) 一昨日までオープニングにクレジットされる出演者について見て来たが、まづはこれに続く、岩鬼正美(高品正広)と他の運動部員たちとの乱闘シーンについて。 ここで私が注目したのは、――黒帯の空手部員が掛け声とともに仁…
・秋田文庫(1) 以下本編について、現在映画を見直すことが出来ないが、見たときにメモして置いた点について順次挙げて行こうと思ったのだが、映画を見返すことが出来ない上に、原作も参照出来ないようでは、映画の内容に限って論じるとしても、何とも不安…
・鈴木則文監督『ドカベン』(9) 昨日の続きで、オープニングの最後まで。 【23】青地「じっちゃん/吉田義夫/校 医/南 利明」白球を打ち返す山田「教 師/佐藤蛾次郎/岩鬼の父/小松方正」 ここから再び主要な役が並ぶ。 吉田義夫(1911.1.3〜1986.12.…
・鈴木則文監督『ドカベン』(8) 9月18日付(08)の続きで、出演者について。 【21】赤地にスライディングをブロックする山田(単行本⑨のカバー絵) 【22】青地「徳田雅之/高木哲也/芹澤秀史/地濃義昭/渋木克昌/鈴木孝英/伊東ひろみ/黒野恭子/杉本…
8月14日付(1)及び8月15日付(2)の続きで、原作について。 ・新潮文庫1815(1) ①昭和四十三年三月三十日発行(223頁)*1 ・昭和六十年八月二十日三十三刷 定価280円*2 ・昭和六十一年十月三十日三十六刷 定価280円*3 ②平成三年二月十日四十三刷改版(2…
・鈴木則文監督『ドカベン』(7) 昨日の続きで、出演者について。 【20】黄緑地「千葉智彦/飯塚仁樹/勝 光徳/八木徳之/小貫千恵子/福岡康祐/渡辺義文/溜 健二/佐藤 昇/佐川二郎/吉沢高明/山浦 栄」 千葉智彦は「山口」役、他に映画・TVドラマへ…
・鈴木則文監督『ドカベン』(6) 昨日の続きで、出演者について。 【18】黄緑地「貝之瀬一夫/田口和政/大泉公孝/水島慶司郎/竹内えみ子/蓮見里美/松香由美/高野明彦/森 祐介/高橋利通」*1 貝ノ瀬一夫は花園学院柔道部の次鋒「白目」役。映画に昭…
・鈴木則文監督『ドカベン』(5) 9月1日付(5)の続きで、出演者について。 【16】青地「中田博久/高月 忠/城 春樹/宮地謙吾/大蔵 晶/川口裕子/谷本小代子/田辺節子/遠藤 薫」 中田博久(1943.3.9生)は「河村」役で撮影開始時に満33歳。 高月忠…
9月13日付(4)の続き。 上製本『映画風土記』にのみ収録される「記者座談会」の6回めを、202頁から204頁まで、としたのだが、――確かに座談会形式になっているのは204頁までなのだけれども、続く205頁には作家・映画通・映画監督・女優の計4人のコメントが…
・青春BEST文庫『笑いの缶詰本――噂のうわさ ウソのような本当の話 無責任な流言飛語にみんな大混乱! 』 1991年6月5日第1刷・定価447円・青春出版社・254頁笑いの缶詰本 噂のうわさウソのような本当の話―無責任な流言飛語にみんな大混乱! (青春BEST文庫)作者…
昨日の続き。 9月11日付(2)に引いた、文庫版「あとがき」211頁4〜13行めが、上製本の当該箇所・4頁1〜3行めに比して具体的になっていると述べたが、これは上製本4頁3〜4行めに「連載中、二カ月ごとに一回、取材の裏話を記者座談会のスタイルで紙面にのせ…
昨日からの上製本『映画風土記』の「まえがき」と文庫版『日本シネマ紀行』の「あとがき」の比較の続き。 上製本4頁7〜16行め、 執筆に当たったのは、当時、名古屋社会部と愛知、三重、岐阜県下の支局、通信局に在任し/た次の記者たちです。 井上隆生、菊地…
8月28日付(1)の続きで、【上製本】朝日新聞名古屋本社社会部『映画風土記』と【文庫版】現代教養文庫1492『日本シネマ紀行』の比較。 由来は上製本3〜5頁「まえがき」、文庫版211〜212頁「あとがき」に説明されている。 上製本から見て置こう。3頁2〜7行…
昨日の続き。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(13) 3月3日、雛の節句の宴で、ご隠居さまから影尾医師と静音の婚約が発表されたとき、375頁7コマめと8コマめに弥生を見詰める静音の表情が詳細に描写され、特に8コマめ、目に、愁いと云うか…
昨日の続き。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(12) この、常軌を逸した梨本家存続計画は、3月2日のシズオの言動から察せられるばかりではありません。3月5日、弥生が梨本家を離れるに当たって、別れ際に影尾医師からも説明されています。3…
昨日の続き。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(11) しかしながら、この祖母の計略は不首尾に終わります。――3月2日の夜、弥生の寝ていた部屋にいつの間にか入り込んでいたシズオは、初めは吃驚していたもののシズオと気付くや親しげにお喋…
昨日の続き。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(10) さて、一人娘の死亡により追い詰められた静音の祖母は、梨本家の存続のため、恐るべき計略を巡らすのです。――娘の遺した男児が血友病であるかどうか、可能性は半々のはずなのですが、初…
昨日の続き。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(9) Victoria女王に由来する血友病は第「IV」世代で絶えたようだと書きましたが、女系で保因者が続いている可能性はあります。子孫の男児に血友病患者が出ない限り、血友病の遺伝子が継承さ…
一昨日からの続きで、380頁1コマめの系図の、最後の世代について。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(8) 第「Ⅳ」世代は、まづ「III−3」の子供が■■と血友病の息子2人となっていますが、実際には長男 Waldemar(1889.3.20〜1945.5.2)と、…
昨日の続きで、380頁1コマめのVictoria女王に由来するヨーロッパ各国王室の血友病の系図について。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(7) 第「Ⅱ」世代に示される、アルバート・ヴィクトリア夫妻の子供は●2・□3「Ⅱ−3 英国エドワード3世…
8月29日付(5)の最後に断ったように、以下、本作の重要な問題点について検討します。所謂“ネタバレ”になりますので、新鮮な気持ちで本作を読みたいと思っている人は読まないようにして下さい。 ・山岸凉子スペシャルセレクションIX『鬼子母神』(6) 梨本…
2014年5月15日付(6)から随分間が空いてしまった。 本書の諸本については2011年10月24日付(1)に、それまでに4種の版が刊行されていることを紹介した。 当時、掲出出来なかった書影が示せるようになっていたので貼付して置く。 ①上製本(初版) 八丈島の…
・鈴木則文監督『ドカベン』(4) 昨日の続き。 【14】黒地 鷹丘中学柔道部の大会出場の5人と学ランに松葉杖のメガネ(単行本①のカバー絵)*1 以下、現在も俳優として活動している人は少ない(子役としての活動に止まる人物も多い)ようで、当時の文献を漁…