瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

予告篇

成瀬巳喜男監督『女の中にいる他人』(4)

昨日、映画『女の中にいる他人』で、妻を殺された杉本(三橋達也)が、犯人が親友の田代(小林桂樹)だと気付いてからも通報しなかった理由を、再見していないこともあって想像を交えてつらつら考えて、と云うか、妄想して見た。その続き。 一方、親友・杉本…

水上勉『湖の琴』(2)

昨日の続き。 ・田坂具隆監督『湖の琴』(2) 二代目中村鴈治郎は、坊主でありながら『破戒』で藤村志保(1939.1.3生)を襲ったり『炎上』で芸者遊びをしたり(ともに市川崑監督)していたのと比べてしまったので、関係を結ぶまで随分我慢している(!)印…

幸田文『おとうと』(1)

女子高の講師をやっていた時分、毎年卒業式に出席していた。講師は入学式には出席しない。もちろん呼ばれもしないが、卒業式には事務からも声が掛かるのである。 当日は講師も半分くらいは出席して、例えば進学が危ぶまれた生徒についてしみじみと語り合う。…

松本清張『ゼロの焦点』(3)

3月16日付(1)に示したように、新潮文庫版が次の映画公開の頃に、尋常でないペースで増刷されている。そこで、この映画も見て置こうと思ったのである。 ・犬童一心監督『ゼロの焦点』 平成21年(2009)11月14日公開。 パッケージ(裏側)に「日本ミステリ…

『男はつらいよ フーテンの寅』(1)

2011年3月8日から9日に掛けて準備したもので、2011年3月9日付「予告編について」に続いて、余り日を置かずに投稿するつもりであったが、11日の地震のためにそのままになってしまった。 その後、「男はつらいよ」シリーズは第20作までは大体(多分1作か2作抜…

松本清張『鬼畜』(11)

昨日の続きで、桂千穂+編集部「松本清張映像作品 サスペンスと感動の秘密(メディアックスMOOK448)」から、映画「鬼畜」の助監督松原信吾(1947生)に対するインタビューの、3節めの2段落め(065頁中段4〜20行め)を見て置こう。 余談ですけど、/当時…

松本清張『鬼畜』(2)

・サウンドトラック 音楽は芥川也寸志(1925.7.12〜1989.1.31)。「八つ墓村」・「事件」・「鬼畜」サウンドトラック~野村芳太郎×芥川也寸志アーティスト: 映画主題歌出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック発売日: 2007/08/22メディア: CD購入: 1人 ク…

松本清張『鬼畜』(1)

・映画 昭和53年(1978)10月7日公開。野村芳太郎(1919.4.23〜2005.4.8)監督、脚本は井手雅人(1920.1.1〜1989.7.17)。鬼畜 [DVD]出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 1998/10/21メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る鬼畜…

角川文庫の『竹取物語』(02)

・角川文庫6817(1) 竹取物語 (角川文庫)作者: 和田誠,星新一出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1987/08メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る星新一 訳『竹取物語』昭和六十二年八月十日初版発行・定価300円・190頁。 ここに出…

「陸軍中野学校」(1)

私はスパイ物の映画はこれまで殆ど観なかったので、新鮮な気持ちで市川雷蔵 主演/増村保造 監督「陸軍中野学校」を見た。昭和41年(1966)6月4日公開*1。 市川雷蔵(1931.8.29〜1969.7.17)も周囲に見ている人がいなかったので、未だに「大菩薩峠」「眠狂四…

予告編について

実家には長らくビデオデッキがなかった。その後、不況の折の現物支給とかで買ったものの、あまりいじらなかった。ビデオカメラは触ったこともない。録画もしないからVHSが衰退しても全く困らなかった。映画ならテレビで見れば良いという怠けた考え方で、…