2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧
昨日の続き。 ・鹿島則泰の鹿島神宮宮司退任(1) 鹿島則泰は、八丈島で名前も伝えられていない女性から生れた。5月11日付(051)に見た鹿島敏夫『先考略年譜稿』にも引いたように、鹿島則文には八丈島に遠島になる前、既に妻(植松氏)鉉子がいたが子はな…
・鹿島則泰の歿年(2) 昨日の続き。――無位無冠布衣の者がいきなり問合せたところで、普通まづ相手にしてもらえない。そのために肩書きがあるのである。 世の中には大した業績でもないのに飛んでもなく脚光を浴びて上り詰めてしまったような人もいるし、特に…
・鹿島則泰の歿年(1) 鹿島則泰と云う名は別の調べ物の機会にも度々目にしたことがあったはずなのだが、特に注意を払うこともなく過ごしてしまったのだが、川瀬一馬が赤堀氏は鹿島則文の女婿と指摘しているのを見て初めて、5月10日付(050)に述べたように…
昨日、濤江介正近の年齢、それから正親同人説の参考になろうかと刀剣販売店がネット販売している「正近」もしくは「正親」銘の刀を取り上げて見た。 美術品には偽物が少なくないことは承知している。私が大学院の修士課程のときに学会発表し、博士課程のとき…
11月17日付(19)に触れた大沢都志夫「酒井濤江介正近について」(「刀剣と歴史」第六九三号)はまだ閲覧の機会を得ない。この間暖かかったときに油断して急に寒くなったために風邪を引いてしまった。女子高講師時代、一冬に一度は咽喉を潰していたのを思い…
・名和弓雄「沖田総司君の需めに応じ」(4) やはり細部に拘泥って当記事だけでは何のことやら分らぬことになるだろうから、この名和氏の文章の要領を得たい人は、東屋梢風のブログ「新選組の本を読む ~誠の栞~」の、2015/11/04「名和弓雄『間違いだらけ…
・名和弓雄「沖田総司君の需めに応じ」(3) 例によって細部に拘って何のことやら分らぬことになるだろうから、この名和氏の文章の要領を得たい人は、東屋梢風のブログ「新選組の本を読む ~誠の栞~」の、2015/11/04「名和弓雄『間違いだらけの時代劇』」…
・名和弓雄「沖田総司君の需めに応じ」(2) 昨日の続きで、まづ「捕物展」についてだが、もちろん昭和期の地方の百貨店の催事なぞは図録でも出していない限り、調べる手懸りがこれまでは摑めなかったのだが、国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲…
昨日の続きで、今回から名和弓雄『続 間違いだらけの時代劇』139~210頁「[4] 珍談奇談骨董談義*1」22節、その10節め、166頁10行め~171頁2行め「沖田総司君の需めに応じ*2」の内容を細かく見て行くことにする。 但し私はどうしても細々したところが気にな…
11月17日付(19)の後半で触れた、東屋梢風のブログ「新選組の本を読む ~誠の栞~」の、2015/11/04「名和弓雄『間違いだらけの時代劇』」に紹介されていた、名和弓雄(1912.1.3~2006.9.1)の次の2冊を借りて来た。 ・河出文庫『間違いだらけの時代劇』一九…
以下、2021年8月22日に書き上げて23日に補訂して、仮に「白馬岳の雪女()牧野陽子の小松和彦説?」と題して保存して置いたものを、殆どそのまま投稿する。 「白馬岳の雪女」については一昨年の秋、信越の古書店からネット注文で長野・飯田・富山で戦前・戦…
前回確認した長谷川伸『相樂總三とその同志』だが、出来れば依拠した資料に遡って、その原文を引用したいところである。但し原資料を探り当てるのは別に幕末にも相楽総三とその同志たちにも大して興味がある訳でもない私には甚だ面倒である。漸く国立国会図…
私は何も大和田刑場の存在自体を否定しようとしている訳ではない。差当り「三大刑場」云々と喧伝するのを控えてもらいたいと思っているだけである。 幕末に大和田刑場が処刑場であったことを窺わせるものとして、次の本の記述を抜いて置こう。 ・長谷川伸『…
どうも大和田刑場と云うものの実態がよく分からない。小塚原・鈴ヶ森に並ぶ「江戸三大刑場」などと云うのは今世紀に入ってから何となく定着してしまった、とんでもない与太だと思っている。そもそも「三大刑場」なる呼称にしてからが2000年までの相当数の文献…
・刀菊山人「濤江介正近という珍刀」(2) 昨日の続き。――刀菊山人こと宮崎三代治は以上のような調査結果を引提げて「福永先生」すなわち福永酔剣の意見を徴している。15頁下段5行め~16頁上段15行め、 ‥‥、福永先生にお伺いしましたところ、正近には二代/…
酒井正近は天保から明治初年に掛けて、八王子の南、武蔵国多摩郡小比企村に住んでいたらしい。 しかし北に隣接する武蔵国入間郡越生に移っていた時期もあったようだ。 もちろん、私はこの刀工のことを知っていた訳ではないので、国立国会図書館デジタルコレ…
さて、前回引いた後藤安孝「武州下原刀の研究(十九)」にて、後藤氏は酒井正近の処刑を明治三年(1870)、場所を「竹ノ鼻処刑場(八王子市新町)」としていた。 2022年11月7日付(01)に、東京都八王子市『ふるさと八王子』の「大和田河原の刑場」を取り上…
取っ組み合いの喧嘩などもう40年くらいしていないと思うが、私は大抵相手の後ろに回り込んで両腕ごと胴を絞めて身動き出来なくした上で、膝で尻を蹴ると云う戦法で、尻をドンコドンコ蹴りながら、飽くまでも言葉で相手の非を認めさせた上で降参させていた。…
前回見た「八王子大和田郵政宿舎」が建設される前にあった工場であるが、昭和15年(1940)6月設立の中野篩絹の工場である。 ・帝國興信所 編輯『帝國會社銀行要録』第三十一版(昭和十八年十二月二 十 日印刷・昭和十八年十二月二十五日發行・賣價 金 參 拾 …
・村下要助『生きている八王子地方の歴史』 道了堂について、遺族に会って、古墳の話(!)を聞いている、と云う件を取り上げるために紹介した本書だが、大和田刑場についても記述があるのである。 細目を11月5日付「道了堂(128)」に示した「いろいろな話…
・「月刊絵手紙」8月号/第104号(第9巻第8号通巻104号)平成16年8月1日発行・定価762円・日本絵手紙協会・148頁・B5判 仏間の硝子棚にあった。 甥の手紙が挟まる。 この号は『絵手紙で見る20世紀』第6巻(戦争の記憶)として書籍化されている。 この書籍版…
・講談社文庫 え 1 22 遠藤周作『聖書のなかの女性たち』昭和47年11月15日第1刷発行・昭和57年7月30日第21刷発行・定価240円・167頁聖書のなかの女性たち (講談社文庫)作者:遠藤 周作,矢代 和子講談社Amazon 祖母は遠藤氏の作品に興味がなかったものか、今…
・村下要助『生きている八王子地方の歴史』(7) 前回見たように村下氏は堂守・浅井としの娘に会って話を聞いているはずなのだが、残念ながら道了堂について具体的な記述を残していない。年齢的に浅井としが堂守を務めていた頃に参拝していてもおかしくない…
・村下要助『生きている八王子地方の歴史』(6) 昨日 HN「ご〜ご〜ひでりん」のブログ「古墳なう」に触れたのには理由がある。 道了堂は「大塚山」と云う山の頂上にあった。今、この「大塚」の「塚」を「古墳」の意に解する者はいない。しかし各地に「大塚…
・村下要助『生きている八王子地方の歴史』(5)正誤表 内容の確認で長くなった。本書は昨年来度々借りてその度に拾い読みして、大体の内容を何となく知っているような気分になっていたが、細目と図版の確認のため頭から流し読みをして、色んな意味で中々物…
・村下要助『生きている八王子地方の歴史』(4)細目と図版等② 昨日の続きで後半を見て置く*1。 161頁(頁付なし)「いろいろな話」の扉。「目次」9頁9行めには「三、いろいろな話」とあって「一、古代編」と「二、中世編」と同じ扱いだったが番号が外され…
一昨日からの続き。 ・村下要助『生きている八王子地方の歴史』(3)細目と図版等① 本書には道了堂に限らず再々触れることになろうかと思う。その際、一々章節を細かく上げるのは面倒なので、ここに細目を示して置くこととする。 21頁(頁付なし)「一、古…
昨日の続き。 ・村下要助『生きている八王子地方の歴史』(2) 本書は一種の奇書として現在でもネット上でたまに取り上げられている。素人の郷土史家・古代史愛好家が一気呵成に書き上げたもので、何だか勢いがある。自分語りが多いが、村下氏のキャラクタ…
この辺りで、道了堂や大塚山について、他書に見られない情報及び見解を示している本を取り上げて置こう。 村下要助『生きている八王子地方の歴史』昭和59年5月25日 発行・定価2000円・有峰書店新社・414頁・四六判並製本*1 地下たび族が書いた 生きている八…
・対談 昨日に続いて、司馬氏の対談・対談集を、相手・主題に関わりなく纏めた。いづれも昨年、早い時期に持ち出したので祖母の家の何処にあったか、もう覚えていない。 ・文春文庫105―36『日本人を考える 司馬遼太郎対談集』1978年6月25日 第1刷・¥340・…