瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

事故

赤堀又次郎伝記考証(063)

・鹿島則泰の鹿島神宮宮司退任(2) 昨日の続きで『鹿島人物事典』51頁上段2~11行め「鹿島敏夫」項を見て置こう。まづ見出し「鹿 島 敏 夫*1 明治四年(一八七一)―大正一五年(一九二六)」があり、最後の行は下詰めで〈鹿野〉とのみ、執筆者は鹿野貞一で…

赤堀又次郎伝記考証(062)

昨日の続き。 ・鹿島則泰の鹿島神宮宮司退任(1) 鹿島則泰は、八丈島で名前も伝えられていない女性から生れた。5月11日付(051)に見た鹿島敏夫『先考略年譜稿』にも引いたように、鹿島則文には八丈島に遠島になる前、既に妻(植松氏)鉉子がいたが子はな…

赤いマント(352)

・木村聖哉『竹中労・無頼の哀しみ』(7)生年月日⑰ 木村氏は昭和5年(1930)生説を採っているけれども、最後の「第十二章 別れの音楽会」でも、196頁6~7行め、 冒頭にも書いたが、私が竹中労さんと初めて出会ったのが二十五歳の時。その時、竹中さんは/三…

道了堂(111)

ところで、都内の民俗調査報告書などにも「オガミヤ」のことは出ているから、そのような存在が村社会にいたことは知識としては知っている。イタコとか、テレビの心霊番組に出ていた霊能者も、そして道了堂の堂守もそう云った存在だったのだろう。そう云えば…

大和田刑場跡(10)

ここで11月25日付「清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』(06)」に挙げた、『八王子ふるさとのむかし話』の大和田刑場跡に関する記述について確認して置こう。 ・清水成夫『八王子ふるさとのむかし話』巻一83~84頁<小宮地区>《12》大和田河原刑場(八王…

校舎屋上の焼身自殺(30)

投稿当初、「道了堂(50)」と題していたのだが、そうでない話題で長くなった。「学校の怪談」と卒業生、と題しても良いかと思ったのだけれども、例にはしているけれどももっと大きい問題を扱っているつもりである。そこで却って限定して、仮に、例の代表と…

白馬岳の雪女(093)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(3) 本書は12月20日付(091)に引いた「はじめに」に拠れば、昭和42年(1967)から原稿用紙に書き始め、さらに「広報はくば」に縮約して連載していたのを、好評につき纏めたものと云う。 「ものがたり」と題している…

白馬岳の雪女(092)

・石沢清『北アルプス白馬ものがたり』(2) 「もくじ」の最後、16頁下段3~7行めに下寄せで、 《写真・カット提供》*1 カバー表/森 肇 カバー裏/梨 子 田 真 口 絵/白馬村観光課 カ ツ ト/著 者 とある。石沢氏のカット・挿絵には「清」のサインがある…

赤いマント(321)

・朝倉喬司『毒婦伝』(2) 昨日の続き。 装幀その他は文庫版と比較する機会を得て記述することとしましょう。 取り上げられている毒婦は次の3人です。 ・5~127頁「高橋お伝」 ・129~245頁「花井お梅」 ・247~377頁「阿部定」 小沢信男 編『犯罪百話 昭…

閉じ込められた女子学生(27)

今朝、下りの通勤電車で、荷物挟まりの遅延があった。いよいよ混んで来た。いつもよりも1本遅い電車に乗ったせいもあるのかも知れないけれども。しかも、気温が高い訳でもないのに窓が開いていなかった。今朝など、窓から風を入れた方が気持ちが良いくらいだ…

閉じ込められた女子学生(26)

・「不思議な世界を考える会会報」(6) 本文比較の続き。要領は昨日の通り。 【B】夏休み前 ②70頁5~14行め 昔、といっても十年くらい前のことらしい。一学期の終業式が終わったあと、現像/室にひとりで入った部員の女の子がいた。写真のコンクールがあ…

祖母の思ひ出(04)

結局、祖母は最後には救急車で病院に運ばれ、そしてそのままマンションに戻ることはなかったのである。 しかし、私は6月26日付(02)の後半に書いたような事情で立ち会っていないので、話は聞いたけれども、正確なところを再現出来ない。 ただ、祖母の死を承…

阿知波五郎「墓」(15)

昨日の続きを上げるつもりであったが、前置きとして書き始めたら長くなってしまったので続きは次回に回すことにした。 * * * * * * * * * * 私がこの小説に興味を持ったのは、2016年10月4日付(01)に書いたように、怪異談の発端になっている、女…

elevator の墜落(3)

・吉行淳之介『恐怖対談』 昨日まで、企画について確認した吉行淳之介の「恐怖対談シリーズ」の1冊め、『恐怖対談』には10人のゲストとの対談が順に収録されているが、7月17日付「吉行淳之介『恐怖対談』(2)」に引いた文庫版の和田誠「解説」にもある通り…

elevator の墜落(2)

前回引いた『三田村鳶魚日記』昭和4年(1929)の四月十七日(水)条の、三越エレベーター墜落の真相ですが、この書き方では誰から聞いたのか分かりません。東京府豐多摩郡澁谷町金王の吉田冠十郎の家でこんな話が出たのか、それとも吉田家への往返に平音次郎…

elevator の墜落(1)

私は幸いにしてエレベーターの事故に巻き込まれたことはありませんが、Wikipedia「事故の一覧」項や「List of elevator accidents」項を見るに、稀に、扉が開いたまま昇降して挟まれたり、極稀に、籠が落下する事故も起こっています。停電等で途中で停止して…

『三田村鳶魚日記』(01)

【4月18日追記】「赤いマント」記事に使用する資料の確認と云うことで始めたのだが、赤マントに話が及ぶ前が随分長くなってしまった。これは別の記事にするべきだと思い直して、今更ながら『三田村鳶魚日記』に改称します。すなわち「赤いマント(172)」を…

閉じ込められた女子学生(20)

11月1日付「校舎屋上の焼身自殺(12)」から、2ch(5ch)のスレッド「美大の幽霊対決」に見える、女子美術大学の話を拾って見ることにして、11月2日付(18)で暗室に閉じ込められた話を見たことから、11月3日付(19)では別の美術系大学の類話に及んだのでし…

閉じ込められた女子学生(19)

2ch(5ch)のスレッド「美大の幽霊対決」の続きで、8月6日0時0分の「104」番の書き込みを切っ掛けとして同日の夜まで続いた書き込み群を見て置きましょう。 地下の写真現像室に夏休み前に誤って閉じ込められてしまい、/9月に発見されたときは無惨にも・・…

閉じ込められた女子学生(18)

2ch(5ch)のスレッド「美大の幽霊対決」の続き。 次に女子美術大学の名前が出て来るのは、2001年10月16日夜に「234」番が、 女子美の暗室に閉じこめられた生徒の話は出てないよね? これってそんなに有名じゃないんだ。 オイラ15年前のムサビ1年生の時、ム…

閉じ込められた女子学生(17)

2ch(5ch)のスレッド「多摩美卒業制作で焼身自殺」の続きですが、話題が違うので題を変えました。 2ヶ月過ぎて2002年4月17日夜に「43」番が「FROM名無しさan」というハンドルネームで、 造形の彫刻家の生徒が夏休み前に倉庫に閉じ込められて、/夏休み明け…

閉じ込められた女子学生(7)

昨日の続き。 さて、10月8日付(05)に引用した川奈まり子『実話怪談 出没地帯』27頁9行めに「都市伝説だなんてとんでもない」と川奈氏は述べていましたが、この書き込みをした「296」番は女子美術大学・女子美術短期大学の学生、女子美術大学付属高等学校・…

閉じ込められた女子学生(6)

昨日の続き。 川奈まり子『実話怪談 出没地帯』に引用されている「オカルト系のまとめサイト」の書き込みだけれども、典拠である2ch(5ch)のスレッド「大学にまつわる怖い話」の、2004年9月29日の書き込み「296」番とは異同があります。恐らく川奈氏が見た…

閉じ込められた女子学生(5)

最近「怪談実話」とか「実話怪談」とか「恐怖実話」等と称する本が多数刊行されているようです。しかしながら、私はこの手の本を殆ど手にしたことがありません。 私は2016年1月14日付「子不語怪力亂神(1)」及び2016年1月23日付「子不語怪力亂神(2)」に…

事故車の怪(17)

昨日の続き。 石丸元章『ウワサを追いこせ! 』にはもう1つ、9月27日付「石丸元章『ウワサを追いこせ!』(4)」にも挙げましたが、165〜171頁「1988年10月」に、1頁め(165頁)右上にCONTENTSと同文「堤大二郎運転の/事故4WDに/自殺した人の…

石丸元章『ウワサを追いこせ!』 (3)

昨日の続きで8〜14頁「1987年1月」について、もう少し確認して置きましょう。 8頁下段に、普通の注より一回り小さく、かつ本書には殆ど使用されていない明朝体で、 ×本文中の(P)は投稿者のペンネームで/「まるぴー」と読んでほしい。(本)は本/名で「まる…

山岳部の思ひ出(8)

昨日の続きで「田中康弘『山怪』(2)」と題して書き始めたのだが、高校山岳部時代の話が中心になったので改題した。――従って2017年4月4日付(7)の続きではなく、若干重複するところもある。 * * * * * * * * * * 私は高校時代山岳部員で、もち…

草津線高山踏切オート三輪衝突事故(2)

・「朝日新聞縮刷版」昭和二十六年五月號 No.359・昭和二十六年六月十五日発行(通卷第三五九号)*1 発生したのが何月か分からないが、三学期ではあるまいと考えて新年度の頭から眺めて行くと、昭和26年(1951)の5月号に出ていることが分かった。 すなわち…

草津線高山踏切オート三輪衝突事故(1)

・松谷みよ子『現代民話考|Ⅳ| 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』1986年1月20日第1刷発行・1987年2月20日第3刷発行・定価1800円・立風書房・373頁・四六判上製本 ・ちくま文庫『現代民話考[4] 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』二〇〇三年七月九日第一刷…

消えた乗客(1)

・大正期、大森駅近く、人力車 昨日久し振りに触れた岩佐東一郎(1905.3.8〜1974.5.31)の『隨筆くりくり坊主』には、怪談めいた話は殆どないのだけれども、52篇め、一八八〜一九五頁2行め「近所界隈」に、埋もれてしまった事故と、それに由来する怪談につい…