瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

泉鏡花『高野聖』の文庫本(4)

・角川文庫901(4) 本体について。改版十版と改版三十版は本体(285頁)はほぼ同じ。改版四十一版(281頁)は改版されている。 改版十版の表紙は明るい黄土色で網目の透かし模様がある。1月13日付「中島敦の文庫本(02)」で見た角川文庫294『李陵・弟子・名…

泉鏡花『高野聖』の文庫本(3)

・角川文庫901(3) 11月27日付(2)の続き。 改版四十一版について。書影は11月24日付(1)に貼って置いた。Amazon詳細ページのなか見!検索で「改版四十三版」の一部を見ることが出来るが、文字や写真を一部消去しており、発行日も「平成十×年八月十五…

芥川龍之介『羅生門』の文庫本(1)

・角川文庫14718『羅生門・鼻・芋粥』(1) 羅生門・鼻・芋粥 (角川文庫)作者: 芥川龍之介出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2007/06/23メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (22件) を見る【改版七版】平成元年四月十日初版…

泉鏡花『高野聖』の文庫本(2)

・角川文庫901(2) 11月24日付(1)の続き。 改版三十版は吉永小百合主演/坂東玉三郎監督の映画『外科室』を当て込んで、カバー表紙及び背表紙で「高野聖」の上に「外科室」を割り込ませている。映画チラシ 「外科室」監督 坂東玉三郎 出演 吉永小百合、…

新潮文庫『小泉八雲集』(7)

2月23日付(6)を投稿した後に、また改版が行われた。 ③平成二十四年三月三十日五十六刷改版(492頁)定価670円 ・平成二十四年十二月二十日五十七刷 定価670円*1 ①と②については、11月23日に二十五刷を追加して置いたが、今後も2月16日付(1)の一覧に追…

松本清張『文豪』(2)

11月4日付(1)の続き。 ・文春文庫(1) 文豪 (文春文庫)作者: 松本清張出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/06/10メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る・2000年6月10日第1刷(366頁)定価562円 ・2001年1月15日第2刷 定価5…

泉鏡花『高野聖』の文庫本(1)

私は怪談は好きだけれども、怪異小説は苦手である。柳田國男ではないが、如何にも頭で考えました、というような作為が、わざとらしさが、どうにも苦手なのである。鏡花はかつて大学の近代小説の講義を聞いたついでに『高野聖』を初版本の復刻で読んだが、私…

伊藤左千夫『野菊の墓』(1)

・新潮文庫880(1) ①昭和三十年十月二十五日発行 ②昭和四十三年四月十五日四十六刷改版(100頁) ・昭和五十二年七月三十日六十三刷 ¥120*1 ・昭和五十四年六月五日六十九刷 定価140円 ・昭和五十七年三月五日七十八刷 定価140円*2 ・昭和五十七年六月十…

岡本綺堂の文庫本(2)

・『白髪鬼』(1) 11月17日付(1)の続き。 ・光文社文庫(光文社時代小説文庫) 『白髪鬼 岡本綺堂怪談集』1989年7月20日初版1刷発行・定価388円・267頁。 本書のことは、2011年1月8日付「「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(04) 」で触れた。こ…

松本清張『岸田劉生晩景』(5)

・新潮文庫3021 本書を読んだのは、もちろん「装飾評伝」の関連で松本氏の岸田劉生観を見て置くためで、ついでに抱き合わされている作品も読んだのであったが、文庫版の収録作品のうち「鳥羽僧正」「北斎」と「筆写」は『松本清張全集』の生前に出た第二期ま…

松本清張『岸田劉生晩景』(4)

単行本の書影が表示されているAmazon詳細ページがあった。ここに貼り付けて置く。岸田劉生晩景 (1980年)作者: 松本清張出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1980/10メディア: ? クリック: 1回この商品を含むブログを見る 内容については11月18日付(3)の続きで…

真白き富士の根(1)

確か、昭和59年(1984)の夏だった。徒歩で早朝(当時の)自宅を発した私は、十二所から鎌倉に歩いて入って、浄明寺・雪の下・小町・大町・材木座から飯島の岬を和賀江島を望みつつ回り、小坪を経て逗子に入った。そして、逗子駅の東の踏切を渡っているとき…

松本清張『岸田劉生晩景』(3)

・新潮文庫3021 針生一郎が執筆している新潮文庫3021『岸田劉生晩景』の「解説」であるが、10月21日付「松本清張『小説日本芸譚』(1)」に「可笑しなことを書いている」と書いて置いたように、妙な勘違いをしている。すなわち、234頁9〜14行めに、 「岸田…

岡本綺堂の文庫本(1)

・『影を踏まれた女』(1) ・光文社文庫(光文社時代小説文庫) 『影を踏まれた女 岡本綺堂怪談集』昭和63年10月20日初版第1刷発行・定価427円・285頁。 カバー背表紙、黒地に白抜きで上部に「お|6-8|440 岡本綺堂*1」中央に「影を踏まれた女〈岡本綺堂/…

太宰治『女生徒』の文庫本(8)

・角川文庫863(7) 改版四十九版を見た。本体はこの前後の版に一致するらしい。カバーは安西水丸だが、前後の版とは少々違う。 【改版四十九版】昭和二十九年十月二十日初版発行・昭和四十三年二月五日四十四版発行・平成六年六月十五日改版四十九版発行・…

夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(15)

・角川文庫13390(3) 3月23日付(06)に貼付したAmazonの書影が手拭い柄になっていることは8月に気付いて注記して置いたが、その本を見ることが出来たので、ここにメモして置く。 それから本体についても、4月4日付(07)には193頁の注までしか記述してい…

松本清張「装飾評伝」(7)

森光子が死んだ。大学生の頃だったか、大学院の修士課程の頃、とにかく20代の頃、集金に来る新聞屋と懇意になって、洗剤は貰わなかったが舞台の券を貰ってときどき見に行った。1枚だけだったので貰えたのかも知れない。それで1度だけ森光子の舞台を見た。セ…

松本清張「装飾評伝」(6)

尤も、従来こういったことは問題になっていないから、いや、今検索してみるに北九州市立松本清張記念館の「松本清張研究」創刊号(2000)に花田俊典「「装飾評伝」の虚実」という論文(83〜95頁)が、「立教大学日本文学」99(2007.12.25)に川勝麻里「松本…

森鴎外『山椒大夫』の文庫本(6)

・角川文庫17400『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』(2) 11月10日付(5)の続き。 角川文庫695【五十三版】と角川文庫17400【改版初版】の、本体の方を比較してみる。 1頁(頁付なし)は文庫番号が異なるのみ。 五十三版は「目次」を3頁に収めているが、改版初…

松本清張「氷雨」(11)

この短篇「氷雨」については藤井淑禎の研究論文がある。だから、私は特に読解のようなことはやらない。 これはまず、北九州市立松本清張記念館の「松本清張研究」創刊号(二〇〇〇年三月三十一日発行・定価1429円・173頁)96〜107頁に「「氷雨」――男と女/手…

森鴎外『山椒大夫』の文庫本(5)

・角川文庫17400『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』(1) 2月18日付(1)に、旧版である角川文庫695について記述した。旧版「カバー 奥村靫正」の書影は2011年3月6日付「森鴎外『舞姫』の文庫本(1)」に貼って置いた。山椒大夫・高瀬舟・阿部一族 (角川文庫)…

太宰治『走れメロス』の文庫本(5)

・角川文庫1143 8月22日付(1)に、角川文庫1143の【改版四十七版】について記して、何ら具体的な記述をしなかったが、他の版も見たので、ここに補って置きたい。 【改版四十七版】昭和四十五年十二月十日改版初版発行・平成七年五月三十日改版四十七版発行…

四代目桂文團治の録音(6)

放送での、前後の川戸氏と桂米朝のやりとりも、『上方落語ノート』等の米朝師の著書に書いていないことも語られているようで非常に興味深いのだが、自分のものでもないのに何もかも文字起しをするのは流石に厚かましいので自重します。探して聞いて下さい*1…

四代目桂文團治の録音(5)

10月7日(4)の続き。 * * * * * * * * * * これらの録音だが、ラジオでも放送されたことがあって、ネット上に聞いた人の感想なども散見され、その録音を聞くことも出来る*1。 昭和51年(1976)3月14日に大阪の朝日放送ラジオで「帯久」が放送さ…

夏目漱石『こゝろ』の文庫本(5)

・角川文庫(5) 11月3日付(4)の続きで、角川文庫13391【改版十八版】と比較しつつ【改版二十七版】の手拭い柄カバーについて。この、てぬぐい専門店「かまわぬ」コラボレーションによる和柄スペシャルカバーについては、10月8日付「壺井栄『二十四の瞳…

松本清張『岸田劉生晩景』(2)

11月2日付(1)に、新潮文庫3021を紹介した。 実は、まず自転車で行ける図書館で借りて、メモを取ったのだが、返却期限が来てしまったので、これを返して、代わりに某区立図書館の蔵書を予約して借りてきた。11月2日付(1)を投稿したときにはこの区立図書…

松本清張『文豪』(1)

・上製本(一九七四年十月三十日第一刷・価一二〇〇円・文藝春秋・341頁) カバー表紙は文庫版のカバー表紙にほぼ同じ、従って文庫版と比較しつつ記述することとしたい。 カバーの文字は全て明朝体。カバー背表紙、上部に鶯色で標題、中央やや下に黒で著者、…

夏目漱石『こゝろ』の文庫本(4)

・角川文庫(4) 10月27日付(1)に書影を貼付したが、これは現在、手拭い柄である。以前、知人の持っていたのを見て以来久しく手にする機会がなかったのだが、先日漸く図書館で見付けることが出来た。平成に入ってから恐らく5つあるカバーを、これで全て…

松本清張『岸田劉生晩景』(1)

・上製本(昭和55年10月15日印刷・昭和55年10月20日発行・定価九八〇円・219頁・B6判) カバー折返しには何も印刷されていない。 扉はカバー表紙と同じ柄、1頁(頁付なし)「目次」、2頁(頁付なし)下部にゴシック体で「装画 正井和行」。3頁(頁付なし)標…

水村美苗『続明暗』の文庫本(5)

新潮文庫の一刷を見た。二刷と比較しつつメモして置く。 ・平成五年十月二十五日発行(381頁)定価505円 カバー、表紙は同じ。 カバー表紙折返し、見たことのないような形式で、新潮文庫がこの位置に著者紹介を入れるようになった嚆矢なのではないか、と思っ…