瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中勘助『銀の匙』の文庫本(10)

・角川文庫18599(2)
 本体について、角川文庫7496『銀の匙』二十九版と比較してみる。
 1頁(頁付なし)扉、角川文庫7496 二十九版は11.6×7.5cmの単郭、その上部に4.5×4.9cmの子持枠、横組みで上部に明朝体で「銀の匙*1中勘助」、下部に脚を揃えて翼を拡げた鳳凰、その下に「角川文庫 7496」漢字は丸ゴシック体、算用数字はベニスライト・フェース。角川文庫18599 改版初版は上下(間隔10.0cm)に子持線(7.6cm)があって、横組みで上部に明朝体銀の匙」、中央やや下にやや小さく「中 勘助」、下部に角川文庫7496 二十九版よりも一回り小さい鳳凰、その下に「角川文庫/18599」で字体は同じだがやはり一回り小さい。
 3頁(頁付なし)「目次」を見るに、作品以外の部分が差し替えられていることが分かる。
 5頁(頁付なし)は「前 篇」の扉。角川文庫7496 二十九版は7頁(頁付なし)で、4〜5頁には、2013年4月5日付(6)に指摘した、恐らく角川文庫7496 十八版にて増補された、中村明「あらすじ」があった。
 角川文庫18599は1頁17行、1行38字。既に示したように角川文庫7496は1頁16行、1行42字だった。
 章番号は2行取り5字下げの明朝体漢数字(全角)で、角川文庫7496は太字にしているが、角川文庫18599は大きくしている。
 最初の章は、章番号「一」の前に3行分空白、角川文庫7496は2行分だった。
 「前篇」の最後、下詰めの「大正元年初稿  」は、角川文庫7496 二十九版では126頁5行め、角川文庫18599では125頁9行め。(以下続稿)

*1:ルビ「さじ」。