瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中勘助『銀の匙』の文庫本(11)

・角川文庫18599(3)
 昨日からの続きで、角川文庫7496『銀の匙』二十九版と本体を比較してみる。
 昨日断るのを忘れていたが、角川文庫7496『銀の匙』初版の時点では4〜5頁に中村明「あらすじ」が挿入されていなかったので、以下の頁付が(十八版以降のものに比して)2頁若い。
 「後 篇」の扉(頁付なし)は角川文庫7496 二十九版・角川文庫18599ともに127頁。128頁から本文で章番号「一」の位置などは「前篇」に同じ。
 「後篇」の最後、下詰めの「大正二年初稿  」は、角川文庫7496 二十九版では191頁7行め、角川文庫18599では192頁12行め。
 続いて「注 釈」がある。角川文庫7496 二十九版は192〜195頁、1頁21行。角川文庫18599では193〜203頁、1頁20行。注の示し方は同じで、項目の最上部に半角漢数字で頁を示す。最大3桁なので1桁の頁は数字の上に1字分空白。ついで「*」がある。同じ頁に複数の注がある場合、2つめは漢数字を示さず空白になって「*」。「*」のすぐ下に注釈を加えた語を示し、1字空けて注釈文。2行に及ぶ場合は2行めは2.5字下げ。角川文庫7496は1行48.5字、角川文庫18599は1行47.5字。
 項目については岩波文庫版や小学館文庫版と合わせて検討することにする。
 「解 説」は角川文庫7496 二十九版は196〜203頁、角川文庫18599では204〜210頁(10行め)。後者は川上弘美「解説」のみだが、前者は何故だか、196頁2行め〜199頁(14行め)が平岡敏夫「比類なく美しい幼少年期の物語」、200〜203頁(13行め)が郷原宏「永遠に錆びない『銀の匙*1」の2つ。
 角川文庫7496 二十九版は頁付があるのはここまで。奥付の前の白紙の頁については2013年4月4日付(05)に述べた。角川文庫18599には211〜222頁、2段組の「年 譜」がある。(以下続稿)

*1:ルビ「さ」。