以前、女子高で現代文を教えたことがあって、それはそれは、楽しかったのである。
今はもう離れてしまったけれども、そんなこともあってふと図書館で映画DVD(HDリマスター版)を見掛けて借りて見たのである。
以前なら『ガラスの仮面』や『野菊の墓』を借りるのが恥ずかしかったくらいなのだが、もう度胸も付いて、……いや違った、自動貸出機があるので返すときは顔を合せないといけないが、借りるときに恥じらう(?)必要はなくなったのである。
それで、原作も読んで見た。
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それはそれは楽しかった、と書いたけれども、――しかしそれも昔の話だ。私もまだ若かったし、当代の院生が置かれている状況を理解せずに、その昔、自分が踏んで今の地位を確保するに至った、古びた成功体験を押し付けようとする教授陣との応対に疲れ切っていたところだったので、好奇心に富む乙女たちに、豊富な話題を機知によって繋ぎ合せて、教材から時にあらぬ方角へと膨らませた授業を倦ませずに展開させて、――偉い先生たちはあんなにも話が通じないのに、どうしてこんなに話が通じてしまうのか、と自分でも驚きを禁じ得なかったものである。それですっかり張り切ってしまって、放課後に同僚に自転車を借りて、図書館に出掛けて使えそうな本を借りて来ては、講師室でプリントを切っていたものだった。
それで、たびたび大学入試について書いたりしたのである。――私の専門は近代文学ではなく古典なので、それにさすがに現代文はなくならないと思っているので、古典をめぐる状況について嘆じるような内容ばかりになってしまったけれども、高校で古典がないがしろにされている現状については2011年3月6日付「森鴎外『舞姫』の文庫本(1)」等に、小論文を書かせる入試の問題点については2013年2月3日付「謬説の指摘(1)」等に述べた。本当に古典は風前の燈火で、大学入試センター試験が廃止されるようなことになれば、もう終わりなのではないか。選挙ではあんなに聞いた「美しい国」とか「取り戻す」とか、全く聞かなくなってしまったが、そもそも現政権が日本文化を大切にしようという考えを持っていないことは、2012年12月29日付「宮尾登美子『一絃の琴』(1)」に指摘した。文部科学大臣は教育勅語を評価しているそうだが、現政権は明治期に国学者流の観念論から、いわば捏造された「日本」*7を実現したがっているので、……けれども、国文学界も大概、碌でもなかったことは入試関連ではたびたび書いて来たが、さらに予算制度と絡めて再説しようと思っている。予算制度の問題点は2014年9月29日付「講談社版「遠藤周作の本」の目録(2)」及び2014年10月27日付「浅間山の昭和22年噴火(19)」の、最後に触れたことがある。