瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

鬼島さん(1)

 所謂伝染する怪談である。2年ほど前に聞いたのだが、早い時期の例らしいので今日、改めて確認してみた。
三重県■山市の小学校の3〜4年生の頃(昭和51年度か52年度)の話。クラスの友人同士や他のクラスの人とかの間で盛り上がっていた。知ってる人に尋ねると「この話聞きたい?」と確認される。「聞いちゃうと出てくるから」。でも、聞きたくなくても周囲を話が回って来ていて、話題になっているから、やっぱり聞かないとみんなに乗り遅れると思って、勇気を出して同じクラスの友人に聞いた。」
 これが前置き。凡そ怖い話などを好まない女性なのである*1が、自発的に聞かざるを得ない状況に置かれてしまった訳である。
 なお「鬼島」という漢字を当てたが、これは話者が「きじま」はこの漢字だと思っていたからである*2

 鬼島さんは海に釣りに行ったときに魚に顔半分を食われて死んでしまった。
 この話を聞いた3日めの晩に、あなたのところに、鬼島さんが出て来ます。
 そのとき、鬼島さんが「お前はどこの人間だ」とか「お母さんの名前は」とか「年はいくつだ」とか、聞いてくる。
 それを答えてしまうと家族に害が及ぶ。殺されたりとか、事故に遭ったりとか、とにかく不幸になる。
 何を聞かれても「鬼島さんに聞きました」と答え続けると、何もなくて消えちゃう。


 以上が本題で、それからどうしたか。
「その日を含めて3日めなのか、翌日を1日めと数えて3日めなのか分からなくて、その2日、全然眠れなかった。眠れなかった理由には、鬼島さんは夢か、現実か、どちらかに出て来る。夢だと意識せずに答えちゃう可能性があるから、眠らずに待っていようと思っていた。しかし結局寝てしまい、夜中に一度、目が覚めてがたがた震えてたけど、結局鬼島さんは夢の中にも現れなかった。」
 誰かに話さないといけないとか、そういう決まりはなかったそうである。(以下続稿)

*1:2011年2月5日付「蓋にくっついた話(2)」の話者と同一人物。

*2:10月13日追記】投稿時には「木島」だったのを全て「鬼島」に訂正した。聞いたその場で作成した草稿を確認してもらったのだが、今日になって「鬼島」だと言い出した。怖い話なのでまともに見ていなかったそうだ。……どうしようかと思ったが、直した。尤も、飽くまでも「この漢字だと思っていた」というまでで、別にどういう字を書くかは、当時、話題になっていなかったとのこと。怖い話だから「鬼の島」の「鬼島」だと思っていた、と。