・ジェットウォッシャー
11月21日、家人に、昨日からジェットウォッシャー(Doltz EW-DJ-63-w)のチューブから水が漏れているのか、細かい飛沫が鏡に付くようになったと言われる。そこで寝る前に使ってみるに、持ち方が違うので私の場合、掌に当たるのだが、確かに漏れている。これまでのジェットウォッシャーも同様の故障により買い換えてきた。このまま使うと漏れが酷くなる一方なので、22日、今使っている機種は中古品しかない(しかも高い)ので、1つ新しい機種(Doltz EW-DJ-64-w)を注文する。最後の「w」は白(white)。
実家を出てアパート暮しを始めた頃、近所の歯医者に掛かって、そこで電動歯ブラシを奨められた。結構な値段だったが自分では上手く磨けないので購入した。その歯医者は、その後、しばらくしてから掛かったときに、顔が変わっていた。何だか変に若くなった。それから私らはアパートを出て、家人の祖母の家に近い今の借家に転居したのだが、替え歯ブラシは市販でなく当時は Amazon なぞもなかったので、その歯科に2回くらい、仕事の帰りに途中下車してしばらく元のアパートの方にてくてく歩いて買いに出掛けた。が、何度めかに出掛けたとき、がらんどうの空き家になっていた。どうしたのかと検索して見るに、どうやら1駅都心寄りの駅の北口に新しく建った高層ビルに移転したらしいと分った。住宅街の中の戸建ての1階で開業している普通の、町医者だったのが、どうしてこうなったものだが、何だか狐に摘ままれたような気分がしたものである。
しかし、それ以外の歯科関係の道具は、全て家人が使い始めたついでか、或いは後追いする形で使い始めている。ジェットウォッシャーもそうだった。いつだったか忘れたが、最初に買った Doltz は「EW 1250P-W」であった。 これは購入履歴が残っていない。Prime 会員に(間違って)なってしまう前だったのだろう。円筒形のものより保ったように記憶しているから、2015年くらいだろうか。2007年発売で、その頃の可能性もあるけれども。或いは、記憶していないけれどもその間に買い換えただろうか。「EW 1250P-W」と判ったのは、何故か箱だけを残していたからで、この際、紙ゴミにして捨てることにした。
そんな中、電動歯ブラシは私だけが使っている。これが20年程経った今でも動いているから、十分元は取れている。しかし、私の虫歯癖(?)は一向に改まらず、歯医者通いはその後も継続していて、6軒ほどの世話になっている。しかしそれでも、手磨きをするよりはマシなのである。
・スキャナ
丁度チラシが入っていた民間の回収日に当たっていたので、CD ラジカセとジェットウォッシャーとスキャナを出したのだが、CD ラジカセは無料で引き取るが他は2つで500円と言われた。一瞬どうしようかと思ったがそのまま引き取ってもらった。今でも市の粗大ゴミとどちらが安いかは分からない。
スキャナは Canon カラーイメージスキャナ CanoScan FB 121OU で、大学院生の頃、参加していた研究会がある作家の全集を出すことになって、私ら院生がデータ入力を担当させられたのだが、そのとき、かなり大部の本を割り当てられて、版本の影印(写真)本を見ながら、先行する活字本を参考に入力して行ったのだが、仲間の他大の院生に会ったときに「大変だ」みたいな話をしたら、スキャナを使わなきゃ駄目ですよ、と教えられて買ったのである。以後、活字本を文字データにして、しかし当時は文字化けが少なくなく、厳密に校正しないではいられなかった。もちろん版本が底本だから、担当者の教授が対照し易からしめるため、版本の行送りに合わせて改行した入力データを作成して行ったのである。
しかし、その後、私は学界から足を洗って、2つ程の叢書のデータ入力の分担を割当てられていたのを1つは断って、もう1つは協議の結果、継続みたいなことになったのだが、何故か自然に切れる形になって、それでもスキャナはたまに使っていたが、いつだったか動かなくなって、仕舞い込んだままになっていた。
・CDラジカセ
これも古過ぎて Amazon では表示出来ない。
これは、大学を卒業するときに、文藝サークルの同期で、北海道で就職することになった野郎からもらった。引越に際し、持って行かないからもらって欲しい、と云うことになったのである。SHARP のコンパクトディスク ステレオカセット[ブラック](QT-C300-BK)で、函もリモコン(使ったことはない)も説明書も揃っていた。大きくて重いので持ち帰るのは一苦労だったろう。しかし、当時の細かい経緯――私にだけ特に話があったのか、何処でどうやって受け取って、どう持ち帰ったのか、と云ったことは全く覚えていない。ただ、そのときに矢鱈と内田有紀を推していたのを覚えている。若い女性タレントは髪の毛で誤魔化しているが、内田有紀がショートにしているのは本当に綺麗だからだ、と主張して、当時実家住まいの私はテレビのチャンネル権を握っていなかったので、若者向けのドラマのことは全く知らず、かつアイドルにも興味がなかったので、内田氏は知っていたが、別にどうとも思っていなかったのだが、そんな私に妙にそんなことを言って来たのが印象に残ったのである。タイプだったのだろうか。しかし、昨今の内田氏の活躍振りを見ると、彼の炯眼に敬服の他はない。しかし久しく連絡を取っておらず、今どうしているのか全く分らない。そもそも北海道に行くことになったのが、私の兄が北海道の教員になって、他の都府県よりも倍率が低い、と云ったことを知って周囲に触れ回ったところ、何人か北海道の教員採用試験を受けて、合格して渡道して行ったのだったのだが。
私はそれまで CD の再生機器を持っていなくて、父のラジカセを借りて図書館で借りた落語のカセットを再生させて、ダビングもしていなかったのだが、以後、CD をカセットにダビング出来るようになった。Frédéric Chopin の 24 Preludes, Op. 28 を聞いて、これは俳諧(連句)ではないか、と思ったのが、吹奏楽部の兄の影響でない、クラシック音楽の聴き始めであった。
その頃、私は寝る前に桂米朝の落語を掛けて、聞きながら寝てしまうようにしていたのだが、この CD ラジカセはカセットのダビングは出来ないので、カセットは借りて来て聞くしかない。CD ならダビング出来る。それで、就寝の友としていた米朝の落語をそれまでちょっと遠くの図書館から借りていたカセット『桂米朝 上方落語大全集』から、CD『特選!!米朝落語全集』他に切り替えたのだった。CD も近所の図書館にはなかったのだが、ダビングしてしまえば借り直さなくて良いから、せっせと借りては、収録時間にテープの尺を合せてダビングして、気分に合せて好みの演目を好きなときに聞けるようにして行ったものだった。
しかし、その後実家を出て、更に転居して、CD はパソコンで再生して、取り込んだりするようになり、それに流石に枕許に置くには大きすぎるので、いつしか使わなくなり、階段下の物置の前に置いたままになっていたが、愈々処分することにしたのである。CD は入っていなかったがカセットは入ったままになっていて、TDK の CDing-Ⅱ(HIGH POSITION)50分でA面に「ぬけ雀」25分15秒、B面に「矢橋船」25分46秒、50分と云いながら少し余裕があるのを収めるのが快感(?)だった。ハイポジなのは別に音質がどうとか云うことはなく、三軒茶屋のディスカウントショップで安くなっていたから買ったと云うだけのテープである。幾らだったか覚えていないけれども。
他のカセットテープは仕舞い込んだままになっているが、ついに再生出来なくなってしまった訳だ。
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来年末までに今の家を退去することになったので、今後追々廃棄するものが出て来ることになる。本当に衰えてから「終活」するなんてのは無理で、ある物全てを今後も持ち続けて、何かに役立てる機会があるかと云うと、多分もうないことが判って来たので、これまで私は物を捨てられない性質だったのだが、どんどん片付けて行くしかない。で、思い出を少しばかり、書き綴って置きたいと思った次第。まぁ直前になったらそんな呑気にもしていられまいが。そうならないようせいぜい努めよう。(以下続稿)