瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮澤賢治『注文の多い料理店』(06)

・角川文庫924(4)
 7月25日付(5)にて、丸木俊のカバーの掛かった201頁の改版三十六版・改版三十七版を、昭和58年(1983)の改版と見当を付けた。7月24日付(4)に紹介した、飯野和好のカバーの掛かった201頁の改版四十五版・改版五十版も同版である。
 その次は、7月25日付(2)に紹介した、飯野和好のカバーの掛かった234頁の改訂新版(改訂四版・改訂十三版・改訂二十四版)だと思っていた。
 ところが、その後、改版四十五版・改版五十版と同じカバー表紙の「改版初版」があることに気が付いたのである。
【改版初版】昭和三十一年五月二十日初版発行・平成七年二月二十日改版六十二版発行・平成七年六月十五日改版初版発行(249頁)定価456円
 「平成七年六月十五日改版初版発行」ならば「平成八年六月二十五日改訂新版発行」まで1年と10日しかない。増刷があったのかどうか、あったとしても余り出回らなかった版だと云えよう。
 今手許にある改版四十五版と改訂新版と比較しつつ*1、メモして置く。
 カバー表紙、レイアウトは改版四十五版に同じだが、色が若干異なる。標題は赤茶色、著者名は紫色、絵の色調は明るくなっている。
 カバー背表紙、地色は黄色、改版四十五版との異同は最下部のゴシック体「角川文庫 470」のみ。
 カバー表紙折返しは改版四十五版に一致。
 カバー裏表紙折返しは2015年7月19日付「宮澤賢治の文庫本(4)」に紹介した、角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』改版五十四版に一致。
 カバー裏表紙、レイアウトは改版四十五版に同じ、バーコード1つめと右上1行め(ISBNコード)は一致、バーコード2つめ「1910193004701」、右上2行め「C0193 P470E 定価470円」細いゴシック体の定価の下にやや小さく「(本体456円)」と添える。中央にゴシック体縦組みの紹介文は9行めまで同じだが、最後の2行が「/ばしら」「鹿踊りのはじまり」を収む。」と異なっている。
 本体、アート紙の口絵は改版四十五版・改訂新版に同じ。文字の刷具合は後者に近い。
 1頁(頁付なし)扉は改版四十五版に一致。改訂新版は鳳凰が脚を揃え、羽を銜えていない。
 扉裏に(編集部)の断り書がないのは改訂新版に同じ。
 3〜4頁「序」。3頁にまず1字下げで一回り大きく「序」、改版四十五版は4行取り、改版初版と改訂新版は5行取り。4頁、改版四十五版は5行め、改版初版は11行め、改訂新版は9行めまで。
 5〜6頁「目 次」。5頁3〜11行めに収録9作品の題が並ぶ。異同は振仮名で「やまねこ/オイノもり・ざるもり・ぬすともり/ちゆうもん・りようりてん/からす・ほくと しちせい/すいせんづき・よつか////ししおど」改訂新版での追加を灰色太字で示した。1行分空けて1字下げ「付録『注文の多い料理店』新刊案内」が改版四十五版・改版初版は5頁12行め、改訂新版は6頁1行め、改版四十五版・改版初版の6頁1行め「注 釈」には担当者の名前がないが、改訂新版6頁2行めには下部、半角漢数字の頁の上に「大 塚 常 樹 」とある。次の行に「解 説」とあって、さらに3行、1字下げで3人の文章が並ぶが、1つめに改版初版のみルビ「しようがい」、3つめは改版四十五版・改版初版は石森延男宮沢賢治の作品」であるが改訂新版では早坂暁「注文の少い本」に差し替えられている。改版四十五版は次に「主要参考文献」がありが改版初版・改訂新版にはない。「年 譜」は改版四十五版・改版初版は担当者を示さないが改訂新版には「中 村  稔 」とある。改訂新版はこの7行めで終わりだが、改版四十五版・改版初版は次の行に、氏名は解説者たちと同じ高さで「挿絵 菊 池 武 雄」とあって、改版初版はこの前に1行分空白、この行のみ改版四十五版と同じ大きさの活字なのでここまでの行よりも一回り小さい。(以下続稿)

*1:投稿当初は改訂二十四版と比較していたが、改訂新版を見たので差し替えた。