瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

今野圓輔『幽霊のはなし』(10)

 一昨日からの続きで、第二章の3節めを見て置こう。
 98頁、章題と同じ大きさの明朝体、3行取り1字下げで「いろんな国の幽霊たち*1」とあり、さらに1行空けて、3行取り2字下げで一回り大きなゴシック体の項目名。要領はこれまでに同じ*2
  オーストラリアの幽霊祭*3(98頁2行め〜)
    イラスト、99頁上
    冒頭、98頁3行め〜99頁2行めを抜いて置こう。

 何かめずらしい名物、名所があれば、観光客がおしかけ、業者はもうかり、町が発展するのは、/日本だけとは限らない。*4
 オーストラリアには、幽霊の記念碑をたて、“幽霊堀”の看板をだし、毎年一回“幽霊祭”まで/やって、客よせをしようという町がある。シドニー郊外のキャンベルタウンがその町。*5
 シドニーといえば、ニューサウスウェールズ州の主都というばかりでなく、オーストラリア最大/の大都会。人口二百七十一万七千(一九七一年統計)。天然の良港をかかえた同国最大の工業都市なの/だから、けっして草深いいなかなどではないはず。そのキャンベルタウンの町で、「フィッシャー/さんの幽霊」を知らない人はいないという。*6【98】
 東京新聞(昭和37年5月20日中国新聞(昭和38年2月3日)/の報道によると――。*7


 Frederick George James Fisher(1792.8.28〜1826.6.17?)については、Campbelltown City CouncilのHP「Festival of Fisher's Ghost」に詳しい。大阪大学大学院文学研究科藤川研究室の「オーストラリア辞典」の項目「Fisher's Ghost フィッシャーの亡霊」には幽霊祭の記述がなく、事件そのものの記述も本書の方が詳しい。幽霊の出没場所は本書では市のHPと同じく「橋」である。なお、本書が「三月二日」とする祭(FESTIVAL OF FISHER'S GHOST)は、現在では11月に行われている。
  イタリア娘のヒッチ・ハイク(101頁4行め〜)
    イラスト、101頁上
    101頁5行め「イタリアのナポリ市に近いカステラマーレ村での話。」とある。
    出典については102頁7〜9行め、

 幽霊たちのヒッチ・ハイクは、このごろは、もっぱら真夜中のタクシーがおおいのに、オートバ/イの話はめずらしい。これはたぶん、朝日新聞の報道だったかと思うが、新聞名はたしかではな/い。昭和三十四年(一九五九年)春ごろの記事であった。*8

とあって、やはり記憶に頼っているようだ。雨中に美少女を乗せ、後日貸したレインコートを取りに行くと娘は2年前に死亡しており、レインコートは彼女の墓に畳んであったと云う話。
  縫いめがほどけたフランス紳士*9(102頁10行め〜)
    冒頭、102頁11行め〜103頁1行め、

 おなじヨーロッパでも、フランスからは、つぎのような、まったくめずらしい話が報道された/(毎日新聞 昭和37年4月23日)ことがあった。
 どこまでほんとうなのか、たしかめようもないが、いまから十年ほど前のフランスのブルターニ/ュ地方でのできごとだという。


    最後の段落、103頁9〜11行め、

 ヨーロッパの古い国々の例も、せめてひとつぐらいずつは紹介したいのだが、どうもてもちの材/料がいかにもすくない。それに、アフリカ関係の資料カードがゆくえ不明でみつからない。怪談の/本を書くと、きまったように、こうしたふしぎがつきまとうのも、あやしいことである。*10


    新聞・雑誌の報道から拾うとすると「いかにもすくない」と云うことになるであろう。
  東洋にあらわれる幽霊*11(103頁12行め〜)
    イラスト、104頁右上
    103頁13行め「東洋の幽霊話がなくてはお話にならないので、ふたつほどあげておこう。」
    104頁1〜14行めは「香港での話。*12」で、12〜13行めに、

‥‥、昭和四十一年/(一九六六年)十一月十九日の東京新聞に報道されていた。‥‥*13

    とある。
    そして105頁2〜7行めは、2〜3行め「マラヤのクラン町の看/護婦寮*14」での騒動。
    末尾に小さく「(毎日新聞 昭和38年7月19日)」とある。
  外国幽霊の特色*15(105頁8行め〜110頁11行め)
    107頁(頁付なし)は「西洋の幽霊たち」と題する図版。キャプションは横組み。
    右上「町にはいってきた鬼火(テグナア画)▼」キャプションは左、三角は右向き。
    左上「▼船 幽 霊(クビン画)」キャプションは上。
    右下「おれの国からきた幽霊(クビン画)/▼」キャプションは上左。
    左下「▲勝負をあざ笑う幽霊(ハイ画)」キャプションは右。
    108頁右上「悪魔 幽霊と妖怪の中間(ドーレ画)」キャプションは下。(以下続稿)

*1:ルビ「ゆうれい」。

*2:2017年1月8日追記11月10日付(03)で見た「も く じ」の節題の改行位置を、11月13日付(04)で見た第一章の1節め、11月14日付(05)で見た第一章の2節めのように示すつもりだったのを忘れていたので、補って置いた。

*3:ルビ「ゆうれいさい」。

*4:ルビ「めいぶつ・めいしよ・ぎようしや/」。

*5:ルビ「きねんひ・かんばん/」。

*6:ルビ「/てんねん・りようこう//」。

*7:ルビ「/ほうどう」。

*8:ルビ「ゆうれい・まよなか/ほうどう/」。

*9:ルビ「ぬ・しんし」。

*10:ルビ「/かいだん/」。

*11:ルビ「ゆうれい」。

*12:ルビ「ホンコン」。

*13:ルビ「/ほうどう」。

*14:ルビ「かん/ごふりよう」。

*15:ルビ「ゆうれい」。