瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

今野圓輔『幽霊のはなし』(09)

 昨日の続きで、第二章の2節めを見て置こう。
 93頁、章題と同じ大きさの明朝体、3行取り1字下げで「米ソの政治家たち」とあり、さらに1行空けて、3行取り2字下げで一回り大きなゴシック体の項目名。要領はこれまでに同じ。
  リンカーン大統領の亡霊*1(93頁2行め〜)
    イラスト、95頁上
    冒頭、93頁3〜6行め、

 東北地方の大新聞、河北新報のワシントン駐在特派員だった林記者がつたえてきたところによる/と、アメリカの首都ワシントン市の大統領官邸であるホワイトハウスには、第十六代、リンカーン/大統領の幽霊が出るという。*2
 三十三代のトルーマン大統領は、その著『ミスター・プレジデント』の中で、

 以下、Harry S. Truman(1884.5.8〜1972.12.26)の著書から目撃情報や靴音・ノックの音などの記述を引き、94頁14行め〜95頁6行め、

 ホワイトハウスにあらわれる亡霊は、かならずしも、リンカーンにかぎったものでもなく、また/民主党出身の大統領をなやますために、共和党出身大統領の亡霊が、夜な夜な出没するといういじ/*3【94】のわるい話でもないらしい。共和党出身の大統領でも、タフト/氏(二十七代)は、幽霊の出現におどろかされたというし、グ/ラント将軍や、ハリソン大統領の亡霊が、でたことがあるとも/いわれている。*4
 トルーマン大統領だけではなく、第三十二代大統領だったル/ーズベストの夫人も、つぎのようにかたっている。*5


 このEleanor Roosevelt(1884.10.11〜1962.11.7)が聞いた目撃談と彼女の解釈は省略。ここまでが林記者の記事らしいが、記事の出た日付は示されていない。そして、96頁9〜10行め、

 アメリカの幽霊話は、このほかにもすくなくないが、ソ連はどうも材料不足で、ほとんど報道さ/れていない。*6

として、次の項に繋げている。
  モスクワにあらわれた火の玉(96頁11行め〜97頁15行め)
    イラスト、97頁左上
    冒頭、96頁12〜13行め、

 ソ連の権力ある政治家だったベリヤという人が、罪にとわれて銃殺されてから十年めをむかえ/た、昭和三十八年(一九六三年)とうじの話がある。*7

とあって、ヨシフ・スターリン(1878.12.18〜1953.3.5)の側近であった、ラヴレンチー・ベリヤ(1899.3.29〜1953.12.23)の邸宅跡の怪異で、97頁6〜9行めに、

‥‥、昭和/三十八年三月二十日の朝日新/聞、海外トピックスはつたえ/ていた。

と出典が示されている。(以下続稿)

*1:ルビ「だいとうりよう・ぼうれい」。

*2:ルビ「かほくしんぽう・ちゆうざいとくはいん/しゆと・だいとうりようかんてい/ゆうれい」。

*3:ルビ「/みんしゆとう・だいとうりよう・きようわとう・よ・しゆつぼつ」。

*4:ルビ「/しゆつげん/しようぐん・ぼうれい/」。

*5:ルビ「/ふじん」。

*6:ルビ「ざいりよう・ほうどう/」。

*7:ルビ「けんりよく・つみ・じゆうさつ/」。