瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『黒い手帖』(2)

・中公文庫(2)
 昨日の続きで初版(七版)と改版の比較。
 カバー表紙折返し、初版(七版)は右上にエジプト・サッカラのジョセル王の階段ピラミッドを背景にした白黒写真、その下、右寄りに縦組みで「著者紹介」1行分空けて「松 本 清 張*1」、その下に明朝体縦組み14行(1行20字)の紹介文は(恐らく)2013年5月29日付「松本清張『野盗伝奇』(1)」に紹介した『野盗伝奇』初版(八版)に同じ。改版は写真がなくなり、紹介文は9行(1行25字)で全体に書き換えられている。
 本体、1頁(頁付なし)扉は2つの枠を組み合わせるレイアウトで初版は12.7×7.9cmと12.4×8.1cm、改版12.7×7.8cmと12.5×8.1cmで線が若干太い。下部中央のシンボルマークは一致。上部中央に明朝体横組みで3行、1行め「中公文庫」は初版は小さく、改版は太字やや小さい。2行め標題はともに太字だが字間が初版に比して改版はやや広い。3行めは太字でやや小さく、初版は「松 本 清 張著」とあったが改版は「松 本 清 張」である。最下部中央に初版「中央公論社」改版「中央公論新社」。
 2頁(頁付なし)改版は白紙だが初版は左下に明朝体縦組みで小さく「表紙扉 白井晟一」とある。白井晟一(1905.2.5〜1983.11.22)は装幀も手掛けた建築家。「表紙」はもちろん本体の表紙である。
 3〜4頁(頁付なし)初版「目 次」と改版「目 次」は3頁に3章めまで、4頁に残り2章を示すのは同じだが、初版は章の位置を示さず、節の位置を示すのに対し、改版は章の位置を示して節は題を示すのみで頁の位置を示さない。
 改版の活字は細く広がる印象であるのに対し、初版の活字は中央に寄ってやや太い。
 5頁(頁付なし)中扉、明朝体縦組みで「黒い手帖」とある。6頁は白紙。(以下続稿)

*1:ルビ「まつ もと せい ちょう」。