中村希明(1932.3.16生)の伝記については、著書等に見える略歴を2014年1月3日付「赤いマント(73)」や2014年9月16日付「遠藤周作「幽霊見参記」(2)」に引いて置きましたが、没年が分かりません。故人であることは2014年1月3日付や2014年1月4日付「赤いマント(74)」に引いたネット上の資料から明らかですが、時期が明示されていないのです*1。
他にも問題点として、小学校に入学した年を記憶違いしていることは2014年1月7日付「赤いマント(77)」に指摘しました。今回は、中村氏の中学生時代の回想を引いて、この辺りの確認をして見ようと思います。
・ブルーバックスB-783『怪談の科学 PART2 たたりじゃ〜』1989年7月20日第1刷発行・定価602円・講談社・207頁
163〜205頁「四章 現代の怪談を解く」、175頁11行め〜162頁「4 ポルター・ガイスト」の最後、181頁4行め〜182頁12行め「“ポルター・ガイスト秘話”」に、5〜6行め「 これまで他人の事例をあれこれ述べてきたが、実は、わが家にもポルター・ガイスト騒動がお/こる可能性があったのである。」と前置きして、次のように述べています。7〜13行め、
成人してから母に聞かされた話であるが、長男の私がまだ中学一年生のとき、北九州市で開業/医をしていた一家が、戦火をさけるため父の郷里である福岡県の山村に疎開したことがある。
無医村だったので、村からとりあえずの空屋を提供されていたが、いきなりの山里の農家住い/にとまどっているところに、父に召集令状がきた。
あてにしていた医者をすぐ兵隊にとられて、村の世話人も手のひらを返したように冷たくなっ/た。残された母は中学に入ったばかりの長男と幼い弟妹をかかえ、すこぶる不安な毎日を送って/いたらしい。
この辺りのことは既に取り上げた『怪談の心理学』にも記述がありました。(以下続稿)