・岩波文庫31-075-2(1)
- 作者: 横光利一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/02/15
- メディア: 文庫
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改版刊行直後、図書館の新着図書の棚で目にしたが、最近、改版前のものを目にしたので、比べて見た。
①1956年1月9日第1刷発行・2002年2月20日第3刷発行・定価600円・247頁。
リクエスト復刊のカバーで、カバーは本体の表紙と同じ。
第3刷と改版第1刷、カバー背表紙は幅が違うが他は同じ、最下部は分類票が貼付されていて不明。カバー裏表紙、左上のバーコードの1つめは同じ、2つめの下4桁「6001」→「6605」、右上1行め、ISBNコード、10桁、下1桁「-7」→13桁、下1桁「-2」、2行めCコード同じ、定価「\600E」→「\660E」、3行め「定価(本体600円+税)」→数字が「660」に。中央「岩波」の壺印。
カバー裏表紙折返しの「図書」の広告は一致。カバー表紙折返し、上部に縦組で「上 海」と題する紹介文で1行20字、第3刷は3行、改版第1刷は6行。改版第1刷には右下に「カバー = 中野達彦/カバーカット = バンドの風光。横光が夫人に/送った絵葉書より(部分)」とある。
1頁(頁付なし)扉は組み直されているが同じ、①は3頁(頁付なし)扉で「上 海」、②は3頁「目次」、5頁「序」で左下に小さく〔昭和十年〕とある。この「序」は①には収録されていない。本文は①は5頁、②は7頁から。章番号は2行取り、ゴシック体の漢数字で7字下げ、①は「一」のみその前に1行空白、②は2行空白。
本文、①は1頁18行、1行43字、本字・歴史的仮名遣い。②は1頁15行、1行39字、新字・現代仮名遣い。最初の頁の振仮名は同じ語に附されている。①は236頁まで、②は309頁まで。
①237〜238頁「初版の序」で「昭和七年六月」付。②311〜312頁にも同じ文が「付録/序〔初版〕」と題して収録されている。
①239〜247頁②313〜324頁、小田切秀雄「解説」で、②324頁3行めに〔昭和三一年〕と追加されている。②は以下の324頁の余白と325頁に「上海から千代夫人に宛てた横光の絵葉書/(昭和13年12月23日)」を掲載する。カバー表紙に部分使用されているもので、書込みがある。しかし昭和13年(1938)ではこの作品とは無関係で、書込みは「この部屋/が從軍/作家たち/の部/屋。」「佐藤春/夫金を/とら/れた/所。」「これが/僕の/部屋」と読め、支那事変(日中戦争)従軍時のものである。これについては、検索してみるに「毎日新聞」平成20年(2008)11月9日付の「横光利一 上海渡航時のメモ発見 日中戦争下の街、丹念に」という記事のコピペがヒットする。日本大学の井上聰教授が調査して、平成21年(2009)3月刊の「横光利一研究」第7号に報告するとのことだが、「横光利一研究」の目次を見るに、井上聰「横光利一、最後の訪中未公開手帳メモについて」が巻頭に、また口絵写真として「昭和十三年訪中・未公開手帳メモ」が掲載されている。機会があればこれらの資料も確認したい。(以下続稿)